みなさん、こんにちは。LIDDELL(リデル)採用担当です。
チームの誰かが、今週はまだ顔を出していない。そういうとき、予定表を開くより先に、あれ、と思うことってありませんか。
先日、リデルの社内チャンネルに、まさにその「あれ」が流れていきました。ただし、気にかけられていたのは人ではありません。
■ 「先週から来ていないかもです」
投稿は、こんな一文から始まっていました。
「さささえちゃんが先週から起動していないかもです」
「毎週月曜に待ってれば勝手にプルリクくる認識であってますかね!」
「さささえちゃん」は、リデルが社内で動かしているAIエージェントの愛称です。私たちが12年かけてためてきたSNSの知見は、社内のドキュメントとしてまとめてあります。彼女はその文書を定期的に読み直して、ここはこう整理したほうが読みやすいですよ、という直し案を自動で出してくれる。プルリクというのは、その直し案を「こう変えませんか」と提出する仕組みのことです。人が中身を見て、いいねと思えば取り込まれます。
その直し案が、先週は届いていないように見えた。だから、声をかけた。
それだけの話です。それだけの話なのですが、私たちはこの一文が、けっこう好きです。
■ 名前があるから、いないと気づける
もし彼女に名前がなかったら、どうだったでしょうか。
たとえば「週次ドキュメント自動整理バッチ」という呼び名だったら。おそらく今週の分が来ていないことに誰も気づかないまま、静かに数週間が過ぎていたと思います。動いていないものは、催促してこないので。
名前のない仕組みは、止まっても誰も気づきません。
さささえちゃんには名前があり、毎週月曜にやってくるという習慣がありました。だから、来ない週があると人のほうが違和感を持つ。声のかけ方まで、隣の席の同僚に対するそれとほとんど同じでした。
そしてもうひとつ。この投稿は、こう締めくくられていました。
「認識齟齬があれば教えてください」
自分の理解が正しい前提で「動いていません」と言い切らない。まず自分の側の勘違いの可能性を先に開けておく。ちいさな作法ですが、こういう一言があるかないかで、そのあとのやりとりの空気はずいぶん変わります。
■ 返ってきたのは、沈黙を可視化する提案でした
エンジニアからの返信は、ログを確認したうえでの、具体的なものでした。
起動そのものは毎週きちんと動いていて、そのログも残っていること。直近の日曜には、ちゃんと直し案が発行されていたこと。そして、それ以前に直し案が出ていないとすれば、整理すべき箇所がその週はなかった可能性があること。
つまり、彼女は止まっていたわけではなく、直すところがないから黙っていた。
そのうえで、返信はこう続きます。
「ないならないってログがでるように調整します。」
私たちが好きなのは、ここです。
聞かれたことに答えて終わりにせず、次から同じ心配が起きないように直しにいく。しかも直す対象は、AIの働きぶりではなく、AIの沈黙の伝わり方のほうでした。
何もしていないのか、する必要がなかったのか。人間の同僚どうしなら表情や一言で伝わるその差を、仕組みの側に持たせにいく。AIを増やしていくほど、この「黙っている理由が分かる」という設計が効いてきます。
■ 私たちが増やしたいのは、台数ではなく同僚です
リデルでは、日々の業務のあちこちにAIが入っています。作業を速くするためでもありますし、人が考える時間を空けるためでもあります。
ただ、数を増やすだけなら、たぶん誰でもできます。むずかしいのは、増えたあとです。
誰も気にかけていないAIは、止まっても誰も困らない。困らないまま、いつのまにか使われなくなる。私たちが名前をつけて、いないと気づいて、わざわざ声をかけているのは、そうやって静かに死んでいく仕組みを作りたくないからだと思っています。
冒頭のやりとりには、続きがあります。連絡した本人は、届いていた直し案を確認して取り込み、最後にこう返していました。
「今後も来てないことが多い場合は連絡させていただきます!」
見にいく人がいて、答える人がいて、次から分かるようにする人がいる。この三つがそろっているとき、AIはツールではなく、たぶんチームの一員になります。
リデルのミッションは「個人の影響力を、人々の未来のために。」です。その個人には、私たちが名前をつけて一緒に働いている彼女たちも、少しだけ含まれているのかもしれません。
■ こんな人と一緒に働きたいです
・仕組みが止まったことに、監視画面ではなく違和感で気づける人
・分からないときに、認識齟齬があれば教えてください、と先に開けられる人
・AIを道具としてだけでなく、一緒に働く相手として設計してみたい人
AIの導入は、たぶんどの会社でも始まっています。その先の、AIと一緒に働き続けるための作法づくりは、これからです。
私たちも毎週、彼女たちに声をかけながら探しています。よかったら、みなさんの「あれ」の感覚を持ち込みにきてください。まずはカジュアルに、話を聞きに来ていただけたらうれしいです。