2020年、7月10日。ユニラボの”コンパス”が改定されました。コンパスとは、ユニラボのバリューの呼び名です。大海原を進んでゆくユニラボ号の目指すべき方向を示してくれるものとして、従業員の判断基準となる行動規範になっています。
はじめてユニラボに「コンパス」ができたのは、2017年10月のことでした。オーナーシップとメンバーシップを掲げ、これから大きくなっていくユニラボを支えていく行動指針として広く浸透していたものです。それを、2020年になって改定。コンパスの中心に据えられた言葉、それは”まっすぐ”でした。
その裏側について、HRチームの森さんにお話を伺ってきました。
バリュー改定の裏には、大きな反省があった
――ユニラボにおいて”コンパス”はかなり多くの社員に浸透しているものでした。それを改定する、という決断の背景はなんだったのでしょうか?
「一言で言うと、今までの反省を踏まえてもう一度全員でバリューを作り直そう、と決めたからです」
――どのような反省があったのですか?
「もともとあったユニラボコンパスは、”オーナーシップ”と”メンバーシップ”という二つの軸を元に、それぞれ3つの行動指針がありました。もともとこのコンパスは、3年前に当初いたメンバーとボードメンバーだけで作ったものです。そこから会社が大きくなり、社員の半分以上が中途のメンバーで占められるようになってきています。より新しい価値観が社内に生まれ始め、以前作られたコンパスと、今のユニラボの価値観にギャップが生まれてきたんです」
――会社のフェーズや価値観の変化に合わせて再定義に踏み込んだんですね。
「そうなります。今回は必ず全社員でユニラボが大切にしている価値観をディスカッションして、重要な要素を抽出していこうと決めていました。行動指針となるものである以上、社員の納得感や腹落ち感はとことん突き詰めたかったんです。最終的にはシンプルな一つの言葉にまとめたかったので、そこからトップダウンで揃える形となりました」
――全体でのディスカッションから出てきたワードである”まっすぐ”。もともとユニラボコンパスにも入っていた言葉ですが、これにフォーカスしたのはなぜですか?
「多くの人がこの”まっすぐ”という価値観を大切だと感じていたことは大きいです。その一方で、代表の栗山、柴田とはコンパスを決める以上”社員にこれをやられたら困る”という逆の要素を入れていくことについても話していました。ユニラボにとって『まっすぐではない』ことはそれをされると会社としてバリューを出せないに等しい大切な価値観だと思っています」
――コンパスの重要なワードが”まっすぐ”になって、社内にはなにか変化がありましたか?
「実は、このバリューを発表するときに、『まっすぐ』と書かれたおまんじゅうやTシャツをメンバーに配ったんです。それはとても好評でしたし、みんな写真を撮ってくれていました。まっすぐという言葉に対する肯定的な反応は嬉しかったですね。
最近では、社内のミーティングやディスカッションの場でも「それってまっすぐだね」「それはまっすぐじゃないね」という言葉がよく聞かれるようになっています」
――言葉が行動を、行動が習慣を形作る。まさにバリューとしてふさわしい働きをしてくれているんですね!
バリュー浸透に向けて、人事部が果たすべき責務
――バリューを改定して、次は浸透させていくフェーズになっていきますね。どんな施策をしていく予定ですか?
「1on1をやってフィードバックをしたり、評価制度にこの”まっすぐさ”を含んでいくことも検討しています。新しいコンパスに対しての接点や、社員が意識する機会を増やしたいですね。
もちろん人事が主導としてやっていくものですが、各メンバーの中でも”まっすぐアンバサダー”みたいな人が生まれてくるといいな、と思っています。各ポジションにおけるまっすぐさとはなんなのか、その人がワークショップを開いていくような状態が理想ですね」
――バリューに対するフィードバックですか。取り組みとして、とても難しくありませんか?
「ユニラボではすでに1年前から心理的安全性を担保した1on1に取り組んでいます。部長と各メンバー間で定期的に行い、その一対一の会話の中では何を話してもいい、ということになっています。実行そのものはできているのですが、心理的安全性を保つために人事チームはその1on1の中身については把握していません。少なくとも、1on1の効果は可視化していかないといけないですね」
――バリュー浸透のゴールはどこに置いていますか?
「バリューとはやはり行動に現れ、事業成長に寄与するものでないといけないと思っています。具体的に組織をどうしていくかに関しては、これから丁寧に積み上げ考えていくべきだと思っています。間違いなく、ゴールは生産性を上げていくこと。まっすぐであることがユニラボ全体の成長に影響すると信じて、全社員にバリューが浸透していくためにこれからたくさんの施策を行う予定です」
――これからの人材採用に、今回のバリュー改定はどのような意味を持つでしょうか?
「圧倒的なバリュードリブンを目指していく以上、この”まっすぐ”という言葉に深く共感できる人を採用していくことがより大切になってきます。会社を変えられるくらい深く物事を考え、自分ごととして事業成長を考えられる人を採用したいです。
言われたことを淡々とやる、誰かに頼んだ結果フィードバックもしない。それは”まっすぐ”ではないですからね。日頃のコミュニケーションも仕事の結果も全て含め、まっすぐな人を採用していくことが至上命題になります」
「まっすぐ」であることが、いずれ社会を変えていく
――事業成長に寄与するための指針として設けられた「まっすぐ」というバリュー。それを浸透させていくことがHRチームの使命なのですね。
「そうですね。ただバリューを浸透させていくだけでなく、社内の生産性をあげていくことも同時にやっていく必要があると思っています。生産性を上げ、共通の価値観のもと同じ方向を向いて全速力で走っていく。そのためにHRチームがあり、採用があり、バリューがあるんです」
――バリュー浸透の目標は「ユニラボの事業が大きくなる」こと、その先に見据えているものはなんですか?
「ユニラボが受発注という領域にソリューションを提供できれば、それによって各企業様の生産性、ひいては日本のGDPを改善することにも繋がっていくと思っています。一社の人事としてだけでなく、日本経済への貢献を見据えたチーム作りが目標なんです」
――壮大な目標ですね! でもとってもユニラボらしいです。これからのユニラボの成長を支えていく人材採用で大切にしたいことはなんですか?
「ユニラボのカルチャーはまだまだ発展途上ですが、基本はカルチャーマッチする人材の採用を行っていきます。コンパスである”まっすぐ”にどれだけフィットするかが重要です。もちろん、ビジョンへの共感も大切です。スキルも、今のユニラボに求められているものを持っていることは必要になってくると思います。しかしそれ以上に一人一人の行動が組織を作っていくと思うので、全てのベースにバリューフィットがあることは揺るぎません」
――中長期的な組織の見通しと、ユニラボのこれからを教えてください!
「最終的なゴールとしては、受発注のインフラを創ること。これは創業当時から変わっていません。上場を目指しているので、そのための戦略と、戦略を実現できる人の採用と育成、組織の強化を常に突き詰めて考えています。
既存のユニラボのBtoB受発注プラットフォーム「アイミツ」は多くの可能性をもつサービスですが、既存の事業だけではやはりグロースさせるのには限界があります。だからこそ、新しいアイディアや視点が必要だなと感じています。
2023年の上場も、インフラを創るための通過点でしかないんです。IPOの結果社会的認知度を上げて、全ての会社が当たり前に使う”インフラ”になっていく。そのためのバリューであり、採用であり、それを加速させるため、人事チームがあると思っています」
(※こちらの記事はユニラボ公式noteからの転載です)