今回お話を伺うのは、Nateeの新規事業であるバーチャルタレント事業部で事業部長を務める品川泰嵩さんです。
品川さんは、東京大学大学院工学系研究科を卒業後、2017年に電通へ入社。在籍中は電通デジタルに出向し、デジタルマーケティング領域においてブランディングからダイレクトマーケティングまで幅広い領域に従事されました。
Nateeへは大学の先輩かつ電通時代の先輩でもある大丸さんに誘われ、2022年5月にジョインしています。
本記事では、そんな品川さんの在り方や生き方に迫ります。
「でかいことしたい」に導かれて電通へ
ーー本日はよろしくお願いします!品川さんは1stキャリアが電通かと思うのですが、当時はどのような考えで就活をしていたのですか?
最初就活をしていたときに考えていたのは、単純に「でかいことやりたいな」ということでした。
ここでいう「でかいこと」というのは、「あ、これやったの品川さんなんだ」とすぐにわかるようなことです。
例えば街づくりとか、デベロッパーとか、鉄道系とか。大きなことであれば、皆も「おお〜」となるし、自分としても「ああ、この街俺が作ったんだな〜」となるじゃないですか。(笑)
そんな感じで、当時は就職先を考えていました。
そのような中で、ひょんなことから電通に行った大学時代の先輩に「理系でも、電通で活躍できる場所があるんだよ」と会社の紹介をしてもらう機会があったんです。
ただ、その時はあまり実感が湧きませんでした。
電通は体育会系のイメージがありましたし、その先輩がやっていることも、プログラミングを使ってテクノロジーによってクリエイティブをよくする、みたいなことだったので、「あまり関係ないかな」と。
しかしよく考えてみると、電通がやっていること、例えばオリンピックとかW杯とかも「でかいこと」だと言えるし、扱う媒体もテレビなどマス媒体で影響力の大きいものでした。
それで、電通の仕事も、根本では自分のやりたいことに通じているのではないかと思い直したんです。そして最終的にご縁があったこともあり、1stキャリアは電通に就職しました。
ーーそうだったんですね。配属されたのはどのような部署だったのですか?
電通デジタルという子会社に出向になりました。
一番伸びているデジタル領域を押さえておくのが、キャリア的にもスキル的にもレバレッジを効かせられるかなと思っていたところ、希望通りの配属でした。
また、最初の2年間はマーケティングプランナーの部署に配属されました。クライアントへの大型提案に際し、ペルソナやターゲットを分析して資料化する仕事です。
その後の3年間は、Web広告を発注いただくクライアントに対して、プロジェクトリーダーとして、営業や提案や広告運用を行う仕事を行っていました。
スタートアップにリスクなんてない。「20代は挑戦したい」と直感が言っていた
ーーなるほど。そのような中でなぜNateeへジョインすることに?
最初のきっかけは2021年の年末に大丸さん(Nateeの経営企画担当・品川さんの大学以来の先輩)とご飯に行ったことでした。
大丸さんは2021年の4月に電通からNateeに転職されていて、それで「スタートアップとかどう?」とお誘いしてもらいまして。
その時は、「いやいやいや、ありえないです」と流したのですが(笑)、その後「社内でWeb広告に関して相談したいことがあって。メンバーと話してみてくれない?」という相談を受けたんです。
「あからさまな罠だな」と思いつつ(笑)、別に断る理由もなかったのでオフィスに遊びにいきました。
そしたらだいすけ(取締役COOの朝戸)とたかひろ(アカウントプランナーの飛田)と思いの外話が盛り上がって。それで「来週飲みに行こうよ」という話になったんです。
その飲み会で「今度はりょーけん(代表取締役の小島)と会ってよ」という話になり、翌週にはりょーけんと晩御飯を食べに行きました。
そしたら、りょーけんから「オファー出すからさ、考えてよ。」と言われて。(笑)
今考えれば、それらの場を通じて僕の能力やスタンス、性格が見定められていたんだと思います。
そんなこんなでオファーをいただくことになり、その後1週間考える時間をもらいました。
それで考えていくうちに、「当初はスタートアップなんてあり得ない」と思っていたわけですが、段々と「スタートアップに行って、仮にこの会社が潰れたとしても、あれ、なんかあるっけ..? 別にそれで人生詰むわけじゃないし、リスクってあるんだっけなぁ..」と思うようになっていったんですよね。
そして最終的に、「それだったらせっかくの20代、飛び込んでみるか」と、Nateeジョインを決断しました。
ーー「直感」を信じられたことが伝わりました。ご縁とタイミング以外にも何かしら惹かれるところがNateeにはあったのでしょうか?
まずわかりやすいところで言うと、Nateeは広告系のビジネスをやっているので、自分がこれまで培ってきたものを存分に活かせた、という点です。最初から貢献できる道筋がある程度見えていたことは大きかったですね。
あとは社風、雰囲気の部分です。もともとスタートアップに対して、特に渋谷のスタートアップなんかは、社長がギラギラしていて「上場目指すぞ、おらー」みたいなイメージがあったのですが(笑)、Nateeは素朴な人が多くて。
素朴なんだけど、上昇志向も持っていて、そこのバランス感が自分とすごく合っていると感じました。
抜擢の背景は「積んでいるエンジンの大きさ」
ーー品川さんは現在新規事業(バーチャルタレント事業)の事業部長として抜擢されご活躍されています。抜擢の背景にはどのようなものがあるとご自身で思われますか?
それは僕もりょーけんに聞いてみたのですが、自分として一番納得したのは「積んでいるエンジンが人よりも大きい」というものでした。
自分の興味関心領域への熱量というかパワーというか、そういうものを人より持っているんだろうな、と思います。
またそうしたところが、自分でイラストや漫画を描いたり、社内での富士登山企画に繋がっているのかもしれないです。
(品川さんはご自身でイラストや漫画を描いてイベントに出展したり、社内メンバーでの富士登山をすべて1人で企画して実行したりと、「バイタリティが異常」という認知をNatee内で得ています)
自分では好きなことをやっている、くらいの感覚でしかないのですが、他の人からするとなかなかできないことらしいです。(笑)
ーー本当にものすごいエネルギー量ですよね。天賦の才だと思います。少し違う話題になりますが、Nateeが前職と比べて違うなと思うポイントはありますか?
社長やあらゆる人がすぐ側にいるので、会社を自分ごと化せざるを得ない状況である、というのはありますよね。
否が応でもいろんなことが耳に入ってくるので、「自分の会社どうしていけばいいかな」と考える機会は増えたと思います。もちろんそれは面白さにもつながるし、大変さにも繋がるわけですが。
ーー「自ら会社を作っている」実感値がNateeにはありますよね。自分の会社=Nateeでやりたいことは何かありますか?
まずは何といっても新規事業を軌道に乗せたいです。
プラス、新規事業と既存のショートムービー事業が掛け合わさるようなことができれば、会社としてもどんどん盛り上がっていくだろうし、自分でも楽しいだろうなと思います。
これから会社が大きくなっていくと、部署が縦割り化されてクライアントも仕事も固定化されていくと思うんですよね。
そこに対して、今自分がやっているIPのようなものは部署横断で使えるものだし、メンバーも楽しく関われるのかなと思います。
ーー「遊び心」と「情熱」と「エネルギー量」とが品川さんのカラーとして出ていて、いいですね。
自分の中で、「こどもの精神」はずっと持っていたいと思っているんですよね。
誰しもいつかはなくなってしまうものだとは思うのですが、僕は持てる限りは持っていたいんです。
最近は体力が追いつかなくなりつつあるのですが(笑)、そのマインドは持ち続けていたいなと。
Nateeはチャンスが「多様」な稀有な会社
ーー異色の転職を経験した品川さんですが、同様に広告代理店に在籍している方に何か伝えられることはありますか?
これまで培ってきた広告のスキルは外でも使えるものなので、自信を持って欲しいなと思います。
事業主側であっても、「お客さんがいて、その人にどう振り向いてもらうか」が全てです。
その考え方のフレームワークは、パッケージのデザインであっても、商品開発であっても、広告代理店外で大いに使えるスキルですし、もし「広告代理店はもうお腹いっぱい」と思っている方がいれば、色々チャレンジする機会なのかなと思います。
ーーその言葉に救われる方は多そうですね。それでは最後に、未来の仲間にメッセージをお願いします!
Nateeは広告ビジネスも、IPやコミュニティアプリなどコンシューマ向けの他ビジネスもやっていて、かつ50人程度のスタートアップフェーズにある稀有な会社です。
広告ビジネスのみをやっているスタートアップなら新しい挑戦が難しいですし、複数事業を営む大規模の会社だとなかなか他事業への異動が難しかったりするものです。
そういう意味で、Nateeは広告代理店出身の方のキャリアチャンスがいくらでも広がっている珍しい会社だと言えるでしょう。
広告事業の方でジョインし実績を上げれば僕のように新規事業に挑戦できる可能性もありますし、もし事業側をやってみて「違うな」となったら、また広告の方に戻ればいい。
そこの融通が効くのは、この規模でかつ複数のことをやっている僕らのような会社に限られてくるのかなと思います。
もし、「いきなり事業会社にいくのが怖い」あるいは「広告をもうちょっと頑張りたいけどそれ以外の可能性も考えたい」という人がいたら、うちの会社の話を試しに聞いてみてほしいなと思います。
Photo by Ryota Tawa