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これから“学び”はどう変わるか~人生100年時代の始まり~

スキルアップAIは常に時代の先端で学び続ける人を支援していきたいと考えています。時代が変われば“学び”の形も変わっていきます。これからの人の人生のあり方や継続学習の重要性について、スキルアップAI代表の田原に聞きました。

ースキルアップAIは主に社会人の教育を行っていますが、いわゆるリスキルやリカレント教育について、どのように考えていますか。

まず、人生の変化についてお話します。現在は人生100年時代と言われていますが、この言葉は、ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏、アンドリュー・スコット氏執筆の『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』の中では「今後、寿命が100歳前後まで伸びていくにあたって、国・組織・個人がライフコースの見直しを迫られている」という内容を表す言葉として登場します。

「長生きしたくない」と思っていても、我々は確実に長寿化が進行する時代に生きています。例えば、上述の『LIFE SHIFT』の中でも1987年生まれの日本人の50%は、101〜103歳まで生きるとされ、こうした長寿命化の流れの中では、65歳で定年を迎えてリタイアという人生プランは描けません。

「教育→仕事→引退」という3ステージの生き方では、引退後の約40年間を経済的に支えられないですし、引退期間の不健康な期間が長くなるというのなら、未来に対してポジティブに考えることができないでしょう。

そこで、これまでの3ステージの人生に代わって前述の書で提唱されているのが、マルチステージという生き方です。マルチステージとは、20歳前後で社会に出てから、会社勤め、フリーランス、学び直し、副業・兼業、起業など、さまざまなステージを並行・移行しながら生涯現役であり続けるというモデルです。

マルチステージ化する長い人生においてうまく移行を重ねるためには、変化を恐れず常に学び続け、移行を遂げるための能力とスキルを身につけなければなりません。そのために、肉体的・精神的な健康のキープも重要で、家族、友人関係、趣味などにも重きを置き、積極的にネットワークを広げ、自分の興味関心のある分野を見つけ、没頭できる領域でキャリアを築いていかなければなりません。

ー長い現役時代を充実して過ごしたり、マルチステージの人生で移行していくためには、常に学び続ける姿勢が鍵となりそうですね。

こうした長期間のマルチステージの人生においては、継続的な学習がより重要になります。

また、昨今はVUCA時代と呼ばれる、不確実性が高く変化の早い時代となっています。デジタル技術の発展により、従来の仕事がAIやロボットに置き換えられる大きな流れが加速しています。また、先端領域でも日々新しい技術が出てきており、最先端だった技術がすぐに時代遅れになっています。

例えば、スキルアップAIの講座で扱っているAIの技術でも、画像系では、数年前はハンドデザインの構造が最先端でしたが,最近ではNAS(ニューラル構造探索,AutoMLのひとつ、GCPのAutoML Vision でサービス化)かTransformerが主流になっています。自然言語処理系では、言語からの特徴設計 + RNNが重要でしたが、今はTransformerやBERTが主流になっています。

このように、マルチステージ化する長い人生においては、若いときに学んだスキルだけで一生食べていくのは難しくなっているというだけでなく、日々新しいスキルと専門技能を獲得し続けることの重要性が高まっているのです。40歳になっても50歳になっても世の中で求められる専門を学び続けなければ、取り残されてしまいます。

だからと言って、60年以上に渡って気を張りながら仕事と割り切って学び続けることは不可能です。自分が情熱を燃やせて、興味の持てる分野を見つけ、メリハリを付けて楽しく学べるかが重要です。

ー企業側にもこれまでと違った姿勢が求められそうですね?

こうした個人を取り巻く環境の変化に対して、企業はどうあるべきか考えた時、従業員の“学び”に投資し、従業員が習得したスキルと企業のアセットを活かして従業員の自己実現と社会貢献ができる組織体との認識を持つべきなのだと思います。

つまり、これから必要とされる企業は、継続学習を楽しみ、努力する従業員に対して、学びの環境や成長する機会を提供し、それを仕事に活かしてもらうことによって、ステップアップしたり、会社のビジネスがうまくいくという企業なのだと思います。

こうしたことを理解せずに、従業員を労働力とだけ考えているならば、自主的に学ぶ従業員から選ばれず、急速に競争力を失うことになる。

また、ここでいう学びの環境というは、単にeラーニングで学習コンテンツを提供する研修ではなく、従業員が業務への活用をイメージでき、モチベーションを持てるようなものが求められます。

様々なレベルやニーズのコンテンツを、アイディアソン・ハッカソンや問題解決・デザインシンキング要素を盛り込んだ形式で行うということで、能動的な学習を引き出し、実務的なスキルと問題解決力の習得に繋げます。

学びの環境整備とは、強制的に学ばせる環境ではなく、能動的に学び続ける組織文化を定着させるかという試みのことを指していると言えるでしょう。

若いから勉強しなければいけない、マネージャーだから勉強しなければいけないではなく、どんなポジションにいようが変わらない。トップもトランスフォームしないと、組織はトランスフォームすることはあり得ない。トップもどんどん学ばないといけないということです。

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