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現役コンサルが自身の生態を告白!コンサルタント座談会

あなたはコンサルタントがどんな仕事をしているのかご存じですか? 今回はコンサルの仕事内容から細かすぎる日常まで、コンサルタントの生態に迫ります。

安武さん(マネージャー)
慶應義塾大学法学部を卒業後、コンサルティングファームにてマーケティング戦略、販売チャネル改革、基幹システム開発等幅広いプロジェクトに携わる。

須原さん(アシスタントマネージャー)
東京理科大学理学部を卒業後、コンサルティングファームにて、大手精密機器メーカーのBIシステム導入支援PJに従事し、基本構想~開発・テストまでの全工程にわたって支援。

石坂さん(シニアコンサルタント)
早稲田大学商学部を卒業後、金融系教育事業を行う事業会社にて、講師・新サービス立ち上げ・マーケティングを担当。2018年より株式会社RITにコンサルタントとして参画。

1.コンサルの仕事の流れと内容

他業界とは少し違う! 営業はパートナーと呼ばれるベテランコンサルタントの役目

Q:コンサルタントってどんなことをやっているんですか?

須原:コンサルってなにしているの?って聞かれると、説明が長くなるから絶対に最後まで聞いてもらえない(笑)。こちらも途中でもういいやってなっちゃうっていう(笑)。

石坂:そうなんだよね。まずはコンサルティング業務の全体的な流れを説明したほうがいいかな。まずスタートとして、いわゆるパートナーと呼ばれる50~60歳くらいのベテランコンサルがこれまでの経験や人脈を活かしてリードを獲得してきます。そのリードの困りごとや悩みをざっくり聞いて、お悩み解決のための提案を作ります

提案はパートナーとマネージャーぐらいの立場の人が先導して作り上げていきます。もしその案件が取れた場合、マネージャーは自ら案件をまわしていく立場になる事が多いので、提案も主体的に作っていく感じになります。

はれて案件受注となると、今度は体制(チーム)を組みます。大概の場合、リードを獲得してきたパートナーは月に1~5%程度の稼働でほとんど関与しなくなります。その代わりマネージャーが案件の舵取りをしていきます。少ないものだと20%週イチ稼働、多ければ100%稼働だったり、稼働率は案件によりけりですが、20~40%稼働で3~4つのプロジェクトを掛け持ちすることが多いですね。マネージャーの下には、シニアコンサルタント、ジュニアコンサルタントといった1~3名程度のメンバーがいます。人数はこれも案件によって変わってきますけれど、こんな感じでチームを組んでプロジェクトに臨みます。

最後、プロジェクトの終わりに最終報告があります。ただ、継続することも多いので、その場合は節目節目での報告になりますけれど、そういう時に皆さんがイメージするような激務になりがちです。まぁ、どんな業界でも納期前はてんやわんやするじゃないですか。そこに関しては別にコンサルだからというわけではなく、他業界の人たちと一緒で、忙しいっていうだけのことかな。


コンサルの仕事に共通して言えるのは、インプットを咀嚼して自分の言葉でアウトプットすること

Q:仕事内容について教えてください

石坂:基本的にコンサルタントの仕事ってお客さんとの打合せを中心に回っています。打合せをして、仮説を立てて、調べて、まとめてレポートして、、、の繰り返しです。マネージャーはお客さんとの打ち合わせの内容から課題を吸い出し、次回の打ち合わせに向けて、大体こんなストーリーで行くみたいな仮説をたてます。そして「このストーリーのこの部分を君調べといて」あるいは「この部分の資料作って」と、作業の部分をメンバーに割り振ります。メンバーに作業指示して出てきたものをレビューしてブラッシュアップして、またお客さんの会議に臨むっていうのをずっと繰り返しているっていう感じです。

マネージャーレベルだと、案件が複数にまたがります。お客さんも複数だし、プロジェクトもその中で複数に紐づいていたりして、常時4~5つのプロジェクトを掛け持ちすることになります。

須原:打ち合わせて出てきたことが次の打ち合わせにつながる部分はもちろんあります。もともと最初の提案段階で引いたスケジュールにあるタスクをやって、それがいつまでに終わるから、この打ち合わせではその結果をシェアしましょうみたいなスケジュールの部分と、打ち合わせで都度でてくるオンデマンドでやってく部分、その2つをマネージャは捌いていくというイメージですね。

石坂:マネージャーはプロジェクトの全体を見て全体の仮説を立てますけど、メンバーレベルだと一つのお客さんの一個のプロジェクトを担当します。メンバーはプロジェクトの中でも、ある特定の1ないし2の領域について深堀をするみたいなことが多いので、個別の領域についてもろもろ責任をもってやり遂げなきゃいけない。

マネージャーからメンバーに作業が割り振られますけど、メンバーレベルも「ジュニアスタッフ」と「シニアスタッフ」と分かれます。ジュニアスタッフは振られた仕事について、ある程度細かい指示やサポートが必要なレベル感なので、未経験で始めた場合はジュニアスタッフからのスタートというイメージですね。シニアスタッフは振っておけばそれらしいものが出てくるみたいなイメージです。

須原:基本的に外部から情報入れてアウトプットするっていうそれの繰り返し。いろんな人が言ってることを自分の中にインプットして咀嚼して、それを自分の言葉で書き換えてアウトプットするがコンサルっていう仕事の縮図かもしれない。

石坂:シャープに言語化するっていうのがコンサルの仕事の一つだよね。



2.コンサルタントあるある

議事録はコンサルのロマン

Q:「コンサルあるある」というのはありますか?

石坂:あるある…。えーっと議事録のレビューで心が折れる。

須原:それめっちゃわかる!

安武:議事録はね。。。メンバーレベルでもそうだし、マネージャーレベルでもそうなんだよね。どっちも心が折れてるんだよ、あれ。

須原:なあなあにしても書けるようにならないし、その人のためにもならないから指摘はするけれど、レビューするのしんどいですよね。ここの階層どうなってる? 構造違うよね? 主語と述語あってなくない? みたいなこととか。

石坂:そうそう、『てにをは』の文法レベルからつっこまれますし。

須原:コンサルの議事録で求められる日本語力って、普通の学生のレポートの日本語レベルとはかけ離れていて。自分が新卒の時もそうだったんですけど「あ、日本語使えねぇな俺」ってなりました。書けてるつもりだったけど、ぜんぜんダメだわみたいな。そこに大きなギャップがあるので、そこを埋めていく作業が両者にとって辛いと思います。

石坂:あと議事録を書く時、会議前によく想定議事録を作っとけみたいなことを言われます。それを作っておくと、議事録作成の時間短縮にもなるんですけど、長期的に見たときに、おそらくお客さんはこういう反応してくるだろうから、こういう言い方しなきゃなとか、そういうことに気を使うようになるんですけど、想定議事録を書くのも、そのトレーニングだったりします。なんか、議事録にはいろんなことが詰まっているんだよなぁ~みたいな。

安武:コンサルのロマンだな。

須原:ロマンなんて言えるほど、ピカピカしてないですけどね(笑)。

石坂:いろんなことが詰まっているけれど、ただただ心が折れる。

安武:議事録は縮図だよ(笑)。業界の縮図がいろいろ詰まっているよ。

須原:そんな気がしますね、ほんとに。あとはとりあえず書かせてみたら、言葉遣いとかでその人のレベルが分かる気がしますよね。ふわっとした、どうにでも解釈できるような伝わりにくい表現をそのまま書いちゃうとか、ちゃんとシャープに書けているなとか。

石坂:うん、わかるね。どれくらい理解できているのかその度合とか、ちゃんと構造化できてるよねとか。とにかく思考のシャープさっていうのは分かる。クライアントのふわっとした要望を的確に言葉で言い表すっていうのが、一つの仕事なので、そのためのトレーニングとして、議事録で正しい日本語の使い方を覚えるっていうのは超大事だよね。


分かっているけどつい出てしまう、細かすぎる指摘

Q:プライベートでも言動が細かくなってしまうのも、コンサルあるあるですか?

安武:議事録もそうだけど、とにかく細かく物事を考えるから、一般の人からこれだからコンサルは! みたいに言われちゃうのかもしれないね。なんか整合とれてないところにちょっとイラっとしちゃったりとか。そういう環境で育ったがゆえにそれが許せなくなって、人のそういうのまで目につくようになったり。それが度を越してる人はプライベートまで細かくなって人間関係がこじれたりとか、、、ね。

須原:自分結構プライベートのとき気を付けてますもん。変に細かいこと言わないようにしようとか。

安武:須原はだいぶ気をつけなきゃ!まだ出てるよ。ほんと細かい。

須原:まだ出てますか!?

安武:呑みだすとコンサルっぽくなる。

須原:きっと理性で押さえてるんですね。呑んで理性の優位性とか、、、アッ、今みたいに優位性とかいっちゃうところ?!

安武:そういうとこ! そういうとこ!

須原:きっとなるべく短い言葉で作ろうとするからですね。パワポとかつくってると、枠が限られているんで、熟語とか使いがちで。時々、日常会話でもポロっと出てきちゃうんですよね。

石坂:例えば『今日の朝』じゃなくて『今朝』って言えよみたいな。

須原:そうそう。他にも「さっき言ってたことと矛盾してませんか?」なんて言いそうになったり。不意を突いてそういう言葉が出てきちゃうんで、困ったもんです。

ライター:(戦慄……。)


「クライアントのバジェットにミートする」

Q:あるあるとして「コンサルタントは横文字使いがち」これは本当でしょうか。具体的にはどんな横文字言葉をよく使いますか?

石坂:うん。本当ですね。例えば「イシュー(issue)」とか。そんな出てこないか?

須原:「アンコントローラブル(uncontrollable)」は?あんま言わないかな? 横文字言葉はよく使いますね。ついつい出てきちゃう。

安武:使いすぎててあんまりよくわからないよね。つい出てるからさ。「クライアントのバジェットにミートする」は?

須原:これはなかなか秀逸ですね(笑)。

石坂:確かに「バジェット(Budget)」は言ってますね。

須原:予算でいいのにね。

石坂:予算の方が短けぇよみたいな。

須原:あっ、「デュー(Due)」とか言っちゃうかも。「デュー(Due)切った?」みたいな。

石坂・安武:言う! 言っちゃうね。

※コンサルあるあるについては「コンサルはマンション投資しがち」「マウスの使用はNG」「ショートカットキーを使いこなす」「離婚率高い」など話題がたくさんあり、書ききれないので割愛します(笑)。


3.だからRITでコンサルタントをやっている!

プロジェクトでいろいろな会社を見ることができるから、好奇心が満たされる

Q:コンサルという仕事の楽しいところ良いところとは何ですか?

須原:優等生的な回答をすると、なんかこうバイネーム(名指し)で褒めてもらったり感謝されたりする時は、やっててよかったなって感じますね。それが一番かな。

安武:プロジェクトでいろいろな会社を見れるから、好奇心が満たされるというのはありますね。もし普通の会社に所属していたら、見えないことがコンサルだったら見える。ちょっと世の中を知った気分になれるよね(笑)。

須原:たしかに! 自分も7年目になりたくさんの会社を見てきたので、「他社だとこうしてますけど」みたいな事が言えるようになって、ちょっと気持ちいいです(笑)。

石坂:いろんな会社を知るごとに好奇心は満たされるし、緊張感の中でちゃんと仕事してそれなりに頑張っていけば、それなりにできるようになるよねっていう。もし万が一RITが倒産して仕事がなくなっても、仕事は見つかるだろうなっていう気はするよね。


起業できるスキルをしっかり身に着けて、どんな社会環境になろうとも生き抜ける人材を育成する

Q:RITのコンサル部隊の今後の方向性について教えてください。

石坂:このパートは安武さんですよね。

安武:RITのコンサル部隊の今後の方向性ね。短・中期の方向性としては、直近ITデジタルの流れがきているので、そこを中心とした専門スキルや知識を身に着けながら事業開発や組織改革をクライアント向けにやっていくことです。

かなり長期的な目線でみると、個人的にはいずれコンサルタントがいらなくなる世界がくると考えています。情報の非対称性があるから、結局情報を持っているコンサルタントのような第三者がいるんですけど、徐々に情報の壁が取っ払らわれて情報交換が自由になっていくと思います。

そうなると、コンサルがいるメリットが減るので、そうなった時にどう生き残っていくか。放り出されてもしっかり自分の力で生きてじゃないですけど、自分で事業を作って生き抜く力が身につくようなコンサル部隊にしていきたいと思います。

そのためにまずはクライアントワークをしっかりこなしながら起業できるスキルをしっかり身に着けて、どんな社会環境になろうとも生きていける人材にしていきたいなっていう感じですね。

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みなさん、ありがとうございました! 一言で説明するには難しいコンサルタントの仕事。仕事を通じて多くの会社をみることで経済や社会情勢などの知見は大きく広がります。知的好奇心を満たしたい、そんな願望があるなら、RITでコンサルタントととして働いてみませんか?

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