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私たちLightblueは、人が担うべき仕事に集中し、AIと共創する世界をめざしています。だからこそ言葉の精度にこだわります。「すぐやります」が人によって“5分”にも“今日中”にも変わる時、仕事は迷子になる。生成AIは言葉で動く技術です。曖昧さはそのまま品質リスクに直結します。私たちは「この言葉は何を指すか」を都度そろえ、タスクの解像度を上げ、すれ違いを減らしてきました。
(この連載は社内勉強会の学びを記録しています。導入編はVol.1「生成AIプロダクトを“届ける”ってどれだけ難しいの?」もあわせてどうぞ。)
今回のテーマ:言葉の精度を上げる
プロダクトマネージャーの園田由似が、用語だけでなく完了の条件(ここまでできたら終わり)までそろえる重要性を、身近な例で共有しました。
言葉のズレから学ぶ
朝、「ゴミ捨て、お願いね」。夫は袋を持って集積所へ。戻ると、ゴミ箱に新しい袋はない。
- 夫:ゴミを持って行けば終わり
- 妻:持って行く+新しい袋をセットして終わり
同じ言葉でも完了の条件が違えば、家庭では不満、仕事では手戻りや信頼低下につながります。用語+完了の条件をセットで共有する——まずはここからです。
顧客とユーザーの違い
次に取り上げたのは、lightblueでもよく使う二つの言葉です。顧客=お金を払う人/ユーザー=実際に使う人。この一線を最初に引くと、誰の課題を優先するか、どんな成果のものさしで評価するかが定まります。曖昧なままだと、正しい施策でも外してしまいます。いま議論している主語はどちらか——ここを固定してから話を進めます。
営業とエンジニアのすれ違い
顧客とユーザーの主語を分けても、現場では“守りたいもの”の違いからズレが生まれます。営業は納期・売上・顧客要望、エンジニアは品質・安定・将来の運用負荷を優先。結果、期限/やる範囲/許容リスクの解釈が食い違います。
解き方
最初に「要点を見出し+短文」でそろえる。
例(解約防止)
背景:既存顧客Aの利用が減少=解約の兆し
目的:解約を止める
前提条件(触らない範囲・安全策):本番の設定は触らない/問題が起きたらすぐ気づけてすぐ戻せる準備
最小の解決策:よく使う機能○○だけ先に改善し、希望者に試してもらう
期限:今月末
DoD(完了の条件):エラーが100回に1回以下+解約予定が保留になる
エンジニアの返し方
「先に必要最低限を出す:○日」/「時間はかかるが根本から直す:△日」の二択で所要日数と範囲を提示。
結論
主語(誰のため)とDoD(完了の条件)を最初にそろえれば、対立は要件整理に変わり、会話も実装も速くなります。
具体的な言葉を使う
曖昧語は期待をズラします。「すぐ」「あとで」「対応します」は数字・期限・完了の条件で置き換えましょう。
- NG:すぐにメールしておきます
OK:15:30までに要点3つを送ります。返信期限は17:00。なければ公開準備に進めます。 - NG:対応します
OK:再現→修正→PR→ステージング反映まで担当します。終わりの条件=エラーが再現しない&担当者確認。 - NG:急ぎで
OK:最優先で対応します。締切は本日19:00。図表は後日差し替えでも可。 - NG:準備できたら共有します
OK:ドラフトは明日10:00、最終は木曜17:00。変更点は冒頭に一覧で記載します。
まとめ
言葉の精度は、思考の精度であり、チームの速度です。主語を分ける/終わりの条件を決める/成果のものさしを添える。この三点をそろえるだけで、議論も実装も迷いが減ります。Lightblueはこの作法を徹底し、すれ違いのないプロダクトづくりを進めていきます。