【参加レポート】「work with Pride 2026」カンファレンス第1弾〜同性婚の法制化目前、企業が今できること〜
ニューロマジックは2024年12月、「Business for Marriage Equality(BME)」への賛同を表明しました。その一環として、2026年6月30日(火)に経団連会館で開催された「work with Pride 2026 カンファレンス Vol.1」に、賛同企業として参加してきました。
今回のテーマは「結婚の平等(同性婚)に向けて企業にできること」。早ければ今年中にも最高裁判決が見込まれる同性婚訴訟の現状を踏まえ、法制化に向けて企業は何をすべきなのか、各界のリーダーたちが熱い議論を交わしました。
このレポートでは、当日の内容とあわせて、DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進に向けて、私たちニューロマジックが今後取り組んでいきたいことをお伝えしていきます。
カンファレンスレポート
当日は弁護士、企業経営者、経済団体、労働組合など多様なセクターから登壇者が集まり、4つのプログラムが行われました。
1. 「結婚の自由をすべての人に」訴訟の現状
Speaker:
寺原 真希子 公益社団法人Marriage For All Japan –結婚の自由をすべての人に 共同代表 / 弁護士
最初のキーノートでは、寺原真希子氏より、全国で進む同性婚訴訟の現状が報告されました。現在、多くの高等裁判所で現行法を違憲とする判断が下されており、最高裁大法廷に回付されたことで、年内にも統一判断が出る可能性があるとのことです。
印象的だったのは、「この裁判は多くの人の命を救っている」という当事者の言葉です。寺原氏はこの言葉を紹介しながら、これが個人の尊厳に関わる問題であることを強調していました。
法改正が実現した際には、企業の就業規則における「配偶者」の定義を見直すといった実務対応も今後重要になっていくでしょう。
ただ、「法改正したら動く」ではなく、「法改正する前から動いていく」。こうして早くから行動していくことが、平等な社会への変化を後押しする一助となると、寺原氏の話を聞いて強く感じました。
2. 結婚の平等(同性婚法制化)を視野に入れて企業にできること
Speaker:
岩瀬 賢治 株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ 代表取締役社長
村木 真紀 認定NPO法人虹色ダイバーシティ 理事長
神谷 悠一 一般社団法人性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会(略称:LGBT法連合会)代表理事
藤田 直介 LGBTQとアライのための法律家ネットワーク(LLAN)共同代表及び共同創設者(モデレーター)
法制化を待つのではなく、企業が先立って準備を進めることの重要性が語られたセッションでした。
10年以上前からLGBTQ+のウェディングプランニングを行っている株式会社テイクアンドギヴ・ニーズの岩瀬賢治氏は、当事者が気軽に相談でき、自分たちも異性カップルのように祝福されて良いと前向きに思える環境を事業者側が整える必要があると語りました。
特に印象的だったのが、新卒採用面接の場でトランスジェンダーの学生が岩瀬氏に伝えた「幸せになりたいだけなのに、幸せになれる場所がない」という言葉です。
偏見がないから理解しているということではないし、差別しないからそれで良いというわけでもない。表面的ではなく、本質的にどんな人でも安心して生活できる環境を整える。それが私たち企業が取り組むべきことなのだと痛感しました。
セッションの中では「法改正は常識が変わるタイミング」とも述べられ、日本で同性婚が認められることはアジア諸国にも影響があるというお話もありました。
また、当日発表された「同性婚アクション・プラン作成ワークシート」では、社内での準備チームの組成、福利厚生制度の変更、社内規定の見直しなど、法制化前後に企業が検討すべき具体的なアクションが示されました。
3. セクターを超えて実現する協働とは
Speaker:
大山 みこ 日本経済団体連合会 ソーシャル・コミュニケーション本部副本部長 / CATCHY 代表
田代 桂子 経済同友会 副代表幹事 社会の包摂委員会 委員長/株式会社大和証券グループ本社 顧問 サステナビリティ・チャンピオン
畠山 薫 日本労働組合総連合会(連合)総合政策推進局長
松中 権 一般社団法人work with Pride 代表(モデレーター)
日本経済団体連合会(経団連)、経済同友会、連合の代表者が登壇し、それぞれの取り組みが共有されました。
企業がDEIに取り組むことは、優秀な人材の獲得やビジネスと人権への対応、新たな市場開拓につながる「経営課題」そのものだという点が強調されていたのが印象的でした。
DEIの取り組みを進めることは、社外から見ても安心できる企業になることにつながります。そのためには、どうすれば安心できる環境をつくれるのか、企業自身が考え、行動していく必要があります。
まずは組織の中でDEIへの理解を深め、浸透させていく。それが文化となり、やがて外からの信頼にもつながっていくのだと痛感しました。
また、日常的にアライ(支援者)であることを表明するなど、社会全体で心理的安全性の高い環境を整えていくための協働のあり方についても議論されました。
4. 企業経営者が語る、結婚の平等(同性婚法制化)のある未来
Speaker:
ダニー・タン Bokksu株式会社 創業者
下山田 志帆 株式会社wagamama共同代表/元サッカー選手
貴田 守亮 EY Asia Eastマネージング・パートナー/EY Japan チェアパーソン 兼 CEO
岡林 薫 株式会社資生堂 経営革新部 サステナビリティ戦略推進室 DE&Iグループマネージャー(モデレーター)
さまざまなバックグラウンドを持つ経営者の方々が登壇し、ご自身の経験をもとに、結婚の平等のある未来において企業が果たすべき役割について議論しました。
元サッカー選手で株式会社wagamama共同代表の下山田氏は、選手として一番パフォーマンスが良かったのはドイツでプレーしていた時だと語り、その理由として「カミングアウトができる環境だった」ことが大きいとお話ししていたのが印象的でした。
安心してカミングアウトできる環境があることで、パフォーマンスが上がる。一見「カミングアウトがパフォーマンスにつながるの?」と思うかもしれませんが、同セッションのダニー氏も貴田氏も、経営者として心理的安全性のある環境の大切さを訴えていました。
在籍数が1万人以上の企業でも、自身のLGBTQ+についてカミングアウトしている人は2ケタいくかどうか。これが現在の日本の現状です。
当事者の方たちが安心してカミングアウトし、心地よく働けるようにするには、企業がメッセージを発信し続ける必要がある。それもDEI担当者だけでなく、代表や役員陣を含めた企業のトップが「多様な人材が活躍できる環境をつくることが会社の成長に不可欠だ」と明確なメッセージを発信し続けることが大切だと、熱く語られていました。
あわせて、海外企業と比較すると日本のDEIはまだ進んでおらず、多様性をサポートしないことが企業が選ばれない理由になり得るという危機感も示されていました。
カンファレンスを通じて感じたこと
4つのプログラムを通じて共通して語られていたのは、「法律が変わるのを待つのではなく、企業が先に動く」という姿勢と、「安心して自分らしくいられる環境が、個人と組織の力を最大限に引き出す」という考え方でした。
岩瀬氏の「事業の責任として社会を先につくる」という言葉も、下山田氏が語ったオープンな環境がパフォーマンスを引き出すという実感も、根っこにあるのは同じことだと感じます。DEIの推進は、単なる福利厚生やコンプライアンスの枠を超え、「個人の尊厳を守り、誰もが最高のパフォーマンスを発揮できる組織をつくるための経営戦略」なのだと、今回のカンファレンスを通じてあらためて実感しました。
ニューロマジックが今後活かしたい・取り組みたいこと
ニューロマジックでは、これまでも多様なバックグラウンドを持つメンバーが協働し、新しい価値を創造することを目指してきました。今回学んだことを活かし、次のような取り組みを推進していきたいです。
「心理的安全性」のさらなる醸成
カミングアウトの有無にかかわらず、すべてのメンバーが「ありのままの自分」で安心して働けるよう、社内のコミュニケーションや制度のアップデートを継続。
法制化を見据えた社内アクションの推進
カンファレンスで共有された「アクション・プラン作成ワークシート」なども参考にしながら、同性婚を含む法制度の動向を踏まえ、当社規定や制度にどのような見直しが必要か、今から必要な見直しを継続的に検討。
社会・パートナー企業との協働
自社内にとどまらず、協業いただくクライアント様やパートナー企業の皆様ともDEIの重要性を共有し、社会全体にポジティブな影響を与えられる企業を目指す。
ニューロマジックは、誰もが安心して働き、挑戦できる環境を提供することで、信頼される企業であり続けたいと考えています。
多様性を力に変え、社会に価値を提供するエクスペリエンスエージェンシーとして、これからもふさわしい解決を追求してまいります。
ニューロマジックのDEIの取り組みにご興味のある方は、是非コチラからお問い合わせください。
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