RITのメンバーを紹介するインタビューシリーズは、2024年9月よりBizdev事業部の事業部長に就任したエンジニアの喜多遼司です。エンジニアチームの中心メンバーの一人として数々の案件に携わる傍ら、新規事業立ち上げにも積極的にかかわっている中で感じる、RITという組織で事業に関わる魅力について語ります。
プロフィール
喜多遼司 立命館大学経営学部卒業後、2018年より株式会社RITにエンジニアとして参画。 現在はフロントエンド・サーバサイド全域の開発・運用に従事する傍ら、ベンチャーキャピタルでの長期インターンシップの経験から新規事業の積極的な立ち上げに関与している。
急遽オーストラリアからシンガポールへ! アポなし直撃訪問でインターンのポジションを手に入れる
ー学生時代はどんなことをされていましたか?
学生の頃はスポーツビジネスに興味を持っていました。同じ領域に興味のある友人とスポーツビジネス研究会を立ち上げて、JFLや地域、都道府県リーグの人達とスポーツ経営や観客動員を上げるための施策を検討するようなことをしていましたね。スポーツビジネスに関連したゼミにも属していましたが、もっと専門的に勉強したくて1年間休学し、オーストラリアのスポーツビジネスの専門学校に通うはずでした(笑)。というのも、実際に2〜3ヶ月ぐらい通ってみたら、思った以上に自分の学びたかったこととカリキュラムが合っていなかったんです。それでスパっと退学しました。
ーその後はどうされたのですか?
たまたま見ていたSNS経由で、知り合いが勤務しているシンガポールのベンチャーキャピタルの存在を知ったんです。シンガポールにある会社ですが、日本人が立ち上げた会社で、直感的にすごく面白そうだと思い、インターン募集を見つけてすぐ応募しました。でも一向に返事がこなくて。僕はこの会社に興味があってウズウズしていたので、もう飛び込んでやろうと、あたかも今日面接です。みたいな感じで、アポなしでシンガポールのオフィスに乗り込みました。HRの人にそんな予定はないと言われましたけれど、でももう来てしまったので、面接してくださいと押し切ったら、そのノリがウケたのか、ちょうどポジションもあるということで採用してもらいました(笑)。
ーめちゃめちゃ行動派ですね!
今考えたら無計画にも程がありますよね(笑)。この会社には最初は観光ビザで入ってそのあと就労ビザを取ったので、9〜10ヶ月ぐらい在籍していました。インターンの期間中はこのベンチャーキャピタルでは投資先のリサーチ業務などをしていました。もともと自分には起業してみたいという気持ちがあって。日本で起業する場合、日本人向けのサービスに発想が偏りがちだと思うのですが、東南アジアにいると、その特定の国ではなく、東南アジアという大きなマーケットで物事を考えます。国による文化や国民性の違いもあるので、何か一つサービスの立ち上げになっても、マレーシアなら、ベトナムなら……というところで、国際的にサービスを展開するための考え方が身に付いたじゃないですけど、なんとなく理解できたというのは一つ大きな収穫かなと思いますね。
とあるテックブログで転機を迎え、インターンからキャリアをスタート
ーその後日本に戻られたとのことですが、日本に戻られて何をされたのですか?
日本に帰国してから、ルームシェアをしていた友人と何かサービスを作ってみようという話になったんですね。その過程でWebサイトが必要、Webサイトを作るにはエンジニアの技術が必要ということで、どちらがエンジニアをやるか、じゃんけんして負けた方がエンジニアの勉強をするということで話がまとまりました。本当に学生のノリですよね(笑)。案の定それで僕が負けて、サービスを始めるために技術の勉強を始めました。この時は不動産関連や環境系の課題解決のためのサービスを考えていたのですが、規制や業界特有の知識がないがために、なかなか進められない状況に陥ったのと、友人が海外の大学院へ行くことになり、サービスはお休みということで、僕も就職活動を始めました。
ーいきなり独学でエンジニアの勉強を始めるというのはつらくなかったですか?
独学が好きな性分なんでしょうね。一人での勉強に抵抗はなく、すんなり入った気がします。ずっと独学でやっていると、やっぱり行き詰まるところもかなりありました。とはいえ、エンジニアの醍醐味であるモノ作りに楽しさを感じるようになり、インプットしてすぐアウトプットして……をひたすら繰り返しました。独学なので躓くけれど、それすらもワクワクして勉強を楽しめたんですよね。そんな自分の性格的に結構エンジニアは向いているのかもと思って、だんだんエンジニアにシフトを変えた感じです。
ーRITとの出会いを教えてください
就職活動をしていたものの、エンジニアとしての就職活動はほぼしていませんでした。当時Railsを独学していていたのですが、詰まるところがあって。それを解決するためにググって主にブログ記事なんかを参考にしたりしていたんですけど、その中でたまたまCTOの福田さんのテックブログを見たんです。その内容がちょうど僕のぶち当たっていた壁で、しかもすごくわかりやすく書いてあって。ブログの下にホームページのリンクがあったので、実際に会社サイトを見てみて面白そうだなとRITに興味をもちました。当時はまだ社員も少なくて、エンジニアとしての実務経験はないけれど、インターンで入れてくれないかなと思って応募したというのがRITに入社した経緯です。
ーそうだったんですね!
そうなんです(笑)。僕、RITにインターンで応募したんですよ。もうその時点でエンジニアへの方向転換を決めて、いただいていた別職種の内定を辞退していたので、もしRITで決まらなかったらニート確定だったんです。入社して2年間ぐらいは福田さんと一緒に自社サービスのVIRECの改修や運用をやっていました。2020年ぐらいから受託開発がメインになって、その過程の中で僕も1人で案件を受けるようになっていった感じです。
ー印象に残っている案件はありますか?
そうですね、いろいろな取り組みが実現できたということで、現在進行中である、家具メーカーのアダルさんとのプロジェクトが印象的ですね。その理由として、まず一つはプロジェクトマネジメントの部分で、お客様サイドからの要望やRIT側のこんな機能があったら便利だよねという意見が混在する中で、それぞれに優先順位を付けていく必要がありました。ただ、どうしても主観的なバイアスがかかりがちだったので、RICEスコアというフレームワークを使って、定量的に優先順位を付ける方法を取り入れました。この方法を活用することで、エンドユーザーにとって価値のある機能を効率的に選定し、プロジェクトを進めることができました。
また、QAのプロセスを見直したことも成果ですね。これまでは可視化されていなかった部分が多く、生産性も低かったので、ツールを導入して可視化を進めました。その結果、全体的にプロジェクトの効率が上がり、チーム全体の生産性も向上したと感じられるからです。
現在はクライアントの社内業務改善の提案を進めており、RIT社内で培った生成AIによる提案やコンサルティング事業部のメンバーと一緒にアプローチを検討したりと幅広くクライアントのニーズを捉えながら開発以外でもサポートさせて頂いております。
新規事業の疑似体験ができる、RITの受託開発ならではの面白み
ーもともと起業や新規事業に興味のある喜多さんから見てRITの環境はいかがですか?
事業の立ち上げにあたってニーズや実現可能性の調査を行う必要があるかと思いますが、そのあたりを会社が金銭的に負担してくれることは非常にありがたいと思います。やはり、そういった調査を怠ると仮説ベースで物事を進めてしまい、結果として事業の存続に関わることを経験上よく感じます。
例えば、コロナ禍前に起案した事業アイデアとして「タクシーを相乗りして通勤する」サービスを検討していました。朝の通勤に際して金銭的・時間的制限などがあるなかで、ユーザーが本当にタクシーで相乗りして通勤できるのかの実現可能性の調査が必要でした。Facebookで実現可能性の調査に協力してくれる田園都市線沿いの方を募集(RITでタクシー代は負担)し、私も同乗しタクシーで相乗りしてみました。結果としては、実現できそうだよねというポジティブな結果に至り、加えて女性のユーザーだと乗車場所を自宅付近ではなくプライバシーの観点で少し離れた場所に設定する傾向が見えたりと非常に良いインサイトを得ることができました。ただコロナ禍で相乗りできなくなったので事業化は実現できなかったですが(笑)
それにRITには今いるメンバーも、これから入ってくる人もですけれど、新規事業とか事業立ち上げに興味がある人が集まってくる場所だと思うんですよね。その部分でチームを組みやすいっていうのはあると思います。
ーRITのいいところはなんですか?
RITというかBizDev事業部の部分になってしまうかもしれないですけど、受託開発ならではの面白さがすごくあって、それこそ新規事業の経験が疑似的にできるところですね。前出のアダルさんはじめ、新規事業の案件というのは、結構引き合いとしてはあります。そうなると自分自身がゼロから立ち上げている感覚にもなるので、すごく経験を積みやすいと思うんですよね。なので、新規事業をやってみたいけれど、まだ経験がなくて悩んでいる人にとっては、まず経験をするっていう最適な環境と機会なのかなと思います。
やっぱりエンジニアがビジネス方面で活躍できる機会がある。それこそ大手さんだと、例えばインフラ系のエンジニア、フロントのエンジニアなど、エンジニアの仕事もかなり分業化されていると思うんです。でもRITはフルスタックエンジニアとして、インフラもサーバーもフロントも全域で活躍できるエンジニアを目指す方針は変わってないので、幅広く経験を積めて、エンジニアとしての能力や価値が高まっていくと思います。それに加えて、希望があればプロジェクトマネジメントやデザインなど、他のビジネス以外のところにもコンバートして経験できる機会を提供してもらえるのは大きいです。“挑戦”をすごく意識している組織だと思いますね。
ー目標はありますか
目標はやはり事業立ち上げというところですね。元々僕は入社の時に「5年以内に起業してやめる」と宣言したんですよ(笑)。
これまで取り組んできた事業開発の領域は自分が経験したことがない業界(交通、物流、看護..etc)が多かったため、仮説を立ててその業界の人にヒアリングしての繰り返しで詰まることも多かったので、今後は自分が経験してきた中で課題のある業界・領域に照準を合わせたいと考えています。
また、事業部長としても個人としても、一つひとつ成功体験を積むことが重要だなと考えています。特に自社プロダクトがまだ成長段階にある中で、チーム全体をプロフェッショナルな体制に引き上げたいと思っています。僕が目指しているのは、エンジニアだけでなく、デザイナーやPM、QA、マーケターといったさまざまな職種を横断的に統合し、0から100までお客様を伴走支援できるチームです。他の開発会社ではエンジニアしかいないということがありますが、RITでは他職種のメンバーと連携しながら包括的にお客様を支援できる組織を作っていきたいと思っています。
そのために、エンドユーザーにとって最適な解決策を常に探求できる人と一緒に働きたいですね。プロアクティブな提案ももちろん大事ですが、誰のためにそれを行うのか、つまりエンドユーザー視点を忘れないことが一番重要だと思います。クライアントに遠慮することなく、ユーザー目線で最適な提案を実現できる人材と一緒に働きたいですね。
最近は年一回の海外旅行を目標に仕事と子育てに奮闘しています!