初対面の相手と商談をするのにいきなり本題に入るのもどうかと、世間話=アイドリング・トークをする人も多いかと思います。アイドリング・トークは場を温めることが目的なので、差し障りのないテーマが適している・・・と、世の指南書には書いてあります。でも、「まさか天気の話なんかしてませんよね?」と言うのは、あるトップ営業パーソン。なぜ天気の話がいけないのでしょうか?
「それは、天気の話題は往々にして答えが限定されてしまうからです。
『いいお天気ですね』 『そうですね』
『今年は雨が多いですね』 『多いですよね』
『暑いですよね』 『本当にそうですよね』
これでは会話が続きません。そして、仮に続いたとしても、お客さまご自身の話にはならず、後に何も残らないのです」
そうならないためには、どうしたらよいのでしょうか。
「聞き方を変えましょう」と、トップ営業パーソンは言います。相手の回答がイエスかノーか二者択一で限定されてしまう問いかけを限定質問(またはクローズド・クエスチョン)と言います。「クローズド・クエスチョンではなく、『何をされるのですか?』『どうしてですか?』というように、『拡大質問』(またはオープン・クエスチョン)にするのです。そうすれば、話が広がります。
オープン・クエスチョンにするためには、「どうして?」「何を?」というような質問をするとよいですよね。
『休みの日は何をしているんですか』『ジムに行くようにしています』
『何かきっかけがあったんですか』 『最近マラソンを初めて。フルマラソン完走が夢なんですよ』
このように聞けば自由に返答できるので話が弾むし、相手の考えていることや情報を引き出すことも可能です」
初対面の場合、話し始めて2,3分で、「この人はこういう人」というイメージがほぼ固まるといわれています。「話を広げるには、まずオープン・クエスチョン」と試してみてください。