バーテンダー、サックスプレイヤー、パーティープランナーと、多様なキャリアを経てディレクター職へ。
2018年から株式会社NONAME Produce(n2p)でWebディレクターを務める松村広則さんは、もともとWeb業界とは縁のない場所にいました。子どもが生まれたことをきっかけに、生活リズムを見直そうと飛び込んだ未知の業界。未経験ながら続けてこられた理由は単純に、「面白かったから」だと言います。
キャリアも好きなことも、とことん楽しむ。そんな社員が多数活躍するn2pで、Webディレクター職がどのような働き方をしているのか、気になる実情をリアルに語ってもらいました。業界未経験からWebディレクターを目指している方、必見のインタビューです。
「好きなこと」でキャリアスタート
大学からサックスを始め、卒業後もバーテンダーとして働きながら月に何本もライブをこなす—。そんな生活を続けてきた松村さん。
「やりたいことに、精一杯チャレンジしてみたら?」という妻の言葉に背中を押されてからは、フリーのサックス奏者として音楽活動に専念する毎日を過ごしていました。「当時はレストランで1日8ステージをこなしたり、自身のバンド活動や音楽レッスンをしたり、音楽にひたすら向き合う生活をしていましたね」と振り返ります。
その後、収入面での課題を感じ、知人の紹介でダイニングバーのパーティープランナーとして働き始めた松村さん。音楽活動を続けながらできる仕事が魅力的でした。
「ライブができる会場だったので、演奏者の目線で向き合えたこともあり、目の前にいる相手(クライアント)が何を求めているのかを探りながら、楽しませようと模索することにやりがいを感じていました。そんな仕事にのめり込みつつ、年間50〜60本のライブに出演する多忙な日々でした(笑)」
転職のきっかけはライフステージの変化
そんな松村さんがWebディレクターの道へ進むことになったきっかけは、子どもが生まれて「家族との時間を増やすため」でした。土日は仕事やプライベートの予定で埋まってしまうことが多かったため、平日にシフトした仕事に就こうと考え始めたのだといいます。
音楽仲間のWebサイト制作を担った経験があったことから、既知の仲だったn2pの村上代表へ相談し、2018年に入社。Webディレクターとして新しいキャリアをスタートさせます。
「未知の業界ではありましたが、不安はなく、なんとかなるだろうという感覚でしたね。…というのは、業種は変わっても、お客さんの作りたいものに応えるために何をしたらいいのか、と考えるところは同じだったからだと思います」
とはいえ、実務上ではこれまで経験したことのない壁にぶつかることもありました。「ウェディングパーティーやライブ企画のときは、目の前にいる人=クライアントだったのが、デジタルプロモーション制作の現場では、担当者の方だけで完結するわけではなく、その先に上長やエンドクライアント、社内の承認フローがあります。意思決定の構造について知ることができたのは、新しい業界に飛び込んだからこそですね」
松村さんが仕事をする中で大切にしているのは、「コミュニケーション」だと言います。「制作側とクライアントでは立場が違いますが、本来はどちらも『成果を出したい』『いいものを作りたい』という同じ目的があります。敵対するのではなく、同じ目的に向かって進めている、と思ってもらえるような進め方をしたいと思っています」
そのコミュニケーションを支えるツールとして、AIも積極的に活用しているといいます。「こちらの意図が相手にちゃんと伝わっているか、相手が判断しやすい表現になっているかを確認するために使っています。自分だけで書くと、どうしても言葉が短くなって冷たく見えてしまうこともあるので…(笑)」
どんなことをしているの?Webディレクターの一日
実際、n2pのWebディレクターは日々どんな仕事をしているのでしょうか。松村さんに、一日の流れを伺いました。
「午前中は、その日のタスクの整理やメール確認、短時間で終わる修正作業などを片付けていきます。まず一日の全体像を把握してから動く、というのが自分のリズムですね」
11時には全社朝礼に参加し、午後はキャンペーンツールのセッティングや、そのダブルチェック、そして各所への依頼・調整・連絡・会議と、「誰かと連絡を取り合っている状態」が続きます。
n2pのディレクターが担うのは、制作進行だけではありません。松村さんの場合、SNSの運用支援や、採用関連の業務も担当しています。「ディレクターと聞くと制作の仕事しかしないイメージかもしれませんが、実際にはもっと幅広い動きをしています。前の仕事で培った経験が、思わぬところで活きることも多いです」
前職の経験は、ちゃんと活かせる
「未経験でディレクターに転職して、前職の経験は活かせるの?」と思う方もいるかもしれません。松村さんの答えは明確です。「めちゃくちゃ活きてますよ」。
バーテンダーからパーティープランナーを経て、顧客のやりたいことを丁寧に聞き出し、それを形にする経験を重ねてきた松村さんにとって、クライアントの意図を汲んで制作物に落とし込むディレクターの仕事は、本質的に同じことだと感じています。
「ウェディングパーティーの仕事をしていたとき、新郎新婦がやりたいことに対して、会場の条件や予算、当日の進行の中でどのように実現するかを考えていました。それは今のWebディレクターの仕事でも同じで、クライアントがやりたいことや達成したい目的を整理し、制作物や施策として形にしていく。本質的にやっていることは変わらないなと思いますね」
そんな松村さんの強みを尋ねると一言、「ないですね(笑)」。「ただ、新しいものを知って世界が広がるワクワク感は好きです。バーテンダーや音楽活動を長年続けてきたので、人と場をつくるフィジカルな活動は今でも得意ですね」
その言葉通り、社内では交流会に参加しやすい仕掛けを考えたり、インターン生が企画に挑戦できる場を設けたりと、チームづくりの面でも松村さんらしさが発揮されています。「それぞれに得意不得意があるので、お互いの特性を知って補い合える組織にしたいと思っているんです」
そんな松村さんが笑いながら話す姿を見ていると、「エンターテイナー」という言葉が自然と浮かびます。n2pで働く今も音楽活動を続け、月4〜8本のライブに出演するなど、「仕事と家族の時間、そして好きなこと」を両立させているのだといいます。
「好きなことがある人のほうが、絶対に強い」
最後に、これからWebディレクターを目指す未経験者へのメッセージを聞きました。松村さんは、正直な言葉を選びます。
「Webのスクールが増えて、基本的なスキルは誰でも身につけられる時代になりました。でも、それだけでプロとして生き残っていくのは、正直難しい。AIがどんどん賢くなっていく中で、経験豊富な人がAIを使いこなすようになれば、未経験者に依頼が回ってくる機会は減っていくと思っています」
松村さんが伝えたい核心は、次の言葉にありました。「好きじゃないとできない、とは思わないんですよ。でも、好きな人の方が絶対に強い。それは間違いない。だから、この仕事に少しでも『面白さ』を感じている人には、ぜひその気持ちを大切にして、続けてほしいと思っています」
松村さん自身、その言葉を体現するように、2025年10月から半年以上、毎日一つアプリを制作しています。ルーレット、タイピングゲームなど、仕事にライブ、子育てをこなしながら、毎日欠かさず続けているのだといいます。
「慣れてくると30分くらいでできるものもあって。AIがサポートしてくれる今の時代、個人でできることはすごく増えていると思うんですよ。作ることが、純粋に楽しいんですよね。みんなで、作りましょう!(笑)」
仕事も音楽も制作も、好きなことに向き合い続けてきたからこそ、「面白がる」ことが、今のキャリアにつながっています。
松村さんが一緒に働きたいと思う人について尋ねると、「自分の関心ごとに情熱を持って、面白がれる人ですかね」と一言。
大切なのは、業種や肩書きよりも、自分の内側から湧き出る「やりたい」という気持ち。それが、未経験キャリアチェンジの一つのヒントになるのかもしれません。
n2pでは、一緒に働く仲間を募集しています。この記事を読んで、新しいことを試したい!とワクワクした方は、ぜひこちらからご応募ください。