1
/
5

自分の狂気に遠慮しない。突き抜けたビジョンと徹底的な仕組み化がつくる“おいしい未来”。

1. 昔、なにをしていたの?

海外をウロウロしていました。ウロウロしているとお腹が減ったので、現地の人の家におじゃまして、ごはんを作ってもらいました。東南アジアから始まり、オセアニア、インド・スリランカ、北中南米、欧州まで。一緒にごはんを食べること、計50回。ようやくお腹がいっぱいになったので、今は東京にいます。

思い出に残っているのは、ブルネイのアマルさん宅で食べた「アンブヤット」です。サゴヤシの澱粉質をお湯でといた食べ物なのですが、食べ方がわからず、ぼやぼやしていたらとても怒られました。直に食べたら怒られ、噛んだら怒られ、無味無臭で訳がわかりませんでした。

会社員時代は、博報堂DYメディアパートナーズという広告会社で働いていました。雑誌とインターネットの部署を跨って、女性誌の読者からファッションブロガーを発掘するコンテストを開催したり、雑誌掲載の商品が買えるECサイトを運営したり、昔の漫画のキャラクターをスタンプ化したり、その場しのぎでハイ・クオリティを求められるという人格が分裂しそうな業務が多かったです。

当時は、あまりに忙しくて寝る間もなかったので、プライベートではpopeyeやBRUTUSという雑誌に外部スタッフとして企画やライティングで参加させてもらいました。最後は、会社に副業扱いされ、怒られて混乱しましたが、その頃には人格が分裂していたので大丈夫でした。いい時代でした。

学生時代は、コントの台本を書いていました。早稲田にある小さな劇場でLIVEをしたのはいい思い出です。お客さんはいつも5人(身内含む)くらいでした。マイケル・ムーアに憧れて、「社会課題を提言するおもしろいドキュメンタリー」テイストを気取っていましたが、とてもムーアのレベルには到達できませんでしたので、最終的にはファッションだけ真似ることにしました。ひとつのことを愚直にやり続ければいつか世の中に届く、と言われがちですが、あれは嘘でした。ひとつのことを愚直にやり続けて、ひとつ大人になりました。

*撮りためた人と食卓のポートレート Japan / Korea / Malaysia / Thailand / Vietnam / Philippines / Taiwan / Australia / New Zealand / Indonesia / Burunei / Sri Lanka / India / USA / Mexico / Guatemala

*撮りためた人と食卓のポートレート Cuba / Peru / Bolivia / Brazil / Uruguay / Argentina / Chile / Morocco / Spain / Portugal / England / France / Italy / Belgium / Denmark / Sweden / Estonia / Latvia / Poland / Germany / Austria / Turkey / Korea

*ブルネイの食卓。手前にある水飴状のものが「アンブヤット」

2. なにか変わった体験をしたことはある?

東京の西の方にあるニュータウンで生まれ育ったので、特にありません。ご存知、ニュータウンには、祭りも伝統も遊び場も何もないので、日々のアップダウンはありません。365日ほぼ同じ毎日を送ることができました。ただ気温がアップダウンするだけです。おかげですぐに飽きました。あまりに何もなかったので、「遊びは自分で作るもの」という強迫観念に駆られて生きるようになりました。

強いて言えば、2009年にBurning Manに参加したことです。Burning Manは、真夏にネバダ州の砂漠で開催される巨大なアートフェスです。

「1.No Spectator(傍観者にならない)」 「2.Gifting(お金は一切使えない)」 「3.Leaving no trace(持ってきた物はすべて持って帰る)」 がテーマです。

常識外れで的外れな表現をたくさん見ることができるので、とても勉強になります。想像力を掻き立てられるよい機会です。日本の音楽フェスとはだいぶ違うので、うっかり行かないように注意してください。

「1.No Spectator(傍観者にならない)」のテーマに則り、どうせなら日本人らしいパフォーマンスをやろう、と思い、西武ライオンズの応援をやりましたが、まったく的外れでした。世界中に傍観されました。2014年には、たまたまケープタウンにいたので、スピンオフのAfrica Burnに参加しました。本家ネバダ州よりほっこりしていて、居心地が良かったです。

*Burning man 2009 in Nevada, US

*Africa burn 2014 in Cape town, Republic of South Africa

3. KitchHikeをはじめたきっかけは?

KitchHikeのない社会より、KitchHikeのある社会の方がいいと思ったからです。ミッションに掲げる「“食”で人がつながる幸せな暮らし」が当たり前にある社会は、とても豊かです。

メッセージが社会をアップデートする時代は終わりました。今の時代、社会をアップデートするのは、圧倒的に「仕組み」です。表現やメッセージで、人の心は動きますが、身体は動きません。KitchHikeは、「人を訪ねてごはんを食べる」「食を通じて人とつながる」世界を実現するため、徹底的に仕組み化していきます。

アメリカのSF作家 Willam Gibson氏が語った有名な言葉があります。

「The future is already here -- it's just not very evenly distributed. (未来はすでにここにある。ただ均等にないだけだ。)」

KitchHikeは、もうすでに毎日いろんな場所で開催され、月300件以上のマッチングが起きています。この現象は、凝縮されたひとつの未来です。KitchHikeが日常として、文化として、そして「仕組み」として、社会に根付くと確信しています。

*William Gibson

画像引用)https://www.wired.com/2012/09/interview-with-william-gibson/

4. KitchHikeで何をやっているの?

KitchHikeの成長に関わるすべてのこと(開発以外)をやっています。短期のグロース施策、中期の実装機能の検討、長期のビジョンと事業領域の拡大、それから外部パートナーとの連携、タイアップ、資金繰りなどなど。

いま一番注力していることは、採用です。KitchHikeの世界観とミッション「“食”で人がつながる幸せな暮らしを実現する」に共感してくれる新しいメンバーを大募集中です。

5. オフィスで一番たのしいことは?

KitchHikeメンバーが楽しそうに仕事をしている姿を見る時です。新しい機能が実装された時、グロース施策が上手くワークした時、充実したコンテンツを作成できた時などなど、チームが自然とワッと沸く瞬間がとても好きです。長らく少ない創業メンバーで孤独に運営していたので、こうしてチームがあることを実感できる幸せな瞬間です。

毎日の楽しみは、まかないランチです。KitchHikeでは、まかない料理長の大野(KitchHikeサイトでは、COOK: Kumiko)を中心にインターン大学生にも登場してもらいながら、毎日ランチを作って皆で食べています。食に興味のあるメンバーばかりなので、毎回クオリティが半端ありません。

まかない目当ての入社大歓迎!食に貪欲で食いしん坊なメンバーは、KitchHikeに向いてます。パパっと作ったとは思えない、最高においしいまかないランチを毎日一緒に食べましょう!

6. 最近うれしかったことは?

KitchHikeの利用者が少しずつ増えていることです。2016年4月1日に、KitchHikeは旅先から日常で使うサービスに完全にシフトしました。以降、順調にマッチング食数が増えています。

マッチング食数の数だけ、今日もどこかで良きつながりが生まれていると思うと、たまらなく嬉しいです。よだれが出ます。

7. 好きな料理、食べ物は?

韓国料理です。特に、サムギョプサルとケンニップが好きです。先日、まかないランチでサムギョプサルをふるまったら、メンバーがとても喜んでくれました。今まではHIKER専門でしたが、得意の韓国料理でCOOKデビューしようかな?と思い始めました。

ちなみに、ケンニップは韓国でよく食べられるエゴマの葉の漬け物です。白いごはんが止まらなくなるので、通称「ごはん泥棒」と呼ばれています。あと、韓国では誕生日にミョックというわかめスープを食べる文化があります。わかめと赤身の牛肉とゴマ油をたっぷり使った健康なスープです。こちらも絶品です。

8. 今、はまっていることは?

浅草探検です。1年半住んだ千駄木から浅草に引っ越してもうすぐ1年が経ちますが、浅草の奥深さに驚く毎日です。浅草には、ネット上に情報のないお店や場所がたくさんあります。キュレーションメディアが有名店ばかり記事化しているので、検索で個人経営の渋い店に辿り着くのは至難の業です。自転車でぶらぶら走っている方が新しい発見があります。素晴らしい価値があるのにネットに載っていない、という点では、KitchHikeのおもしろさと通ずるものがあります。

都築響一さんの『東京右半分』に象徴されるように東東京には魅力がたくさんです。KitchHikeオフィスがある上野周辺にもアメ横地下商店街やリトルコリアタウン、合羽橋など楽しい場所があるので、下町好きの人はぜひKitchHikeメンバーと一緒に探検しましょう。

9. これからやっていきたいことは?

KitchHikeをもっともっと多くの人に使ってもらいたいです。使っていることを忘れるくらい、使われるようになりたいです。 UI / UX / ビジョン、すべてにおいて突き抜け続けて、仕組みとして根付く最高のWebサービスに成長させます。

10. では、最後にコメントをお願いします!

最近、スタートアップと冠して、イノベーションを起こすビジネスアイデアを見つけよう!なんてイベントやセミナーをよく見かけるようになりました。それ自体は、別に悪いわけではありませんが、イノベーションの種って、会議室に篭って、市場分析して、ホワイトボードと付箋で思いつくものなの?という疑問があります。確かに打率の高いビジネスかもしれませんが、それ、本当に“あなた”ですか?と聞きたくなります。

種やアイデアは、日々の生活から滲み出てくるものです。そして、とても個人的な体験や思想、狂気から混沌として生まれてくるものです。だからスタートアップのプロダクトは、創業者メンバーの人生そのもの、人生を具現化させたそのもの、写し鏡なんだと思います。

KitchHikeは、「こうゆう世界になったらいいと思う!」という創業メンバーの極めて個人的な想いからスタートしています。世界が求めてる!と思い込んだ強烈なおせっかいが原動力です。ローンチした時にも書きましたが、KitchHikeの構想がぼんやり見えた次の瞬間、「あ、なんだ、これ、自分らでやるパターンか。」と思ってしまったあたり、笑えるくらい思い込みから始まっています。もちろん今は、市場規模やビジネスモデルでも将来性を語ることはできますが、正直それは後付けです。

僕らは、僕らが思うほど器用ではありません。自分のように考え、自分のように思い付き、自分のように行動することしか出来ません。でも、それでいいんだと思います。むしろ、これからの時代はそれがいいんだと思います。

スタートアップが増えていている昨今、方程式が確立されていけばいくほど、逆説的に、狂ったほど属人的な思想から生まれてくるモノがおもしろく見えます。生き方に正解がなくなってしまった時代です。僕らは、自分の狂気に遠慮せず、研ぎ澄まし、昇華させることに、躊躇する理由はもうなくなったんだと思います。

株式会社キッチハイク's job postings
76 Likes
76 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Masaya Yamamoto's Story
Let Masaya Yamamoto's company know you're interested in their content