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EC店舗"kakko"で北欧をはじめとする世界の雑貨セレクトショップを運営【店舗立上げ秘話】

当社では『インテリアのEC事業』に注力し、事業拡大を目指しています。 今回は役員のタカハシに、入社してからEC店舗立ち上げまでのお話を聞きました。

自己紹介

タカハシ

入社後はEC店舗の新規立ち上げに携わる。現在はEC事業部の統括責任者。業務の傍ら、プロダクトデザインを学ぶため、東京の専門学校に通学中。リモートワークで勤務している。(2020年4月現在)

入社時の苦労について

ー 本日はよろしくおねがいします。早速ですが、入社直後はどんな仕事をされていましたか?

もともと東京で写真学校に通っていたんです。卒業後は美術館で働きながら、個展を行うなど写真の活動を継続したり、WEBのコーディングの勉強をしていました。その後、社長である兄が行っている事業を手伝うため、8年前に愛媛に戻ってきました。

最初の半年は、WEBページ制作や商品撮影の業務が主でした。でも、早速壁にぶつかりましたね。

ー なんと!どんなことがあったんですか?

私はそれまで、写真の勉強を約10年くらいしていました。だから周りからも「商品撮影は得意だろう。」と思われていたし、自分もできると思っていたんです。

しかし、私が学んできた「アート写真」と「商品写真」は全くの別物でした。頭に描いたものをうまく表現できないことに自分自身が衝撃を受けたんですよ、笑。

「アート写真」と「商品写真」は、具体的にどう違いますか?

アート写真は、自分の内側を表現するものだと思っています。自分と向き合い、自分の中から出てきたものをオリジナルのコンセプトや手法によって具現化し、人を引き付ける写真を撮ることが大切です。

商品写真はこれと逆で、お客様目線からスタートしなくてはいけません。正確に情報を伝えることが第一の目的なので、カラーや素材、質感を忠実に再現していきます。一方で、硬い写真ばかりでは夢がないので、このアイテムを購入して使ったらどういう素敵な生活ができるかなといった夢を描けるフォトジェニックな写真も必要とされます。そういう練習をしたことがなかったので、アートの表現との差に最初は戸惑いました。

ー 確かに、届いた商品が思っていたものと違うと、クレームに繋がる、お客様満足度を下げる、などEC店舗にとっては致命的ですもんね。

はい、「これはマズい!」と焦りました。「できないと思われたくない!」「周囲の期待に応えたい!」との思まして。プライベートの時間を削って、どういう角度で撮影したらイメージ通り撮れるか、どこまでフォトジェニックに撮ったらページに馴染むかなど研究しました。

ー なるほど。自分で試行錯誤しながら上達していったんですね!

立ち上げたWEB店舗はどんなお店?

ー さて、その後に新規店舗の立ち上げを行っていますよね。当時のことを教えてください。

入社半年ほど経って業務に慣れてきた頃、社長から「新店舗をやってみないか?」という打診を受けたんですよ。私はぜひチャレンジしたいと思い、2つ返事でお受けしまた。そして、3,4ヶ月の準備期間を経て、kakkoというお店を立ち上げました。


ー "kakko"という店舗名の由来は何ですか?

店名であるkakko=カッコ=【】には、重要なもの。伝えたいもの。空白等のイメージがあります。私生活=【】空白の時間 / 自由な時間という意味を持たせています。

お客様の日々の暮らしの中で、お家に帰るのが楽しみになるようなアイテムや、贈り物をしたお相手のお顔が華やぐようなアイテムを届けられるお店になればという思いを込めて、kakkoと名付けました。

ー どんな商品を販売していますか?

立ち上げ当初から一貫して、北欧を中心としたインテリア雑貨と、私がバイヤーとして良いと思える世界中のアイテムをセレクトして取り扱っています。現在は雑貨に加えて、プライベートブランドの照明や家具の売上を伸ばせています。

北欧の商品を扱うのは、北欧の人の「生きていることを単純に楽しんでいるライフスタイル」に共感するからです。自分で選んだ良質なプロダクトに囲まれて生活できると、心の豊かさに繋がりますよね。北欧のライフスタイルを、商品を通じて日本のお客様にも紹介したい想いがあるんです。

ー kakkoは最初からコンセプトやブランディングにこだわったお店だと感じていますが、実際に意識してお店づくりを行ったんでしょうか?

コンセプトやブランディングにこだわったきかっけとしては、もともと写真を専攻していた、というのが大きいです。

写真を学び始めたばかりの頃は、ただ自分の好きなものをルールに囚われず表現することが大切だと思っていました。しかし、ある先生の元で勉強させてもらうことになり、アートとしての表現にはコンセプトが大切だということを学びました。コンセプトに囚われ過ぎても自由さを失いますが、ある程度これを伝えたいということを明確にしたほうが、見る側も写真に入り込みやすいんです。

それと、東京に住んでいたこともあり、たくさんのセレクトショップで雑貨を見る機会がありました。その中で、コンセプトが明確でセレクトが素敵なお店が好きだったというのも理由の一つです。

私が入社した当初は、コンセプトが明確な店舗がなかったので、自分が作るお店は絶対に世界観を持った店舗にしたいと考えていました。お店作りや会社運営には、コンセプトやブランディングは切っても切れないものなので、今はEC事業部の責任者として重点的にこの部分を強化する為に指導育成を行っています。

WEB店舗運営で大変だったこと

ー 立ち上げ時は、ほぼひとりでEC店舗運営に関わる全てに携わっていたんですよね?

はい。受注、出荷作業以外はほとんど1人でですね。例えば、商品の選定、バイイング、メーカー交渉、商品登録、発注業務、商品撮影、WEBページの制作、販売促進、広告運用、ブログ制作、SNS運用などなど。社内にはノウハウを持った人がいるので聞いたら教えてもらえるんですが、最初は「分からないことが分からない」状態で鍛えられましたね。

ー それは大変でしたね!

でも、楽しい大変さでしたよ。自分でセレクトした自分の大好きな雑貨をお客様に見てもらえて その中から気に入ったものを選んで購入してくださることが、とてもありがいですね。コンセプトやブランディング、商品選定にこだわったからこそ、自分の子供のような大切なお店なので。

ー 当時の失敗談とかってありますか?

あります!Microsoft Accessを使ってセール価格や商品の文言の一括上書きデータを作り、更新する作業が苦手でした。セール開始時刻が迫ってくるのに全く終わらなくて、夜にひとりで会社に居残り半泣きで作業をしていた経験は、今ではいい思い出です。

あと、売れると見込んで発注した商品が多すぎたこととか。ページの露出アップ、メルマガでの紹介、限定値下げなど、いろんな施策を試して、必死で売り切りました。痛い思いをしながらも、手探りで方法を探す癖がつき、判断力が身についたと思います。

ー 店舗が軌道に乗ったなと思える手応えって、いつ頃からありました?

最初の1ヶ月は全く売れなかったんです。でも、とある商品をヒットさせることができ、手応えが出てきました。その商品というのが「テンポドロップ」です!

「ストームグラス」ともいうインテリア雑貨です。季節の変化や環境の影響により、ガラスの中にできる結晶の変化を楽しむことがでるアイテムなんです。当社では今まで取り扱ったことのない異色の商材でした。社内のスタッフから売れないだろうと言われましたが、展示会で一目ぼれした商品だったので、「絶対取り扱いたい!」と思いメーカーさんにアタックしました。ヒット商品を作れたことで、自分のバイヤーとしての感覚に自信がつきました。

毎日受注メールをノイローゼのように確認してたんですよ、笑。そして商品が売れると、1つ1つに喜んでいました。売上が作れるようになっても売れた商品を確認する習慣は根付いており、3年間毎日、kakkoで売れたものを全部確認していました!

ー そこまで行動できたのはなぜですか?

「自分が店舗を任されている」という責任感ですね。加えて、さっきお話したように、自分の子供のような大切なお店なので沢山の人に受け入れてもらい、長く愛されるお店に育てたいと思っていました。だからこそ、絶対に結果を出さないといけないという思いが強かったです。

これからのkakko

ー kakkoは将来、どんなお店になっていってほしいですか?

すぐには難しいかもしれませんが、kakkoから丁寧な暮らしの提案ができる何かを発信できるといいなと思っています。

これからのお店はただ「モノ」を売るだけでなく、「価値観」や「ストーリー」の発信が大事です。先ほど話した北欧のライフスタイルのような心の豊かさにつながるヒントを、お客様に価値として提供していきたいですね。

現在、EC店舗の運営は後任の社員に引き継ぎし、私はブランディングと商品開発、バイヤーなど魅せる業務を中心に行っています。店舗の運営や撮影など細かな指導がなくても頼もしいスタッフが世界観を理解してくれ、安定的に運営してくれているので心強く感じています。これからは、今私が行っている業務も少しずつ任せていき、kakkoをもっと広く高い場所に みんなで育てていきたいです。

ー kakkoの世界観が社員にもお客様にも、もっと浸透するといいですね!本日は貴重なお話をありがとうございました!
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