こんにちは!
「赤いイナズマ」永瀬です
最近、あまりイナズマとして活動出来ておりません
ツーリングに行きたい
身体にGを感じながらコーナーを曲がりたい
そして、帰り道温泉に浸かって、高速のインターで缶コーヒーを飲んで、
みたいなことしたい!!!
なのに何でしょうこの天気。。。週末を狙っての悪天候。。。
同じフラストレーションを抱えている方、たくさんいらっしゃるかと思います
そんな時は家で大人しく商品企画について語っているラジオを聞いて心を落ち着かせましょう
そんなわけで!!!
今回は、前回に引き続き
Behind The Scenes:商品の魅力
をお届けしたいと思います。今回は後編です!
音声データ(Podcast)はこちら↓
Behind The Scenes:商品の魅力 #2 by FABRIC TOKYO's Podcast
【プロフィール】峯村昇吾 1982年東京都出身。青山学院大学経済学部経済学科卒業。大手繊維専門商社にて、川上全般の原料メーカーと素材開発を行い、アパレルメーカー向けテキスタイルの企画提案営業を担当。3年間の海外駐在を経て、国内外の幅広い素材開発・調達に従事。2013年モリリン㈱入社し、国内外の原料に特化した素材開発に従事。2015年11月にライフスタイルデザインに参画。素材開発・調達担当ほか、クリエイティブ全体を統括。
【プロフィール】佐々木辰憲
1984年香川県出身。バンタンハイスクール ファッションデザイン科卒業。エスモードジャポン東京校総合科メンズ選考卒業。東京コレクションブランドを経て大手アパレルのセレクトショップにて商品企画、バイヤー、生産管理などを経験後独立、ファッションブランドの立ち上げを経験。 2015年7月よりライフスタイルデザインに参画。新商品の企画開発、国内縫製工場の開発などを担当。
主な受賞歴 TOKYO Midtown award 2010 審査員特別賞水野学賞、 越後妻有 大地の芸術祭 衣の部 作品賞
【インタビュー本編】
森:今回のテーマは、「Behind The Scenes:商品の魅力 #2」になります。引き続き森と…
峯村:峯村と。
佐々木:佐々木。
森:この3人でお送りさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
では引き続き、商品の魅力について語っていきたいと思うんでけど、早速、今日(収録日)9月1日ということで、本格的に秋冬シーズンに入ってきましたが、僕たちは8月の中旬ぐらいには、秋冬(AW)をリリースしていったのですが、今期の新たな展開をお話ししていただきたいと思います。
タツさんから。
佐々木:もちろん、今までもちゃんとしたモノづくりをしていくというのは変わってはいないんですけど、より今までのものというのは、モノづくりでいくと、うちにも資本の制限があるので、その資本の中でできることをやれということで、そんなに展開数とかも多くなかったりとか、TECHとかも1商品だけしか出せなかったりとか、そういうふうにかなり絞ってやっていたんですけど、今期に関しては、とにかく商品数を増やしました。あと、TECHであったりとか、自社開発の製品というのにもどんどん挑戦していっているので、その辺りで本当にいいものをリリースしていけるのが今期の強みというか、らしさというか――だと、僕は思いますね。
森:なるほど。品数がすごく増えて、さらにオリジナルな商品もかなり力を入れているといった感じですね。
佐々木:そうですね、はい。
峯村:具体的にどのぐらい品数って増えたんですか?
佐々木:春夏の商品だと、170品番ぐらいだったんですけれど…。
峯村:140ぐらい。
佐々木:あ、そうです。140から、今は、最初に追加したのが210ぐらいなんですけど、そこからまたどんどん追加していくので、これ全部スーツのことなんですけど、結局250いかないぐらいですかね。250ぐらいまで商品が増えるので。大体80とか、それぐらいの頻繁増えていくことになります。
森:なるほど。250種類ぐらいのスーツの生地から商品を選べるようになるような感じですね。
佐々木:なります。
業界の常識では有り得ないシャツの完成
森:なるほど、わかりました。先ほどオリジナルの商品に力を入れられるようになったというところなんですけれども、その辺も詳しく教えてもらってもいいですか?
佐々木:そうですね。まず、じゃ、僕の方からだと、8月の頭にノンアイロンのシャツを出したんですけど。
森:ノンアイロン、形態安定ですね。
佐々木:はい。「Non Iron Cotton(ノンアイロン・コットン)」、綿のシャツなんですけど、ノンアイロンの綿というだけで、結構付加価値があると思うので。
森:確かに。
佐々木:それ以上のことをやっているメーカーというのはなかったんですね。
森:それはコットン、綿100%でノンアイロン、形態安定であるという、素材が100%コットンなんだけれども、形態安定という機能がついているということですよね。
佐々木:そうです、そうです。それだけだと、ほかのメーカーでもやっているところはあります。ただ、うちはそれにすごいハイグレードの綿で、GIZA(ギザ)というエジプト綿があるんですけど、そのハイグレードの綿を本当に贅沢に使って、1日当たりの打ち込み本数というものがあるんですけど、それで縦横合わせると、大体40本ぐらい糸を多く入れるんです。そうすると、張りとコシが出て、もう本当にシャツ、ノンアイロン加工をしなくてもいいシャツなんですけど(笑)。ノンアイロン加工でいいシャツというのが今までそんなになかったので、その両方を取った商品というのをちょっと開発したりしました。
森:なるほど。確かに僕も、シャツとか自社、他社問わず買ったりするときに、ノンアイロンってすごく便利じゃないですか。
佐々木:そうですね。クリーニングに毎回出さずに家で洗えますし。なんですけど、結構着心地の面で、やっぱり少し薄かったりごわついたりするなみたいなところがすごくあったんですけど、今回うちで出したGIZAコットンを使った形態安定シャツってすごく、さわっただけでやっぱりすごい風合いの感じ方も全然違いますし、これまでとは全然違うなという印象があったんですけど、それはやっぱり素材の良さと、あとは織り方の違いと、2つが違うということですか?
佐々木:そうですね。素材の良さと、あと素材の量ですね、純粋な(笑)。純粋に量を使うということで、いいものにしたというか、目が詰まっていいものになっていく、張り、コシがあってという感じですね。
森:なるほど。生地の目が詰まっていて、密度が濃くてという。
峯村:よい原料をふんだんに使ったみたいな。
佐々木:そうですね、まさにそんな感じです(笑)。
峯村:加工に関しても、ノンアイロンの加工も、通常よりもちょっと特殊にして、着用が増せば増すほど柔らかくなるのかな。
佐々木:その加工が「スーパーソフトピーチフェイズ(SSP)加工」というんですけども、できる工場も限られているので、なかなかそこまで市場には出回っていない。GIZAでノンアイロンというだけで出回ってはいないんですけど、そういうものになっています。
森:なるほど、なるほど。あれは、GIZAコットンというエジプト綿をエジプトの方から輸入したものを、日本の方で生地加工しているという感じですか?
佐々木:そうですね、はい。播州織ですね。
森:播州織なんですね。
佐々木:はい、そうです。
森:じゃ、素材がエジプトのGIZAコットンで、播州(兵庫県産)ですね。
佐々木:そうです。
森:兵庫県の播州の工場で播州織りして、それでその上に形態安定の加工をしているという、非常に手の込んだものづくりをしているという感じですね。
佐々木:そうですね、はい。
森:これはいくらでしたっけ?
佐々木:これは9,800円です。
森:9,800円でオーダーシャツという感じですね。はい、分かりました。
THE TECHシリーズのラインナップが充実する秋冬
森:ほかに何か今期のオリジナル商品で特徴的な商品はありますか?
ここから半年ですかね。AW(秋冬)ですね。まだ多分秘密な商品もあると思うんですけど、言える範囲で。
峯村:TECHシリーズのテクノロジー系の素材もそうだし、オーガニックコットン、オーガニックウールとか、あとやっぱり手作り(クラフト)感のある商品も出すし、バリエーションは多いです。
森:なるほど、なるほど。TECH系は結構増えるわけですか?
峯村:増えます、増えます、絶対増えます。
森:なるほど。さっきのGIZAコットンを使った形態安定シリーズは、TECHシリーズの1つで出しているんですね。そのほかにも、スーツもシャツもTECHシリーズは増えるという感じですかね。どんなのがありますか?
峯村:うーん、TECH…(笑)
森:これは何か秘密にしたそうな感じですが。まだ公開できないんですか?
峯村:全然していいかな。(笑)
森:わかりました。じゃ、ちょっと。
峯村:超伸びるスーツ、超伸びるシャツ、スーパーストレッチとか。あと、出張とかに着てほしいような、楽で、洗えて、しわになりづらいスーツとか、あとに椿オイルを配合したシャツとか。
森:椿オイル、へえ。どんな効能があるんですか?
峯村:保湿ですね。
森:なるほど、なるほど。
峯村:結構さわった感じしっとりしていますよね。
森:保湿があるから、じゃ、肌が弱い人用とか、そういう感じですか?乾燥肌とか、アトピー肌とか。
峯村:そういう人にもお勧めかなと。
佐々木:冬とかよさそうです、結構。乾燥しちゃうんで。
森:着ているだけで肌が気持ちいいとか、そういう感じなんですか?
峯村:まあ、気持ちですけどね。
森:なるほど。じゃ、感覚的に着心地がいいという感じですね。(笑)
峯村:あとは体温調整の機能。シャツ、ジャケット、スーツだったり、暖かくなるスーツとか、もろもろですね。
オフィスのオーナーさんの飼い猫と遊ぶ峯村氏
ポテトチップス買うとしたら、どこへ行きます?
森:アウトラストのシャツを今回作ることに成功したじゃないですか。それでうれしくなっちゃって、この間僕Facebook投稿したんですね(※)。「1年前にアウトラストのスーツを出したけど、遂に1年の時を経て、アウトラストのシャツがリリースできることになった」というのを言ったんですけど、結構反響がいって、「いいね」数とかも通常の数倍ぐらいついて、「買います」みたいなコメントとかも結構ついて、ああ、やっぱりすごいニーズというか、わかりやすくて、欲しくなる人多いんだなと思ったんですよね。その辺ってどう感じて今回商品化されました?2人は
佐々木:正直半信半疑で出したじゃないですか。
森:1年前のスーツ?
佐々木:はい。温度調節ができるスーツって。
森:本当にニーズがあるのかって。
佐々木:そうですね。ニーズを最初にそこまでわかっていなかった中で出して、で、あれはすごくお客様に喜ばれて、去年の売れ筋にはなったんじゃないかなと思っているんですけど。
森:そうですね。非常に人気の商品になりましたよね。
佐々木:なので、今年それに対して、何かまた違うもので作る必要がある。お客様がいるので作る必要があるというのはわかりましたよね。その上で、絶対に作らなきゃいけない商品としてという感じが強いんじゃないかなと思っているんですけど。
森:なるほど。過去にスーツを出して、すごい喜んでくれるお客さんが多かったので、その人のためにも作ったという、そういった感じですかね。
佐々木:うちまだそんなに全然知名度ないんで、去年喜んでくれた人の後ろには、もっとすごいいっぱいいろんな人が来てもらえたらいいんじゃないかなと思うんですけど(笑)。
森:わかりました。ほかに何か特徴的な商品とかって出したりするんですか?もしくは既に出していたりとかしますか?
峯村:いつかはちょっと未定なんですけど、アパレルとしてはかなり普通じゃ考えられないような、常識じゃない、糸を買ったというのがあって、フェアトレード・オーガニックコットン。糸を買ったので、それを今シャツ作っていますけど、フェアトレード・コットンシャツとか、フェアトレード・コットンセットアップとか、あとフェアトレードの糸を使ってコットンセーターとか、そこら辺の展開は。
森:アパレルだと普通じゃないというのは、アパレルの普通と、普通じゃない僕たちのやり方って、何が違ったんですか?
峯村:アパレルというか、例えばほかのオーダースーツのメーカーだと、イメージは仕入れ先がみんな在庫を抱えて、みんな「今これあるよ」「今すぐ買えますよ」というものを買っていますよね。僕たちはそういうふうな今あるものを便利に買うわけじゃなくて、ないものを作る。例えば…。
佐々木:うちの社会の価値基準(VALUE)じゃないですけど、Vision Driven的な感じじゃないですか?まず多分、通常アパレルの場合は、商品、物軸での、そんなに、もちろん皆さんちゃんとこだわりはあるんですけど、こだわり以上に、商品をそろえなきゃいけない。うちも商品をもちろんそろえなきゃいけないんですけど、そろえなきゃいけないというのがすごく強くて、MDがあり、商品をそろえるのがありという流れの中で、その商品をそろえるときに、一から自分たちで考えるというよりは、生地の展示会があり、そこで生地を見付けてきたりとか、あとは問屋さんがあり、問屋さんに紹介してもらったものを選んだり――ではなく。
森:では、通常のアパレルの会社、ブランド、メーカーにとってみたら、生地というのは仕入れるもの。あるものを仕入れるものだという、そういった感覚だということですかね?もしくは、提案してもらうものみたいな。
佐々木:そうですね。
峯村:森さん、ポテトチップス買うとしたら、どこへ行きます?もし食べたいなと思ったら。まず。
森:コンビニ、ですかね。
峯村:でも、コンビニは高いってわかっていますよね。
森:定価だなという。
峯村:じゃ、コンビニよりも安く仕入れるには、多分スーパー行くじゃないですか。スーパーより安いところ、どこだと思います。コストコとかになるのかな?
森:ディスカウントストアとか、業務用の何かあるのかなとか思ったりしますけど、僕はあまり行かないんですよね、普段は。
峯村:でも、そこってすべて中間物流なわけですね。僕たちは例えばポテトチップスだったら、カルビー(企業)に電話して、「こんな味欲しいから、ちょっと作りません?」みたいな。一緒に作りたいんですけど、みたいな感じです。で、カルビーも、「いやいや、1個からじゃ作れないよ」みたいな。もしかしたら最低ロットが10万個からじゃないと、正直うちもメリットないからみたいな感じで、商品開発を重ねる――というものだったりします。で、今回実は「そこ」じゃなくて、ジャガイモを調達します、僕たち。カルビーじゃなくて。だからどこそこの、例えば今回はインドのどこそこオーガニックジャガイモを持ってきて、日本で、「じゃ、カルビーさん。こんなものがあるから、料理しましょうよ」と。ただ、カルビーみたいな大きな会社じゃなくて、実はカルビーが下請けに出しているような小さい工場。そこでまた中間マージンは減らしているというか。基本的にものづくりというのは、いい原料と、あとその料理人なので。今回フェアトレード・コットンに関しては、ちゃんといいコットンを僕たちがまずインドから調達しました。で、そのいい食材(素材)を日本の料理人(職人)に生地にしてもらうという動きをしているわけ。何倍も手もかかるし、時間もかかるし。でも、本当にいいものを作るには、ユーザーの言うところのいいものを作ることをめちゃめちゃ考えると、そういうふうなものづくりをせざるを得ないという。
森:なるほど。じゃ、いいものを徹底的に追求した結果、本当にポテトチップスだと、原料であるジャガイモというところからこだわるべきだったというところで、今回晴れてできるようになった。インドのフェアトレードのオーガニックの綿花畑から直接コットンを買い付けたという。
峯村:そうですね。
森:なるほど。ちょっとなにか狂気じみた商品企画をやっているわけですね。
峯村:商社の原料部隊がやっている動きをやっていますね。商社のテキスタイル部門とか製品部門でもできないような。
森:やっぱりその辺って、ミネさんは商社出身じゃないですか。昔商社いた頃からやりたいと思っていたんですか?フェアトレード。
峯村:思っていましたね。
森:でも、実際まだなかったわけじゃないですか、ほとんど。世の中にはやっている会社が。それって何でなんですか?
峯村:ほかのアパレルはエシカル(ethical)をやっぱり時代の流れ的には取り入れようとしているんですけど、結局エシカルって――フェアトレード・コットンもエシカルの枠の大きな1つであるとしたら、エシカルって結局売れないんですよね。何かどこかの、アフリカの民族系のものを輸入したりとか、結局ユーザーにとって、実際に本当にかっこいいとか、本当にいいわけじゃなくて、社会的にいいというエシカル要素が強過ぎて、何か売れない。だからアパレルとしては、対外的にエシカル的なことをうちはやっていますと言いたいけど、そこまで動き出せないみたいな。今回のフェアトレード・コットンは、クオリティーも普通にいいので、ちゃんと格好よくシャツ、セットアップするし。だから社会的にいいみたいな、すごく見栄えがいいところだけじゃなく、実際にクオリティーも伴っているというところが一番いいところだと思います。
森:なるほど。社会性だけではなくて、しっかり着る人の着心地とかもすごくいいものだし、本質、本物のものづくりという感じが追求できたかなという感じですね。
峯村:ダサかったら買わないものですよね。
森:確かに。分かりました、ありがとうございます。
責任のある生き方を提供していきたい
今期いろいろな商品が出るということで、すごい楽しみにしておいていただきたいなということなんですけど、ちょっと話は変わって、そういった商品を出す上で、すごい何か大変だなと感じているような悩みとかって、お二人はありますか?
佐々木:やることは多いですよね、やっぱり。僕の場合はもともとアパレルだったので、会社にいたら、ある程度、流行りモノというのを、どんどんいろんな業者さんが持ってきてくれて、その中から自分がやることというのは、審美眼的に選ぶみたいなことであったりとか、MD的な要素から選ぶであったりとか、そういうことだったんですけど。そういうわけにはいかないので、もう最初から自分の頭で考えて作らなければいけない。大変なんですよ(笑)。
森:なるほど、大変ですか。1から10まで全部自分でやらなきゃいけないということですよね。応援しています。(笑) 僕にできることがあれば。ミネさんは。
峯村:なるべく僕たちは、責任のある生き方も提供していきたいので、だから、どこの誰がどうやって作っているかというのを届けたいという思いがあるので、工場の取材に行ったりとか、それをどうやって伝えようと思って。例えばLPを作ったり、動画を作ったりとか。ただ商品をぽんと出すだけじゃなくて、しっかり伝えるというのが大事かなと思います。
森:プラス・アルファでやらなくてはいけないし、やるべきだしというところですね。なるほど。
峯村:ただ単にリリースというのは――ですね。
森:それを伝えていくというところも大事だなという。単なる洋服の販売という感じだけではおさまらないという感じですかね。
峯村:そうですね。
森:わかりました。ありがとうございます。
商品企画として今後取り組んでいきたいこと
何かあまり気付かれないけれども、実はすごいこだわっています、みたいなのって、聞いている方に伝えたいこととかってありますか?
佐々木:気付かれていないつもりはないんですよね。
森:伝わっていないだろうな、伝わりづらいだろうみたいなことはありますか?
佐々木:多分うちのブランドの場合、ITという要素が強いので、恐らく僕たちみたいな人が中にいるということは伝わっていないんじゃないかなと思うんですけど(笑)。ちゃんと本当に商品についても考えて作っていますよということが伝わっていないんじゃないかなという気がしています。
森:商品の良さ。なぜうちの商品がいいものであるのかというところですね。
峯村:確かに僕たちはブランドとして、LaFabricとして、商品めちゃめちゃいいぞ、みたいな、LaFabricの一番の強みは商品だという旗を掲げているわけじゃないし、あくまでやっぱり――あくまでというか。
森:ITサービスの利便性というところが第一にお客さんには伝わっているところですもんね。
峯村:ビジネス的に見てもベンチャーだし、テクノロジーを生かした新しいこと、何かをしようとしているみたいな。でも、その実際の見え方じゃなくて、ちゃんとやっているぞ、みたいな。
森:なるほど。物もしっかり。というか、物こそむしろすごくいいものを提供している。
峯村:そうですね。そう思いますけどね。
佐々木:何かITサービスみたいな形で見られたくはないというか。見られてもいいんですけど、実はめっちゃこだわっていたみたいな。
森:縁の下の力持ちというか、今はITサービスというものが前面に来ちゃうけれども、実は僕らって両方大事にしているじゃないですか。
峯村・佐々木:そうですね。
森:テクノロジーでスマートフォンで簡単にワンクリックでオーダーメードできるサービスといったところも提供しつつ、それを通じて、本当にお客さんに届けるというのは、商品自体なもので、それは日本の伝統的な技術だったりとか、ものづくりのよさといったものだったり、あとは先進的な機能性の良さだったりといったものをものづくりして、しっかり作っているといったところも提供していると思うので、そうですね。このポッドキャストとか、あとはウエブサイトだったり、お店だったりとかで、そういった良さを今後伝えていければいいと思いますね。
では、そろそろ時間なので、最後の質問なんですけど、今後将来的にLaFabricの商品企画として取り組んでいきたいことだったり、ビジョンみたいなところを教えてもらえたらと思うんですけど。
佐々木:僕としてやりたいことでもあり、会社としてもやらなければいけないこととしては、商品、もちろんまず生地から始まるとは思うんですけど、その生地を支えるパターンであったり、そういうものの改善というのを今かかっていまして、オーダースーツでもあるんですけど、より人の体に合わせられるような縫い方であるとか、そういう、本当に細かい部分なんですけど(笑)、そういうことをやっていくのと、それができることで、多分新たなアイテムであったりとか展開とかもできてくるんじゃないかなと思っているので、そこに取りかかっています。
森:なるほど、わかりました。では、ミネさん。
峯村:質問何でしたっけ?
森:今後の将来的な展開ですよね。商品企画としての展開だったり、ビジョンだったり。
峯村:3年後とかじゃなくて、すごい長期ですよね。
森:大丈夫ですよ。
峯村:スーツという、もうでき上がった普遍的なものに代わる、例えばパターンでいうと百何パターン――じゃない、それこそホールガーメントで作ったような、無縫製とか、スーツにとって代わる新しいもの。プロダクトとして新しいもの。
森:なるほど。そもそも新しい概念を作り上げてしまおうといった。
峯村:長期的な、スーツじゃなくてツールみたいな。他社がもう何もできない――とか、原料にしても、スパイバー(Spiber)でしたっけ?クモの糸からみたいな。東レみたいに、原料開発とかもしてみたいですね。で、テイストの差別化とか、イメージの差別化とかじゃない、新しい…。
森:もっと根本的な。
峯村:ものを生み出したいし、多分そうすると、普通の人の生活が変わるんです。ユニクロのヒートテックで、日本の冬の着こなしは変わったんです。薄着になったし。インナーダウンというのができたことによっても着こなしは変わったし、夏もそうですよね。AIRism(エアリズム)とかできて、生活が変わった。そういったインパクト、ユニクロのフリースが出て以来の。それでインパクトは出したいですね。それはそういった全く違うジャンルの無縫製のスーツ――ツールだったりとか、ヒートテックのような。
森:何かガラリと変わるようなものですよね。例えばガラケーが一般的だった時代にiPhoneが出てきて、世の中の人たちの生活を変えたみたいなところが、僕たちの会社から発信できれば、すごく面白いかなと。
峯村:プロダクト自体。
森:なるほど、なるほど。
峯村:あとやっぱり今までのアパレルの業界の当たり前だった、ある意味良くない部分。インド農家の平均寿命35歳みたいなところとか、環境破壊とか、そこら辺も全部正しくして、スタンダードにしていきたい。僕たちはスタンダードでずっとあるべきだと思うし、今、商品まだ100%のうち数パーセントしかできていないと思うんですよ。それをどんどん高めていきたい。そのリードカンパニーみたいになっていくべきだと思いますし。
森:どのぐらいのスパンで考えていますか?それは。
峯村:うちの成長スピードだったら、3年とか、そこら辺では行けるかと。
森:かなりやりたいことができるかなという。実現したい未来に近付けるかなという感じですかね、なるほど。
峯村:そこは何かUX(ユーザー体験)のジレンマですけど、もしかしたら、いろんなラインナップをすごく、200、300と広げるんじゃなくて、僕たちが届けたいものをある意味、10分の1にするのが正解かもしれないし、分からないですけどね。
森:確かに。
峯村:そういう世界を作りたいという目標とかあるので、そのためにラインナップはこうするべきだとなるかもしれない。変わるかもしれないですけどね。
森:なるほど、楽しみですね。
峯村:ふざけた言い方かもしれませんけど、僕たちはスーツを作っているんじゃなくて、時代を作っているんだという。(笑)
森:時代を作っている。かっこいい。(笑)
峯村:そこはやっぱりありますよね。
森:そうですね。そのぐらいまではしっかりやりたいですね、本当に。なるほど。
峯村:信州大学の繊維学部と共同開発するとか、何か原料から、ゼロから作り出したいという。
島精機のような機械メーカーと一緒に機械も作っちゃうとか。
森:そうですね。ホールガーメント、本当にすごいですからね。あれが進化すれば、本当にそんな新しいカテゴリーが生まれるかもしれないですもんね。
峯村:本当にもう今の常識じゃなくて、俯瞰してゼロベースで、いい意味で素人になって、新しい「当たり前じゃないこと・もの」を作っていくべきなんだと。結構やっていると、どうしてももう麻痺しちゃうので。この素材はメンズ向けだとか、これはシャツに使うべきだ、みたいな、実はそんなの関係なくて。
森:先入観なしで、固定概念なし。分かりました。お二人ちょっと最後熱い話になりましたけども、素晴らしいお話をありがとうございました。
峯村:ありがとうございました。
佐々木:ありがとうでございます。
音声データ(Podcast)はこちら。どんどん配信中。
Behind The Scenes:商品の魅力 #2 by FABRIC TOKYO's Podcast