Nateeは2025年11月に8期を迎え、新・代表取締役CEOに大江祐介が就任しました。
株式会社Natee、8期を迎え新経営体制へ移行株式会社Nateeのプレスリリース
大江は2021年にNateeにジョインして以来、事業責任者として数多くのブランドのマーケティング支援に取り組んできました。「人類をタレントに。」というミッションのもと、クリエイターの才能を核に、クライアントの成果につながるクリエイティブを創出し、Nateeの事業成長を支えています。
新体制への移行に伴い、大江は「クリエイターの才能を最大限に引き出す『プロデューサー組織』をつくりたい」という思いを掲げました。SNSマーケティングを軸に、ブランドとクリエイターの魅力を引き出し、新たな価値を生み出す取り組みを続けていく決意です。
今回は、組織変革をともに推進するパートナーである、株式会社電通のクリエイティブディレクター・多々良樹さんをお招きしました。「プロデューサーのあるべき姿」を大江と対話しながら、Nateeが今後取り組んでいくクリエイティブ領域の方向性や組織構想をお伝えします。
▼プロフィール:
多々良 樹(たたら たつき)
1989年浜松生まれ。慶應義塾大学理工学大学院卒。アニメが好きな全領域プランナー。あたらしい作り方、またはコンテンツ案件に強い。Netflix、集英社、CCJC、サウジアラビアJAPAN ANIME TOWNなど。ACC/朝日広告賞/YouTube Works Awards/CRESTA/経産省Innovative Technologiesほか、国内外で受賞多数。
大江 祐介(おおえ ゆうすけ)
1990年島根生まれ。前職の株式会社リクルートにて全社MVPなど表彰歴多数。「人類をタレントに。」「Great Companyを創る」という壮大なビジョンとそれを本気で実現しようとしているNateeのメンバーに共感し、2021年にジョイン。SNSマーケ戦略構築を牽引し、プランニングから施策実行まで200以上のプロジェクトに参画。2024年6月にSNSマーケティング事業本部の本部長、同年8月に執行役員に就任。2025年11月から代表取締役CEO。
「考える」ことの熱量で、新しい可能性を切り拓いていく
━━本日は、電通のクリエイティブディレクターとして活躍し、Nateeでも複数のプロジェクトに関わっている多々良樹さんをお迎えしました。まずはお二人の出会いから教えて下さい。
多々良:もともと私が西林さん(現・Natee取締役CHRO)と知り合いで、彼の紹介で大江さんにお会いしました。西林さんがセッティングしてくれた飲み会の席が、最初の出会いですね。
大江:その飲み会で、僕は多々良さんのことが大好きになったんです(笑)。多々良さんの仕事の話が全部面白くて、「この人ともっと話したい」と魅了されたことを今でも鮮明に覚えています。
多々良:僕も大江さんのことを“熱い男”だと感じましたよ。とにかく前のめりで、熱心に仕事の話を聞いてくれて。
そして、大江さんや西林さんと話をする中で、Nateeには一言で言い表せない不思議な魅力があるなと感じたんです。Nateeの主力事業はSNSマーケティングですが、決してそれだけは括ることができない。これから様々な「こと」を起こしていくだろうし、起こしていくべき会社だなと直感しました。
━━それからすぐに、多々良さんからNateeメンバーに対して、企画ワークショップを実施していただきました。その際の印象について教えてください。
多々良:Nateeの皆さんは、本当に前向きで素直な方が多いなと思いました。いきなり「広告のコピー100本出してください」と伝えても、嫌がらずに向き合ってくれる。フィードバックも真摯に受け止めてくれて、「考える」ことが好きな人たちなんだなと感じました。
クリエイティブ業界では、他人と違うことこそが価値になる。だからこそ、とことん「考える」ことが本当に大事なんです。
大江:まさに、多々良さんとご一緒していると、「考えることを心から楽しんでいる人だな」と感じます。普通の人が当たり前だと思っている「前提」を疑って、角度を変えて物事を見ようとされるというか。
多々良:こういう考え方以前の基本的なスタンスって、教えることが難しいものだと思うんです。でもNateeの皆さんは、当たり前のように、「他人と違うことを考えるのが面白い」というスタンスを持っていますよね。だからこそ、クリエイティブの可能性に満ちているなと感じます。
大江:多々良さんにそう言っていただけると、本当に嬉しいです。僕自身、最初にお会いしたときに「考えれば絶対に道はできる」という言葉にすごく救われました。何においても、「考えることを楽しむ」という姿勢は、僕たちがこれからも大切にしていきたい部分ですね。
新体制で描く、Nateeの事業構想
━━大江さんは新たに代表取締役CEOとして舵を取るにあたり、Nateeをどのような組織・事業へと成長させていきたいと考えていますか?
大江:新体制で目指しているのは、大きく3つあります。
まず一つ目は、「プロデューサー組織」をつくること。そして二つ目は、ブランドとクリエイターの架け橋となり、「共創」にとどまらない、より新しい価値を生み出していくこと。
この二つは密接につながっています。ブランドやクリエイターそれぞれの魅力を深く理解し、Nateeが間に入ることで、片方だけでは実現できない、新しい「こと」や「もの」、「文化」を生み出していく。そのためには、高いプロデュース力が不可欠です。なので、Natee全体として「プロデュース力」を提供できるチームを作っていきたいと考えています。
そして三つ目は、「Natee」そのもののブランディング。
これまで多くのクライアントのマーケティング支援をしてきましたが、今後はNatee自身のビジョンや事業内容をより積極的に発信し、「ブランドとクリエイターとの共創で社会を動かしていく会社」としての存在感を確立していきたいと考えています。
多々良: 大江さんの話を聞いていると、Nateeが“マーケティング支援会社”という枠を超えようとしているのを強く感じます。
ブランドの成長を支援するだけでなく、ブランドとクリエイター双方にとって新たな価値が生まれる場をつくり、そこから新しい文化を育てていく。
このビジョンを体現するのが、「プロデューサー組織」という構想なんだと感じました。
プロデューサーに欠かせない「背負い力」とは
━━大江さんが掲げる「プロデューサー組織をつくる」という構想について、改めて内容を伺えますか?
大江:8期の事業構想としては、既存の事業を発展させる「ベースアップ」と、新しいことにチャレンジする「ジャンプアップ」を両輪で進めていこうと考えています。プロデューサー組織はその基盤となるもので、端的にいうと、自ら案件をつくり出せる人を増やすための体制です。
実際に“自ら案件をつくり出す”って、簡単なことではなく・・・だからこそ、多々良さんに伺いたいのですが──「良いプロデューサー」に求められる力って、どんなものだと思いますか?
多々良:案件をつくり出すために最も必要なのは、自分で目的(ゴール)を設定する力だと思っています。「何のために“このプロジェクト”が存在してるのか」という意義を設定し、それに向けて行動していくことが求められます。
スタジオジブリの鈴木敏夫さんのお仕事からそれを学びました。鈴木さんは、映画『もののけ姫』をつくる際、従来の倍以上となる20億円の資金調達のため、関係各所に手書きの資料を送ったそうです。「いまなぜ20億円という巨費を投入して超大作を作るのか?」と理由を明確に伝え、前例がない映画づくりの賛同を得るべく奔走されました。(さらにはその巨費すらもオーバーしたため、増資をお願いする書類があるのですがそれも大変興味深いです)
鈴木さんは映画づくりの際、シナリオの段階から深く関わるそうで、宮崎駿さんという偉大なアニメ監督と伴走しながら、自ら作品と社会の接点を見出していくんですよね。クリエイターがつくる作品に対して、それだけの強い当事者意識を持つからこそ、「僕らがつくっている作品にはこんな意義がある」、「だから僕たちは頑張るべきなんだ」と、周りを巻き込んでいけるのだと思います。
大江:なるほど、腑に落ちました。「意義を言葉にできる人」は、やっぱり強いと思います。何のためにやるのかを自分の中で明確にできる人ほど、周りを巻き込んで動かせる。それはまさに、Nateeが目指している“プロデューサー像”にも重なる気がします。
多々良:そうですよね。そして、その「意義」を明確にしたうえで、「理屈」を整えることで、お金の流れを整理できるんです。理屈が通っているからこそ、必要な予算を集めてくることができる。どんなことをするにも予算は欠かせませんから、目的設定力と並び、予算管理もプロデューサーにとって欠かせない能力だと思っています。
大江:関わる人たちが納得させられる「意義」をいかに作れるかが重要、ということですよね。
多々良:まさに。鈴木さんに限らず、優れたプロデューサーの多くは、「背負い力」が高いですよね。全てのことに自ら責任を負う気概を感じます。
広告業界でも、「クライアントの要望だから、こうしてくれ」という理屈を聞くことがありますよね。でも、これでは誰も頑張ることができません。全体を統括する立場として、もちろんクライアントの意向に耳を傾けることは大切ですが、最終的に「自分はこうした方が良いと思っている」と、自らの意思と言葉で語れることが重要なんです。
ブランドとクリエイターをエンパワーメントして、新しい価値を創出したい
━━大江さんが8期でやろうとしているベースアップも、まさに「背負い力」が求められますね。
大江:はい。クライアントのマーケティング支援というのは誰がやってもそれほど変わらないと思われがちです。Nateeはそうでなく、クライアントの価値創出のために“何でもやる”という覚悟でやり切りたい。最終的に、「プロジェクトにNateeが入っていたら心強い」という状態を目指しています。
多々良:あえてクライアント支援をやり切りたい、というのは面白いですね。
大江:同時に、最高の営業組織もつくりたいんです。僕はキャリアのスタートが接客業だったので、目の前の人に喜んでもらえるのが嬉しくて。クライアント支援で喜んでもらい、その結果として新しい価値がつくれたら最高だと思っています。
多々良:これも、広義でいえばプロデューサーの役割ですね。 大江さんが営業職として取り組んできたのは、まさに「こと」の起点をつくる役割だといえますから。
━━ジャンプアップで構想していることも伺えますか?
大江:今のNateeが推進している「クリエイター共創」の取り組みは、ブランドとクリエイターの魅力を深く理解したうえで、最適なアウトプットを模索するということ。
ジャンプアップの構想としては、この「クリエイター共創」からもう一歩飛び出して、「ブランドとクリエイターのエンパワーメント」をテーマに掲げます。エンパワーメントとは、双方の魅力を引き出したうえでパワーを与える、といった意味合いです。ブランドやクリエイターが片方ではできないことを、Nateeが介在することで実現させていくイメージです。
多々良:面白いですね。いま一緒に推進している「luluiyu(るるい湯)」のプロジェクトが、まさに「ブランドとクリエイターをエンパワーメント」して、新たな価値を生み出せるものかもしれませんね。
━━そのプロジェクトについて、具体的に教えて頂けますか?
大江:現在、多々良さんとともに、「luluiyu(るるい湯)」という、邪神が経営する「架空の銭湯」をテーマにしたIPコンテンツ・グッズを生み出すプロジェクトが進行しています。完成されてからでなく、クリエイターと一緒にIPをつくり上げていく過程も発信し、クリエイターのファンも巻き込んだプロジェクトにしていく予定です。
多々良:キャラクターや、実際に販売する銭湯グッズを考えていて、これが新たな文化の種になったら面白いなあと。IPビジネスは、IPそのものに拡散力がなければ成功しないといわれますが、色々なクリエイターを巻き込みながらグルーヴ感のある展開を目指しています。
大江:「luluiyu(るるい湯)」は本当に良い例なのですが、クリエイターの新たな一面を発掘したり、消費者やブランドとの新たな接点をつくったりするのは、「人類をタレントに。」というミッションを掲げてきたNateeが担うべき役割です。クリエイターの熱量と才能を、ブランドの新たなフィールドにエンパワーメントする取り組みを積極的に推進していきます。
多々良:今後はクリエイターだけでなく、“クリエイティブな人たち”の役割も増えていくと感じています。筋の通った企画というだけでなく、企画の核にクリエイティビティが求められている。ブレイクスルーになるのは、クリエイターをはじめとする「人間」だと思います。
なぜなら、ウサイン・ボルトの走りに誰もが熱狂するように、人間は、人間の営みに興味・関心を持つ生き物だからです。SNSの発達により、今後いっそう個人が際立つ世界になるからこそ、クリエイターをどうリフトアップさせていくかという力学も重要になっていくでしょう。
200年後も「面白い」が続く世界を
━━最後に、おふたりが見据える未来の構想について伺えますか?
大江:僕も、どれだけAIやテクノロジーが進化しても、結局は「人が面白いと思うかどうか」が重要だと思います。人類が火星に移住したとしても、人間が存在し続ける限り、「明日も頑張ろう」と力を与えてくれるようなエンタメは残るはずです。そういった精神的な豊かさを提供できる事業をつくりたいと考えています。
多々良:火星移住の話で思い出したんですが、水深200mよりも深い深海は、海の体積の95%以上を占めるにもかかわらず、ほとんど手つかずで未解明なことが多いそうです。まだまだ人類が知らない”フロンティア”が残っている。
SNSも同じで、今はややハック的に捉えられがちですが、そうではない冒険的なやり方もきっとあると感じています。そういう新しい取り組みをNateeと一緒に推進していきたいですね。
大江:Nateeは、人の個性や才能を尊敬し、それを社会の力に変えていこうと本気で向き合う仲間が集まっています。どんなにAIが進化しても、人が心を込めて生み出すものの尊さは変わりません。ブランドやクリエイターを支援することで、僕たち自身も面白くありたい。200年後も、今のように「面白い」と感じられる世界をつくりたいというのが、僕の最終的な目標であり構想です。
多々良:200年後の壮大なビジョン、面白いと思います。ベースアップとジャンプアップ、どちらも楽しみです。僕も引き続き一緒にやれたらと思うので、ぜひともに頑張りましょう!