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「管理」が嫌いなヌーラボにおける管理部のありかた

マサです。仕事としては管理職に属してます。

「マネージャー」というと、あだち充原作漫画「タッチ」に出てくる野球部マネージャー「浅倉南」、通称「南ちゃん」を連想する方が多いと思います。しかし、中には少数派ですが「勤怠に対してうるさく言ったり、締め切りに対してうるさく言ったり」する、あの嫌なイメージのマネージャーを想像する方もいるかもしれません。浅倉南さんも野球部のマネージャーとして、同じマネジメントの仕事をしているのですが、どうしても「マネージャー」と聞くと、あの嫌なマネージャーを想像してしまって、「マネージャーって言葉が嫌い」みたいな方も世の中には僅かばかりいるようです。やっぱり、各個人の人生の過ごし方によって印象の差って大きく変わるものなのだと、感慨深い気持ちになります。

あ、若い方には、「タッチ」のたとえは伝わりませんね・・・。

さて、「管理」という言葉も、「マネージャー」という言葉と同様に嫌なイメージをしてしまう人は後を絶たないようです。なにを隠そう、僕も、若い頃は「管理」っていう言葉は嫌いでした。プロジェクト管理ツールを開発運用しておきながら。

会社においてなぜ管理が必要か?

それはまず第一に、当たり前だけど「法令遵守を含むコーポレートガバナンス」のために管理が必要です。その次に、会社の経営が上手くいっているか、もしくは上手くいくためにはどうしたらいいか?を知る「経営管理」のためにも管理が必要になります。管理が必要になるのは、大きくこの2点のためかと思います。怖がらないで。誰かをコントロールするためじゃありません。

「法令遵守」は、主に労働法や粉飾決済や脱税などなど、労働とお金に関することが多いです。知識がないと法を犯していることさえ気づかないケースもあるかと思います。また、法令遵守の枠を広げて「コーポレートガバナンス」まで考えると、品質だったりセキュリティだったりを守るために「管理」が必要になります。2017年に法令遵守に反して倒産した会社は231件。粉飾が第1位で、第2位が行政処分などの業法違反。2015年あたりは、過去最高の289件と300件に迫る勢いだったそうです。

出典:帝国データバンク 「2017 年度 コンプライアンス違反企業の倒産動向調査」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p180405.pdf

もう一方の「経営管理」は、会社が潰れないために、そして成長するために、目標達成のために必要な資源を分析したり配分したりする技術です。資金は限りあるものです。それをきちんとコントロールしていかないと、簡単に大きな金銭的な負債を抱えることになります。ごく小規模な会社でも、経営管理がちゃんとできてないと、場合によっては「来月は払う給与がありません」となります。

「管理」と聞くと、嫌なイメージのマネージャーを想像してしまい、トップダウンがきついイメージや、面倒くさいイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実は働く人を守ったり、経営状況を守ったりするために必要な活動なのです。会社とはいえ、人の集合体に過ぎず、情熱を持った人がたくさん集まると、沢山の予測不可能な出来事があります。何が起こるのか、なかなかコントロール出来ることではないのですが、そんな中でもちゃんとリスクを分析してコントロールをしようとする「管理」という技術はとても大事です。「管理」って言葉が嫌いな人が本当に嫌うべきは、「嫌なイメージの管理」のイメージを刷り込んだ過去の人や経験なのだろうと思います。

ヌーラボの管理業務の在り方

ヌーラボには2つの管理機能のようなものがあります。

1つは、会社の文化を育てて、且つ、承認者としての役割を担う、各事業部を横串で結成した「bridge(ブリッジ)」というチーム(?)です。彼らは誰かの上司とかではなく、承認行為を行う役割を持った人たちになります。有給を取るとか、勤怠をつけるとか、そういうものは規程で決まっているので、規程をシステム化してそれを使っている限り、各個人は他人から「承認を得る」という行為はしなくていいと思うのですが、システムへの入力ミスや異常事態が起こる可能性もあるという観点で、承認フローが必要になります。bridgeについては『新しい行動規範づくりもしっかり遊んだ! ヌーラボ の行動規範「NUice Ways」ができるまで』でも触れられていますので、是非、読んでみてください。

もう1つは、企業によくある「管理部」です。数年前までは少人数だった管理部(「部」と言えるほどでもない人数)ですが、現在はそれなりの人数になっています。その増え方はまるで新進気鋭のスタートアップのようです。

多くの方々に助言もらいましたが、企業が成長にブーストをかけるとき、管理部の腕が非常に大事になります。ともすれば「コストセンター」と言われがちな部署ではありますが、成長する事業を支える企業としての大事な根っこの部分です。管理部がしっかりワークしておかないと、コーポレートガバナンスと経営管理の不備によって、いとも簡単に企業が潰れてしまいます。

一方で、開発チームやマーケティングチームに、細かな単位での承認など、沢山の「管理のための業務」を押し付けるのも、これもまた「いかがなものか?」となりますので、ヌーラボの管理業務はできるだけシステム化出来るところはシステム化し、人力での管理を少なくする様に努力しています。また、そのシステムは、ヌーラボの他のプロダクト同様に、楽しく使えるシステムになるよう考慮されています。

コーポレートガバナンスと経営管理に関してはカリッカリッに固く、その内側で、開発やマーケティングなどの皆はトロッと柔らかく働ける「美味しいたこ焼き」のような職場を目指しています。そのため、管理部はカリッカリッとトロッとの間を柔軟に保つ姿勢で仕事をしてもらって頂いているので、バランス感覚が冴え渡るチームになっています。

プロジェクト管理ツールを開発提供しているヌーラボだからこそ「管理」についての哲学を持っておきたい

と、まぁ、「管理」と「管理部」について書きましたが、「管理」という言葉が嫌いな人にとっては否定したくなりがちな内容だったかと思います。が、プロジェクト管理ツールを開発提供しているヌーラボだからこそ、「管理(マネジメント)」に対する哲学を持っていたほうがいいだろうと思っています。

人が人を管理(コントロール)している会社から提供されるプロジェクト管理ツールなんて使いたくないですもんね。

それでは(`・ω・´)ゞ


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