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「ペットの生涯の健康のために」ヘルスケア事業部の活動内容
現在TYLで長期インターンをしている私は、慶応義塾大学法学部の3年生。動物に関して専門的に学んだことがない文系の学生です。そんな私ですが、TYLではヘルスケア事業部に所属しています。
ヘルスケア事業部が目指しているのは、ペットが飼われてから亡くなるまでのヘルスケアを担い、適切な獣医療インフラ提供とDX化を推進することです。ペットの飼い主様のご自宅までお伺いし診察する「アニホック往診専門動物病院」や、獣医師による無料オンライン相談サービス「ペットオンラインコンシェルジュ」、ペットシッターの紹介サービス「GREEN.mom」など、ペットの健康と生活を支援する様々なサービスを提供しています。ヘルスケア事業部のメンバーのほとんどは獣医師、動物看護師など専門家の方々で、デスクで作業していたと思ったら、スクラブに着替えて往診に行かれているなんてことがよくあります。
~心がけているのは飼い主様に寄り添う対応、専門家じゃないからこそ~
そんなヘルスケア事業部での私の仕事の1つに、アニホック往診専門動物病院の電話対応があります。アニホック宛にかかってくる電話は往診予約や、ペットサロンでの臨時クリニック開催イベントの予約電話など、予約に関するものがほとんどです。しかし、予約電話とは言っても、ワンちゃんや猫ちゃんの症状を聞いたり、ワクチンや処方できる薬の種類、往診可能な診察内容などの質問に回答する必要があるのです。獣医師さんにしか分からないような質問は先生方の回答を伝達することになるのですが、そんな時に電話越しの私が分からないからと黙ってしまう、何度も聞き返す、答えがたどたどしいなどのことがあっては飼い主様は「大丈夫かな?」と不安に思ってしまうでしょう。だからこそ、飼い主様のお話をじっくりと伺い、症状があるのなら不安な気持ちに寄り添い、質問には先生方の回答をなるべく詳細に丁寧にお伝えすることで「この病院なら任せても大丈夫」と思っていただけるような対応を心がけています。
~新しい自分が見つかる実感~
TYLで働くまで接客業の経験はあっても、電話対応をするのはほとんど初めてでした。どちらかというと電話は苦手でアルバイト先で電話がかかってきても、自分から積極的に出て対応するということは出来ていませんでした。しかし、TYLでアニホックの電話対応をするようになり、表情が分からず感情が伝わりにくい電話だからこそ、工夫のし甲斐があるということに気づいたのです。声のトーンや、話す速度、言葉遣いは勿論のこと、「はい」という言葉一つをとっても言い方次第で違う印象を与えるのだと実感しました。
そう気づけたことの裏には、TYLの社員さんが大きく関与しています。TYL社内では、トリマーエージェントやペットナースエージェントを運用するキャリア事業本部や、アニマルジョブなど採用関連を担当する求人メディア事業部など、様々な部署の方が電話している声が常に聞こえています。私がTYLのサービスの利用者として電話した時、こんな風に対応してもらえたら絶対に心が満たされるなと感じるくらい、社員の皆さんの電話からは本当に学ぶところが多く、私も同じぐらい丁寧な電話対応ができるようになりたいと思わせられるのです。自分がまさかそんな感情を抱くようになるとは思っていませんでした。
TYLがペットサロンで提供している予防医療では、獣医師さんの補助として何度か業務にあたりました。昔から動物が大好きで、隙あらば動物に触れたいと思って生きているのですが、補助として入り、採血をするワンちゃんの保定を担当することもありました。保定とは、診察をする際にワンちゃんが暴れないように適切な体勢で抱きかかえることで、採血を伴う時には血管を圧迫して採血をしやすくさせる役割も持ちます。当たり前ですが、犬が好きだから触れたい!という安直な感情だけで保定をしてはダメで、嫌われる覚悟をもって嫌がっていても適切に抑え続けることがワンちゃんのためになるのです。正直、保定がうまく出来ずにワンちゃんに嫌な思いをさせてしまったことが何度かありました。そんな経験から、好きという感情だけでなく、「ワンちゃんのためになる知識を身に付けたい」と強く感じ、動物看護に関するオンライン講座の授業を受けようと決めました。TYLに入り、今まで経験のない業務を担当させていただく中で、新たな興味関心や、可能性、至らない点など様々な発見があり、その発見を今後の成長に繋げていきたいと感じています。
~「ペットの家族化推進」に向けて~
TYLが掲げる「ペットの家族推進」という理念に共感してTYLでの長期インターンを始めました。インターン参加の前から、日本が今現在ペット先進国とは言い難い状況であるのは理解していたつもりだったのですが、TYLで働き始め日本のペット業界が抱える問題の多さと深刻さを目の当たりにしました。私が思う「ペットの家族化」の理想形は、社会においてペットが家族であると認められ、その状態を維持するためのサービスや規則が充実することではないかと感じています。
ペットと暮らしている多くの人は、当たり前にペットは家族として接しているでしょう。改善しなければならない課題は、飼い主とペットとの間ではなく、その周辺環境にこそ多く存在しているのではないでしょうか。是認しがたい生体販売の形態や、対人医療に比べ規則が不明瞭なペット医療、動物が生体ではなく「モノ」として扱われ負傷しても器物損壊罪が適用される上、動物愛護法も適正に運用されているとは言い難い現状、動物関連の職業に就く方の労働状況の改善など、ペットを取り巻く諸問題は雑多に存在するため、それぞれの切り口でアプローチしていく必要があるでしょう。顕在化している目の前の課題を一つ一つ解決していった先に、ペットを家族だと主張しなくても当たり前に家族として扱われる社会があるのだと思います。