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妊娠中、おなかの赤ちゃんが成長に合わせて実寸大で出現するAR機能「とびだす赤ちゃん」を、アプリ「ママびより」に追加した株式会社カラダノート。妊婦向けアプリ初となるAR機能への挑戦で、ママたちに妊娠中の新たな楽しみを提供します。アプリのリニューアルの背景や、プロジェクトを通した苦労や学びをお伝えします。
7年間、100万人以上のママに支持されてきたアプリをリニューアル
▲2018年9月にリニューアルをしたママびより。新たなコンセプトでイマドキのライフスタイルを創造する
株式会社カラダノートが提供しているアプリ「ママびより」。妊娠〜出産まで毎日、必要な情報と安心をお届けしています。「ママびより」(当初の名称は「妊娠なう」)は、2011年という、妊娠・出産などがテーマのスマホアプリではかなり早い時期からサービスを開始。
2017年3月には累計ユーザーが100万人を突破し、同年9月から名称を「ママびより」に変更しました。広報/PRの彦坂真依子は、この名称変更は大きな意味をもつと考えています。
彦坂 「時代に合った名前に変えていくということもありますが、このアプリを通して親としての愛情を発見し、育んでいくことをコンセプトにして “びより” というキーワードでそれを表現し 『ママびより』 に名称変更することになりました。
この “びより” というキーワードが現在当社の中で大切な世界観になっているので、当時の変更はターニングポイントになっていると思います」
2017年の9月からは赤ちゃんの大きさを手のひらのイラストで対比して表示できる機能や、先輩ママさんを含めた体験談などをコンテンツとして提供してきました。
特に体験談を通して、ママたちが初めて経験する不安に寄り添ったり、和らげたりすることができるのではないかと私たちは考えています。
エンジニアの樫原翔太は、ママたちの体験談が数多く集まったことで、アプリ内にいい循環が生まれていると感じていました。
樫原 「最初に出産予定日を入力してもらうと、妊娠週数に合わせた先輩ママの体験談や記事が見られます。
特に体験談は、妊娠から出産を経験された方が、同じことで苦しんでいたり不安に思ったりしている方に対して、何か手伝えることはないかという想いで投稿してくださっています。体験談がエールや励ましのバトンになっています」
2018年9月18日、「ママびより」は、大きく2点の変更を加えてリニューアルされました。
ひとつは、妊婦向けアプリでは初となるAR機能「とびだす赤ちゃん」。事前に登録している妊娠週数に合わせた成長段階の赤ちゃんがAR上に出現します。
もうひとつは、アプリのメインカラーを一新。パステルピンクから黄味のオレンジに変更しました。
当社のアプリの中でも長いあいだ支持されてきた「ママびより」のリニューアルにあたって、社内では、新たにプロジェクトチームを結成。何度も議論を重ね、今回のリリースにいたったのです。
マイナスの感情を和らげるだけでなく、プラスの感情を創出できるアプリに
▲部署横断のプロジェクトチームを結成。樫原にとってディレクターとして初めての挑戦だった(写真右)
まず大きな変更点は、コンセプトを見直したことでした。
彦坂 「体験談や記事などの情報によって不安や心配というマイナスの感情を和らげて、限りなくニュートラルに近いところまでもってくることはできてきました。
今回のプロジェクトではそこから先の、プラスの感情までもっていけるようにしようと。おなかの中に想いをはせることで、ワクワクしたりときめいたりと、プラスの想いが高まるというコンセプトに一新しました」
そのコンセプトをもとにして、カラー変更とAR機能を追加するアイデアが生まれました。
彦坂 「前までのパステルピンクも優しくていい色でしたけど、いろんな親子の形や愛情の育まれ方がある中で、必ずしもこの色じゃなくてもいい。
もっと想いが高まったり、楽しんだりして妊娠期間を過ごしていただくことを考えると、オレンジと黄色のあいだの色ってすごくウキウキ、ワクワクするような色じゃないかなと話していました」
樫原 「最後の色の調整も、何パターンかグラデーションを用意して、どれが一番コンセプトに合うのか、またアプリの中の赤ちゃんの画像と並べてみて、どの色が一番合うかなとか、トータルの印象で決めていきました」
機能についても、話し合いの中でさまざまな意見が出ていました。その中でポロっと出たのが、AR機能の活用でした。
彦坂 「せっかくテクノロジーを使うわけだから、何か新しくておもしろいことを、と考えていたときに、ポロっと 『赤ちゃんが飛び出す仕組みにしてみたらどうですか?』 みたいな意見が出て(笑)」
樫原 「最初は、『やったことないしできるの?』 みたいな感じで。でも考えていくと、結構理にかなっているんじゃないかと。手と赤ちゃんの対比を見せる機能はあったんですけど、 ARの方が、そのままの大きさが出るのでよりリアルに感じられるんです」
ARという技術を使った「体験」であれば、「ワクワク」「トキメキ」というコンセプトにも合致する。私たちはそのように考えて、AR機能を追加させることに決まりました。
はじめてのディレクション。目線を変えるコミュニケーションを学んだ
▲ディレクターとしての挑戦は、コミュニケーションが最大の要だった
今回のプロジェクトチームは、部署横断的に結成。その中ではじめてディレクションを担当したのが入社2年目の樫原でした。職域を広げるこの経験は、彼にとっても大きな挑戦でした。
樫原 「今までは開発メンバーのひとりとして動いていたので、技術目線での提案などはしていましたが、ディレクターをやってみると、見方がまず違いましたね。技術目線だと、すでにあって、 100%できるものを前提に考えてしまうんです。
他のところでこういうサービスがあるから真似してやってみようとか。でも企画って、まだ世に出てないものをつくりますよね。自分たちがそれをはじめにつくると、自社の優位性になるとか、そこまで考えてやっていく。
自分の職種だと、基本的に何かつくっていないと落ち着かないんですけど、このポジションだと、人と話すことがすごく大切です。自分ひとりでやっていてもダメなんだと。それは日々勉強でした」
自分よりも経験が長いメンバーや、立場が上のメンバーもいる中で、意見をまとめ、行動に落としていくという初めての経験。周囲とミスコミュニケーションが生じたこともありました。それを解決するのは、しっかり話をして意思疎通していくことでした。
樫原 「お互いに、お互いのことを思って仕事をしているので、各自の目線に立って考えることの大切さが身にしみました。話をして、お互いの言動の理由がわかると、これからは自分はこうしようとか、次に同じようなことがあったときに、違う目線でも考えられるようになりましたね」
彦坂 「職域が広がると、コミュニケーションの工数も必然的にかかってきます。樫原自身、そこの調整は今まで経験したことがないし、その発想をしたことがない、みたいなことも多かったんじゃないかなと思います。
それはすごく苦労しているように見えましたけど、裏の意図がわかればいいんです。
わかるとわからないとでは雲泥の差なので、説明の工数はしっかりかけないといけないというのを感じました。一方で、彼にとってはとても良い経験だったなと、私はお母さんのような気持ちで見守っていました(笑)」
「ワクワク」や「トキメキ」を生む施策を続けていきたい
▲利用者からは、AR機能でお腹の中にいる赤ちゃんの大きさを実感したなど、喜びの声が届いている
当社のアプリは、「ママびより」含め、その他のアプリも機能的にはシンプルな設計になっています。今回、ARという最先端の技術を使ったのは今までとの大きな違い。その分、リリースからの反響も新鮮に映りました。
樫原 「エンジニアからしたら、新しいことをやるのはむしろウェルカムなんです。大きな会社だとあまりできないですし。うちはベンチャーなので、新しいものにチャレンジするのはみんなすごく好きですね。
実際、試していただいた方は、ARの機能自体をおもしろいと思ってくれる方もいれば、『 32週って実はこんなに大きかったんだね』 とか、エコーだと白黒でしか見えない赤ちゃんの実際の大きさを実感できたなど、いろいろな声をレビューやメールでいただけてますね 」
これらは、コンセプトに掲げた「ワクワク」や「トキメキ」の演出に、つながっているのではないかと私たちは考えています。今後も、コンセプトに沿って新しい企画や施策を打ち出していく予定です。
樫原 「もうすでに入っているんですけど、マタニティコーデとかも楽しんでもらって、パパと一緒にお出かけしてもらうとか、妊娠から出産までのあいだをいかに楽しんでもらえるかというところを、これからも意識していきたいですね 」
彦坂 「今はまだ妊娠中のユーザーがメインで、コンテンツも、今回の赤ちゃん ARとかも含め妊婦さん向けが多くなっています。ですが、今後は出産してからも使ってもらえるようにと考えているところです。
『ママびより』 はすごくポジティブでいい言葉だなと思うので、育児にも活用していきながら、ママさんたちが愛情を育めるようなものにしたいなと思っています 」
ママや家族がより楽しく妊娠~出産を迎えられ、その先も愛情あふれる時間が送れるよう、「ママびより」はまだまだ進化を続けます。