スマホ1台でゲーム実況ができる配信プラットフォーム「Mirrativ」を運営するミラティブでは、年に一度社内表彰「Mirrativ Award」を行っています。
2025年12月、ミラティブは上場しましたが、その年の準MVPに選ばれたのは、そのIPOプロジェクトをリードした経営企画部部長の髙野栄治郎さんです。今回は準MVP受賞の背景やIPOプロジェクトでの取り組み、仕事に向き合う姿勢などについて話を聞きました。
髙野 栄治郎(たかの えいじろう)
新卒でSMBC日興証券株式会社に入社。公開引受部にてIPOを目指す企業に対する上場準備コンサル業務に従事し、複数企業の上場を実現。2022年10月ミラティブに参画し、経営企画部部長を務める。猫が好き。
IPO経験を活かし、全社を巻き込んでプロジェクトを推進
――まずはこれまでのキャリアと、現在の業務内容について教えてください。
新卒でSMBC日興証券に入社し、2年半ほどリテール営業を経験したあと、投資銀行部門(公開引受部)に異動し、IPOを目指す未上場企業に対する上場支援コンサルティング業務を約6年ほど行っておりました。そこで数多くの会社の上場を支援させていただいた後、2022年10月にミラティブに入社し、現在は経営企画部の部長として働いています。
2025年を振り返ると、IPOプロジェクトが大きな取り組みでした。前職の経験をもとに、ミラティブのIPOプロジェクト全般をリードする役割を果たしていました。
――Mirrativ Awardで準MVPを受賞したときの気持ちをお聞かせください。
驚きと同時に、ほっとしたというのが率直な気持ちです。実は、受賞を知らされたのは上場日の翌日だったんです。IPOは私一人でできたことではなく、全社で頑張った結果だと思っていますので、IPOプロジェクト全体を評価していただいた結果、旗振り役の自分が受賞させていただいたのかなと、嬉しく思っています。
――IPOに向けて、具体的にはどんな準備をしてきましたか?
上場に向けた準備としては、規程や業務フローをはじめとした内部管理体制の整備、事業計画の策定、資本政策、申請資料の作成といった一般的な上場準備に加え、共同主幹事の選定や、M&Aを実施した会社のPMI(*)なども行いました。IPOプロジェクトに関する詳細な情報は、経営陣や一部のコーポレートメンバーに限定して進める必要があった一方で、全社を巻き込みながらプロジェクトを推進することも求められました。
(*) PMI(Post Merger Integration)... M&Aの成立後に行われる統合プロセスのこと。
オープンなコミュニケーションと共通言語化で全社を巻き込む
――IPOプロジェクトが成功した要因は何だと思いますか。
要因を挙げるとすると、全社に対する「オープンなコミュニケーション」と、「共通言語化」だと思います。
上場準備は、コーポレート本部以外のメンバーにとっては馴染みのないプロジェクトです。「なぜこれをやらなければならないのか」「なぜこのルールが必要なのか」という単純な疑問や不安も、当然生まれます。
そこを「上場のため」と言い切って押し付けるのではなく、ミラティブが重視する「わかりあい」の精神で、なぜ必要なのかを説明し、どうすれば事業部門の負担を減らすことができるのかも、併せて検討できたのがよかったと思います。また、マネージャー陣に対してIPOの勉強会を実施するなど、対話の場を通じて、全社的にプロジェクトへの協力を得られたことが一番の要因だと思います。
東証の上場セレモニーにて、IPOプロジェクトの代表者で打鐘
――プロジェクトを進めるうえで意識していたことはありますか?
審査対応の役割分担は、工夫したことのひとつです。誰が審査対応をするかは会社によりけりで、事業部門の責任者が出る会社もあれば、代表が全ての審査に出る会社もあります。
ミラティブでは、基本的な審査プロセスはコーポレート本部だけで完結させました。事業部門のメンバーや、代表には必要に応じて協力してもらいましたが、彼らが事業に集中できる環境を守りたいと考えたからです。
――この1年間を振り返って、難しかったことがあればお聞かせください。
ミラティブらしい攻めの文化と、上場企業としての規律のバランスを取るところに一番気を遣いました。なんでも厳しくすることが最も簡単ではありますが、規律を固めすぎるとミラティブの良さが損なわれたり、スピード感が失われてしまいます。そのバランスを柔軟に考えながら、できるかぎり事業部門に寄り添った線引きができるように心がけました。
――ご自身の強みはどういったところにあると感じていますか?
私が一貫して大事にしてきたのは、ラストマンシップです。特にIPOのプロジェクトに関しては、私が最後の砦であり、私が倒れたらこのプロジェクトも終わるという覚悟で臨んでいました。
特にIPOのような多くの関係者が経験したことのないプロジェクトを進めるにあたっては、誰のボールなのかわからない曖昧なものも多く生じます。「誰かがやってくれるだろう」という甘えは命取りになります。落ちているものは全部拾うぐらいのつもりでやっていました。
プロフェッショナルなチームメンバーに支えられて
――前職で多くの企業のIPOを見てこられたと思いますが、ミラティブはスムーズに進んだ方ですか。
そう思います。スムーズに進められた要因を考えると、組織内のコミュニケーションが円滑に進みやすかったことが挙げられます。
事業部門のメンバーはとても協力的で、コーポレートチームも優秀で経験豊かなメンバーがそろっていたので、安心感を持って進められました。
コーポレートチームのみなさんと
――周囲とのやりとりで印象的だったことがあれば教えてください。
IPOの準備には膨大なタスクがあり、ときにはイレギュラーな事態が起きることもあります。特に心強いと感じたのは、審査フェーズのときです。上場審査はその構造上、先に進めば進むほど忙しくなるものなのですが、対応しているメンバーは疲弊しすぎることなく、期日に余裕を持って物事を進めてくれていました。その光景を見て、あらためてたくましいチームだなと思ったのを覚えています。
――コーポレート以外のメンバーとの関わりはいかがでしたか?
IPOプロジェクトは経営陣や限られたコーポレートメンバーを中心に進めていたのですが、そもそも上場は事業成長を前提にしています。つまり、事業部門のメンバーがユーザーに向き合い続け、その結果として、目標をしっかり達成していたことが、上場を実現するうえで非常に大きかったです。
IPOプロジェクトのメンバーがいくら頑張っても、事業がうまくいっていなければ絶対に上場はできません。彼らを信じて、準備に集中できたことは、大変ありがたかったと感じています。
これまで、多くのIPOを目指す会社を見てきましたが、事業部門とコーポレート側の両輪がうまく噛み合う会社というのは、本当に少ないです。いい会社の定義はいろいろあると思いますが、ミラティブは経営者を中心として全員が同じ方向を見据えている、いい会社だと感じます。
IPO後の新たな挑戦に向けて
――IPOを果たし、ご自身はどんな変化を感じていますか?
IPOプロジェクトを当事者としてやり切ったことは、自分にとって非常に大きな意味を持つ経験となりました。前職では証券会社という立場で、あくまでも外側からサポートする形だったので、今回、事業会社の一員として上場までリードする経験ができ、感じた喜びも一段と大きかったです。
――今後の目標をお聞かせください。
上場はゴールではなく、あくまでスタートラインです。これからは、上場企業としての信頼をベースに、ミラティブの「わかりあう願いをつなごう」というミッションのもと、非連続な成長を実現させていきたいと思っています。投資家の皆さまに向けたIRの拡充をはじめ、さらなる企業価値の最大化に向けた挑戦をしていきます。
――最後に、ミラティブで働いてみたいと考えている方に向けてメッセージをお願いします。
ミラティブのようなステージの会社では、ダイナミックな環境を楽しめる自走型の人が活躍できると思います。上場したとはいえ、ミラティブはまだまだ変化を続ける会社です。その変化に伴い、新たな仕組みづくりを行う局面は多くあります。「自分が仕組みを作ってやる」とワクワクできる人や、自分の専門領域を超えてでも、コトを前に進めようとする熱量がある人は、活躍できる環境だと思います。
さらにコーポレートに絞って補足すると、ミラティブのコーポレートは、単なる事務というより、事業を加速していくためのパートナーのような位置づけです。ラストマンシップを持ち、自分たちの手で企業価値向上に貢献したいといった志を持った方と一緒に働けることを楽しみにしています。
※記事の内容は執筆当時(2026年2月時点)のものです。
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