限られた時間の中で、何を優先し、どう向き合うか。その問いに対する答えは、時期や環境によって少しずつ変化していくものです。連載「安武社長、本音聞いてもいいですか?」の第4回目は『オフ時間の使い方5選』です。多忙な毎日の中で何を大切にしているのか――その答えは、思いのほか日常の小さな楽しみの中にありました。
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ー多忙なスケジュールの中で、どんなことに時間を使っているのか、気になります。
よくある意識高い経営者のインタビューみたいにはならなそうですが、大丈夫でしょうか(笑)。最近はもちろん仕事も家庭も大切ですが、“楽しむこと”を意識できるようになりました。小さな楽しみが、結果的に仕事の活力にもつながっている気がします。
ー最初に思い浮かぶ“オフの楽しみ”って、どんなことですか?
『旅行』ですね。
ふるさと納税で取っていたチケットが今月末で切れることに気づきまして、いろんなところを巡っているところです。最近はよく星野リゾートに行く機会が多いです。
もともと関東近辺で気軽に行ける温泉宿を開拓しようと思っていて、草津や伊豆の方にも行きました。子どもがいるので、これまではプールや遊び場など、子どもが楽しめるアクティビティがある宿を選ぶことが多かったです。でも最近は、大人がゆっくりできる場所にも行こうと思って、広めの宿を探してのんびりするのを楽しみにしています。日常から離れると新しい発想が浮かぶことも多く、経営のヒントにもなっています。
ーほかに、休日で大切にしている過ごし方はありますか?
『子どものサッカー観戦』です。
長男がサッカーを習っていて、試合にも出るようになりました。頑張っている姿を見ると子どもの成長を感じて、応援にも熱が入ります。教えたり、一緒に練習したりしていて、最近はサッカーばかりやっています。
チームの練習が週4回ほどあるので、送り迎えをしたり、日曜日には親子で一緒にプレーする日もあります。次男も兄の影響でサッカーを始めました。いつも練習を見ていたので、「自分もやりたい」と言い出して。親子で一緒にスポーツができるのはうれしいですね。
ーご自身の時間として、リフレッシュや気分転換にしていることは?
『バスケットボール』です。
最近、息子の小学校のパパさんたちと小学校の体育館を借りてプレーしています。子どもも連れて行くことが多くて、バスケに興味を持ち始めました。「バスケもやりたい」と言い出していて、自分の趣味と子どもの趣味が重なってきたのを感じます。
もともと運動が好きなんですよね。ランニングも一時期やっていましたが、飽きてしまって続かなくて(笑)。 球技や水泳のように、家族で楽しめるスポーツが自分には合っているみたいです。
やっぱり身体を動かすと、単純にリフレッシュにもなるんですが、自然と頭の中が整理されて良いアイディアを思い付いたりしやすくなる気がします。
ー家族との時間以外にも、ちょっとした楽しみや息抜きはありますか?
『おいしいご飯を食べに行くこと』です。
両親が手伝いに来てくれたり、シッターさんが子どもを見てくれる日があるので、そういうときは妻と2人で食事に出かけます。近所のお寿司屋さんや居酒屋、バーなど、歩いて行ける距離のお店に行くことが多いですね。
子どもができると、夫婦二人で外食する機会って意識しないと減ってしまうじゃないですか。なので、意識してこういう時間を作ることって大切だと思っています。二人の時間といいつつ、たまに友人たちと合流することもあったりしますが(笑)。家庭が安定しているからこそ、仕事に集中できる。妻との時間は、僕にとって大切な時間ですね。
ーたくさんの人と関わるなかで、リセットしたいときはどう過ごしていますか?
『一人時間』を持つことです。
自分のルーティーンを振り返ってみると、平日は週3日在宅勤務で、火曜と木曜は出社しています。在宅の日は仕事をして、夕方に子どもの送り迎えをしたり、サッカーなどの習い事に付き添ったりします。子どもを寝かしつけた後に仕事を再開するのがルーティンです。出社した日は、夜に会食があったり、社員と食事に行ったりすることが多いです。休日は子どものサッカーか旅行のどちらかに時間を使っていたりするので、自分の時間が持てる日の夜は漫画を読んだり、スマホゲームをしたり、NetflixやYouTubeで動画を見たりしています。
漫画はスマホで読むことが多く、ジャンルはいろいろです。もともとゲームは好きなんですが、やり込みすぎるタイプのため仕事に支障が出るので、家庭用ゲーム機は封印しました。最近はポケモンのゲームにハマっています。子どもと一緒に始めたのに、気づいたら自分のほうが夢中になって、つい課金もしちゃってます(笑)。
意外と一人の時間にこそ、自分を客観視できる瞬間があります。社長という立場で常に人と接するからこそ、一人の時間はバランスを保つために必要だと思っています。
ー仕事とプライベート、いい感じにバランスがとれているようですね!
そうですね。20代のころは、とにかくがむしゃらに働いていました。30代になって、これまでの経験を活かしながらもう一段成長する時期を迎え、今は家庭と仕事のバランスがちょうど取れていると感じています。
もう少しバリバリ働かないといけないと思いつつも、家庭を持つと、どうしてもプライベートの比重が大きくなります。ただ、子どもがもっと成長していけば、いずれまた仕事に注ぐ時間も変わってくると思います。今は家族との時間を楽しみつつ、次のステージへの準備期間だと考えています。
これからも、その時々に合った最適なバランスを見つけながら、仕事にも家庭にもしっかり向き合っていきたいですね。