今回お話を伺ったのは、2017年にリクルートに入社し、2023年4月からリクルートのグループ会社であるニジボックスへジョインした開発ディレクターの綿引さんです。ニジボックスでは開発ディレクター組織を率いつつ、SaaS領域を専門とするグループのマネジャーとして活躍し、メンバーの育成やマネジメント、組織の拡大化に注力する綿引さんです。
自分たちが自信を持って世の中へ出すことができるプロダクトを事業会社で作りたい、そんな思いからリクルートへ。
--リクルート入社前は、どのような会社でどんな業務をされていましたか?
前職は新卒で入社したITコンサルの会社の研究開発部門に所属し、エンジニアとして9年ほど働いていました。9年間同じ部署に所属し、自社製のミドルウェア開発を行ったり、新しいサービスの企画やタネを実際にかたちあるものに具現化したり、さまざまな業界のお客様の基幹システム開発に携わったり、という業務を担当していました。
--エンジニアとして働く中で、印象に残っているエピソードはありますか?
研究開発部門だったので入社当初はお客様先へ出ることはほぼなかったのですが、入社して何年かたった頃にお客様の会社へ常駐する案件にアサインされたことがあり、その時のことが印象に残っています。研究開発の部署での仕事を気に入っていたので、正直な話、私はその案件に対してあまり前向きではなかったんです(笑)。コードを書くことも好きだったので、エンジニア本来の業務の時間がなくなってしまうのではないか、裁量権を持って働くことは難しいのではないかと不安になり、当時は転職も頭に浮かんでいました。
ですが実際にジョインしてみると、意外に楽しかったんです。実際にお客様と対峙しながら、目標に向かって共に進んでいく経験がとても充実感があり、自分自身の成長につながった貴重な経験だったなと思います。
--リクルートに転職された理由、エンジニアから開発ディレクターへ転身した理由を教えてください。
前職では楽しく仕事をしていましたし、多くの経験をさせていただき、やりがいもありました。会社に対して不満があったわけではないんです。ただ、コンサルという仕事の性質上、どうしても最終決定はお客様に委ねることになります。時には歯がゆい結果になることもありましたし、順調に結果が出ていてもお客様の事情で中断せざるを得ないこともありました。
そのような中で、やはり自社プロダクトやサービスを持つ事業会社で、自分たちで意思決定できる環境で働いてみたいと考えるようになり、リクルートへ転職しました。入社当時は開発ディレクター職ではなく企画職として入社しましたが、仕事を進める中で開発ディレクションの仕事も徐々に増えていきました。
リクルートの重要案件を共に支える組織として、SaaS領域における開発ディレクターグループを立ち上げる。
--綿引さんが、リクルートからニジボックスへジョインされた理由や経緯を教えてください。
私が入社した2017年以降、リクルートのプロダクトがどんどん増えていく中で、特にSaaS領域における重要案件が増えていったんです。そのような案件が拡大するのに合わせ、主体者として開発を推進することができるディレクターがさらに必要になってきました。もちろん、リクルート内でもそのようなディレクターの育成を進めています。ですが、共に同じ立場や目線で開発を進めていってくれるメンバーをニジボックスからも輩出したい、という思いがあったんです。そこで、新たな組織の立ち上げと育成を行う立場として、ニジボックスにジョインすることになりました。
--現在の業務内容を簡単に教えてください。
現在リクルートでの業務については、SaaS領域の中でも『Airペイ』を中心とした決済サービスを担当し、プロダクトデザイン、企画、開発を行っています。また、店舗業務改善のためのプロダクトである「Air ビジネスツールズ」の業務共通基盤の企画、開発などの業務を兼務しています。
そして2023年4月からは、ニジボックスでSaaS領域に特化した開発ディレクターグループのマネジャーに着任しました。立ち上がったばかりの組織のため、全員がリクルートの決済領域のプロダクトにアサインされ、リクルートの社員と一緒に開発を行っています。私はマネジャーとして、メンバーの案件を進める上でのフォローや、アドバイスしながらメンバーをサポートさせていただいています。
--仕事をする上で、綿引さんが大切にされていることを教えてください。
プロダクトやサービスを使ってくださるクライアントの立場になって、可能な限り深く思考することです。エゴサーチのようなことを実践している方もいて、ネット上のさまざまな声をメンバー間で参考にしていますし、時にはクライアントの意見を直接伺うこともあります。実際に使ってくださるクライアントの視点で見ることで分かることがあると信じています。また、日々の業務でも常にそのことを意識し続けることを大切にしたいと思っています。
--“クライアントの立場になって、可能な限り深く思考する”というお考えは、綿引さんが率いる組織内でも浸透しているのでしょうか?
一緒に働くメンバーは中途で入社した経験豊富なメンバーなので、みなさん自然とユーザー(ToC)やクライアント(ToB)目線に立ち返りながらお仕事をされているように思います。ですので、私から改めて示唆することはほとんどありませんが、業務の中でお互いに「ここは、もう少しクライアントにフォーカスしてもいいんじゃないか?」といった会話はよくしていますね。このような意識は今後も組織全体で大切にしていきたいです。
--仕事をする上でうれしさを感じるのはどんな時ですか?
自分たちが携わった仕事によってクライアントの「不」(リクルート社内で良く使われる用語:不満、不便などの意)が解消されたり、利便性を提供できたりした時はやはりうれしいです。SNSを見ていると、「『Airペイ』に待ちに待っていた機能が追加された!」とか「すごく便利になった!」とか、けっこう反響があるんです。あとは、営業担当の方からクライアントの喜びの声を直接聞くこともあります。もちろん、ネット上でマイナスな意見を目にすることもありますが、それをヒントにいかに改善していくかを考えることも面白いです(笑)
それから、日々の業務の中でメンバーの成長を実感できた時もうれしい瞬間です。今までできなかったことが時間をかけてでもできるようになったり、なかなか結果が出せなかったメンバーが努力をして結果を出せたりした場面に立ち会えることは、何よりうれしい瞬間です。
3年ほど前に、ある長期プロジェクトのスタートに携わっていたんですが、その後に担当者が何人か代わり、たまたま最後のバトンを受け取ったのがニジボックスの開発ディレクターの一人で、先日そのプロジェクトが無事に完了したんです。リクルートの重要な案件をメンバーが主軸となって推進したことはもちろん、私が携わっていた当時、まだかたちの見えていなかった案件を、ゴールまでニジボックスのメンバーが導いてくれたことが感慨深かったです。
協調性を持って仕事をし、チャレンジしていくことができる。スキルよりも、向上心にあふれた方と働きたい。
--綿引さんが率いるSaaS領域の開発ディレクター組織の今後の展開や目指すところを教えてください。
今はまだ立ち上げ期ですが、今後もSaaS領域における大型の案件が立ち上がっていくことが予定されていますので、その側面を開発ディレクターという立場で支えていくとても重要な組織です。また、今後世間的にも事業におけるデータ領域の重要性や、職能を持つ方の価値も高まってゆくと考えています。リクルートグループに所属するニジボックスとしても一人ひとりのメンバーが思い描く未来像に近づけるよう、事業の成長と個人の成長を両立させていける組織であり続けたいと思っています。
--その他、綿引さん自身が挑戦したいこと、目標などを教えてください。
メンバーと共に、与えられた業務をこなすだけではなく、自らの発案でプロダクトやサービスを企画したり、立ち上げたりすることで世の中の「不」を解決していく。そんな組織に成長していき、リクルートに対しても、世の中に対してもインパクトを与えられるようになりたいですね。
--最後に、この記事を読んでくださった方へ向けてメッセージをお願いします。
私が担当するSaaS特化の開発ディレクター組織はまだ立ち上げ時期の部署なので、少数精鋭のメンバーで和気あいあい、カジュアルな雰囲気で仕事をしています。対話を特に大切にしており、定期的に集まって話をしますし、他のメンバーが困っていれば自発的にフォローに入り、支え合う風土があります。もちろん自分自身が与えられた業務にも意欲的で、成長のために貪欲に業務に取り組んでいるメンバーばかりです。
プロジェクト、業務において成果はとても大切ですが、ニジボックスでは結果に至るまでの過程やプロセスも重視する文化があります。ですから、失敗を恐れずにとことんチャレンジをすることができる人。責任感を持って業務にあたりつつ、自らの仕事の幅を広げようと、業務外にまで染み出すことができる人。そして何より、他のメンバーと協調して仕事をしていくことができる人と一緒に働けたらと思っています。開発ディレクションに必要な開発経験やスキルを必須とはしていません。私たちと一緒に多くの経験をすることで経験値を上げ、そこから自分自身を変えてゆく努力をする、そういったマインドが何よりも大切だと思っています。
入社後も開発ディレクターという肩書きにこだわる必要もないと考えています。自身が興味があるなら、企画領域の業務に染み出していっていただいても構わないです。重要なのは社会の「不」を解決するために何ができるのかを考えられることです。ぜひ、社会の課題を解決していく仕事を共にやり遂げましょう。