M-SOLUTIONS株式会社 | M-SOLUTIONS株式会社
M-SOLUTIONS株式会社
https://m-sol.co.jp/
こんにちは!2026年4月に株式会社ジョイゾーに入社しました、村上遼樹です。
ジョイゾーでは、新人研修の一環として、外部講師をお招きし、さまざまな講義を受ける機会があります。
今回はその第3弾として、M-SOLUTIONS株式会社の植草学さんをお迎えし、「SI・PM・AI講義」を実施していただきました。
第2弾となる「プレゼンテーション」研修」の様子は、こちらからご覧いただけます!
この講義の目的は、SI事業を展開するジョイゾーの一員として知っておきたいIT業界の知識とプロジェクトマネジメントの基本を学ぶこと、そしてkintoneとの連携も進み注目が集まる生成AIへの理解を深めることです。
SIのビジネスモデル、プロジェクトの計画の立て方、生成AIを動かす「プロンプト」の書き方まで、現場で求められる視点がぎゅっと詰まった、まさに学びの宝庫のような一日でした。
ジョイゾーに興味がある方はもちろん、IT業界や生成AIに関心のある方にも役立つ内容です。
今回の講義は、私たちジョイゾーの新入社員2名と2年目の先輩2名に加え、
M-SOLUTIONS株式会社からも新入社員1名と2年目の先輩1名が参加し、合同で受講しました。
会社の垣根を越えて同じ目線で学べたことも、貴重な機会でした。
それでは、まずは今回の講師である植草さんについてご紹介します。
植草さんは、M-SOLUTIONS株式会社の代表取締役社長CEOです。
2000年に同社へ入社された後、ソフトバンクグループの子会社の立ち上げを複数経験され、Webサービスやモバイルサービスの企画・構築、そして自社の生成AIサービス「Smart at」シリーズの立ち上げまで手がけてこられました。
プロジェクトマネジメントの国際資格も保有されています。
そんな植草さんから伺ったお話を、ここからご紹介していきます。
講師:M-SOLUTIONS株式会社 植草さん
1. そもそも「SI」って何をしている仕事?
1-1. 「SES」と「請負開発」、報酬のしくみが違う
1-2. 「プライム」と「サブコン」、業界の重なり合う構造
1-3. 「速く作るほど損をする」を抜け出すために
2. プロジェクトを動かす人「PM」の役割
2-1. PMの一番大事な仕事は「コミュニケーション」
2-2. カレーライスで学ぶ、計画づくりの基本「WBS」
3. 生成AIは「問いかけ方」で差がつく
3-1. AIはどこまで進化する? AGI と ASI とは?
3-2. 良い答えは、良い問いから
3-3. kintoneとつながる「Smart at AI」
最後に
はじめに教えていただいたのは、私たちジョイゾーが身を置く「SI」という仕事の全体像でした。
SIとは「システムインテグレーション(System Integration)」の略で、企業の情報システムの構築を請け負うITサービスのことです。
お客様の要望をもとに、何を作るかを決める「要件定義」から、「設計」、「開発」、「納品」までの一連の流れを担います。
そして、このSIを提供する企業は「SIer(エスアイヤー)」と呼ばれ、ジョイゾーもその一社です。
自分が働く業界を一言で説明できそうで、意外とできない。
講義を通じて、その輪郭がはっきり見えてきた感覚がありました。
SIには、大きく分けて「SES」と「請負開発」という2つの契約タイプがあります。
SES(システムエンジニアリングサービス)は、エンジニアのスキルに応じた単価と労働時間をかけ合わせ、月ごとに精算する契約です。
お客様の要望に応じて柔軟に作業を進めるイメージで、成果物の完成そのものではなく、作業の遂行が契約の目的になります。
一方の請負開発は、家を建てるのと同じように、完成した成果物に対して報酬が支払われ、納品・検収のあとに精算される契約です。
作業の遂行ではなく、成果物を完成させて納めることそのものが契約の目的になります。
「できあがって初めて対価が発生する」という点が、SESとの大きな違いです。
身近なものに例えていただいたことで、契約形態という少し難しいテーマも、すっと頭に入ってきました。
次に学んだのは、「顧客 ー プライム ー サブコン」という、SI業界によく見られる契約構造です。
プライムはお客様と直接契約を結ぶ「元請け企業」、サブコンはプライムと契約して間接的に開発を担う「下請け企業」を指します。
プライムは提案力が求められるぶんハイリスク・ハイリターン、サブコンは安定して受注できるぶんローリスク・ローリターン、という対照的な特徴があります。
さらに、サブコンが業務の一部を別の企業へ再委託することで、二次請け、三次請けと連なっていく「多重下請け構造」が生まれることもあるそうです。
私たちSIerがどの形態を選ぶかは、案件の規模やお客様との関係性に応じて、その都度柔軟に判断していくものなのだと知りました。
このパートで一番考えさせられたのが、SIの報酬のあり方についての話でした。
人月や時間単価で報酬を決めるモデルでは、工夫して効率よく速く開発するほど、稼働時間が減って売上も減ってしまう、という逆転が起きます。
たとえば3,000万円で見積もった開発を、半分の時間で仕上げてしまうと、報酬も半分になってしまう。
頑張った人ほど報われにくい。
そんな矛盾をはらんだ構造です。
ここで植草さんが紹介してくださったのが、ピカソにまつわる有名なエピソードでした。
あるファンに、「30秒で描いた絵に100万ドルは高い」と問われたピカソが、「この絵が描けるようになるまでに30年かかっている」と答えた、という話です。
続けて、帝国ホテルのコーヒーが一杯約2,000円でも、ドトールと比べて「高い」と怒る人はいない、という例も。
そこには場所や時間、サービスといった価値があり、人はその価値に対価を払っているからです。
講義では、この考え方を体感する問いも出されました。
「コストは50万円、お客様にとっての価値は1,000万円。さて、いくらで売りますか?
というものです。
私自身も指名され、とっさに「900万円です!」と答えました。
正解のない問いですが、コストに利益を少し乗せるのか、お客様が得る価値から逆算するのか、値段の決め方ひとつに、その会社の姿勢が表れるのだと気づかされました。
「どれだけ作業したか」ではなく「お客様にどれだけの価値を提供できたか」で対価をはかる。
差別化とは、高い価値をそれに見合った価格で提供することに他なりません。
kintoneやAIの広がりによって、システム開発のハードルは下がり、できることは大きく増えました。
しかし、誰もが手軽に作れるようになったからこそ、ただ作るだけでは価値は生まれません。
お客様の課題にどんな価値で応えるかを考え抜くSIの仕事は、これからますます重要になっていくのだと感じました。
SIの仕組みを学んだ後は、プロジェクトを円滑に進めるための「プロジェクト・マネジメント(PM)」について講義していただきました。
そもそもプロジェクトとは、会社を継続させるために繰り返される「定常業務」と対になる言葉で、開始と終了が明確な(有期的な)、独自性のある取り組みを指します。
新製品の開発やセミナーの企画などが、その例です。
プロジェクトを管理する人を、プロジェクト・マネージャー(PM)と呼びます。
人・モノ・お金といったリソースに責任を持ち、目標の達成までやり遂げる役割です。
プロジェクトに関わるすべての人を「ステークホルダー(利害関係者)」と呼び、PMはその一人ひとりの異なる関心や期待のバランスを取りながら、プロジェクトを前に進めていきます。
そのために最も大切な仕事は、意外にも、高度な技術を得ることではなく「コミュニケーションをとること」だと教えていただきました。
PMの仕事の9割はコミュニケーションだとも言われているそうです。
植草さんの「PMはすべてを自分でできる必要はない。オーケストラの指揮者のようなもの」という言葉が、特に印象に残っています。
PMというと、何でも自分でこなし、すべてを把握できるような人を思い浮かべがちです。
けれど指揮者は、すべての楽器を自分で演奏するわけではありません。
一つひとつの音がきちんと調和しているかを確かめ、必要な指示を出すのが役割です。
同じように、PMも専門的な作業はその道のプロに任せ、全体を整えることに徹する。
だからこそ、一人で抱え込むのではなく、周囲の力を引き出して一つの成果へまとめあげる。
そんな姿が、PMの本質なのだと受け取りました。
プロジェクトの進め方には、工程を順番に進める「予測型(ウォーターフォール)」と、短い期間の開発を繰り返す「適応型(アジャイル)」の2つがあります。
案件の難易度が上がっている近年は、最初にすべてを見通す予測型だけでは難しくなり、区切りごとに見直せる適応型も重要になっているそうです。
そして、計画づくりの基礎として学んだのが「WBS(Work Breakdown Structure)」です。
WBSとは、プロジェクトの成果物を、管理できる大きさまで分解し、ツリー構造で整理したものです。
構成要素は名詞で表すのがポイントで、抜け漏れなく全体を見渡すための枠組みになります。
このWBSを、なんと「カレーライスを作る」というテーマで実際に作ってみました!
今回は先輩と後輩が混ざったチームに分かれ、模造紙に向かって一緒に手を動かしました。
同じカレー作りでも、「材料調達・調理・盛り付け」で大きく分けるチームもあれば、「レシピを学ぶ」工程から始めるチームもあり、分解の仕方はチームごとに見事に違っていました。
やってみて実感したのは、小さな作業を下から積み上げると抜けが出やすいのに対し、大きなまとまりを上から枝分かれさせていくと、抜け漏れが起きにくいということ。
最初はざっくり、進むにつれて細かく、という「段階的詳細化」の感覚も、手を動かすことで腑に落ちました。
植草さんからは「どこまで細かく分解するかに唯一の正解はなく、指示を出す相手や状況に合わせて調整することが大切」というアドバイスもいただきました。
ちなみに、このカレーライスのWBSは昨年の新人研修でも取り組んだ恒例の演習だそうです。
先輩たちがどんな視点で分解していたのか、ぜひ読み比べてみてください。
そして植草さんが最後に添えてくださったのは、「プロジェクトにもっとも重要なのは笑顔」という言葉。
WBSやスケジュールといった理論的なお話の締めくくりが、まさかの「笑顔」だったことに、いい意味で意表をつかれました。
仕事は辛いものではなく、苦しいときこそ笑顔でやっていくもの
植草さんは、これから大変な場面に出会うかもしれない私たちへの激励として、この言葉を贈ってくださったように感じます。
どんなに緻密に計画を立てても、最後にプロジェクトを動かすのは人の気持ちなのだと教わった気がして、とても心に残りました。
研修の最後は、いま最も注目されている「生成AI」についての講義でした。
生成AIとは、テキストや画像、動画などの新しいコンテンツを生み出す技術のことです。
従来のAIが「学習したデータの中から答えを選ぶ・予測する」ことを得意としてきたのに対し、生成AIは「学習した内容を応用して、新しいものを創り出す」点に大きな違いがあります。
仕組みそのものについても教えていただきました。
生成AIは、文章の意味を理解しているわけではなく、「この単語の次に来る確率が高いのはどれか」を計算し、確率の高い単語をつないで文章を組み立てているのだそうです。
そこに「Attention(アテンション)」という、どの単語を重視するかの重みづけが加わります。
人が会話を聞くとき、すべての言葉を均等にではなく大事なところに注意を向けて理解しているのと同じだ、という例えがとても腑に落ちました。
講義では、AIの進化を段階で捉える考え方も紹介されました。
OpenAIが提唱する5つのレベルで、1問1答の会話型AIから始まり、推論する「理論家」、人の代わりに数日がかりの作業をこなす「エージェント」、自ら新しいものを生み出す「イノベーター」、そして組織として動く段階へ——と発展していくイメージです。
今はちょうど3段階目の「エージェント」にあたるそうです。
たとえば、古いコードを新しい言語へ書き換える作業を、AIが数日かけて自動でやり遂げるといった段階に来ている、という具体例も挙げてくださいました。
その先に見据えられているのが、人間並みの汎用的な知能を持つAGI(汎用人工知能)、さらにそれを大きく超えるASI(超知能)という概念です。
AIがどこまで進むのか、ワクワクすると同時に、その変化の只中で働いていくのだという実感も湧いてきました。
では、生成AIをうまく使いこなすには何が必要なのでしょうか。
その鍵が「プロンプト」、つまりAIへの指示文です。
植草さんからは「AIに適切な問いかけをしなければ、質の高い回答は得られない」という、核心を突いたアドバイスをいただきました。
良い問いを立てられるかどうかで、返ってくる答えの質が大きく変わるということです。
具体的なコツとして教わったのは、
を、できるだけ具体的に伝えること。
さらに、いくつかお手本を見せて答えを導く「フューショット」という手法や、一度の指示で終わらせず段階的にやりとりを重ねて精度を上げていく工夫も紹介されました。
漠然と尋ねるのではなく、こちらが意図を言葉にして渡すほど、AIは応えてくれる。
これはAIに限らず、人に何かをお願いするときにも通じる姿勢なのかもしれません。
最後に、M-SOLUTIONS株式会社が提供する、kintoneと生成AIを連携させるサービス
「Smart at AI」を紹介していただきました。
このサービスの特徴は「ノーコード、かつノープロンプト」を実現している点にあります。
プログラミングの知識が不要なだけでなく、AIへの指示(プロンプト)もあらかじめ設定しておけるため、利用者はkintoneアプリに必要な項目を入力するだけで、文章作成や分析といった作業を自動化できる仕組みです。
毎回プロンプトを考える手間も、ツールを行き来する手間もない。
生成AIを「特別な人だけのもの」から「みんなの業務道具」へと変えていく工夫に、なるほどと感じました。
今回の研修を通して、自分が働くSI業界の地図が頭の中に描けるようになり、これからの仕事を見る解像度がぐっと上がりました。
特に心に残っているのは、「どれだけ作業したか」ではなく「どれだけ価値を提供できたか」で対価をはかる、という考え方です。
これまで私は、仕事の価値を「かけた時間や手間」でなんとなく捉えていました。
けれど本当に大切なのは、お客様の課題をどれだけ解決できたか。
その視点に立ち返らせてくれる学びでした。
そして、プロジェクトでも生成AIでも繰り返し語られたのが「コミュニケーション」と「問いかけ」の大切さ、そして植草さんが体現されていた「笑顔」でした。
技術やツールの話のはずなのに、最後に残ったのは、人とどう向き合うかという温度のある学びだったように思います。
これから多くの課題に出会うと思いますが、前向きな気持ちと笑顔を忘れずに、一つひとつ取り組んでいきたいです。