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新人研修外部セミナー ビジネス学〜ウイングアーク1st 株式会社 森脇さん〜

みなさん、こんにちは!新入社員の伊藤です。

今回は、新人研修特別講義ということで、ウイングアーク1st 株式会社 森脇さんにジョイゾーにお越しいただき、高い目標を達成するためのチームづくりやモチベーション・リーダーシップについて講義していただきました。まずは森脇さんがどんな方かご紹介します。

森脇さんは、ウイングアーク1st株式会社で執行役員でもあり、営業部門の本部長をされています。他にも、私たち新人が4月に参加したMIJS研修の提供元であるMIJSコンソーシアムでビジネスネットワーク委員会の委員長もされており、meatALIVEというイベントの総合プロデューサーでもあります。プロレスやエンターテインメントが大好きな方で、今回の講義も「ももクロの成長ストーリー」を題材にするというような、一風変わった切り口の講義を聞かせてくれました。

※結成から6年で紅白、国立競技場でのライブを実現するまでのももクロの成長ストーリーが題材

講義内容 BE THE LIGHT 〜奇跡のチーム作り〜

第1章 ももクロ誕生 (私たちはスターダストのダスト組)

ももいろクローバー結成

アイドル誕生の王道はオーディションを受けたり、街でスカウトをされるケースがあります。ももクロは全く違う道を歩んでいます。彼女たちは女優を目指してスターダストという大手芸能事務所でレッスンを受けていたのです。事務所内でクビ寸前になっていた彼女たちに突然舞い降りた最後のチャンスはアイドルプロジェクトのメンバーに選ばれたことでした。それが後のももいろクローバー結成に繋がります。ももクロは当時アイドル育成の経験がゼロであったマネージャーの川上アキラさん(以下川上さん)によって育てられます。

川上さんが次々に生みだす無理難題に対して、ももクロが全力で乗り越えていく姿を青春ロードムービーのようにファンに伝え、心を震わすやり方は、まさにプロレスから得た“ビジネスとしての仕組みづくり”だったのです。

歌もダンスもまともに出来なかった少女達が、デビューからわずか4年で紅白歌合戦に出場!それから2年後に国立競技場で女性グループ初の単独ライブを行い2日で11万人を集めます。トップアイドルとして名を刻んだ裏側には、人・組織・カルチャーづくりやファン獲得のためのノウハウが詰め込まれているというお話でした。

ももクロ結成からわかること

スターダスト内ではアイドルグループがいくつか立ち上がり、その中でも川上さんが担当したももクロに選ばれた人もいればそうでない人もいますし、ももクロもデビュー前は何度もメンバーチェンジを繰り返しています。それは会社の中でも同じで、ある部署やチーム、プロジェクトなどに選抜される・されないも、誰かに選ばれているということです。それは何かに選ばれなかった人が悪いとかではなく、選ばれなくてもどう自分が変わっていき、どうリセットするかが人生を進ませるために重要となってきます。個性があって選ばれたところに合わない人もいますが、合わなかったからと落ち込むことはなく、そこから次の場所で人生を盛り上げられるかは自分次第です。

ももクロにおいては黄色担当の玉井詩織さんが妹分のグループに移籍の話が出たようですが、その噂をきいた玉井さんは自分の意思で「ももクロに残りたい」と懇願したというエピソードがありました。

森脇さんは社内でタレントマネジメント(将来の幹部候補)を考える上で、主力メンバーを下の図のような軸で細分化し、それぞれのメンバーをどのように将来の経営者として育てていくか考えているという話をしてくれました。

社内で選ばれる人間、顧客に選ばれる人間、選ばれし人間になるために重要なことは、選ぶ立場の人が何を必要としているかを考えることも重要だというお話でした。

第1章まとめ 非A級メンバーでも磨けば輝く!!

自分に置き換えて考えた時に、会社も私たち新人もお互いに「この会社が良い」「この人だ」と選んでいます。お互いに自分はどんな仕事をしていくのがあっているのか、もし始めてみた仕事が合わなかったとしても、合わなかったところで次の仕事へどう向き合っていくか考えながら、前に進んでいくことが大事だと思いました。ももクロはスターダストという事務所の中では完全に非A級の子たちでした。そこからどのように這い上がり、覚醒出来たのかは次からの章を聞くことで分かってきます。

第2章 GROWTH (次々と襲いかかる試練と成長)

川上さんは元々沢尻エリカさんのマネージャーをしており、2007年に彼女がおこした「“別に”騒動」で暇になり、アイドルプロジェクトを任されたらしいのですが、当然最初は仕事もなく「あるのは売れないアイドルと反骨精神だけ」という状態でした。普通、アイドルをプロデュースする場合、成功者や経験者から勉強するのが当然だと思います。しかし川上さんは自分が好きだったプロレスから学びます。特に参考にしたのは「プロレス スーパースター列伝」という漫画です。

その中で登場する力道山による馬場と猪木の育て方に着目したようです。

ジャイアント馬場は天性の恵まれた体型とパワーがあったので、素質を花開かせるために“自信を持たせる”プロデュースをし、逆にアントニオ猪木は中型の体型で、努力と根性を植え付けさせる必要があると考え、“雑草魂を持たせる”プロデュースをしたようです。

そして、ももクロにはアントニア猪木を参考とし、心を鬼にして厳しく育てていく事にしたようです。

事業や戦略的目線のももクロ

ももクロの成長ストーリーや川上さんを始めとした運営チームの話が自分たちにどう役立つのかという視点として一番大事なポイントは、ももクロが所属しているスターダストという芸能事務所も立派な会社であり、その企業においてアイドルを世に出すという事は「新規事業の立ち上げ」にあたるという事でした。市場がある事や競合がいる事、事業としてどうやって勝っていくのかを考えという視点がこの話には入っていました。またメンバーにどのようにGrowth Mindを植え付けさせていくのかという視点もありました。

ももクロは実力がありませんでしたが、路上でダンスや歌をし続けました。そこで川上さんは「100回の練習よりも1回の現場」と言います。なぜかというと、お客さんが楽しんでいない顔をしたりすると何がいけなかったのか考えるきっかけになり、お客さんの反応を見て自分が反省できることが大事だからです。

何かをしたいときに、できないということだけを考えるのではなく、成し遂げるためには何ができるのかというところ考えていくことで、成長への一歩になるのではないでしょうか。私たちに置き換えると、システム構築を何回も練習だけをし続けるのではなく、お客様へ提案しながら必死になって今の自分が出来ることを最大限行うことで成長していくのだと思います。ももクロを育ててきた川上さんの思想は、私たちの魂を震わせるようにも感じました。

川上さんのプロレス的発想

ももクロのライブやイベント、ツアーは全てにおいてお客様を楽しませようする“発想のカタマリ”で出来ています。特に初期の頃はツアータイトル(新春ジャイアントシリーズなど)もプロレスからオマージュしていたり、川上さんや運営スタッフが考えたものも多くあったと思いますが、ライブ中に行うコントやファンとの交流企画などのアイデアは下積み時代からメンバー本人達に考えさせていたようです。

「言われた事だけをやるのではなく、自分で考えろ!」と口癖のように言っていた川上さんの言葉が、瞬発的な発想を得意とする今のももクロを作りあげたのだと思いました。

以下は川上流、プロレス的発想を森脇さんがまとめたものです。事業戦略的な要素を柱としつつ、エンターテイメントな発想と徹底した実力主義を貫く姿勢を感じます。

またこの章の中で印象に残ったエピソードとして徹底したファン・ファーストとデジタル戦略の話がありました。

例えばチケットが取りづらくなってきた際の転売問題に関して、早々に顔認証システムを導入した点や、ファンを増やすために当時無償で使えたUstreamという動画配信プラットフォームでLive配信を初期から実施したり、ファンがももクロの素晴らしさを伝えるためにYouTube動画を編集して作ってくれた際の音源や映像の利用も目をつむり、「ももクロのアピール動画」を載せることを許容しました。動画配信やインフルエンサーによる拡散は今でこそ当たり前ですが、それを2010年以前に先駆けてやっていた事に驚きました。

第2章まとめ 徹底的に勝ちにこだわる!

ももクロが川上さんから言われていた3つの言葉があります。

1. 言われたことをやるのではなく、自分で考えろ
2. できないことよりできることを考えろ
3. ライブは試合、毎回が勝負、ひとつひとつの仕事がつながっているんだ

講義の中で人を育てる仕組みは部下を管理するのではなく、自律性を尊重し成長を支援する事という言葉がありました。ジョイゾーでも自律ということは常に言われていますが、自律をしてこそ自分が成長でき、会社はその自律を支援してくれています。ただ、自律は簡単にできるものではなく日々意識して過ごしていくことで叶えられるのだと思います。自律していく上で、今ある課題に対して勝ちにこだわり続けることも大切です。これから自律できるよう、今できることから進んでいきたいと思います。

第3章 夢(ケヤキ並木通り発、NHKホール行き)

ももクロには代々木公園ケヤキ並木で路上ライブをしていた頃に見つけた大きな夢がありました。それは紅白歌合戦に出場するという夢です。

しかし、その大きな夢に立ちはだかる壁は想像以上に大きく、夢が簡単に叶うことはありませんでした。2010年にももクロは紅白歌合戦に出場叶わず、更にサブリーダー・早見あかりの脱退がありました。

どうしても卒業ライブは辞める人にスポットがあたります。ただ、これからも夢(紅白出場)に挑戦するのはももクロなのです。ファンの気持ちがそのまま辞める人に持っていかれないようにと考えた施策はなんと、グループの名前を変えるという大きな決断でした。当然ファンのみならず、ももクロメンバーも誰一人として知らされていなかったそうです。

この日から名前の後ろに「Z」が付くようになったのです。グループ名が「ももいろクローバーZ」になった瞬間でした。

ももクロの夢はファン(この頃からももクロのファンの事を“モノノフ”と言うようになっています)の夢でもある。大きな夢をももクロと共に当事者のように追いかけさせるためなら、グループ名をも変える!Zが付いた前代未聞のアイドルグループ。「明日から彼女達はどうなるのだろうか?」ファンは一瞬にして辞めた子ではなく、ももクロの今後に注目するようになりました。

素晴らしい判断ですし、リーダーでしか出来ない決断だと思いました。

ライブを軸としてストーリーを紡ぐ戦略

当時はアイドル戦国時代とも言われ、会場を大きくしていくことが人気のバロメーターになっていました。会場が満員にならないとSNSでたちまち「終わっているコンテンツなんだ」と噂が広まり人気がなくなってしまいます。

逆に大きな会場でのライブを次々に発表し、その壁をファンと共に乗り越えていくことで人気と自信とファンとの信頼関係を得ることが出来ます。高いハードルを自ら設け、ファンと共に乗り越えていくというストーリーづくりには次々に大きな目標(大きな会場)でのライブを宣言し、成功し続けることが大事です。身近な例でいうとダイエットもそうで、いろんな人に宣言した方がやらなければいけない気持ちが湧き上がり原動力になると思います。ももクロは、それを繰り返しながら、アイドル活動を続けていきました。

第3章まとめ 原点から頂点を目指す

ウイングアークの営業部門では「VISION TRACTION SHEET」というものがあるそうです。まずはとてつもなく大きな夢(目標)を設定します。それを達成するために“今、解くべき最重要の課題“は何か?を考える手法だそうです。安易に解決策を考えるよりも、まずは問の設定が大事であり、そこを徹底的に議論するそうです。

また、最初の段階で一番大事なのは、どう考えても達成出来なさそうな大きな目標を、みんながワクワクできるような美しい物語のゴールに定めることが出来るかどうかだと言われていました。

ももクロは原点である路上時代に、歌手の頂点である紅白歌合戦への出場を目指し、課題とも向き合い全力で取り組んだのは本当に凄まじいと感じました。原点に戻り、何を頂点に目指して頑張るかということが大切になります。

第4章 MISSION(ももクロの使命・存在意義とは?)

数多く存在するアイドルの中でも森脇さん曰く、技能性(歌唱力やダンス)・知名度・人気・勢いにおいて今時点でももクロが一位になっている項目はないように感じるらしいです。ただ、「圧倒的にももクロがNO.1だろうと思う項目が1つある!それは仕事に対する“やりがい”を一番感じている点だ」と仰っていました。イソップ童話のれんが職人の話にもありますが、自分が何を目標にしているかで仕事の質が変わってくると言います。

ウイングアート1st 株式会社さんはデータ活用の会社です。ももクロのこれまでのやりがいということを掲げ、頑張ってきたことが評価されていることをデータでも教えてくださいました。

↑2017年時点の上のデータを見ると、ももクロは男女共に人気があることがわかります。

↑このグラフでは、ももクロが幅広い年代から支持されていることが見て取れます。そして、10代よりも20代、30代よりも40代というように、年齢が上がっていくごとに人気も高くなっています。

第4章 まとめ 自分たちの存在価値を明確にする

今、「パーパス」を掲げている企業が増えています。それは会社として「自分たちは何のために仕事をしているのか」という存在価値を考える事事態が、とても重要だと理解しているからだと思います。一昔前は規模やブランドで会社を選んでいましたが、価値観が変わり、MISSIONやパーパスに共感出来るかどうかが会社選びの基準にもなっているそうです。

社員一人ひとりにやりがいやMISSIONを感じさせる事が出来れば、きっとその会社は社会から必要とされる存在になるでしょう。自分も誰に何を提供して喜んでもらうべきかを考えることで仕事のやりがいに繋がるのではないかと感じた次第です。

最終章 BE THE LIGHT(光とともに、未来へススメ!!)

早見あかりが抜け6人から5人になったももクロを見た川上さんは、ゴレンジャーの設定で女性アイドルの顔にヘルメットを被せ、世間の度肝を抜かせます。時代は2011年5月。その時に出来た歌が「Z伝説〜終わりなき革命」という曲だったそうです。

最初に歌詞を読むと、5人になった彼女たち自身に対するエールかと感じたらしいのですが、この曲が初めて披露されたのは仙台でのライブでした。ライブのタイトルは「ももいろクローバーZ LIVE at 仙台 強いニッポン、未来へススメ!」

この2ヶ月前に東日本大震災がおきていたのです。この曲は東北地方の方々に向けて歌われた曲だったのです。

曲は運営側が提供したものだと思いますが、彼女達はその後も今に至るまで10年以上もの間、東北でチャリティライブや東北地方を盛り上げるためのアイドルグループを妹分達と一緒になってつくっており、本人たちの意思で継続した活動を続けているそうです。「私たちに何ができるだろうか」ということを常に考えながら主体性をもって活動している証だと言えます。

そんな彼女達には、川上さんと一緒に見ていたもう1つの夢。それが国立競技場での単独ライブでした。

ワゴン車1台で全国をツアーで回っていた下積みの頃に、嵐さんのDVDを見て「ここでライブがしたい!」と願ったのがきっかけだったそうです。過去、国立競技場で単独公演としてライブをしたことがあるアーティストはたった4組だけでした。

2014年3月、国立競技場で初の女性グループでの単独ライブという、そんなあり得ないような奇跡をおこしてしまいます。運営(経営)と演者(メンバー)、そしてモノノフ(顧客)が見事なほどに1つになって、夢を現実のものとさせていったのです。

最終章 まとめ 

「仕事を楽しんだり好きになる時は、仕事以外で好きなものや必死になれるものを探しそれらを極めることが良い」と、森脇さんは仰っていました。好きなものはももクロやプロレスでなくて他のスポーツでもロックでも、アートでもなんでも良くて、自分が好きになったものにビジネスのヒントは転がっているのだそうです。

森脇さんから「ジョイゾーが世界を豊かにするというのも良いが、主語は自分でもいいのではないか。『素敵な人生を送った伊藤です。ジョイゾーという会社に所属しています。』という順番でもいいのではないかと伝えていただきました。人を幸せにしたいなら、まずは自分が幸せになること。

自分の人生が輝いていることで、誰かに希望を与えられるような、そんな存在になりたいと感じた講義でした。

まとめ

今回は森脇さんから“ももクロのマネージャーであり育ての親でもある川上アキラさんのビジネス学”を題材に仕事をしていく上での考え方についてお話をしていただきました。最初は「ももクロとビジネスがどう繋がるんだろう」と思っていましたが、川上さんが仕組んだ試練に対してももクロがどのようにプロ意識を植え付けられ、VISIONや“やり抜く力”を身につけ、やりがいを自ら感じ取っていったのかという成長ストーリーを題材に、ももクロを私たち自身に置き換えることで、新人である私たちにも参考になりそうな話が沢山ありました。ただ仕事をこなしていくのではなく、自分は誰から何を求められているのか、自分は誰に対してどんな動きをしたらいいのかということを意識しながら仕事をしていきたいと思います!

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