連載「安武社長、本音聞いてもいいですか?」第11弾は、ちょっと踏み込んだ話です!
安武さん、8歳、5歳、4歳の男の子3人のパパです。そしてスタートアップの代表として毎朝9時からMTGが詰まり、事業の意思決定を重ねるという、多忙な毎日を過ごしていますが、どうやって仕事と家庭を回しているのでしょうか。今回は、プライベートの実態に踏み込みました!
ー 朝のルーティンを教えてください。
朝6時に起きて、まず「おはよう」とAIに打ちます。これが最初のアクションです。前日のタスク進捗と今日の課題が整理されて返ってくるので、それを眺めながら洗濯物を畳んで、米を研ぎます。この時、細かく読もうとしないで眺める感覚でいるのがポイントです。頭の準備を15分くらいかけてゆっくりやっています。
6時半には妻と子どもを起こします。うちは子どもを9時間以上寝かせるルールがあるので、6時半が起床時間になる。妻が朝食を作っている間に、子どもの勉強を横で見ます。長男が自分でできる日は後ろで見ているだけでいいんですが、だいたい何かしら揉めるんですよね(笑)。
問題は妻が寝坊したときで、そうなると朝食を作りながら勉強を見るというカオスが始まる。「目玉焼き焦げそう」「ちょっと待って」「9引く3は?」「焦げてる」と同時進行になって、最終的に誰かが泣くんですよ。AIがどれだけ優秀でも、この局面ではまったく役に立たないんです(笑)。
ー 一番しんどいと感じるのは、どのあたりですか?
朝ごはんを食べさせることですね。次男と三男がまだ未就学なんですが、口を開けない、こぼす、「いらない」と言いながら皿を押しのけてくる。自分もご飯を食べたいのに先に子どもを食べさせないと時間が足りない。ここが一番消耗します。毎朝イライラしながら食べさせているというのが、正直なところです。ここだけはAIも効かないので、耐えるしかないです。
7時50分になると、次男と三男を自転車で送ります。周りは車で来ている保護者がほとんどで、ママチャリで来るのはたいてい自分だけです(笑)。最初は恥ずかしい気持ちもありましたが、今はなんとも感じないですね。
8時20分に帰宅すると、そこからが本当のスタートダッシュです。以前は「MTGまで30分しかない」という感覚だったのが、今は「30分ある」と感じるようになりました。同じ時間なのに体感がまるで違うのは、朝の段階でAIがタスクを整理してくれているので、帰宅してすぐ「今日はこれとこれを進めてほしい」と指示が出せるからですね。受け取るじゃなくて決めて渡す感覚というか。この朝の動き方を固めてから、スタートダッシュが変わったと思います。
ー 最近子育てで焦ったエピソードはありますか?
息子が転校して、最初の漢字テストの結果を見た時です。頭が真っ白になりました。
長男はずっとインターナショナルスクールで、授業が全部英語。日本語の読み書きはほぼやらない環境でした。小2の冬に、本人が「日本語でみんなと話したい」と言い出して、公立小学校に転校したんです。背中を押したのは僕でした。
その最初の漢字テストが、13点だったんです。100点満点で、13点。
妻は声のトーンがすっと変わって、「どういうこと?」とだけ。あれはあれで怖かった(笑)。息子は息子で「間違えちゃった」くらいのテンションで、けろっとしている。この温度差がまた焦りをあおるんですよね。
ー 子育てと仕事が、ふと重なったことはありますか?
あります。あの13点から毎日漢字をやり直して、3か月で書けるようにはなったんです。でも翌週には忘れている。もっと楽しく続く方法はないかとアプリを試しても、本人の反応はいまいちで。「問題が全部同じ」「達成感がない」と言う。だったら作るか、と。
「どんなアプリがいい?」と聞いたら、「ランダムに問題が出て、正解したらポイント、間違えたら解説が出るやつ」と。具体的だなと思いながらAIにそのまま投げたら、1時間でできあがりました。
息子に見せると、5分触って「うーん」と首をかしげる。「ポイントが見えにくい」「字が小さい」「もっとゲームっぽく」。直して10分で更新版を出すと「よくなった」と言いながら、また「ここが違う」「こうじゃなくて」と意見が出てくる。
そのとき、ハッとしたんです。息子は今、プロダクト開発をしているじゃないか、と。使う側じゃなく、作る側に立って、要件を出して、フィードバックして、改善を待つ。僕たちが毎日やっていることそのものを、小学2年生が知らないうちにやっているってすごくないですか。市販のアプリを買い与えていたら、この体験は絶対になかったですね。
ー 両立のコツというか、仕組みで工夫していることはありますか?
「体力より消耗の少ない仕組み」を作ることだと気づきました。時間を増やそうとしてもどうにもならない。同じ時間で頭が疲れない状態を作ることの方がずっと効いてきます。
朝のルーティンもそうですし、仕事側でもAIを使って「人間が判断するところ」と「AIが処理するところ」を分けるようにしています。毎月少しずつ形が変わっていて、2か月前とは全然違う朝の過ごし方になっている。完成品を目指すというより、毎月改善していく感覚で動いている感じです。
あと、妻への感謝は言い続けないといけないなとは思っています。朝の食事を毎朝作って、子どもたちの学校準備を回して。自分が送迎している間に、もう家の中は動いている。「詰む」と言いましたが、詰んでいない日のほとんどは妻が支えてくれている。それは間違いないです。
ー 最後に、若手へのメッセージをお願いします。
キャリアとプライベートは対立しないと思っています。
子どもが3人いて、経営者を続けられているのは、たぶん「消耗を減らす工夫」を少しずつ積み重ねてきたからです。プライベートが仕事の解像度を上げることもある。息子のアプリの話がそうで、育児の中から「プロダクト開発の本質」を見る視点が生まれてきました。
若いうちから「消耗を減らすにはどうするか」を意識しておくと、仕事の量が増えても、生活が変わっても、長く動き続けられると思います。「今は仕事に集中する時期だから」と決めすぎなくてもいい。その時々に合ったやり方を探しながら両方やると意外となんとかなるものだと、3人育てながら経営していて思います。
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