唐揚げ女子の創り方|福岡でコツコツまじめにやってる会社の平凡な日常
コウダプロとズブズブな関係にあるゼミを運営しており,福岡大学商学部で教鞭を取っている飛田(とびた)です。 すでにブログなどでゼミのことが出ているので今さら感があるのですが,唐揚げ女子こと,今やコウダプロで主力級活躍をしている原口水月さんから「コウダプロを飛田目線で斬ってくれ!」と依頼が来たので,一筆取ることにしました。 ...
https://note.com/koudapro/n/n94236337ca65
こんにちは、未来開発室の米山です!
10月17日(金)、福岡大学商学部・飛田先生の「アントレプレナーシップを学ぶ」という授業にて、弊社代表・幸田がゲストスピーカーとして登壇いたしました。
この授業では、コウダプロの商品企画・開発の考え方をお伝えし、半期を通して学生のみなさんに新しい商品企画を立てていただき、最終的に発表していただきます。
飛田先生は、弊社の新卒第1号である原口の恩師でもあります。原口だけでなく、コウダプロという会社としても長くご縁をいただいており、今回このような貴重な機会につながりました。
コウダプロ参加回は全3回構成で、最初は代表・幸田のスピーカー回、次がヒット屋部長・原口のスピーカー回、そして最後が学生さんによる発表回です。
飛田先生とコウダプロの関係については、こちらの記事でもご紹介されています。
それではまずは第1回、幸田のゲストスピーカー回の様子をお届けします!
多くの会社が掲げるのは「企業理念」ですが、
コウダプロではそれを「憲法」と呼んでいます。
日本国憲法が国の最高法規であるように、会社にもすべての判断の拠り所となる“最高法規”が必要だと思ったんです。
理念って、だいたい分かりやすく作られるじゃないですか。
でも、分かりやすい言葉ほど、人は深く考えないんです。理解した気になって、終わる。
だからこそ、コウダプロ憲法はあえて分かりにくく書かれています。
読む人が立ち止まり、「どういう意味なんだろう」と考えるためです。
その考える時間こそが、会社の血肉になると思っています。わからないものを自分なりに解釈しようとする努力に、本当のエンゲージメントが生まれるんです。
コウダプロは、100年後となる西暦2125年を見据えた長期的なゴールを設定しています。
そのゴールとは、100年後に人類が存続しているという前提で、以下のサイクルが永続的に回り続けている状態です。
1. 仲間が増える
2. みんなが冒険する(挑戦する)
3. 人と経済が成長する
4. (1に戻る)
このサイクルが実現している状態こそが、会社のゴールであると定義しています。
上記の未来図は、社員を幸福にするという経営目的から導き出されています。
では、「働く人の幸せ」とはどういうことか?
「楽しく働くことから充実感を得て、人間的にも能力的にも成長し、若者は将来に夢を見て、引退後は経済的な心配がない状態」と定義しています。
この定義の中でも特に「若者が夢を見れる」状態を重要視しており、そのためには会社の「経済成長」が不可欠です。会社が拡大し続けることで、新たなポストや挑戦の機会が生まれ、それが若者の希望につながると考えています。
一般的に「ビジネスモデル」とは収益を生む仕組みを指しますが、私たちはもっと広く、「世の中で競争優位性を発揮し、勝ち残るための仕組み全体」と定義しています。私たちのビジネスモデルは、【大】【中】【小】の3つの階層で構成されています。
【大】グループの相乗効果
最も大きな枠組みは、グループ全体で圧倒的優位性を築く戦略です。
1. 社内で経営人材を育成する。
2. 彼らに面白そうな事業をどんどん任せていく。
3. 結果として、多様なグループ企業が生まれる。
4. グループ企業間で、人材、情報、顧客などの事業間シナジーを創出する。
5. 最終的に、「ハンディキャップマッチ」で事業を成長させる。
育てた経営人材にグループ企業を任せ、それぞれのグループ企業間で取引をしたり、相互に支援できる体制を作ります。
そうすれば、外部と厳しい競争を戦い続けながらも、グループ内では互いを守り、支え合いながら事業を成長させることができます。
それは、強力な競争優位性を生み出す“出来レースのような仕組み”です。
つまり、反則級に有利な状況を、自らの手で作り出すということです。
【中】論理的成功を目指す事業開発
ビジネスは運や精神論だけではなく、科学でもあります。私たちの強みは、「誰も気づいていないが、もしその仮説が正しければ、成功が論理的に確定するビジネス」を発見し、実行できることです。
これは、例えば次のような話で説明できます。
「あなたが予約している帰りの飛行機をキャンセルして、私たちの飛行機に乗ってくれたら、1人1万円を差し上げます」
航空利用者が求めるのは「①安全・確実な移動」と「②可能な限り安い価格」である、という仮説が立てられます。これらの仮説が正しく、そして私たちの提案の信頼性が証明されれば、このビジネスの成功は論理的な必然となるのです。私たちは、このような「売れるべくして売れる」事業に集中します。
【小】圧倒的な実行力を生む「4ゲ主義」
どんなに優れた設計図も、実行力がなければ意味がありません。私たちは、競合他社を圧倒するための行動規範として「4ゲ主義」を徹底しています。
• 現地:自分の足で現場に行くこと。
• 現物:自分で手に取って確かめること。
• 原典:噂や又聞きの情報ではなく、必ず一次情報(オリジナルソース)に当たること。
• ゲリラ: バスで隣に座った人にすら自社商品を勧めてしまうほどの当事者意識と行動力を持つこと。
職を失い、自分が食べていくために創業したのが、コウダプロです。
エレベーターもない六畳一間の部屋で、ひとり机を組み立てながら、「本当にお客さんは来てくれるのだろうか」と不安に震えていたことを、今でも鮮明に覚えています。
この頃の原体験こそが、コウダプロに「4ゲ主義」が存在する理由そのものです。「食えないかもしれない」という恐怖から始まったあの頃の「4ゲ主義」は、戦略ではなく、生存本能そのものでした。
アイデア創出は、一部の天才だけのものではありません。それは訓練によって習得可能な「技術」です。ここでは、私たちが実践している具体的な思考の型をご紹介します。
【2つの道筋】
ヒット商品が生まれる起点には、大きく2つの道筋があります。
• 不に着目する
日常生活に潜む「不便」「面倒」「不満」といった「不」を解消するアプローチです。例えば、「家に帰って化粧を落とすのが面倒くさい」という女性の負を解決するために、「拭くだけで簡単にメイクが落ちる商品」は生まれ、ヒットしました。
• 本質的な価値に着目する
その商品やサービスが「そもそも、なぜ存在するのか」という本質的な価値を突き詰めるアプローチです。
例えば、飛行機の本質的価値が「安全な移動」であるなら、それが担保される限り、安い方が選ばれるのは当然です。
また、高級ホテルのラウンジで提供される水の本質的価値は、「喉の渇きを潤すこと」に加えて「高級感を演出し、体験価値を高めること」です。だからこそ、ペットボトルではなく、美しい瓶で提供されるのです。
【 2つのテクニック】
これらの道筋を発見するために、私たちは2つの思考ツールを使います。
• 「そもそも」を問う
「そもそも、なぜこれは存在するのか」「そもそも、なぜ人はこれを買うのか」とあらゆる物事の存在理由を深掘っていくことで、新しい視点を得るテクニックです。
• 掛け算発想
無作為に選んだ2つの要素を強制的に組み合わせることで思考のジャンプを促し、予期せぬ新しいアイデアを創出するテクニックです。
「メガネの新商品を考えて」と言われても難しいですが、「メガネ × スマホ」とすれば、「ブルーライトカットメガネ」のようなアイデアが浮かびます。
最後に、これまでお話ししてきた哲学、ビジネスモデル、そして思考のフレームワークが、どのように一つの製品に結実したのか。自社製品である「アスガール顆粒」を例にご紹介します。
開発の背景にある個人的な「不」の解決
「アスガール顆粒」は、私自身が創業オーナー会長の下で社長をやっていた時代に、連日の接待漬けで体を壊した経験から生まれました。「もう命を削って酒を飲んでいるな」という、切実で個人的なニーズが開発の原点です。
小が大に勝つための戦い方「ランチェスター戦略」
発売当時、市場には巨大な競合が存在しました。エレベーターもない六畳一間で始めた私たちが、全国市場で戦っても勝ち目はありません。そこで採用したのが、弱者の戦略である「ランチェスター戦略」です。
日本全国ではなく、福岡の繁華街「中洲」という極めて狭いエリアに、全ての戦力を集中させました。中洲には全国からの出張族が訪れます。もちろん福岡で働く人々も、いずれ他の都市へ移ることがあります。一点集中が、やがて全国への自然な波及効果を生むと確信していたのです。
ブレイクスルーとブランディング
転機となったのは、人気インフルエンサー「DJ社長」がYouTubeで「これはマジでヤバい」と絶賛してくれたことでした。これがきっかけで、一気に知名度が向上しました。
サプリメントの中身は分析すれば真似できます。しかし、私たちは「この成分が効く」という訴求ではなく、「アスガール」という抽象的なブランド価値を構築しました。その結果、顧客は類似品ではなく「アスガールそのもの」を指名買いしてくれるようになり、模倣品の影響を最小限に抑えています。
顧客への感謝
私たちは、お客様が商品を買ってくださることを決して当たり前だと思っていません。創業当初から、商品に手書きのメッセージを添えるなど、大企業にはできない細やかなコミュニケーションを大切にし続けています。
この「アスガール」の事例は、私たちの哲学、ビジネスモデル、アイデア発想、そして実行力の全てが結実した、まさに象徴的なケーススタディと言えるでしょう。
講義のあとも、学生のみなさんからたくさんの質問をいただきました。
貴重な機会をくださった飛田先生、そして熱心に耳を傾けてくださった学生のみなさん、本当にありがとうございました。
次回は、ヒット屋部長・原口が登壇する第2回の講義レポートをお届けします。
どうぞお楽しみに!