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なんで進捗管理が難しいのか考えてみてわかった5つのこと。

こんにちは、(株)ピュアの設計部の和智です。

記事を更新するにあたり、人気のあったこの記事を再掲載することにしました。

今回は進捗管理とタイムロスについて考えていこうと思います。

結構、どの業界でもあるあるなテーマかもしれません。作業計画の進み具合を管理するってことですね。

※今回は業者さんとのやりとりを参考に、一部変更してわかりやすい表現に変えてお送りします。

※お忙しい方は、手っ取り早く4から見て頂くことをお勧め致します。

「ものづくりの難しさ」

基本的に新しいプロジェクトが発生すると、とりあえずやってみようという事になるかと思います。

担当部署は何をどこまでやって他部署に渡すか?終着点はどこなのか?確認した上で動いて、

自分の担当の仕事を決定権を持つ人に確認してもらいながらゴールに向かいます。

・・・一般的に大体こんな感じで進むだろう、と思うでしょう。しかし、現実は違います。


では、どんなかんじなのでしょうか。

最初に全体像がわかっていることは少なく、進めている途中で全体像が見えてくることもしばしばで、

都度進めて拾った結果如何では、現状出来る事によって方向転換して、全体像が変化したりします。

結果、振り返ってみるとスタートとは別物が完成していたという事もあり得ます。

ものづくりの難しさの1つはこういう部分かもしれません。どんどん形を変えていきます。

進めてみたら想定外の事に時間を食われて、他を圧迫し、

本来考えていた丁寧にやりたい部分に時間をかけられないことは多々あります。

そこで今回は進捗管理を実際にやると、どうなるのか?具体例を考えていきます。

1.意見やアイデアが伝わりにくい。

相手の伝えたい内容が必ずしも正確にこちらに伝わるとは限らない、という点です。

最初のスタートの時点から、こけちゃってるという事もあり得るなんてすでに想定外ですよね?

人が話を聞くとき、基本的には自分の立場上で必要な情報を取りに行こうとすると思います。

すると、どんなことが起こるのか?相手側の重要ポイントの取りこぼしが発生します。

話し手は強弱付けながら話していて、しかし、同時に聞く側も強弱をつけながら聞いているのです。

この時、「弱」と判断されたものは抜け落ち、忘れ去れさられ、あげくには無くなります。

話を聞くときに、押さえるポイントは1つではないのです。

こちらの立場上、実際に行動に移すために知っておきたい事柄

(いつまでに、何を、どうやって進めていくのか?)

(ここが抜けると、動けなくなる危険がある)

相手の立場的に、ここは絶対外さないでほしいという事柄

(今回のプロジェクトの背景はどんな風で、どんなものをつくろうとしている。これが欲しい)

(ここを外すと高確率でやり直しになるか、ずっと文句を言われる。計画頓挫のリスクが上がります)

お互い動く上で連携取るために必要な情報

(今回誰が関わっていて、誰に何を頼んでいるのか、誰かと進める必要があるのか、1人でやるか)

(ここがわかってないと、違う人たちが同時進行で同じ作業をしてしまい遠回りをする可能性が出ます)

また、聞いた後にどう受け取るのかによっても変わってきます。

単純に言われた通りなのか、それとも別の可能性を含んでいるのかを考えます。

聞いても欲しい答えが返ってこない

→聞き方が悪い(表現が悪い)/その人は答えを持っていない/こちらが知らなくてもいい事だった

知らない、と言われた

→相手がプロジェクトに必要な事だと知らない/別の誰かが把握/知っているけど説明めんどうで省略

普通に答えてくれた

→問題なく、理解した通りに進める

思ってた答え+αが返ってきた

→新しい全く別の事柄が増えた?それとも同じ事柄の1つ?/思ってるより全体像が大きい可能性あり

これを踏まえた上で再度お互いがやる事のすり合わせをします。

そうしていくことで、多少の行き違いや漏れを防げます。

2.どのレベルでの話なのか、お互いがかみ合わない。

相手のスタンスにも注意する必要があります。

同じ方向を少しでも向いているのか、が重要です。

①ふわっとしていて、固めるためにどんなのがあるか探りたい。幅を狭めないでほしい。

→情報収集、量重視

②がちがちに固めてあるので、それを忠実に再現する形で、言われた通りにやってほしい。

→想像の具現化重視、質重視

③そんなガチでやらなくていいからサクッとやってほしい。わからないことは気軽に聞いていいよ。

→スピード重視、フットワークの軽さ重視


※例えば、頼みごとをする側は軽くサクッとやってほしいなと思っていても、

実際にやる方としては時間も労力も取られるのでサクッと行かない前提でシビアな話をしようとする。

しかし、頼む方はそんな面倒なことを頼んでいるつもりはないので「適当にやって」となります。

早い話、話がかみ合わず、変更できないタイミングで変更になったりすることも有ります。

そうなると、リカバリーにものすごい労力と時間を食うことに繋がります。

頼まれた方は限られた情報から相手好みの問題なくやれる方法を考えないといけないし、

頼んだ方も完成したものを見て「これじゃないんだけど、なんでこうなったの?」となります。

頼んだ側が「枠さえ外れなきゃ何でもOK」なら「適当に」やってもトラブルは起きませんが、

イメージしている完成図から外れていた場合、「ここもあそこもやり直し」となり、頼まれた側も

(全然、適当じゃないじゃん。完成図なんて聞いてない)とお互いにイライラする原因になります。

酷くすると、手伝ってあげるよと軽い気持ちで引き受けた人に対して

「お前仕事できないんだな。察するのも仕事だろ」と頼んだ側が誤解することさえあります。

ちょっとした事から、不幸なすれ違いが起きるのです。


<あえて話していないけど割と前提にされている感覚・スタンス 一例>

・資源をフル活用して目指すのは最高のサービス

・フワフワしている事柄をひとつひとつカチッと決めていく

・強みは激しい環境変化に耐えうる品質の良さと信頼感

(感情重視、理想主義で行き過ぎると時に他人の為に無茶や無理をしてつぶれることがあります。)

<予想しにくい独特の感覚・今時のスタンス 一例>

無駄を省き経費を抑えて最低限の品質を確保

・スピード命、決断力強め

・強みはギリギリの品質設定であり、コスト削減にある

(合理性重視、現実主義のタイプは行き過ぎると資源を切り捨てすぎて身動きできなくなります。)

※全く違う感覚やスタンスで相手が考えていることもあるという一例

ここに出したのはあくまで一例になるので、極端!と思われる方もいるかもしれません。

業務で何を扱い、周りの人にどう関わるのかによって、それぞれ微妙に違うかと思います。

ただ、話がかみ合わないときは大体、スタンスの認識に違いがあったりします。

相手の動向を探りつつ、なんとかすり合わせつつ話し合いを終えて、ようやく進捗管理に入ってきます。

補足:リソースの制限

おそらく、大企業については人的資源も経済的資源も情報・ノウハウ的資源も余りあるほど持っていて、

大抵の問題はそれらが解決してくれるかと思います。

ただし、中小企業の場合、スタートの時点からそれらのリソースに制限がかかっています。

その為、足りないものは都度補えればいいですが、大体は資源に見合ったことしか出来ません。

追加補充も絶望的なので、最初から足りる準備をしないと最後まで体力が保たないのです。

リソースの制限があるのに、大企業のやり方を真似すると途中で立ち行かなくなります。

それでも何とかしたい方は「0から1にする仕事」の記事をご覧頂くと何かヒントになるかもしれません。

3.進捗管理の落とし穴:なんでやってくれないのか

やってくれない理由には3つあります。

①指示が伝わっていない →やってほしいことと違うことをされる

・説明してもわかりにくい、言葉の表現が違うため理解できない。

・図を見せてもピンとこない「つまり、どういうことでしょうか?」

・不必要な参考資料、表現、言葉を使うと逆に指示の受け取りミスが起こる

理想:過不足無い指示出し(したつもりになっている)

→ 現実:相手のレベル環境に合わせて指示出し、ミスはその場でフォロー

②指示はわかっているが面倒でやりたくない →嫌がられる

・こちらが何を求めて何をすることを頼んでいるのかは相手に伝わっている

・しかし手間がかかるからやりたくない。「出来るけど、やらないよー」

指示をシンプルにする、言葉を減らす。期限を約束したらしつこくしない。負担減らす

→ もともと相手が性格がテキトーなケース(手ごわい)

→ 相手の中で自分の優先順位が低い為にテキトーに対処されているケース

③指示はわかるが、できない →他の方法を考えないといけない

こちらが何を求めて何をしてほしいのかは相手に伝わっている

・しかし、時間がないから不可能、物理的な理由から実行不可能、技術不足、実力不足

・「予算が足りません」「無理です」「どうにもなりません」「ここまでです」

何かを変えないと、ずっとこのまま進まず硬直状態に入ってしまうので危険。

◎予想外のハプニングによるタイムロスを防ぐには、

 指示を出してその後、指示が伝わっているか?その通りに実行されているか?を

 よく確認するのが大切です。

4.なぜ進捗管理はややこしいのか。

①遅れや進み具合をリアルタイムでつかめない

・進捗状況を確認するには、最新の進捗状況を確認しないといけない。

・報告の形式が違う。報告が遅れる。

②複数プロジェクトの工程を一括管理できない

・とある工程の進捗状況を把握する場合、関連する別の工程・動きも押さえる必要がある

・しかし、動きの数が増えるほど関係は複雑化し、把握の難易度も上がる。

③お客様や外注先など外部メンバーの進捗状況を共有できない。

・外部メンバーには、その人のお客さんや外注先がいるが状況確認の報告書の形式も内容も異なる。

・その結果、報告書の内容やテンプレも複数存在し手間がかかる。

・基本的にどうなっているのかわからないので取りに行く必要がある。

④管理側と現場側で進捗をつかむためのモノサシが微妙に違う。

・管理側はとにかく進捗率を把握したいので単純に目標数を予定の期間で日割りして進捗率を割り出す。

・管理側は進捗率から遅れ日数を割り出しがち。

・現場側は実際の工程を知っているので工程ごとに必要な日数が違うことをわかっている。

・現場側は単純に日割りした進捗率と実際の進み具合のズレを感じているが上手く説明はできない。

通常の進み具合で予定に収まるのか、このままでは絶対間に合わないのか?の認識に齟齬が生じる。

★管理のコツ

最近は、信賞必罰の管理から欠点を補う管理にシフトする傾向にあります。

→丸っと任せて報告に来られた時に結果を見て褒めるか怒るかを決めるのは、現場に合いません。

※この場合、大体が後手に回り手遅れになってから限られた選択肢の中でギリギリの決断を迫られます。

→プロセスの段階で適度に介入することで、レールから大きく外れる前に軌道修正ができます。

5.現場で起きている事

1つのプロジェクトには色んな人が関わり、時にその人たちは姿が見えないこともあります。

個人の作業の複雑さや難解さを推測する事は難しく、そのタイムロスも正確には予測できません。

理想は現実と合致するのか、を確認しないと想定している時間と実際のタイムロスが合いません。

<理想と現実が合致しなかった一例>

・当日、職人さんが病欠と急用で人手不足になり、予定していた作業時間が伸びた

・外での作業の予定だったが、台風が直撃し大雨強風。数日作業ができなかった

・解体作業中に見つかった図面にない配線・配管の関係で作業見直しになった。一旦作業がストップ

頼んでないところまで業者の人が手をつけてしまい、追加工事が発生。追加料金払うか否かの判断に。

・計画通りに進めていたが、他部署が急に内装の変更を決定し、やり直しになった

おそらく、ここが一番の関門であり、経験が要求される場面です。

→ゴールの確認と、他部署の動向、現場の作業状況を把握しながら進めていく必要があります。

しかし、経験を重ねていけば・・・?

「あれ、図面にシャンデリアと照明器具、両方あるじゃん。

 これ、シャンデリアあるなら照明いらなくない?空間演出のためにいるの?」

「しかもこれ、シャンデリアどれをつけるか決まってないじゃん。

 何来てもつけられるように受ける側は型番○○にしよう」

「これ、空調ここにあるけど、ドアの近くだよ?冷暖房の効果薄れない?ドアちゃんと開ききる?」

「これから台風来るって言ってたから、この日にちじゃ収まらないよ。絶対間に合わないね」

こんな感じで、細かいポイントにも気づく勘の良さと洞察力が手に入れられるかもしれません。

経験のある方は「そうそう!」と共感していただけるかと思います。

経験のない方は「そこまで考えて動いているの??考えすぎでしょ」と思われるかもしれません。

少しでもスムーズに進められるよう、無事にゴールにたどり着けるように進捗管理をするのです。


貴方も設計部でわたしたちと一緒に頑張ってみませんか?

今回は、進捗管理とロスタイムについて考えていきました。

日夜、お仕事を頑張っている貴方のお役に少しでも立てれば幸いです。

もし私たち設計部に興味を持っていただけたら、募集を確認の上で応募をお願い致します。

(現在、募集人数は残り5名です)

設計部一同、貴方にお会いできる日を楽しみにお待ちしております。

*共感していただけたら応援していただけると今後の励みになります*

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