はじめに:「いい感じでお願い!」──それ、本当に伝わってる?
「いい感じでお願いします!」「うまくやっておいて」「いつも通りで大丈夫です!」
日々の業務の中で、つい口にしていませんか?
送り手にとっては信頼や柔軟性の表れだったり、「察してほしい」という気持ちが込められていたり。
でも、受け手からすれば、「それって、具体的にはどうすればいいの?」と戸惑うことも少なくありません。
LIDDELLでは、毎週月曜に開催している社内勉強会にて、そんな“曖昧なコミュニケーション”をテーマにディスカッションを行いました。
クラウドワーカー、クライアント、社内メンバー、そしてAIとのやりとりが日常的に発生する私たちにとって、「伝えること」「くみ取ること」は非常に重要なテーマ。
今回は、よくある一言から生まれるズレについて、実例を交えて掘り下げ、“非認知能力”の重要性を再確認しました。
「いい感じで!」は通じる?通じない?
たとえば、ある上司が「この画像、もうちょっと“いい感じ”にしておいて(誠実性とデータをイメージ)」と指示。
デザイナーは「カラフルで目立つ=いい感じ」と解釈し、結果ポップで派手な仕上がりに。
このように「いい感じ」という言葉は、迅速さ、正確さ、コスト効率など、何を“良い”とするかの基準が人によって異なるため、受け取り方に大きな差が出ます。
「言ったつもり」「分かったつもり」がズレを生む要因になるのです。
前提や背景知識の違いがすれ違いを生む
実行者と指示者で知識や文脈が違うまま仕事が進むと、「頑張ったのに評価されない」「期待と違った」といったすれ違いが起こります。
これは相互理解の欠如だけでなく、信頼関係の損失にもつながりかねません。
また、良かれと思って付け足した作業も、前提が共有されていなければ“余計なこと”として扱われることも…。
では、どうすればいいのか?
私たちが導き出した結論は、「曖昧な表現を避け、具体的な指示・対話を心がける」こと。
▼指示の中に「目的」「期限」「基準」を明記する
▼「見た目」「印象」など、感覚的な部分も補足する
▼確認やすり合わせのプロセスを怠らない
社員同士でも定義の違いがあるのに、業務委託やクライアント、さらにはAIとのやり取りとなればなおさらです。
非認知能力の重要性
今回の勉強会で特に注目されたのが、“非認知能力”の存在です。
知識やスキルだけではなく、「相手の立場を想像する」「気持ちをくみ取る」「柔軟に対応する」といった能力──それがAI時代にこそ、より重要になると感じました。
相手の意図や文脈、価値観をくみ取り、適切に表現する力。
それこそが、「人間にしかできない仕事」であり、私たちがこれからも磨いていくべき力です。
おわりに:阿吽の呼吸に頼らない、新しい“伝え方”をつくる
「リデルに求めるのは、そういうんじゃないから」「そうしてくれたら、あれだけど」──
そんなクライアントからの“曖昧な言葉”が通じるのが、ある意味LIDDELLの強みでもあります。
でも、あえて言葉にしてみる、言語化してみる。そんな取り組みが、今後の仕事の質を高めてくれるはず。
非認知能力を育て、「わかりあえるチーム」「ずれないチーム」をこれからも作っていきます。