【マネージャーインタビュー】「人生最後の立ち上げ」はピッツェリアの展開に全力を注ぐこと。元SMBC・シリアルアントレプレナーが400℃を選んだ理由
SMBC、起業・M&Aによる売却、急成長スタートアップでのCFOの右腕——波乱万丈のキャリアを経て、株式会社ヨンヒャクドの財務・経理・人事・法務までバックオフィスのすべてを一人で束ねる、コーポレートマネージャーの安廣哲秀さん。
「ここをキャリアの終着点にしたい」と語る、その裏にある熱い想いに迫ります。
安廣 哲秀 / コーポレートマネージャー
神戸大学経営学部卒。新卒で三井住友銀行(SMBC)に入行。その後、同期と共に起業しFinTech事業を展開、M&Aでマネックスグループへ売却。同社での新規事業開発を経て独立。フリーランスとして複数のスタートアップ支援を経た後、急成長スタートアップの立ち上げ期をCFOの右腕として、財務・経理から労務・法務・採用までバックオフィス全域を支える。2024年11月、株式会社ヨンヒャクドの設立に参画。財務・経理・人事・法務などを一手に担う。
「楽しい仕事が、絶対どこかにある」起業・M&A、そして「修行」の4年間
ーーまずは安廣さんのこれまでのキャリアについて教えてください。大手銀行、起業、M&Aと華々しい経歴ですが、もともとどんな考えでキャリアを歩んでこられたのですか?
最初はシンプルに「優秀なビジネスマンになりたい!」という憧れですね。社会の仕組みやお金の流れを知るには、まず経済の中心に身を置くべきだと考えて、新卒でSMBCに入行しました。
でも、働いているうちに自分の中で違和感が大きくなっていって。入行してしばらく経ったある日、一番尊敬していた先輩と二人で飲んだ帰りに、思い切って「仕事、楽しいですか?」って聞いたんですよ。そしたら「楽しくはないかな。でも続けてたら、可愛い奥さんとそこそこの年収と地位が得られるから、悪くないよ」って言われて。
その言葉を聞いた瞬間に「辞めなあかんな」と思いました。
そんな風になりたくなかったし、楽しい仕事って絶対どこかにあると思って生きてきたから。翌日、営業車の中で「やっぱり辞めよう」と決めて、そのまま帰って上司に退職を伝えました。
ーー退職後はどのようなキャリアを歩まれたのですか?
銀行の同期と一緒にFinTech事業を立ち上げました。運良く波に乗って、マネックスグループへM&Aという形で売却することになりました。
ただ、ロックアップが終了したタイミングで離れようとはある程度早い段階で決めていましたね。
M&Aで得られた経験は本当に大きかったんですが、やはり大きい組織に属していると自分自身がどれほど成長しているのか、という感覚が少しずつ鈍ってくる気がして。年齢的にもまだまだ頑張らないといけない時期だという危機感はあったので、別の環境に身を置こうと決意しました。
残ってほしいといってくれたマネックスグループ会長の松本さんには、今でも大変感謝してます。社交辞令かもしれませんが(笑)。
ーーその後、現在の400℃につながる「出会い」があったとお聞きしました。
大学時代からの友人の紹介で、急成長スタートアップのCFOである白石さんと出会いました。白石さんはもう本当にスーパー人間で。その友人がカリスマ的な経営者として周囲から見られているんですけど、一緒に働いてみると「これができてるのは絶対に隣に白石さんがいるからだ」とずっと感じていて。
業務委託という立場で入ったんですが、気づけばフルタイム社員以上の働き方になっていました。
財務経理だけじゃなく、月次決算、資金繰り、資本政策の補佐、労務、法務、契約、採用——コーポレートで起きる事象を白石さんと二人三脚で全部捌いていく日々で。最初は分からないことだらけでしたが、「白石さんに『できないやつ』と思われたくない」その一心で食らいついていきました。
約4年経った頃には、立ち上げ期の会社のバックオフィスをひと通り一人で組み上げられるくらいには仕上がっていました。決算も資金調達まわりの実務も労務も、必要なら全部自分で回せる。あの4年間で身につけた地力が、今の400℃でそのまま活きています。
400℃との出会い。「4つのピース」が揃った瞬間![]()
ーーセミリタイアも頭をよぎる中で、400℃への参画を決めた決め手は何だったのですか?
きっかけは紹介でした。「面白いピザ屋がある」と。正直、最初は全然乗り気じゃなかったんですよ(笑)。もう立ち上げはしんどいのわかってるし、いわゆる起業家界隈みたいなところに身を置きたくなかった(笑)。
でも代表の坪岡さんと話してみたら、気持ちが変わりました。
これまで関わってきた経営者の多くは、どこかビジネスドリブンで動いていました。「マーケットがどうか」「数字がどう見えるか」という視点が先に立つ人たちです。
でも坪岡さんは違った。「このピッツァが好きで、これを世の中に広めたい」という気持ちが、どの話をしていても滲み出てきて。プロダクトへの純粋な愛情が経営の出発点にある。その姿勢がすごく素敵だと思ったんです。
もちろん「マーケットが伸びているか」「利益率はどうか」という視点も当然大事だし、結果的にそこに行き着くのはやむを得ない部分もあります。
でも、トップの考え方の起点がどこにあるかで、会社のカラーは大きく変わると思っていて。坪岡さんみたいな人に出会ったのは初めてで、「こういう人が本気でやろうとしているピッツェリアなら、一緒に広めたい」と思えました。
ーー「事業・人・タイミング・スキル」の4つの確信という話も伺いました。
「事業」で言うと、プロダクトが圧倒的でした。
400℃の生地は、創業者の河本さんが40歳から、ピッツェリアには一切師事せず、「ピザは自分の人生を表すもの」と窯を買って独学で作り上げた唯一無二のもの。まずそのストーリーが面白い。そして何より、格別に美味しいです(笑)。400℃で働いている全スタッフが、アルバイト含めて全員「400℃のピザが世界で一番美味しい」と本気で思っている、そういうプロダクトです。
「人」は先ほどお話した坪岡さんのこと。
「タイミング」は、坪岡さんがまだ一人だった、創業期のフェーズに入れること。紹介ではありましたけど、そのタイミングで紹介されたことは素直に嬉しかったと今振り返っても思います。
そして「スキル」は、この数年、ベンチャーの立ち上げで培ったノウハウが100%発揮できると直感したこと。「あれもできる、これもできる」と、貢献できることが初めて坪岡さんと話した時からある程度見えたんです。結果、今となってはこれまでやったことない採用業務までやったりしてますが(笑)。
4つ全部が揃ったのは奇跡みたいなもので、今後二度とこんなタイミングは来ないと思い、「ここを人生最後の立ち上げにしよう」と腹が決まりました。
コーポレートのやりがいと、AIで変わった仕事のかたち
ーー現在はコーポレートマネージャーとして、どのような業務を担当されているのですか
肩書きはコーポレートマネージャーですが、実態は「何でも屋」です。
財務経理・人事労務・法務総務、採用面接、店舗運営のサポートまで、バックオフィスに関わる全てを坪岡さんと回しています。
このフェーズの会社のコーポレートって、業務の幅が本当に広いんですよ。今日は資金繰りを見て、夕方は採用候補者と面接、夜は契約書のレビュー、翌朝は店舗のオペレーション設計の相談に乗る——みたいな。
普通の会社で何年もかけて経験するような業務の幅を、毎週ぐるぐる回している感覚で、自分でも毎日アップデートされている実感があります。
しかも、自分の考えがそのまま会社の意思決定に直結する。逆に言うと、意思決定してタスクを前に進めないと事業がとまってしまう。ここは正直プレッシャーな部分もあるんですが、やっぱやりがいはとても大きいです。バックオフィスが単なる守りではなく、攻めるための守りとして機能する。これは今の400℃でないと絶対に得られない面白さだと思っています。
ーー最近、AIの活用も進められていると伺いました。
これがこの1〜2ヶ月で一番大きな変化です。坪岡さんが自ら旗をあげ、Claudeをはじめ、社内でAI活用を本格的に進めていて、自分の仕事のやり方が劇的に変わりました。
今までExcelとにらめっこして半日かかっていた月次の集計や、複数店舗からの請求書の取りまとめみたいな作業が、Claudeに任せれば数分で終わる。空いた時間で、これまで手が回らなかった仕組み化に頭と時間を使えるようになりました。
経理や労務の世界って「地道で泥臭い」イメージがあると思うんですが、それがガラッと変わりつつあるフェーズに、今400℃はちょうど乗っかっている。新しい仲間にとっては、AIネイティブな働き方をゼロから一緒に作っていける、すごく面白いタイミングだと思います。
ーーコーポレート側でも「Wowderful」な瞬間はありますか?
いっぱいありますが、やっぱり採用が決まった時ですかね。
このフェーズで入社を決めてくれた人って、将来の根幹メンバーになる人だと思っていて。店舗・非店舗かかわらず、これから長く一緒に働ける仲間ができるのは本当に嬉しいです。この年で友達が増えていくみたいな感覚ですね。
ーー社内の雰囲気はどうですか?
もう、めちゃくちゃ仲が良いですよ(笑)!
創業1年となる去年の11月に社員みんなで石垣島へ旅行に行ったんです。それが本当に楽しくて。旅行帰ってすぐ、石垣島での写真をLINEのトップ画にしましたね(笑)。
「今一番仲いい人は誰?」って聞かれたら、素直に坪岡さんって答えます。仕事でもプライベートでもすごくお世話になっていて、この1年半くらい本当に密な時間を過ごしてきた。大変なことも一緒に乗り越えてきたからこそ、一緒に遊んでいる時の楽しさが格別で。自信を持って「一番仲いい人」って言えます。
坪岡さんだけじゃなく、店舗のスタッフも含めて、本当に仲が良い。職種も場所も関係なく、みんなで本気で語り合って、本気で遊べるチームです。
「会社が大きくなることは、もう決まっている」
ーー今後どんな方に仲間になってほしいですか?
正直に言うと、400℃は今もまだ「初期フェーズ」です。
自分が入った2024年11月から1年半近く経った今でも、やるべきこと・整えるべき仕組みは山のように残っていて、むしろどんどん増えています。これは大変さでもあるんですが、裏を返せば、自分が入った時と同じくらいのチャンスが、今ジョインしてくれる人にもまだ十分にあるということです。
だから一緒に働きたいのは、決まった役割の中だけで動く人ではなく、「これも自分がやります」と自分から手を挙げて業務範囲を広げていける人。むしろ、どんどん広げてほしい。「経理として入ったけど労務も触ってみたい」「採用設計もやってみたい」「店舗の数字を見て改善提案したい」——そういう姿勢を、400℃は最大限評価すると思っています。
実際、これまで僕自身もそうやって力をつけてきました。「これは自分の担当じゃない」と線を引いていたら、絶対に今の自分はなかった。手を挙げて、勝手にスコープを広げて、必死に食らいついていく。その繰り返しの先に、間違いなく成長があると確信しています。
ーー最後に、記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
コーポレートサイドの見方として正直に言うと、「この会社が大きくなることはもう決まっていて、あとはどう支えて実現させるか」という感覚で動いています。
ただ、まだまだ初期フェーズです。自分が「これは人生最後の立ち上げだ」と確信して飛び込んだあの感覚を、これからジョインしてくれる方にもきっと味わってもらえる、そういうタイミングにまだあります。
難しいこと、大変なことは正直たくさんあります。でも「ここで働いて良かった」と心から思ってもらえる場所にしたいと本気で思っているし、そのために自分も全力で動いています。少しでも興味を持ってくれたら、まずは話しに来てください。