【プロフィール】
笠原優子(Yuko Kasahara)
大学卒業後、不動産業界にて個人営業、続けてセキュリティ業界での法人営業を経験。顧客課題の深掘りや中長期的な信頼構築を強みとし、BtoC・BtoB両方の営業スタイルに対応。 2023年11月、より戦略的な営業活動と仕組みづくりへの関心から、マツリカにインサイドセールス(SDR)として入社。
現在はマーケティング部門に所属し、SDRチームのリーダーとして戦略設計や業務改善を牽引。 架電・メール・データ分析を通じた顧客課題の仮説構築や、フィールドセールス・マーケティングとの連携による商談創出プロセスの最適化を行う。展示会担当として企画・運営だけではなく、SFA検討者向けのセミナーやMazrica既存ユーザーイベントでも登壇している。
はじめに
こんにちは!株式会社マツリカでSDRの責任者をしている笠原です。
マツリカでは、Mazrica(SFA/CRM + MA + BI)、Mazrica DSR(デジタルセールスルーム)、DealAgent(営業AIエージェント)、Mazrica Target(営業特化型AI企業データベース)という6つのプロダクトを展開しています。
この記事では、マツリカのSDRが実際にどんな仕事をしているのか、マルチプロダクトをどう扱っているのかを、具体的にお伝えします。記事の最後では、私も参加する11月21日(金)開催のキャリアイベントについてもご案内していますので、ぜひ最後までご覧ください。
SDRが会社の成長を握っている
SDRは、お客様との最初の接点を担うからこそ、市場のリアルな声を誰よりも早くキャッチできる存在です。その声を社内に届けることで、マーケティング戦略、営業組織の成長、プロダクトの進化に貢献しています。
特に、マルチプロダクトSaaS企業として複数のプロダクトを展開するマツリカでは、新規プロダクトのローンチ時にSDRが果たす役割は大きいです。SDRは、市場と社内をつなぐハブとして、会社の成長戦略の中核を担っています。
マルチプロダクトセリングの現場
マツリカにおけるSDRの役割は、お客様の課題に応じて最適なプロダクトを見極め、最初の会話を設計することです。
では、実際にどうやって「最適なプロダクトを見極め」「会話を設計」しているのか、具体的な取り組みを、3つの観点からお伝えします。
1.各プロダクトのスクリプト作成
マルチプロダクトを扱う上で最も重要なのは、お客様の課題に応じて、最適なプロダクトから会話を始められるようにすることです。
そのために、各プロダクトに合わせたトークスクリプトを作成し、マーケティングから提供される最新のコンテンツやプロダクトの新機能リリースに応じて、日々ブラッシュアップしています。
■相手の職種・役職で訴求を変える
同じプロダクトでも、話す相手によって関心のポイントは全く異なります。
たとえば、Mazrica Targetを例にすると
・経営層:「データドリブンな新規開拓戦略で、営業組織全体の生産性を可視化できます」
・営業マネージャー:「チーム全体の商談準備時間が半減し、受注率向上に繋がります」
・営業現場:「企業情報の調査時間がゼロになり、リスト作成が数分で完了します」
このように、同じ機能でも「誰にとっての価値か」を言語化し分けることで、初回コンタクトでの反応が大きく変わります。
ただし、スクリプトは「台本を読む」ためのものではありません。お客様の状況に応じて柔軟に切り替えられる設計を大事にしています。
■会話の中で別プロダクトへ自然に切り替える
マルチプロダクトの強みは、一度の会話で複数の選択肢を提示できることです。
実際の架電では、こんな流れが頻繁に起こります。
・Mazricaの導入を検討していたお客様が、会話の中で「実は社内稟議に時間がかかって困っている」と話す
・その瞬間、Mazrica DSRの「顧客との情報共有で稟議を加速させる」という切り口に切り替える
・結果、当初とは別のプロダクトで商談化に繋がる
こうした柔軟な切り替えができるのは、スクリプトに「課題ベースでの接続」を事前に組み込んでいるからです。お客様の課題に最も合ったソリューションを提案することが、結果的に商談の質を高め、会社全体のMQL最大化に繋がっています。
では、そもそも「どのプロダクトから入るべきか」をどう判断しているのか?その答えが、マーケティング段階でお客様が示した興味関心にあります。
2.マーケティング施策からの興味関心を分析
リスティング広告、Webサイト、展示会、ウェビナーなど、マーケティング施策を通じてお客様が示した行動は、SDRにとって重要な情報源です。
・ フォームの記入内容:問い合わせ内容、導入検討時期、現在の課題、予算感
・ アクティビティ履歴:どのページを閲覧したか、どの資料をダウンロードしたか、メールの開封状況
・ 流入経路:リスティング広告のキーワード、展示会での会話内容、参加したウェビナーのテーマ
これらの情報をもとに、「この企業にはどのプロダクトが最も適しているか」「どんな切り口で話を始めるべきか」を判断し、初回コンタクトの準備をします。
たとえば、アクティビティで「営業組織の生産性」に関する記事を複数閲覧している企業であれば、Mazricaの包括的な営業DX支援から入るのが最適です。
一方、「商談資料の管理」に関するページだけを見ている企業であれば、Mazrica DSRの情報共有機能から話を始めた方がピンポイントで刺さります。
また、展示会でMazrica Targetのブースに立ち寄った企業には、新規開拓の課題がある可能性が高いため、ターゲット選定の効率化という切り口から会話を始めます。
お客様がマーケティング(初期接点)段階で何に興味があるかを読み取ることで、初回コンタクトの精度を大きく高めることができます。
そして、SDRの役割はここで終わりません。
SDRは、単独で動いているわけではありません。セールス、プロダクトオーナー、マーケティングと密に連携しながら、リアルな顧客の声を組織全体に届ける役割も担っています。
3.各部門との連携体制
SDRは、単独で動いているわけではありません。マーケティング、セールス、プロダクト側と密に連携しながら、リアルな顧客の声を組織全体に届ける役割も担っています。
・セールスとの連携:商談後のフィードバックをもとに、「どのヒアリング項目が商談の質を高めるか」「どんな情報があれば提案しやすいか」を議論し、スクリプトやアンケート内容を改善。
・プロダクトオーナーとの連携:SDRが収集した「お客様の生の声」を共有します。「こういう機能があれば導入したい」「この業界ではこんな使い方が求められている」といった情報は、プロダクト改善の重要なインプットに。
・マーケティングとの連携:SDRが発見した「刺さる訴求ポイント」をマーケに共有し、次のキャンペーン設計に反映してもらいます。また、マーケが集めたリードの「温度感の違い」をSDRが検証し、スコアリング精度の向上にも貢献。
このように、SDRは顧客接点を持つからこそ得られる情報を各部門に循環させ、組織全体の最適化を推進する架け橋として機能しています。
そして、この「架け橋」としての役割は、新規リードだけでなく、過去に失注した案件の再アプローチにも生きてきます。
マルチプロダクトを扱うからこそできる、失注案件の再活用。ここにも、SDRの重要な役割があります。
失注案件からMQLを最大化する
マルチプロダクトを扱う強みは、一度失注した案件でも、別のプロダクトの別切り口にて再アプローチできることです。
フィールドセールス(AE)との連携による掘り起こしの仕組み化
失注案件の掘り起こしには、決まった期間を設けていません。代わりに、AEとの連携を仕組み化することで、適切なタイミングでの再アプローチを実現しています。
具体的には、失注理由や背景をもとに「掘り起こし予定日」をAEと一緒に設定する運用を導入しました。
・ 「予算の確保が来期になる」→ 来期の予算編成時期に合わせて掘り起こし予定日を設定
・ 「現在のツール契約が残っている」→ 契約更新タイミングの3ヶ月前に設定
・ 「組織変更が予定されている」→ 変更後の落ち着いた頃に設定
この仕組みにより、SDRは設定された日付が近づくと自動的にアラートを受け取り、最適なタイミングで再アプローチできるようになりました。
過去データを活かした別プロダクト訴求
さらに、過去の商談データを分析することで、別プロダクトが刺さる可能性のある企業を抽出し、掘り起こしを実施しています。
実際に行った施策の例として、 SalesforceやHubSpotを既に導入している企業に対して、Mazrica DSRを訴求 。 「既存のSFA/CRMはそのままで、顧客との情報共有だけ改善しませんか?」という切り口でアプローチをしました。
「今使っているツールは変えたくないけど、情報共有の課題は感じている」という潜在的なニーズを持つ企業に対して、新たな選択肢を提示できています。
マルチプロダクトだからこそ、一度失注した企業に対しても「別の角度からの価値提供」が可能になるのです。
マルチプロダクトだからできること
実際に、Mazrica SalesとMazrica Targetの両方で受注につながった案件も出てきています。これは、一度の接点を複数の商談機会に転換できたマルチプロダクトセリングの成功例です。
1社のお客様に対して、6つのプロダクトという選択肢があることで、接点を持ち続けられる可能性が格段に広がるのです。
ここまで、スクリプト作成、マーケ施策の分析、部門連携、失注掘り起こしと、SDRの具体的な仕事を見てきました。
これらすべてに共通しているのは、SDRが単なる「営業の入口」ではなく、組織全体をつなぐハブとして機能しているということです。
では、なぜマツリカにおいてSDRがこれほど重要な役割を担っているのか?その答えは、コンパウンドSaaS企業としての成長戦略にあります。
SDRがハブになる組織づくり
マツリカのSDRは、顧客接点を持つからこそ得られる情報を組織全体に循環させる存在です。
お客様が何に困っていて、どんな言葉に反応し、どのタイミングで興味を持つのか。こうした生の情報は、マーケティングの施策設計にも、プロダクト開発にも、セールスの提案精度向上にも活かされます。
マルチプロダクトSaaSにおけるSDRの価値
特に、マツリカのようなマルチプロダクトSaaS企業において、SDRの役割はより重要性を増しています。
たとえば、Mazrica Targetは2025年11月にリリースされたばかりの新しいプロダクトです。まだ市場での認知度も低く、広告も手探りで回している段階。どんな訴求が刺さるのか、どんな企業が興味を持つのか、すべてが未知数です。
こうした新規プロダクトのローンチフェーズでは、SDRが最前線でお客様と会話し、反応を拾い上げることが、プロダクトの成長に直結します。
実際に、初回のコンタクトで
・「どんな言葉に反応したか」
・「どんな課題を持っているか」
・「競合と比較してどう感じたか」
・「どの機能に最も興味を示したか」
こうした生の声をリアルタイムで収集し、プロダクトオーナーやマーケティングにフィードバックすることで、広告文の改善、訴求ポイントの最適化、さらにはプロダクト機能の優先順位付けにも貢献しています。
新規プロダクトを世に出していく過程で、SDRは単なる営業ではなく、市場との対話を通じてプロダクトを磨き上げる重要なプレイヤーなのです。
マツリカが次々と新しいプロダクトを生み出し、SaaS企業として成長していく中で、SDRは市場と社内をつなぐハブとして、会社の成長戦略の中核を担っていると実感しています。
一緒にマツリカの成長をつくる仲間を募集しています
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
マルチプロダクトを扱うことで、お客様の課題に対して柔軟に対応でき、失注案件からも新たな価値を生み出せる。新規プロダクトのローンチでは、市場の声を最速で拾い上げ、プロダクトの成長を加速させる。
SDRがハブとなり、各部門と連携しながら顧客体験全体を設計していく。
それが、マツリカにおけるSDRの役割であり、この仕事の面白さです。
こんな方と一緒に働きたいです!
・ お客様の課題を自分ごととして考えられる人
・ データや仕組みを活用した戦略的な営業に興味がある人
・ 部門の垣根を超えて、積極的にコミュニケーションを取れる人
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少しでも興味を持っていただけたら、まずはカジュアルにお話ししましょう。
【11/21(金)開催】若手営業向けキャリアイベントのお知らせ