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ニチノウの「りんご屋」とは? 50年に一度の産業革命を一気通貫で担う

今回は日本農業で ”りんご屋” リーダーを務める松本康平さんに、りんご屋とは何か、そして、りんご屋が目指す新しい農産業についてインタビューしました。

「りんご屋」「一気通貫」「50年に一度の産業革命」と、どれも単体で見ると理解できないワードばかりですが、話を聞いてみると非常にロジカルで、意味のある言葉であることがわかります。

本記事を読めば、日本農業、そしてりんご屋に興味津々となるでしょう。ぜひ最後までご一読ください!

まずはじめに、「りんご屋」って何ですか?

「りんご屋」とは、りんごを農家さんから集めて選果梱包し、商品にして販売する川中の事業そのものを意味しています。

このりんご屋事業を始めたのは、「産地・農家を豊かにしたい」という想いからです。国内で農産物を作って、国内で販売するだけだと、豊作の年に国内で農作物が余ってしまい、単価が下がって、結果農家さんの手取りが減るという現象がよく起こります。これを豊作貧乏と言うのですが、豊作貧乏を無くしたいと考えたとき、国内だけに限定されている需要やマーケットを外に広げていく必要がありました。

需要とマーケットの拡大のため、海外に向けて既に生産されている商品(=りんご)を販売する事業を始め、事業発足当初は「産地にとっても非常に意義のある活動」だと感じていました。それが段々、「うちの会社ではせっかく海外現地でお客さま(消費者)の生の声を聞いて商品を提供できる素晴らしい機会を得ているのに、既存で生産されている商品を販売するだけだと、需要にぴったりマッチした商品を提供できない」と、もどかしさを感じるようになったのです。

そこで、自分たちでりんごの商品作りも始めることにしました。りんごの選果場を自分たちで保有して、川中のほうにまで事業を拡大しはじめたのが今から4年ほど前です。

そのうち、青森県ではそもそも、毎年1%ずつりんごの園地が減っているという課題に直面し、この現状をどうしても打破したいと、ついに2年ほど前から自分たちでりんごの栽培も行うようになりました。従来の日本のりんご栽培の方法は非常に難しく、高い技術が必要になるため、りんご屋は現行のグローバルスタンダードである大規模生産方法を採用した栽培に取り組んでいます。

結果、現在はりんご事業の川上から川下まで一気通貫で行っています。

川上から川下まで 「一気通貫」 で農産物ビジネスを展開することのメリットとは?

川上から川下まで横断してビジネスを展開していないと、「最終的な価値」は作っていけないと考えています。最終的な価値とは、「最後に食べる人が美味しいと思うものを提供する」ことです。

日本の農業全般に言えることですが、農産物を作る人は作る人、製品化する人は製品化する人、流通業者は運ぶ人、小売店は売る人、と完全に分断化されています。

日本の生産分野・物流分野・販売分野において、それぞれの人たちの専門技術は本当に高いんです。ですが、しっかりと役割が分断されているからこそ、各セクションを超えた横断的なコミュニケーションが取れず、最後に食べる人が本当に望むような価格や味の農産物が届けられる産業構造にはなっていないのです。

農産物の生産から小売までを一気通貫で担うことで、それぞれが各持ち場でベストを尽くしながらも、上手く連動ができる農産業の新しい仕組みを作る。それは僕たちにしかできないことだし、産業構造自体を変えることにも繋がっていくと思っています。

なるほど、産業構造自体を変えていくこともひとつの目標なのでしょうか。

本質的には「産地・農家を豊かにしたい」という想いに集約されるもので、そのためには農業を現在の仕組みから、儲かる構造へ転換し、成長産業にしなければいけないというのが根本的な考えです。

これを実現するべく海外に視野を拡大したとき、日本には海外の消費者が喜ぶような農産物や商品がたくさんあり、農産品のレベルが非常に高いことに気付きました。しかし、産業全体の構造がビジネスとして弱いことがボトルネックとなり、グローバル市場で競争力を発揮できていません。この課題を解決できれば、そこには物凄いチャンスがあると考えています。

世界屈指のレベルの高い農産物を、その産地に入り込んで産業として豊かにしていく事業を展開しているのが日本農業という会社です。実物を扱っているビジネスであり、その実物に絶対的な強みがあることを確信しています。

いま特に人が欲しいと思われているポジションはありますか?

りんご屋は今、自分たちの理想を体現するために規模を拡大していきたいと思っています。りんごの仕入や商品の製造工場 (選果場)、国内外での販売をリードしていく人や、そういった人をマネージする人、そして何より一緒にリンゴ産業を変革していけるような人を求めています。

その他のポジションも積極的に募集しているので沢山応募があると嬉しいですが、特にこれから新たに欲しいと考えているポジションはこの3つです。

一緒に働きたいと思う人物像を教えてください。

新しいビジネスを進めていく上で、とにかく自分の頭で考えて動ける人、行動力のある人が来てくれたら嬉しいな、と思っています。

日本農業という名前で農業に関わるビジネスを展開していますが、必ずしも農業に関する経験は必要ではありません。それは、たとえば生産で言えば何十年という単位でずっとりんごを作り続けているような農家さんのレベルに、1、2年で僕らがたどり着くことは不可能だからです。

それでも、そういった人たちからたくさんのことを学んで吸収していく姿勢があれば、一緒にこの産業を改革していける仲間になれると信じています。気持ちが若くて、新しい環境に飛び込めて、トライアンドエラーを繰り返しながらも、自分の頭で考えて仮説を検証し前に切り開いていけるような人は、ぜひうちにジョインしてほしいなと思います。

松本さんご自身も、農業や物流とはまったく異なる業界からジョインされたとお聞きしました。

前職では金融業界に勤めていました。非常にやりがいのある仕事ではありましたが、商材としての実物がない中で仕事をしていて、あらゆる実感や手応えがなかったんです。

農業に携わるようになり、いろんな場面で手触り感があって面白いなと感じています。お客さんに喜んでもらえたり、友人や家族、身近な人にりんごを食べてもらってすごく感動してもらったり、そうしたわかりやすい感動が日々あってとても面白く、やりがいを感じています。

日本農業で働く魅力を教えてください。

一言で言うと、やはり「産業を変革できる」。これってむちゃくちゃ面白いです。

日本には大きな産業と呼べるものは全部で40くらいしかないと聞いたことがあります。さらにその産業がダイナミックに変革するときは50年に一度くらいしかありません。

しかも、40しかない産業に変革を起こすのって、大抵の場合は大企業とか政府です。

農業界はそうした大企業などが入って来ないようなあらゆる産業障壁があったり、そもそも魅力がないと思われている節がある。だからこそ私たちのようなベンチャー企業にも、50年に一度しかないような大変革を起こせるチャンスが大いにある、これには非常に大きなやりがいを感じられると思います。

もう少し身近なところで言うと、農業の現場を実際に訪れれば、産地がどんどん廃れていっているのを痛いほど肌で感じるので、そこに変化を与えていけることにも高い意義を感じられると思います。

最後に、日本農業への参加を悩まれている方にメッセージをお願いします!

産地に来てくれれば、畑や選果工場など現場を実際に案内することもできますし、一緒にご飯を食べに行って話をすることも、いつでもウェルカムです。

正直、農業のことなんて最初はあまりわからない人が多いと思います。ただ、産地に入り込んで、手触りのある仕事をして、みんなで達成感を味わいたい。自分の頭で考えて、裁量を持って試行錯誤しながら物事を前に進めていきたいと思う人であれば、どのようなバッググラウンドを持つ方でも大丈夫、やっていけると思います。

ぜひ少しでも興味を持ってもらえたら、何かしらアクションを起こしていただけたら嬉しいです!

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