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こんにちは。ナンバーナイン取締役CXOの小禄です。うちのデザイナーが役員のイラストを描いてくれたんですが、少女漫画に出てくる弱った女性を沼らせるイケメン美容師みたいなビジュアルに昇華され社内からクレームが来てしまいました。僕はとても満足しています。デザイナーさんありがとう。
ということで、今回はナンバーナインの福利厚生についてのストーリーを公開します。制度を見れば組織が分かる、そんな考えが伝わると嬉しいです。
スタートアップ企業の労働は脱・ブラック化している?
スタートアップーー。そこは、荒野の先にある黄金を目指す荒くれ者たちの世界。ゴールドラッシュの時代さながら、法も秩序もなく24時間365日働き、プライベートを犠牲にし、時には悪事に手を染めることも……。従事する者たちは口を揃えて言う。「労働基準法、ナニソレオイシイノ」※この物語はフィクションです
皆さんこんにちは。冒頭から倫理観な内容を書いてしまい申し訳ありません。皆さんは、スタートアップ(ベンチャー企業)で働くことにどんなイメージをお持ちでしょうか?
もしかしたら、冒頭のようなイメージ(流石に極端すぎて怒られる)を持っている人がいるかも……?ということをぼんやり考えながら書いたのですが、時代は令和。最近のスタートアップは、「働きやすさ」を意識した企業も増えてきているなと感じる今日このごろです。
ITスタートアップの盛り上がりが始まったのは、今から約10年ほど前の2011〜2012年頃でしょうか。たしかメルカリやマネーフォワード、ラクスル、CAMPFIRE、フリークアウトなど、今となっては日本を代表する企業へと成長を遂げたスタートアップたちもその頃に生まれたんですよね。
僕は当時「エンジニアtype」というエンジニア向けWebメディアの編集者をしており、マンションの一室で未来のユニコーン企業たちが寝る間も惜しんで働いていた時代に取材させていただいたのが今となっては懐かしく思います(結果、刺激を受けすぎて僕自身が起業する側に回ってしまいました)。
上記企業に限らず、当時はいくつもの"有望スタートアップ"たちが生まれては、数年後、下手すると数ヶ月後には淘汰される様子をわりと近いところで見てきました。もちろんすべてがそうとは言い切れませんが、経営陣が働くメンバーのことを見ていない企業は淘汰され、成長を続ける企業ほど働くメンバーを見ているというのは真理なのかもしれません。
充実した待遇といえばメルカリさんですが、最近社員の博士課程進学を支援する制度を作っていましたね。素晴らしい取り組みです。
ということで、今回のnoteは僕が取締役を務めるナンバーナインの働く環境=福利厚生にフォーカスしてみたいと思います。
ナンバーナインにおける「働きやすさ」の定義
ここで話を進めるためには、そもそも「働きやすさとは何か」について定義する必要があります。ナンバーナインにおける「働きやすさ」というのは、入社してくれたメンバーが「モチベーションを維持し、長く活躍し続けられる環境がある」という風に考えています。
手当を充実させたりユニークな制度をつくることも必要ですが、果たしてそれが上記の「長く活躍する=成果を上げられる」を実現できていなければあまり価値のない空虚なものである、という考えです。
めっちゃ待遇良いし福利厚生も充実しているのに、結果が出てない=売上目標達成しない会社って、普通に潰れますからね。それは働きやすいとは言えません。
なので、ナンバーナインでは「制度ファースト」ではなく「成果ファースト・パフォーマンスファースト」で考えて制度や手当を追加・削減していくように意識しています。
成果ファースト・パフォーマンスファーストな制度や手当紹介
ということで、上述した「働きやすさ」に基づいて作られているナンバーナインの制度や手当の一部をご紹介します。
◆住宅手当
自宅と会社を結んだ直線距離が5km圏内に住むメンバーに対して、本社(東京都)勤務の場合は月額15,000円、日南デジタル漫画ラボ勤務のメンバーは月額5,000円を支給しています。
これは、近くに住む=出退勤の時間が短くなるということで、それだけで時間のストレスや移動のストレスが軽減され、仕事のパフォーマンスも上がるだろう、という考えのもと作られた制度です。サイバーエージェントさんが3駅ルールという制度を導入されていましたが、それに近い考え方ですね。
※ナンバーナインがオフィスワークを推奨する背景はこちらのnoteに記載
◆今月の電書
毎月上限を2,000円とした電子コミックの購入費用を会社が負担する制度です。条件は、電子コミックであることと、最低一作品はナンバーナインが配信する電子コミックを購入すること。
この制度に込めたメッセージは二つ。ナンバーナインは漫画×デジタルをフィールドに事業展開する会社だから、働くメンバーが電子コミックを購入して読むという読書体験をしてもらいたい、というのがひとつ目。
ふたつ目は、社員数が増えていく中でも、デジタル配信サービス「ナンバーナイン」で配信されている作品や作家さんのことを少しでも知るきっかけを作りたい、という想いです。
紙で読むのが好きなメンバー(僕も含めて)は少なくありませんが、これをきっかけに電子コミックを購入した方もいました。電子コミックユーザーが増えれば、市場も拡大する。小さな一手ではありますが、社内でも長く活用されている制度の一つとなっています。
◆MVP
毎月、その月に最もバリューを体現したメンバーを表彰し、インセンティブを支給する制度です。
📷昨日の全社会でのMVP表彰後のZOOMチャット欄。祝福がすごかった
ナンバーナインには、働く上で大切にしている5つの価値観「9 Values」というものがあります。ここで表彰されるメンバーは、その価値観の体現者です。
目標達成すると表彰されるわけではなく、働く姿勢や言動も大切にしたいというメッセージを込めて毎月表彰されています。毎月本当に入れ代わり立ち代わりで色んなメンバーが表彰されているのがとても嬉しいですね。
◆インフルエンサー手当
Twitterの個人アカウントを持ち、フォロワー数が2,000人を超えた場合に月額5,000円、それ以降は人数に応じて手当を支給しています。SNSの発信には苦手意識や好き嫌いがあるため、インフルエンサー手当は全員ではなく希望者のみが該当する制度になっています。
年間1万2000点(おそらく今はそれ以上)もの新刊が発売される漫画業界において、作品の認知を高めるためにSNSを活用した宣伝活動は不可欠。それを漫画家さんたちに依頼するなら、率先して自分たちが活用する必要があるというのがナンバーナインの考えです。
ただし、SNSはあくまで個人の活動の範疇にあるので、この制度は自主性を重んじ希望者のみが参加するかたちをとっています。
第三者を誹謗中傷しない、個人情報の取り扱いに注意する、など当たり前のルールは存在しますが、この手当を活用したいメンバーは決められたルールに則り、Twitter上でナンバーナインの社名を出して積極的に発信してくれています。現在は2名が2,000人を超え、手当が支給されています。
◆誕生日休暇 / 推し休暇
本人、子または配偶者(または婚約者、若しくはこれに準ずる者)の誕生日にお休みを取得できる制度です。これは、ちゃんとプライベートも大切にしてほしいという思いから作りました。
また、上記だけでは配偶者がいないメンバーに不公平が出るだろう、という議論を経て、配偶者がいなくても、恋人または本人が推しているキャラクターのどちらかの誕生日にお休みを取得できる「推し休暇」も一緒に作りました。
エンタメの世界にどっぷり浸かるナンバーナインにとって、推しもパートナーと同様に大切にすべき存在です。遠慮なく、お祝いしてあげてください。
◆トレキャン
こちらは制度というよりも全社的なイベントではありますが、年に一度東京オフィスと日南デジタル漫画ラボで働く全員が集まって研修を行っています。
2020年には東京メンバーが日南メンバーから「電子コミックス制作」を学ぶワークショップを行ったり、会社創業から現在に至るまでを、売上や社員数、イベントごとを起点に振り返る「ヒストリーマップ」というワークショップを行いました。2021年はオンライン上で開催し、全員で漫画を描くワークショップを実施。
今は便利な時代になり、オンラインでも組織としてワークするようになってきましたが、相互理解を深めるためには10時間のオンラインMTGより30分の雑談の方が大切ではないか。そんな思いもありつつ、今後もできる限り継続していきたいと思います。
時代によって変わる「働きやすさ」
最近は事業拡大のために採用を強化しており、多くの方と面談しているのですが、住宅手当があると言うと結構驚かれたりします。いい意味で。たしかにスタートアップで住宅手当を用意している企業は珍しいかもしれません。
そんな住宅手当も、会社から直径5km圏内という条件となると、リモートワーク全盛の今は企業によっては「古い」「価値がない」と考えるところもあるのではないでしょうか。「場所にとらわれない働き方」ができる企業に価値を感じる方も増えていますし、そうした制度を用意する企業も来ましたし、それはそれで素晴らしいと思います。
ナンバーナインも、緊急事態宣言が発出された際に一時金としてリモートワーク準備金を支給したり、現在も出勤をベースとしつつもリモートワークも事前申請すればOKというルールを新設したりしました。
さまざまな価値が「本当に正しいのか」と問われる昨今。働きやすさも、きっと時代に応じて変わるし、変わるべきなのでしょう。本質的には、時代の流れを汲み取りつつも、「その時代の中で私たちの会社がどうあるべきか」ということを自分ごととして考え抜くことが大切なのだと思います。
ナンバーナインでも、利用頻度や利用者が少なく形骸化しているものは制度自体を廃止し、必要に応じて新しい制度の導入を検討します。
人間と同じように組織も生き物なので、ナンバーナインはその時々に自分たちのあるべき姿を考え、軸をぶらさず柔軟に変わっていきたいです。