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こんにちは。SCIENメンバーインタビュー企画を担当する松本です!
この企画では、SCIENにどんな人がいるのか。そして、どんな仲間と、どんなふうに成長していけるのか。そんなリアルで等身大のストーリーをお届けします。
今回は、博士課程でヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)を探究しながら、「感情支援」をテーマに研究と実装を架橋する小野さん。自身の“軸”を起点に、人の心に寄り添う技術を形にしていく姿を追いました。
きっと、小野さんの魅力とともにSCIENという組織の熱量と可能性が伝わるはずです!
◆ 「人を知りたい」— 研究とものづくりの軸
Q1:簡単にご経歴(入社前・現在はなにをしているか?)を含めて自己紹介をお願いします。
小野さん:
学部では、コウモリの超音波の出し方にヒントを得て、センシングをロボットに応用する研究からスタートしました。大学院に進んでからは関心が「人間拡張」へシフトし、身体的な拡張だけでなく、感情や心理・認知にも関心が広がり、“感情体験×人間拡張”というテーマに取り組んでいます。
修士では自分のアバターを目の前に出して“自分と対話する”体験を設計・検証しました。博士課程ではさらに踏み込み、感情調整が難しい人の“感情を支援する”ことを目的に、支援者向けのアバター体験の有効性を探っています。
あわせて、日記による感情整理を支えるアプリも開発中です。感情語彙が不足すると整理が進まないので、LLMで感情ラベリングを提案する仕組みを試しています。外部刺激が強すぎる今の時代だからこそ、評価を気にせず“自分だけに向き合う時間”を取り戻せる場をつくりたいと思っています。
ー 人の体験を“増幅”する道具としてITを捉える視点が、とても小野さんらしい。技術はあくまで手段、目的は「人を知る/助ける」にあるのだと感じました。
◆ 入社の決め手は「尊敬」と「実験できる自由」
Q2:SCIENのどこに魅力を感じて入社をしたのですか?
小野さん:
研究時代に一年間、“制作展示会”という実装中心の授業でチームを組んだ田端さんへの尊敬がまずありました。そんな尊敬している田端さんから声をかけていただき、インターン経験がゼロだったのもあり、ここならなあなあにならずにAIの知識を身に付けられると思い、入りました。
もう一つは、「やってみれば?」という自由。入社時、田端さんから「AI×心理でやってみよう」と背中を押してもらい、研究と案件の“重なり”を深掘りできる環境がある!それが決め手でした。
ー “尊敬できる同期”と“まずやってみる自由”。この2つが重なると、意思決定のスピードも学びの濃度も上がるのですね。研究と案件の「重なり」を自分のテーマで掘り下げられる、まさにSCIENならではの環境です!
◆ 「覚悟」よりも「続きがある」— 博士進学の理由
Q3:博士まで進もうと思った理由はありますか?
小野さん:
大仰な覚悟はなくて、修士で“やり切れていない”感覚が強かったからです。自分は同じ場所に留まり続けられないタイプでして(笑)ですが、分野は移動しても軸は変わっていません。その軸は、“自分の内的感情が生きづらさを生むとき、どう助けられるか”です。
研究者って結局、自分の“癖”を研究していると思うんです。自分の場合は他者評価を気にしがちで、完璧主義なところがある。だからこそ感情調整のメカニズムが気になるし、学術的には「人を知りたい」が本心。認知機能はどこまで柔軟で、どこに限界があるのか。失語など神経機能に差がある方との比較実験からどんな学びが得られるかが気になります。心理学の再現性問題や、脳の実装と遠いAIの現実も踏まえ、“根っこから考える感情支援システム”を組み立て中です。
ー “まだ続きがある”という誠実な違和感。そこに軸を据える姿が小野さんらしい。内的な生きづらさに寄り添うために、自分の「癖」をも研究対象にする視点が、研究と社会実装の両方を強くしているように思います。
◆ 架橋の難しさ:スピードと“考察の深さ”のせめぎ合い
Q4:アカデミアとビジネスの橋渡しで難しい点はありますか?
小野さん:
思考のスピードが違うことです。企業では昨日出た技術を今日届ける機動力が価値になる。一方で研究はじっくり人の心を観察したい。ときに「この考察の深さで世に出していいのか」と葛藤します。
ただ、プロダクトまで落とし込める手触りは圧倒的に楽しいです!学部時代に美容室のマッチングサービスを試したことがあるのですが、専門知識がないと心が踊らないと痛感しました。今は専門×実装が噛み合い、研究成果を社会実装へつなげられています。日本では研究と起業が分かれがちですが、両輪で回す文化をSCIENから体現したいです。
ー “速さ”と“深さ”はしばしばトレードオフ。しかし小野さんは、プロダクトで手触りを得ながら、心の観察を諦めないという両利きを選んでいる。SCIENから「研究×起業」を同時に回す文化を体現する、その中心にいらっしゃるのですね。
◆ 視座と行動力:一歩先を見る、違うベクトルで戦う
ここで、前回のインタビュイーの山中さんから第一印象を聞いてきました!
山中さんからのコメント
「小野さんは視座がとても高い。本質を一瞬で見抜き、解決策まで整理して提示してくれる。その思考の速さと深さに、何度も驚かされました。」
私も小野さんと会話をした際、他の人にはない着眼点をお持ちだと感じました。
Q5:普段から“一歩先”を見据えることを意識していますか?
小野さん:
自分はHCI(人とコンピュータの関係)の人間で、AIは“ツール”という立ち位置です。だから中身の数式より、それが人の生活をどう豊かにするかをいつも俯瞰しています。
あとは、私負けず嫌いなんです(笑)。同じ土俵で勝てないなら、違うベクトルで勝負する。学生時代、周囲に世界レベルのロボット開発者がいて、自分は心理・認知という別ベクトルで徹底的に伸ばす—そんな戦い方が性に合っています。自分がコミュニティの“トップ”になると成長が止まるので、常に上がいる環境に身を置くようにしています。
ー 同じ土俵で勝てないなら、土俵ごと変える。HCIの視点で「人の生活にどう効くか」を起点に勝ち筋を設計するから、議論が一段クリアになる。常に自分より上がいる環境を選ぶ戦略も、成長の加速度を生む小野さん流ですね!
◆ SCIENだから出せる“強み”
Q6:ご自身の強み、そしてSCIENだからこそ発揮できている点はありますか?
小野さん:
強みは大きく3つあります。
① 知見の“広さ”
技術だけでなく心理や多様な分野の知識を行き来しているので、課題を立体的に捉えられます。モデル精度だけでなく、常に広い視野を持ってあらゆる知見をフルに活かそうとしているので、プロジェクトの先を見据えることができます。
② 人を喜ばせる“体験設計”
昔から、人を喜ばせることがものすごく好きなんです。どうしたら利用者が喜んでくれるかを考え、それをサービスやプロダクトとして実現することが自分にとってモチベーションになっています。
③ “未来を語る”合意形成力
3〜5年先の風景をロードマップとして提示し、「今/中期/将来」の接続を具体化して「一緒にやりませんか?」と話を進めることが得意です。現在行っているプロジェクトでも、現在地の制約と中期の打ち手をセットで提案し、3年後、5年後を見据えた話を熱弁しました。
SCIENには、研究やエンジニア、営業も越境できる土壌があり、“コミュ力×技術力”の掛け算が自然に求められます。 横断力で問題を立体視し、体験設計で“効く”形に落とし、未来を語って仲間を巻き込む。SCIENという“越境が日常”の環境だからこそ、いちばん自然体で発揮できています!
ー SCIENで活躍する人には必ず共通点があり、それが「技術力以外の強み」を持っている人。自分の強みとは何か、それを自身で認識し言語化することで、SCIENでは次のステージへと飛躍できるのです。
◆ 「他にはない経験」— 小野さんのユニークスキル
Q7:他のメンバーにはない、自分にしかない経歴・特技・スキルはありますか?
小野さん:
中学の頃から防災教育の教材づくりに関わり、対外発表の場を多く経験してきました。クライアントの表情や空気で「今はこのスライドを1枚飛ばそう」と構成を即時最適化するのが癖ですね。
また、技術を説得するだけでなく、“AIと人がどう共生するか”という5〜10年スパンの視点を置くのも自分らしさですね。AIとどのような関係を持ち、人の生活がどう変わるのかという視点を入れて話すことが重要だと考えています。
ー 場の空気を読み、構成を即時最適化するリアルタイム能力と、未来において人とAIの共生を語る遠近両用の視点。この二刀流があるから、小野さんがいる議論は腹落ちし、合意形成がスムーズに進むのですね!
◆ チームとカルチャー:多様で、温かく、メリハリがある
Q8:SCIENのチームはどんな人がいますか?
小野さん:
バックグラウンドが多様です。心理、数理、医療、プロダクト…“ゴリゴリのエンジニアだけじゃない”のが良さ。特に驚かされるのが、みなさん本当に好奇心が強い!AIへの知識だけではなく、日常の生活からアクティブに新しい経験をしている方が多いです。
そもそもSCIENはインターン生をインターンらしく扱っておらず立派な戦力として扱う文化で、専門性の違うメンバーが当たり前に受け入れられている。だから化学反応が起きやすいんだと思います!
ー “エンジニアだけじゃない”多様性と、インターンも即戦力として扱う実装主義。この安心と負荷のバランスが、越境を日常化させる。だからSCIENで新しい組み合わせが次々に生まれ、学び合う循環が回っているのですね!
◆ 「好奇心」と「社会実装の意思」が交差する場所へ
Q9:これからSCIENに興味を持つ方々へメッセージを。
小野さん:
強い好奇心と社会実装への意思、その両輪を持っている人には、SCIENはたまらない場所です! 新しい技術を落とし込むのを目標にフレッシュな技術を強制的に知る必要があります。そのためスキルアップはもちろん、技術群が実社会にどう応用されるかを肌で体感できる。
ゴリゴリのエンジニアじゃない人たちだけでなく、技術×好奇心を大切に人の生活を本当に豊かにする技術を、一緒に問い直していきましょう!
小野さんの語る「研究者は自分の癖を研究している」という言葉が刺さりました。自身の生きづらさを起点に、他者の生きづらさと向き合う。人を知るためのテクノロジーを、SCIENから世界へ実装する姿は眩しいですね!
次回は強化学習を中心に大学院生として活躍する喜多村さん!彼の圧倒的な発信力と自走力をお楽しみに、、!