アフリカ全土のスタートアップに投資をするVerod-Kepple Africa Venturesが計60億円を調達、JICAや日系大手企業が出資
株式会社ケップルアフリカベンチャーズ(本社:東京都渋谷区、代表:神先 孝裕)とナイジェリアの大手プライベートエクイティ企業が運営するベンチャーキャピタル、Verod-Kepple Africa Par...
https://corp.kepple.co.jp/press/20230320
こんにちは!ケップルの神先です。
「アフリカ訪問記」と題して、4月に訪れたナイジェリアでの出来事を3回に分けて綴っています。前回の記事では、現地で視察した投資先スタートアップ企業についてご紹介しました。最終回となる今回は、ナイジェリア訪問の最大の目的である、Verod Capital Manegementのメンバーとの会議やコミュニケーションの様子についてお伝えしていきます。
私が代表を務めるアフリカのベンチャーキャピタル「Kepple Africa Ventures」(以下、KAV)がナイジェリアのプライベートエクイティ企業「Verod Capital Management 」(以下、Verod)と共に設立した新たなファンド「Verod-Kepple Africa Ventures」(以下、VKAV)は、独立行政法人国際協力機構(JICA)や三井住友信託銀行など日本を代表する組織や企業から出資を受け、この3月に60億円の資金調達を発表しました。すでにアフリカのスタートアップ企業8社への投資を完了しており、引き続き、ファンドレイズと投資活動を進めています。
VKAVのパートナーとしては、KAVのパートナーでもある品田氏・山脇氏と、VerodからOry Okolloh氏が参画しています。私はKAVの代表を務めていますが、VKAVに関してはこの3名の素晴らしいパートナーの皆さんにファンド運営を推進してもらっています。
これまで、VKAVのメンバーとはオンラインで打ち合わせを行ってきました。しかし、今回現地に赴き、Verodのメンバーと対面で会議を行ってリレーションを深めることで、VKAVのさらなる活動の加速につなげていきたいと考えたのが、今回の訪問の一番の目的でした。
到着2日目の朝、滞在先のホテルからVerodのオフィスまで私の希望で15分程の徒歩で向かいました。街の様子を見たかったためです。(訪問記①でご紹介)Verodのオフィスはラゴスの街でもひときわ目立つ立派なオフィスビルでした。
Verodはアフリカの中小企業、スタートアップ企業への投資や成長支援の実績を持つナイジェリアの大手プライベートエクイティ会社です。2008年に設立された同社は、西アフリカ地域におけるプライベートエクイティファンドのマーケットリーダーであり(累計調達額364百万米ドル)、アフリカ最大級のアルミ缶製造工場、ナイジェリアの大手生命保険会社、大手薬局チェーンなど、各産業を代表する企業への出資、事業運営経験を有するナイジェリアを代表する企業の一つです。
メンバーも非常に優秀な人物が揃っており、VKAVパートナーのOry氏は、Thomson Reuters Founders Share Company、East African Breweries Limited、Deloitte Africaなどの取締役であり、Stanbic Bank Kenya Foundationの議長も務めています。
フォーブス誌では「アフリカで最も影響力のある女性」の一人に選ばれ、2014年には「Time 100」で世界で最も影響力のある人物の一人にも選出されています。最近では、M-Pesaを手がけるケニア最大の通信会社サファリコムの社外取締役にも就任しています。そのようなすごい方が、Verod-Kepple Africa Venturesのパートナーを担ってくれています。
Verodの共同創設者でありCEOのDanladi Verheijen氏は、大手企業の取締役を歴任し、現在はアフリカベンチャーキャピタル協会とナイジェリアのプライベートエクイティ・ベンチャーキャピタル協会(PEVCAN)の取締役も務めています。世界経済フォーラムからヤング・グローバル・リーダーにも選ばれています。
アフリカ経済を動かしているといっても過言ではないVerodメンバーの方々と、2日間に渡りミーティングを行いました。
一日目は、まずお互いについて理解を深めるためのプレゼンを行いました。私からは日本の経済環境や課題、アフリカと日本が組むことでお互いに得られるメリットや重要性などについて、詳しく説明をさせてもらったところ、皆さんとても感銘を受けてくれました。ケップルがKepple Africa Venturesを始めた意義を理解してもらい、そのポテンシャルを大いに感じてもらえたようです。VerodのCOOであるNieros Oyegun氏からもVerodについてもプレゼンしてもらいました。
▲長時間、熱い議論を交わしました
二日目は、これからのファンドレイズの話や、投資戦略、PR、リーガルなど、あとはディスカッションが必要な細かい事案についてじっくり話をしました。
その結果、お互いにタッグを組んでいる背景や理由を、改めてかなり深く理解しあえたと思っています。やはりジョイントベンチャーは信頼関係が深くないと上手くいかないので、その意味でも大変有意義な会議になりました。
▲ケップルの各事業について紹介しました!
2日間のミーティングを終え、夜は懇親会を行いました。CEOのDanladi氏や経営メンバーが参加し、ディスカッションの場では聞けなかったようなパーソナルな話から、Verodをこれからアフリカでどのような組織にしていきたいかなど、ここでもそれぞれの熱い話をたくさん聞くことができ、大変盛り上がりました。
▲Verodメンバーたちと(右上はVerod CEOのDanladi氏、右下はOry氏)
本当にみなさんアフリカのトップエリートで、スマートでユーモアがあって素晴らしいメンバーです。多くがハーバードなどのMBAホルダーで、欧米の大企業でも活躍していたような方々ですが、アフリカに戻ってアフリカで産業を創っていきたいという熱い志を持っています。この滞在で、大きな刺激をもらい、私自身やはりもっとグローバルで戦っていきたいという思いを新たにしました。
▲左から、VPのDipo氏、CFOのYanish氏、COOのNieros氏、Ory氏
3名のパートナーのみなさんのご尽力のおかげで、Verod-Kepple Africa Venturesの大型調達を発表できた直後のタイミングで、ナイジェリアを訪問することができて本当に良かったと思っています。2018年からアフリカでの投資活動を続けてきましたが、ここでまた新しいフェーズに入ったなと実感できました。
Verodという素晴らしいパートナー企業と最高のかたちで組むことができ、私たちのファンドはまだまだ大きく飛躍していくと確信しています。そして、さらにアフリカのスタートアップエコシステムを盛り上げていき、日本とアフリカの架け橋となっていきます。
そして、ケップルはイノベーションを促進するグローバルプラットフォームとなり、世界に新たな産業を生み出すことを支援するために、これからもますます事業を拡大していきます。ぜひ引き続きご注目いただけたら嬉しいです!
▲オマケ(帰りのトランジット中のトルコにて。ちょっと顔が疲れてますねw)
▼アフリカ訪問記①はこちら
▼アフリカ訪問記➁はこちら