「殻破れよ」━━今年話題にもなったタイプロでの菊池風磨さんの名言。この名言に自身を振り返った人も多いのではないでしょうか?Nateeにも大手企業の安定を捨てて挑んだ、まさに「殻を破ろう」としているメンバーがいるので、インタビューしました。
電通で5年間、デジタルマーケティング業務を経験した品川は、30代を前にスタートアップのNateeにジョイン。広告運用や新規事業の責任者を経て、現在は広告戦略をつくる”ストラテジックプランナー”として数億円に及ぶ案件など数多くのプロジェクトで力を発揮しています。
「ストプラの仕事は、クライアント課題解決のための最短経路をつくること」と語る品川。データ分析やクライアントとの対話を通じて、ベストな戦略を導き出します。そんな品川に、ストプラの業務内容やNateeでの仕事のやりがい、将来の目標について聞きました。
▼プロフィール:品川 泰嵩(しながわ やすたか)
東京大学大学院工学系研究科卒業後、2017年に電通に入社。在籍中は電通デジタルでデジタルマーケティング業務を担い、ブランディングからダイレクトまで幅広い領域に従事。2022年、電通時代の先輩から誘われ、Nateeに入社。現在はストラテジックプランナーとして、マーケティングやコミュニケーション戦略の構築および設計に携わっている。
20代最後の挑戦として、Nateeに飛び込む
━━品川さんは2022年、電通からNateeに入社しました。Nateeを知ったきっかけを教えてください。
電通時代の先輩がNateeに転職しており、「一度オフィスに来ないか?」と誘われました。ただ当時のNateeが扱っていたのは、TikTokなどのショート動画。正直なところ、当初あまり事業内容には惹かれていませんでした。
━━それなのに、なぜNateeに興味を持ったのでしょう?
Nateeで働くメンバーを見て、スタートアップに対するイメージが変わったんです。もっとチャラチャラしている人がいるのかと思っていたんですが、Nateeの人たちは、良い意味で素朴(笑)。そのうえで、健全な上昇志向を持ちながら仕事に臨んでいました。
加えて経営陣の小島や朝戸は、私と同い年。第一印象は“普通”で、どこにでもいる同世代なのですが、彼らの関心領域への熱量やパワーには、目を見張るものがありましたね。
━━電通を辞めることに、迷いはありませんでしたか?
めちゃくちゃ悩みました。生涯年収が下がるのではないか、電通という安定した環境で働いた方が良いのではないか、と。実際、あのまま電通に残っていても、良い人生だったと思います(笑)
それでも20代最後、思い切った意思決定をすべきだと感じていました。今ならリスクをとって挑戦しても、戻れる場所がある。転職を考えているときはアドレナリンが出ている感覚もあり、直感を信じてNateeへのジョインを決めました。
━━現在は、広告戦略を作る”ストラテジックプランナー(ストプラ)”として活躍されています。入社当初から同じ役割だったのでしょうか?
いえ、入社当初は広告運用の仕事を任されました。その後、マネージャーに昇格、さらには新規事業の責任者も経験しました。その後、事業内容や組織体制の変化もあり、現在はSNSマーケティング事業のストプラとして様々なプロジェクトに関わっています。
━━品川さんは、電通時代にストプラの経験があったわけではないんですよね。
そうなんです。事業拡大に伴い、顧客のマーケティング課題に向き合う機会が増え、社内でもストプラの役割の必要性が高まっていたんです。であれば、ストプラのスキルセットに一番近い私がやるべきだと考えたんです。
前職でストプラだった同僚や先輩を間近で見ていたことが役に立ちましたね(笑)。彼らの姿を思い出しながら、見よう見真似でストプラの仕事を始めました。クライアントの課題に向き合い、成果を出すための戦略を立てる。このプロセスにおいて、机上では得られない、現場での経験をたくさん積んできました。
ストプラ=課題解決の最短経路をつくる仕事
━━改めて、ストプラとはどのような仕事なのでしょうか?
クライアントのマーケティングやコミュニケーション戦略の構築および設計を行う仕事です。商品認知拡大や好意度向上、ブランディングなど、クライアントが抱える様々なマーケティング課題を、優先順位を立てながら解決を試みます。
そういった意味で、「クライアントのマーケティング課題解決のための最短経路をつくること」が使命だと私は解釈しています。
━━もう少し詳しく教えてください。
面白い企画やいま注目の人をアサインした施策などHow重視の場当たり的な施策では、短期的な成果はともかく、長期的な成果にはつながりません。クライアントの本質的な課題を見極めたうえで、
- 全体の方針を立てる
- 方針に沿ってターゲットを策定する
- 「何を伝えるのか」を決める
を整理します。
施策実行によって1点だけ上がるよりも、20点上がった方が良いですよね。要素分解していくことで何が良かったか悪かったかの振り返りも可能になります。特にプロジェクトの最初のフェーズは変数が多く、考える余地も大きいのですが、プロジェクトの成否を決定づけます。責任は重大ですが、その分やりがいもありますね。
━━クライアントとの最初のコミュニケーションが肝になりそうですね。
おっしゃる通りです。クライアントは誰よりも商品やサービスに向き合っているわけで、当然ながらクライアントがプロモーションに期待することやイメージは尊重するべきだと思っています。
コミュニケーションでは、どんな些細なことでも“本音”を話していただけるよう努めています。オリエンでお話いただくことも大切なのですが、普段業務で感じている課題や違和感など、ポロッと口にされる言葉に、課題解決のヒントが隠されています。それをいかに引き出すか、拾えるかが施策成功の鍵になってきます。
━━ストプラをしていて面白いと思う瞬間はどんなときですか?
日用品のお客様の事例なのですが、自分が戦略を立てたプロモーションで意図通りにドラッグストアでの売上数値が数十%程度伸びたときは、自分の分析・マーケティング設計がうまくハマった感覚があり嬉しかったですね。
プロモーションが成功すれば、もちろんクライアントにも満足してもらえますし、色々な関係者が関わっているので皆さんが幸せになれます。
そういった意味では、大勢の人に関わる「施策成功の鍵」を握ることができるのが、ストプラの醍醐味ではないでしょうか。
コンペで落選。それでも“プランニングの価値”としてフィーをいただいた
━━ストプラの仕事で、特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
あるお客様の案件で、プロモーションする代理店を選ぶコンペに参加しました。コンペ自体には落選したんですが、戦略部分のプレゼンに関して高評価を得て、その分のフィーをいただいたことがありました。
クライアントから求められたのは、マス広告のプロモーション案。ですが私たちは予算や効果を鑑み、「マス広告の予算をソーシャル施策に回すことで、それ以上の効果が見込める」と提案したんです。
━━思い切った提案ですね。
もちろん、最初から「負ける」と思って提案することはありません。
クライアントが求めるテレビCMを否定するのでなく、「テレビCMも良いけれど、ソーシャルでも同等以上にリーチ量を増やせますよ」というスタンスでプレゼンに臨みました。もちろん、クライアントに納得してもらうための定量/定性の情報はしっかり収集して、できる限り論理的にプレゼンをしました。
提案自体は不採用になりましたが、クライアントからは「次回のプロモーションでは、ソーシャルのエッセンスも取り入れていきたい」と、前向きな言葉を掛けていただきました。
私たちは、クライアントを尊重するあまり、クライアントのイメージに沿った施策を提案しがちです。ただ私はストプラを担っているので、本質的なクライアントの課題解決は何かを考えなければなりません。クライアントの課題解決につながる可能性があるのであれば、こうした提案も厭わずチャレンジしていきたいです。
━━ストプラは、社内の他職種のメンバーとどのように連携を図っているのですか?
Nateeは部署同士のつながりも深く、問題や不明点があれば、きちんと確認を取り合っています。
部署間の連携で意識しているのは、事実確認です。例えば営業担当者とコミュニケーションをすると、「それは営業担当者の意見なのか、クライアントの意見なのか」が分からないことがあります。しっかり切り分けないと、クライアントの意向と“ズレ”た提案になってしまうので注意が必要です。
一番の目的はクライアントの課題を解決することなので、課題については特に詳細に認識を合わせますね。
━━最近では、Nateeでも「ストプラ領域にチャレンジしたい」というメンバーが増えてきましたね。
課題意識を持っているメンバーには、なるべく自分の知識や経験を伝えていきたいと思い、ときどき勉強会などを開催しています。
広告事業をやる以上、ストプラのベースになるマーケティング思考は欠かせません。「何をアウトプットするのか」から考えるのでなく、「そもそもこの商品の価値は何か?」を起点に考えながら仕事に向き合う必要があるでしょう。
殻を破り、広告領域を超えたチャレンジをしていきたい
※Nateeメンバーで富士登山をした様子
━━品川さんの今後の目標について教えてください。
広告領域を超えることです。広告はマーケティング手段のひとつに過ぎないので、もっと自分ができることを広告領域以外に広げていきたいと考えています。
特にこだわりたいのは、「人の心を動かすこと」。たまたま私はストラテジックの部分でコミュニケーションを考える仕事をしていますが、改めてこの部分にこだわっていきたいんだなと感じますね。構想していることを、色々な形でアウトプットできるのもNateeの醍醐味なので、引き続きスキルを磨いていきたいと思います。
━━ストプラという仕事には、どのような人が向いていると思いますか?
ストプラに向いているのは、①好奇心が強い人、②考えることを諦めない人、です。
特に広告事業に携わるストプラは、必然的に多くの商品やサービスに関わります。好き嫌いとは別に、広く興味を持てるのは大事な資質ですね。
生成AIが台頭する現代だからこそ、考えるのを諦めない姿勢も重要です。情報社会で生活者の心を動かすのは、非常に難しいこと。生成AIでは出せないアウトプットにこだわれるかどうかがポイントだと思います。
━━Nateeは現在、採用活動を強化中です。転職を検討されている方にメッセージをお願いします。
私も含めてですが、どうしても普通に生活していると、無意識のうちにストレスのないコンフォートゾーンに留まりがちになるように思います。
でも、そもそも「殻」だと思っていたものは、破ったら何でもなかったりしますよね。殻を破った先に、新しい発見や成長につながるかもしれません。自分もまたストプラという立場やスタートアップという殻に閉じこもっているかもしれません(笑)。ただ、殻に閉じこもっているかないかを自問自答してみることがまずは大事かと思います。もちろん「殻を破る」の答えが転職やNateeジョインとは限りません。自分なりの最適解を追求してもらえたらと思います。
その過程で、Nateeへ関心を持ってくださるようであれば、ぜひ一度オフィスに遊びに来てください。お待ちしています!