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スタッフインタビューvol.43「体験から新しい価値を生み出す」

非常勤ファシリテーターのてっちゃん(塩野哲也)。群馬県みなかみ町のCanyonsで、アウトドアガイド・企画・運営・営業・IT・人事・トレーナー等を経てセールス&マーケティングマネジャーを務めています。てっちゃんが考えるPA(プロジェクトアドベンチャー)プログラムの活用法とは…。

PAプログラムとの出会い

PAプログラムとの出会いは、僕が所属している会社でマネジメントやリーダーシップ、コミニケーションなどに悩んでいときに知り合いに誘われて体験したプログラムです。

こういう学び方があるんだと驚きました。僕はもともとガンガン言うタイプ、グループが動かないときは「やらないんですか、やりましょう」と言ってゴリゴリに押していたんです。そうしたらグループにいた女性に「いま考えている人もいるからちょっと待って」と言われました。それに対して僕は「考えているんだったら言いなさいよ」と思って…(笑)。僕は発言しないなら会議に参加するな、言わないなら帰れみたいなタイプだったんです。

そういう自分を出してやっていたら、周りから「えっ?!」という反応をされて、「僕が違う?!このフワッとした場は何なの?!待っていなければいけないの?!結果が出ないじゃん!」と戸惑いました。

プログラムを通して違うタイプの人もいるんだなということを知り、そういうプロセスをしっかりと感じることができ、体験学習ってなんだかすごいと思ったことがPAとの出会いでした。

PAのよさは体験を通して気づける場を作ってくれるところですね。日常で仕事しているとあまり待ってもらえないことが多いです。しっかり振り返ったり、遅くてもしっかりと学べる場があるというところがいいですね。逆に物事を進めるのが速い人はもしかしたら、戸惑うこともあるかもしれないけど、そういう現象やプロセスも含めて起こったこと、として捉えられることが面白いと思います。

PAをみなかみ町で生かす

PAを学んでいくうちに、リバーガイドたちがPAを生かしていろいろできることがあるのではないかと考えて、みなかみ町と一緒に合同のPA研修をやりました。リバーガイドとしてのスキルを上げるだけでは限界があると感じていて、PAを始めとする体験学習の考え方や教育的な部分を混ぜ込んでいきたいと思ったんです。

実際にやっていることは、学校プログラムの中で子どもたちが仲良くなるきっかけをつくるようなアクティビティが中心です。そういうのをやり始めてから、みんなのガイディングも少しずつ変わってきたのを感じます。

ただのエンターテイメントというところから、違う視点が生まれてきました。どういう風にしたらもうちょっと楽しめるのかを考えたり、楽しみ方もいろいろあるよねという多様性が見えるようになりました。一緒にやっているメンバーは、明らかにそういう教育の部分に興味を持ち始めています。

人に頼る体験

2013年にPAのABC(アドベンチャーベースドカウンセリング)講習会を受講しました。僕はPAのプログラムで初めて泣きました。

グループのある女性と「巨人の縄ばしご」というエレメントに挑戦しました。大きな縄ばしごを2人で登っていくのですが、相手のちからを借りなければ登っていけないんです。

(2013年ABC講習会、「巨人の縄ばしご」に挑戦するてっちゃんとパートナー)


僕には思い込みがあり、それが外れる体験でした。僕が彼女を引っ張ってあげなきゃいけないという気持ちがありました。でも実際にはしごに登っていこうとすると、全部自分で引っ張るのは無理なんです。だからある地点では僕は彼女の腿を踏まないといけない。彼女はいいですよと言ってくれているのに、僕としてはそれは無理だろうと思って。それがすごい葛藤でした。やっぱり無理だと思って2人ではしごを一段降りたり、再度話し合ったりしました。結局、もう一回行くことになってやっと思い切って彼女に頼りました。

達成したとき、僕は今までの時間、何をしていたんだろうと思いました。協力してもらわないとできないのに、自分におごりがあったということをまじまじと体験させられちゃったんです。それが一番自分の中で印象的な出来事でした。何か自分で背負っていたんだと思いますね。

今でもそんな自分はまだ残ってるけれど、他の人に「手あいてる?」ときいて、荷物を運んでもらうのを手伝ってもらえるようになりました。そういうことを言えるようになったことで隙間ができて、頼ったり頼られたりしながら、それが新たな価値を生むと思うんです。

面倒をかけること自体が悪いことではなくて、面倒をかけ合うこと自体がまた新たな信頼関係を生みます。面倒をかけ合いながら、新たな価値を作っていくので、そういう関係の回数を重ねた方がいいということを徐々に思ってきています。

ファシリテーターとしての強み

すごくシンプルに言うと客観的なところ、グループに入りすぎないところかなと思います。理想的には最後には忘れ去られるファシリテーターでいたい。忘れなくてもいいけれど、僕についての会話をしながら帰って欲しくないですね。グループが仲良くなって、あそこ面白かったねという会話で帰っていってくれたら、その人にとって印象に残ったんだなと思えるし、嬉しいです。

これからは現場の雰囲気やそれぞれのエネルギーが出ているところを観察するちからをつけていきたいですね。観察したことをもとに、ケースバイケースでしっかりとイン・アウトできたら、もっともっと繊細なファシリテーションができるのかなと思います。

生涯、学習ですね、きりはないですよ。磨けば磨くほどミクロの世界はどんどん広がっていきますから。

選んだものをしっかりと磨いていくということを体現していきたいです。自分がこれだなと思ったことを、スローペースで少しずつでもいいからやっていきたいです。

                                        (20181025)

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