8. 現地生活のトラブル事例と注意点
海外転職を検討する際、「キャリアの可能性」や「給与水準」だけでなく、実際の現地生活でのトラブルにも目を向けることが重要です。とくにベトナムは、生活コストの安さや親日的な雰囲気で人気が高まっている一方、独自の街のルールや治安事情も存在します。
ここでは、生活で起こりやすいトラブル事例とその対処法を紹介します。
(1)スマホは狙われやすい!ひったくり被害の実態と予防策
ベトナム、特にホーチミンやハノイの中心部では、観光客や外国人を狙ったひったくり事件が定期的に発生しています。その多くが、スマートフォンを手に持って歩いている際に、後ろからバイクが近づき、奪って走り去るという手口です。
被害に遭いやすい行動例
・スマホを片手に歩きながら通話や地図を確認
・バッグを肩掛けで背中側に下げている
・路上カフェやバス停でスマホを無造作に置く
対処法
・スマホは歩きながら使用せず、人通りの多い場所や店内で確認する
・バッグは必ず前に抱える(ショルダーバッグやボディバッグが有効)
・高価な時計やアクセサリーの着用は控える
被害に遭うとスマホだけでなく、クレジットカードや個人情報まで失うことにもつながりかねません。「自己防衛意識」が安全な海外生活の基本です。
(2)「観光客価格」に注意!市場や屋台での価格交渉術
ベトナムでは、市場(マーケット)やローカル屋台、個人商店での買い物において、外国人に対して通常価格より高めの「観光客価格」が提示されることが日常的にあります。これを避けるには、価格交渉(値切り)も一種の生活スキルといえるでしょう。
よくあるケース
・果物や飲料を定価の2〜3倍で提示される
・タクシーの乗車料金を口頭で交渉され、メーターを使わない
・お土産や服を買うときに正規価格が不明瞭
対処法
・相場を事前にGoogle Mapや旅行サイトでチェックしておく
・最初に提示された価格の50〜70%を目安に交渉してみる
・地元の人が利用する店舗や、価格表示がある店を選ぶ
(3)横断歩道も油断禁物!バイク社会の交通事情
ベトナムの都市部は、想像を超えるバイクの交通量に驚かされることでしょう。通勤時間帯は数千台のバイクが道路を埋め尽くし、信号や交通ルールはあってないようなもの──そんなシーンも珍しくありません。
危険な状況例
・青信号でもバイクが横から進入してくる
・横断歩道で立ち止まってもバイクが止まらない
・バイクの2人乗り・3人乗りによる接触事故
対処法
・横断歩道を渡るときは周囲の車両と目を合わせながら、一定速度で歩く
・「急に止まる」「急に走る」はNG。相手が進路を読みやすい歩き方を意識する
・Grabバイクに乗る際はヘルメットを着用し、左右の確認を怠らない
日本と同じ感覚で歩いていると、事故に巻き込まれるリスクがあります。「渡るタイミングを自分で判断する冷静さ」と「周囲への注意力」が重要です。
(4)安全で快適なベトナム生活のために
海外生活は、視野を広げる大きなチャンスであると同時に、「自分の身は自分で守る」という姿勢が求められます。
特にベトナムのような成長市場では、インフラは整っていても、まだ「生活の自己管理力」が求められるシーンが多く存在します。
・スマホは片手に持たない
・市場では交渉を楽しむ気持ちを持つ
・横断歩道でも油断せず、周囲の動きに気を配る
・安全とリスクに配慮しつつ、ぜひベトナムでの新しい一歩を踏み出してみてください。
9. ベトナム人との恋愛・結婚
海外転職は、キャリアやスキルアップだけでなく、新しい人間関係や人生の価値観との出会いの場でもあります。特に20代後半〜30代前半という年齢層にとって、仕事だけでなく恋愛・結婚のステージも意識する時期でしょう。
ベトナムは親日的な国として知られ、実際に日系企業で働くなかでベトナム人の同僚や友人と深い関係に発展するケースも少なくありません。
本記事では、ベトナム人との恋愛・結婚観、文化的背景、注意点について詳しく紹介します。
(1)恋愛に「親の承認」が必要?
ベトナムでは恋愛=プライベートな問題ではなく、家族を含む“公的な関係”として見られる傾向があります。特に女性側の家族、つまり親の意見は非常に重視され、親の承認なしでは恋人として関係を進めるのが難しいケースもあります。
ベトナムでは20代前半での結婚も一般的であり、20代後半になると「早く結婚を」と家族からのプレッシャーがかかる人も多いです。そのため、付き合い始めて間もない段階から将来の結婚について話題になることも自然な流れとされています。
ポイント:
・デートよりも「家族への紹介」が恋人関係の進展として重要
・結婚前提の交際かどうか、最初にお互い確認しておくことが望ましい
・相手の両親への挨拶は、日本以上に大切な儀式
(2)結婚式は“家族と地域の一大イベント”
日本のように親族だけで行う“こぢんまりとした結婚式”とは違い、ベトナムでは親戚・友人・近所の人々まで招待する大規模な結婚式が主流です。出席者が200人、300人を超えるのも珍しくありません。
この背景には、「結婚は家同士の結びつき」であり、家族の面子(メンツ)や地域社会へのお披露目という要素が強く存在しているからです。
多くのケースで結婚式の準備は両家が協力して行い、費用も男性側の家族が多くを負担します。日本人が結婚する場合でも、ベトナム側の家族が強く関与することが多く、互いの文化を尊重し合う姿勢が大切です。
ポイント:
・招待者数の多さに驚かない(知人や仕事関係者まで広範囲に招待される)
・服装や式次第は伝統と現代スタイルが融合したユニークな内容になることも
・金銭的な準備・習慣(ご祝儀・贈与など)も事前に確認しておくことが必要
(3)結婚後も“家族への経済的支援”が当たり前
ベトナム社会では、「親孝行」や「家族のために働く」という価値観が非常に根強く、結婚後も夫婦がそれぞれの両親や兄弟姉妹を経済的にサポートすることは自然なこととされています。
たとえば:
・毎月の給料の一部を実家に仕送り
・両親の病気や冠婚葬祭の費用を夫婦で支援
・年末年始には両家を訪問し贈り物を届ける
このような習慣は、日本人にとってはやや負担に感じることもあるかもしれませんが、文化として理解・尊重することが良好な国際結婚生活の鍵になります。
(4)男女ともに「家族第一」の意識が強い
これは男性だけでなく、女性側にも当てはまる傾向です。
結婚後も、妻が自分の実家を大切にすることは当然とされており、「嫁に出る」というよりも「両家と付き合う」という感覚が近いかもしれません。
ポイント:
・「二人だけの生活」という価値観は希薄で、“家族を含めた生活”が前提
・結婚前にお互いの家族観や金銭感覚を共有しておくとトラブルを防げる
・家族イベント(法事、旧正月など)への参加意識が求められる
10. 金銭感覚の違いと注意点
ベトナムでの転職を考える際、給与水準や物価といった経済面は多くの人が気にするポイントです。しかし、実際に現地で働くと、それ以上に影響を与えるのが「金銭感覚の違い」です。
ベトナム人同僚や友人との関係の中で、この感覚のズレを理解しておくことはとても重要です。
(1)ローン・分割払いに抵抗がない文化
ベトナムでは、日本よりもローンや分割払いが生活に浸透しています。たとえば、最新のiPhoneや高級バイクを購入する際、多くの人がローンを組むことに抵抗を感じません。
見栄や自己表現を大切にする文化もあり、「多少無理をしてでも良いものを持つ」ことが肯定的に捉えられます。
日本人の“無理せず身の丈にあった支出を”という金銭感覚とは異なり、見た目やステータスを重視する支出傾向があるため、付き合いの中でプレゼントや飲食の金額感に驚くこともあるかもしれません。
(2)「今を楽しむ」ことを重視する消費志向
ベトナムの若者は、将来への不安よりも「今この瞬間を楽しむ」ことに価値を置く人が多く、貯金よりも消費を重視する傾向があります。
週末のカフェ巡りや国内旅行、ブランド品の購入など、日々の生活を彩ることに積極的な姿勢は、日本人から見ると「浪費的」と思えることもあるかもしれませんが、これは文化的な価値観の違いでもあります。
この消費スタイルを一方的に否定せず、価値観の違いとして受け入れ、互いに理解し合う姿勢が重要です。
(3)家族への仕送りは「責任」そして「誇り」
ベトナムでは、家族への仕送りは美徳とされる文化が根強くあります。特に地方出身者は、都市部で得た収入の一部を両親や兄弟に送るのが当然と考えています。
このため、収入が増えても貯蓄がそれほど増えないこともありますが、「家族に貢献すること」そのものが自己実現の一部として位置づけられています。
国際恋愛や結婚を考える際には、この点も重要な価値観のひとつです。「収入=夫婦のお金」ではなく、「収入の一部=実家への支援」という考え方を尊重する必要があります。
11. 思考の違い:短期志向と長期志向
グローバルな職場で働くとき、言語や習慣だけでなく、「考え方の時間軸」の違いがコミュニケーションギャップを生みやすい要因の一つとなります。
特にベトナムで働く日本人にとって、「短期志向」のベトナム人と「長期志向」の日本人という対照的な思考スタイルの違いは、仕事を進めるうえでしばしば衝突の原因になります。
ここでは、この“思考スタイルの違い”を理解し、現地でスムーズに信頼関係を築くためのヒントを紹介します。
(1)即効性を重視するベトナム人、積み上げ型の日本人
ベトナム人は、成果がすぐに見える仕事や報酬に対する感度が非常に高く、スピーディーな行動力を持っているのが特徴です。
たとえば:
・成果主義で、ボーナスや昇進の基準を重視
・時間をかけた根回しよりも、結果を出すことに価値を置く
・実験的にまず動いて、うまくいかなければすぐ切り替えるスタイル
一方で、日本人は計画を立てて着実に信頼を積み重ねるアプローチを好む傾向があります。
・プロセスや段取りに重きを置き、「正しく丁寧に進める」ことを評価
・成果よりも、再現性や信頼性を重視した継続的な改善を優先
このような時間軸のズレが、プロジェクトの進め方や評価のされ方で食い違いを生む原因になります。
(2)会議での「発言文化」にも大きな違いが
ベトナムでは、特に若手社員の多くが会議で自ら発言することに慎重です。
その理由の一つが、発言に対して「責任が問われる」文化があるためで、曖昧なことやリスクのある提案を避ける傾向があります。
日本の職場では、意見交換=改善のための建設的なプロセスととらえられがちですが、ベトナム人にとっては「発言すること=責任を取る覚悟」と捉えられがち。
このギャップを理解せずに「なぜ誰も意見を言わないのか」と不満に思ってしまうのは、典型的なすれ違いです。
(3)信頼を築くための歩み寄りのコツ
文化的背景が異なる中で協働するには、「何を達成したいのか」という共通ゴールを明確にすることが最も重要です。短期志向と長期志向をすり合わせるには、以下のような工夫が効果的です。
成果の見える化:マイルストーンを小刻みに設定し、ベトナム人の「即効性重視」思考に寄り添う
背景の共有:なぜこのプロセスが重要なのか、どんな意図があるのかを丁寧に説明
自由な意見を引き出す:会議での発言を求める場合、事前に質問の方向性を伝えておくと安心して発言できる
信頼関係を築くうえで、定期的なフィードバックや成果報告を行うことが、文化の違いを乗り越える橋渡しとなります。
12. 職場文化と昼寝の習慣
ベトナムで働き始めた日本人がまず驚く文化のひとつが、「職場での昼寝」です。
オフィスの床にヨガマットを敷き、照明を落として社員が横になって休んでいる光景に、最初は目を見張るかもしれません。
しかし実はこの習慣、単なる“お昼休みのリラックス”ではなく、生産性と健康を重視した合理的なワークスタイルなのです。
ベトナムでは、昼休みに15〜30分程度のパワーナップ(短時間の昼寝)を推奨する企業が増えています。
社員が各自のデスクの下や会議室の片隅で、ヨガマットや簡易マットレスを使って仮眠を取るのは珍しいことではありません。
とくに暑さが厳しい夏場は、昼食後の眠気が生産性に大きな影響を与えるため、「眠気を我慢するよりも、一度リセットしてから働いたほうが効率的」という考え方が定着しています。
最近では、日系企業やITベンチャーを中心に、昼寝を福利厚生として制度化する動きも見られます。
社内に仮眠スペースやリラックスルームを設置
昼休憩の前後に15〜30分の自由仮眠タイムを設定
昼寝後にコーヒーや軽食を提供する職場も
この取り組みは、ストレス軽減やメンタルヘルスの維持にもつながると評価されており、働き方改革の一環として注目されています。
昼寝がビジネスの一部とされることに、日本人は最初こそ違和感を覚えることが多いでしょう。
「勤務時間中に寝てしまっていいのか?」「周囲の目が気になる」といった戸惑いの声も聞かれます。
しかし実際に体験してみると、午後の頭の冴え方や、疲労の軽減を実感する人も少なくありません。
「最初は驚いたけど、今では日本にも持ち帰りたい文化」と評価する人も増えています。
13. 忘年会・社員旅行の出し物文化
ベトナムで働くと、意外なところで文化の違いを実感するのが「社内イベント」です。
とくに忘年会や社員旅行で行われる“出し物文化”は、日本人にとって驚きと学びの連続。
ただのお楽しみ会に見えて、実は職場の一体感や信頼構築に大きな役割を果たしているのです。
ベトナムの企業文化では、忘年会や社員旅行の余興(出し物)に「全力で取り組む」ことが当たり前。日本のような“軽い一発芸”ではなく、本格的なK-POPダンス、コスプレ、寸劇やパフォーマンスにチームで取り組むのが定番です。
衣装をそろえ、音響や照明にもこだわり、観客を沸かせるために本気で仕上げてきます。
「仕事では見せない一面を出すこと」が、チームメンバーとの距離を一気に縮めるきっかけにもなります。
この出し物、ぶっつけ本番ではありません。
企画から練習まで、数週間にわたって仕事の合間を縫って準備が進められます。
リーダーや演出担当を決め、台本や振り付けを共有し、オフィスの片隅で自主練を重ねる姿もよく見られます。
このプロセス自体が、立場や部署を超えたチームビルディングの場になっているのです。
普段は接点が少ない社員同士が、出し物を通じて信頼関係を築いていくという、日本ではあまり見られないスタイルです。
「出し物なんて苦手」「そんな時間あるの?」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、こうしたイベントへの姿勢は、ベトナム人同僚にとってその人の“協調性”や“職場適応力”を測る重要なポイント。
完璧な演技やパフォーマンスが求められているわけではなく、“一緒に楽しむ姿勢”や“自分から関わろうとする態度”が評価されます。
実際、イベントに積極的に参加する日本人社員は、ベトナム人スタッフとの距離を縮めやすく、職場内での信頼や発言力を早期に築く傾向があります。
14. 海外キャリアが将来に与える影響
──20代後半〜30代前半だからこそ掴める“海外経験”の力
「日本のキャリアだけで、この先やっていけるのだろうか?」
「今の会社での成長に限界を感じる…」
そんな悩みを抱える20代後半〜30代前半のビジネスパーソンにとって“海外での就業経験”は、一つのターニングポイントになり得ます。
(1)日本帰国後も高評価──外資が求める「海外経験者」
ベトナムでの就業経験は、帰国後の転職市場でも強い武器となります。
特に、外資系企業・総合商社・コンサルティングファーム・グローバル展開中の大手企業では、以下の点が高く評価されます。
・海外現地法人との調整・交渉経験
・多国籍チームでの業務遂行能力
・英語・ベトナム語を含む語学力
・海外赴任や出張対応への即戦力性
これまで「海外赴任=管理職経験者」というイメージが強かった日本企業も、若手のうちから現場を経験してきた人材を積極的に採用する傾向が高まっています。
「20代で海外法人を経験してきた」こと自体が、履歴書で目を引く“差別化要素”になるのです。
(2) 異文化マネジメントは「本物のリーダーシップ」の証明
ベトナムでの業務では、現地スタッフと協働しながらチームをまとめるマネジメント機会も少なくありません。
特に、日系企業のベトナム拠点では、以下のような役割が期待されます:
・日本本社との橋渡し役
・プロジェクトチームの統括
・業務改善や品質管理の主導
この経験は、単に「管理職」ではなく、異文化理解×実行力×対話力が求められる「真のマネジメントスキル」として評価されます。
特に20代〜30代前半という若手の段階で、現地スタッフを率いる立場を担った経験は、国内では得がたい“成長の実践フィールド”となります。
(3)語学力と順応力は「柔軟な知性」の証明
ベトナム勤務では、英語・ベトナム語を駆使して業務を進める場面が頻出します。
現地スタッフや外国人上司と英語で会議を行い、ローカル文化に適応しながらプロジェクトを推進する経験は、語学力だけでなく“順応力”そのものが問われる環境です。
・実際、多くの採用担当者が注目するのは、TOEICスコアや英会話能力だけでなく、
・異文化の中でどう適応し、成果を出したか
・新しい環境で何を学び、どのように貢献したか
といった“思考力・地頭力・柔軟性”の部分です。
つまり、ベトナムでの勤務経験は、「私は未知の環境でも成果を出せる人間です」という能力の証明にもなります。
(4)将来の起業にも直結する“海外ビジネスの知見”
ベトナムは、消費市場としても、生産拠点としても高い注目を集める国です。
そのため、現地で働くことは、日本からは見えにくいリアルなビジネス現場に触れることでもあります。
・商習慣・市場構造の理解
・サプライチェーンや現地企業との商談経験
・輸出入・通関・現地法規制の実務知識
これらは、将来的に独立や起業を志す際の“現場感覚”の土台になります。
とくに、東南アジア市場を視野に入れたスタートアップやスモールビジネスにおいては、ベトナム経験者は即戦力としても起業家としても貴重な存在です。
(5)日越をつなぐネットワークが“資産”になる
海外で働くことの副次的なメリットとして見落とされがちなのが、人脈形成です。
ベトナムでは、以下のような多様なネットワークを築くチャンスがあります。
・日系企業の駐在員・現地法人幹部とのつながり
・ベトナム人経営者や管理職との関係
・海外キャリア志向の同世代日本人との横のつながり
このネットワークは、将来の転職、事業連携、情報交換の面で一生の資産となる可能性を秘めています。
また、「ベトナムと日本をつなぐハブ人材」として評価されることで、帰国後もグローバル案件に関わる機会が広がります。
15. ベトナム経済に関わるなら「進出支援コンサル」が面白い!
東南アジアの成長国・ベトナム。そのダイナミズムは、ただのニュースや経済レポートでは語りきれない“現場感”に満ちています。
いま、20代後半〜30代前半の若手ビジネスパーソンにとって、キャリアのスタートダッシュやリスキリングの場として、ベトナムでの「進出支援コンサルタント」という仕事が静かに注目を集めています。
「なぜ“進出支援コンサル”なのか?」という問いに対し、その醍醐味・成長環境・将来性を掘り下げてご紹介します。
(1)日本企業の“海外展開の最前線”に立てる
進出支援コンサルタントとは、簡単に言えば、日本企業がベトナム市場に新しく進出・展開する際の総合的なサポートを行う専門職です。
対象企業は、製造業・IT・建設・飲食・人材など幅広く、業種を問わず日系企業の「現地化」の第一歩を支えるポジションです。
この仕事の最大の魅力は、ビジネスのスタートライン=“勝負の現場”に立てること。
・市場調査・法規制の確認
・合弁先の選定・交渉
・ライセンス申請や会社設立支援
・人材採用・拠点立ち上げ支援
といった、まさに事業の根幹に関わるプロセスを、若手のうちから“当事者として”担うことができます。
つまり、“支援者”でありながら、事業構築を共に歩むパートナーでもあるのです。
(2)若手でも経営者と直接対話できる“濃密な経験値”
通常、日本で20代・30代前半のビジネスパーソンが「社長」と直接やり取りする機会は限られています。しかし、進出支援コンサルの現場では違います。
クライアントの多くが、海外展開の意思決定を担う経営者や事業責任者。
つまり、「社長・役員クラスと対等に議論し、意思決定をサポートする」場が日常です。
具体的には…
・ベトナム進出の目的や戦略をヒアリング
・組織設計や採用方針の提案
・税務・法務のリスクを洗い出して改善策を助言
こうした場面を通じて、ビジネスの視座が自然と経営レベルに引き上げられていきます。
同年代のビジネスパーソンと比較しても、圧倒的な“実戦的スキル”と“意思決定の現場”を経験できる数少ない職種といえるでしょう。
(3)地方政府・商工会との調整など、“官と民”をつなぐ仕事も
ベトナムでは、企業進出には地方政府の承認や調整が必要なケースも少なくありません。
進出支援コンサルタントは、企業と政府機関の橋渡し役として、ビジネスと行政をつなぐ“ハブ人材”としての役割も担います。
たとえば…
・地方開発区との立地交渉
・投資優遇制度に関する協議
・日越商工会議所でのネットワーキングや情報共有
現地メディアや企業との広報連携
これにより、ただのオフィスワークにとどまらず、“外交的な調整力”や“マクロ視点”も身につく環境が整っています。
日本では経験できない“行政×企業×社会”の接点を体験できるという意味で、進出支援コンサルは極めてユニークです。
(4)なぜ今、若手に進出支援コンサルなのか?
理由は3つあります:
東南アジア市場は今後も拡大
日本企業のベトナム進出は、製造業からサービス・IT分野へと拡大しており、今後もその流れは加速すると見られています。
現地での支援需要も確実に高まっており、“市場が伸びている=成長機会がある”という構図が成り立ちます。
経験がそのまま“キャリアの資産”になる
・海外法人設立経験
・現地調整力(行政/商習慣)
・経営者との対話経験
・プロジェクトマネジメント能力
これらはすべて、帰国後の外資転職や商社・総合系コンサルへのキャリアパスでも高く評価される資産です。
日本では得られない“視野と人脈”
ベトナムでの仕事は、地理的にも文化的にも、“日本だけ”で完結しない仕事観・人間関係・価値観を広げてくれます。
ときには、ここで得たネットワークを元に起業や独立という道を選ぶ人も少なくありません。
もしあなたが、
・グローバルな視野を持ちたい
・自分の手で事業を動かしてみたい
・若手のうちに圧倒的に成長したい
そう考えているなら、進出支援コンサルという道は、まさに“挑戦する価値のあるキャリア”です。
一歩を踏み出すことで、あなたのビジネス人生に新しいステージが開かれるかもしれません。