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初公開!『アサルトリリィ Last Bullet』1枚のイラストが生まれるまで

今年1月にリリースしたスマートフォン向けゲーム『アサルトリリィ Last Bullet』

本作では、ポケラボとしてファンの期待を超えるものづくりをするために、アニメ製作委員会に参加し、ゲーム開発だけでなくIP/作品制作にも主体的に関わるという挑戦をしています。

2月に公開したポケラボクリエイターが制作したファンアートを紹介した記事は、おかげさまでユーザーさまをはじめ、多くの方から反響をいただきました。
作品愛、爆発!ポケラボ社員が描く「アサルトリリィ」ファンアートまとめ

なにかまた違った形で、ファンの期待を超えるものづくりをするためのクリエイティブへのこだわりや取り組む際の姿勢を、より多くの方々に知っていただけたら嬉しいなと思い、今回は1枚のイラストが生まれるまでを紹介します。

『アサルトリリィ Last Bullet』には、バトルで使用できる『メモリア』というキャラクターのカードが存在します。
今回は、バレンタインキャンペーンの際の『甘い思い出』というタイトルの『メモリア』を取り上げます。

描かれているのは、郭 神琳さんと王 雨嘉さん。
とても親密そうな雰囲気でドキドキしてしまうシチュエーションですね……!

はじめに

今回は、1枚のイラストが生まれるまでを、大きく4つの工程に分けてご紹介します。

・構図
・キャラ大ラフ
・背景大ラフ
・清書

この記事では主に、

・各工程でどのようなことを考えているのか
・制作の際に気をつけているポイント

等についてお話します。

本記事は、今回紹介する『メモリア』のメイン担当であるH.Iさんにお伺いした内容です。
ラフ以降については主に監修を担当しており、他にも複数のキャラクター/背景の各担当者がいるため、アートディレクターを含む皆さんにもコメントをいただきながら紹介していきます。

構図

まず、シナリオ班からくる発注指示書を基に構図を制作します。

前提として、
・登場するキャラクターの関係性
・キャラクターがユーザーさまにどのような印象をもたれているか
・このカップリングで何を期待されているか
というところを一番に考えます。

その上で、今までの『メモリア』と比較して、
「これまでこういう表情はしていなかったから、今回はこういう表情をさせてみよう」とか、
「今回はこういうイベント/シチュエーションだから、こういう演技をするかな」とか、
キャラクターのこれまでにない魅力を引き出せるように意識しています。

今回のバレンタインの『メモリア』は、
特にユーザーさまに人気の高い神琳雨嘉の組み合わせ。

ユーザーさまの期待を裏切らず ストレートに期待にこたえたい!と思い、
結構濃いめの絡みにしました。
神琳雨嘉だからこその密接な距離感ですね。

この二人の組み合わせはアニメのエンディングや『メモリア』でも多く描かれているので、それとは違う距離感でつくりました。
具体的には次のキャラ大ラフの工程で確認いただきたいのですが、神琳が上着を脱いでいるところがポイントです。かなり親密な雰囲気がでているのではないでしょうか。

構図が完成したら、一度シナリオ班と擦り合わせを行います。
「この描写があるなら、こういう説明をシナリオにいれるといいかも」など、絵をベースにシナリオを調整することもあり、イラストとシナリオがより融合できるよう話をしています。

キャラ大ラフ

次のキャラ大ラフは、キャラクターをメインに簡単な背景と色をつくる工程です。

『アサルトリリィ』は、女の子達が濃厚に絡むシーンが多いIPなので、
今回の『メモリア』もその特徴が表現されています。

細かい仕草で「相手のことをどう思っているか」だったり、髪の毛のほつれなどでその場のリアリティを、イメージしてもらえるようにしています。

特に、髪の毛はデフォルメされたキャラクターだと毛束の数が明確に決まっていることが多かったりします。
『アサルトリリィ』の場合は、少しだけ毛束の数を細かくしたり、あるところから下の髪の毛をすっと落としたりと工夫できる部分があるので、細部にこだわり描くことが出来ています。

さて、ここでキャラクター担当の皆さんの意識しているポイントをご紹介します。

Hさん/キャラクター担当:
構図ラフの雰囲気をいかに崩さず、大ラフに落とし込むかは注意しています。
デッサンは直しつつも、丁寧に整えすぎると、絵の勢いや印象が弱まり魅力が落ちてしまうことがあるため、髪や布のなびき、ポーズの跳躍感をどう残すかがポイントだと思います。
Cさん/キャラクター担当:
イラスト/キャラクターに愛情を持つことです。
妄想も含めてキャラクターと向き合うことはモチベーションにもつながって、結果としてより良いものを生み出せると思います。
Kさん/キャラクター担当:
そのキャラクターらしさが出ているか、ということです。
ポーズの整合性もそうですが、仕草や表情などその子たちの主軸になっているものからズレていないか、ということを気を付けています。
Mさん/キャラクター担当:
よりキャラクターの魅力を引き出すために、『アサルトリリィ』らしいプロポーションや女の子らしい仕草を表現することを意識しています。特に太ももや指先はこだわって描写しています。

キャラ大ラフが出来たら、プロデューサー/シナリオ確認に出して、大きな違和感がないかを確認します。
IPの理解やユーザーさまにどう見せたいかのビジョンはやはりプロデューサーが一番考え抜いているので、困った時は相談して意見をもらうようにしています。

背景大ラフ

続いて、背景大ラフの工程です。

実際に背景を担当した2名のコメントをご紹介します。

Aさん/背景担当:
『アサルトリリィ』の世界観を壊さないよう、そしてキャラクターが引き立つような画面作りを心がけています。
あと、こっそり心がけているのは「実際にそこに行ってみたい」と思えるような空気感を大切にしています。
Nさん/背景担当:
実際にキャラクターがそこに居るかのような「臨場感が出せるような絵作り」を意識して制作しています。

二人のコメントにもありますが、背景の監修では、“キャラクターの実在感がつくられているかどうか” を特に意識しています。

具体的には、今回のイラストだと、

雨嘉の頭を枕に沈み込ませる描写をすることで、雨嘉自身の体重を感じさせつつ、神琳に身を任せていることを感じられる描写にしている
・手前にポットとティーカップを置くことで、事前に何をしていたのかを暗に示唆して、絵のカットの前後感を作っている

という部分が挙げられます。

構図からの大きな変更点がなければ、シナリオ監修はださず、この後の清書に移ります。

清書

ここからは外部の協力会社さまにも依頼させていただきます。
ポケラボでディレクションしながら、最終着地させる工程です。

ラフ部分までで、考えるべきところは決め切っているので、
ディレクションをする際は、mm単位で変わってくるキャラクターの細かいまつ毛の描写や輪郭のラインなど、かなり細かく見ていきます。

チェックバックは分業化されており、キャラクターの着彩、キャラクターの線画、背景…とそれぞれに担当がいます。

横で行われている担当外のチェックバックも確認していますが、顔の輪郭の線を実際に描いて、1ピクセル単位で修正依頼をだしていたりするんです。

ここで『アサルトリリィ Last bullet』のアート全体を統括するアートディレクターのTさんにも重視しているポイントを聞いてみました。

Tさん/アートディレクター:
・細かな部分のシチュエーションとしての説得力
┗風の方向が合っているか、視線が意味をなしているか、シナリオをユーザーさまが想像しやすくなっているかなど
・ポージング、表情の自然さ
┗実際にそのポーズをした時に自然かどうか、重心が合っているか、どこを見ているかわかるか、手先のポーズまで意識がいっているか、キャラ性とあっているかなど
・構図バランス
┗視線誘導ができているか、絵の中で何を見せたいかがわかるか、余計な部分に目がいかないかなど
・スマホの主要サイズとなる16:9上の見栄えが優先されているか

上記の観点は一部にすぎませんが、アートディレクターが『アサルトリリィ Last Bullet』の全てのイラストに一体感が生まれるよう、責任をもって判断しています。
※アートディレクターが考えていることは、今後聞いていただける機会がありそうなので別途予告させていただきます!

こうして、清書が完成します。

\\ つ い に 完 成 版 ! //

全体を通して大切にしていること

『アサルトリリィ』の制作全体を通して大切にしていることは、大きくふたつあります。

ひとつは、光と闇のコントラストを表現すること。

『アサルトリリィ』は可愛い女の子が楽しく過ごしてるだけでは勿論なく、
人類を破滅の危機から救うために『HUGE(ヒュージ)』と呼ばれる謎の巨大生命体と戦っているという世界観があります。

『メモリア』でみせる可愛くて楽しい描写の反面で、戦場があるということを常に忘れず、光と闇の両面のコントラストをきちんと表現することを心掛けています。

もうひとつは、『太もも』が特徴的な『アサルトリリィ』らしいキャラクターのプロポーションを大切にすること。

キャラクター担当の意識しているポイントにもでてきましたね。

原作者さまもかなり大切にされている『アサルトリリィ』の大きな魅力のひとつなので、ユーザーさまにきちんと伝わるようにこだわって描いています。

さいごに

まだまだお伝えしきれていないこともありますが、こんな風に本当に多くの人がかかわり、各クリエイターがさまざまな観点でこだわりぬいたものを、1枚1枚お届けしています。

私たちが制作する『メモリア』のイラストを通して、
『アサルトリリィ』ファンの皆さま、これから『アサルトリリィ』を知っていく皆さまが、より『アサルトリリィ』の魅力を感じていただければ幸いです。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。
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