株式会社ジラフは、2024年にシリーズEラウンドの1stクローズとして、AppWorksを引受先とする第三者割当増資および借入を実施し、約8.4億円(うちエクイティ約5億円)を調達しました。
今回の資金調達にあたり、 AppWorks社は日本企業への初めての投資として、当社に出資してくださいました!
貴重な機会をいただき、 AppWorks社のパートナー にインタビューを実施。 アジア全体のスタートアップ市場のトレンドや、今後のスタートアップ支援の展望 についてお話を伺いました。ぜひ最後までご覧ください!
目次 1.台湾のスタートアップ市場について教えてください!どんなトレンドが見られますか?また、台湾内ではどんな企業に投資されていますか?
2.東南アジアへの投資も多くされているかと思います。どんな企業を中心に投資検討されることが多いですか?また、日本人起業家で東南アジアで起業している人も増えています。そういった方にもご関心はありますでしょうか?
3.アクセラレーターなどの活動やアーリーへの投資をされているかと思いますが、弊社(株式会社ジラフ)にレイター投資してくださった理由があれば知りたいです。また、今後もレイター投資を増やすご予定はありますか?
4.今後はどのような企業に投資したいですか?また、日本企業への投資を強化していくご予定の有無、今後出会いたい起業家の特徴などを教えていただけますでしょうか。
1.台湾のスタートアップ市場について教えてください!どんなトレンドが見られますか?また、台湾内ではどんな企業に投資されていますか? 台湾は長年に亘り起業家精神に満ちた地域 として知られています。例えば、1980年以降から2000年頃にかけて、台湾のベンチャーキャピタル業界は主に半導体を含む高技術製造業に重点を置いていました。特に、第二次世界大戦後には多くのブートストラップ型企業(外部からの資金提供を受けずに自己資本により100% 会社を所有する企業形態)が誕生しました。台湾はインターネット時代の先駆者としてブームを牽引し、Amazonとほぼ同時期にオンライン書店を開始するなど、当時では世界最先端レベルの先駆的な動きが業界の中では活発でした。しかしその後、2010年頃までは一時的な停滞を迎えることとなりました。
2010年以降、台湾のスタートアップ市場は再び活気を取り戻し、特に電子商取引(EC)分野で顕著な成長を遂げています。 最近では、 バイオテクノロジーやマテリアルサイエンスなどのディープテック分野でも著しい成長が見られ 、日常生活に寄り添ったサービスやプロダクトも日本と同水準で広がりを見せています。さらに、 ブロックチェーン技術を採用した新興企業も増加 しており、多様なイノベーションが生まれているのが現在の状況です。
私たちAppWorksとしては、地域展開を視野に入れたビジョンを持つ創業者に特に注目 しています。ポートフォリオには、91APP、KKday、17LIVE、Dcard、およびWeMoなど、急成長を遂げている企業が多く含まれています。台湾内では、UXを重視したプロダクト開発や、サステナブルなビジネスモデルを構築する企業に積極的に投資しています。これらの先見的な創業者を支援することにより、地域内外で大きな影響を与えるイノベーションを促進したいと考えています。
2.東南アジアへの投資も多くされているかと思います。どんな企業を中心に投資検討されることが多いですか?また、日本人起業家で東南アジアで起業している人も増えています。そういった方にもご関心はありますでしょうか? 2018年以降、弊社は東南アジア市場への投資を大幅に強化してまいりました。 主にインドネシア、ベトナム、シンガポールへの投資を積極的に進めてきましたが、これらの地域は台湾市場と補完関係にある非常に将来性のある市場であり、さまざまな分野で多くのビジネスチャンスを提供しています。特に、first world problem(先進国ならではの悩み)に焦点を当てた純粋なオンラインビジネスから、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッドモデルで「実際の社会問題」を解決する方向にシフトしています。
具体的には、デジタルと物理的な運営を統合し、地域ニーズに適したサービスを提供する企業に注目しています。 弊社のポートフォリオには、東南アジアで保険業界を革新するQoalaや、農業ビジネスの近代化を推進するTechCoopなど、影響力のある企業が含まれています。また、地域ごとの独自の課題に合わせたローカライズされたソリューションを提供し、テクノロジーを活用して効率と影響力を高める企業に関心を持っています。
東南アジアで事業を展開する日本人起業家も増加しており、彼らを支援することに強い関心を持っています。 ただし、東南アジア市場は日本とはビジネス環境が大きく異なるため、成功するためには日本国内で強固な基盤を築き、その後 創業者が最低6ヶ月は現地に滞在し、地域の状況や文化を深く理解することが重要 です。このような現地への深い浸透が、現地消費者のニーズに合った製品やサービスを提供するために不可欠です。
さらに、 弊社のアクセラレータープログラムへの参加を強くお勧めします。 このプログラムでは、市場への適応支援、ネットワーキングの機会、資金調達のサポートなど、起業家が成功するために必要なリソースを包括的に提供しています。
弊社は日本人起業家との協力を通じて、日本と東南アジア市場の双方で相乗効果を生み出し、成長を促進することを目指しています。そのため、日本人起業家が目標を達成し、東南アジアで重要な影響を与えることをサポートしていきます。
3.アクセラレーターなどの活動やアーリーへの投資をされているかと思いますが、弊社(株式会社ジラフ)にレイター投資してくださった理由があれば知りたいです。また、今後もレイター投資を増やすご予定はありますか? 弊社はファンドの視点から、ステージアグノスティックな投資方針(特定の成長ステージに限定せず、幅広い成長段階の企業を対象とする投資戦略)を採用し、アーリーステージからレイターステージまで幅広く投資を行っています。ただし、 特にアーリーステージのスタートアップに重点を置き、フォローアップ投資を通じて企業の成長を支援しています。 通常、 1社あたり数回の投資に渡り累計500万ドルから800万ドル を目安に投資を行っています。
弊社はジラフをグロースステージと認識しています。同社が確固たる基盤と高い成長可能性を兼ね備えている点にあります。ジラフは明確なビジョンと戦略を持ち、市場で強固なポジションを確立しています。 また、創業者はレジリエンスと草の根的なアプローチを持ち、困難な状況でも柔軟に対応し、持続可能な成長を実現しています。
今後も、変わらぬ投資方針を維持しつつ、レイターステージ投資は上場計画より成長性を重視します。
4.今後はどのような企業に投資したいですか?また、日本企業への投資を強化していくご予定の有無、今後出会いたい起業家の特徴などを教えていただけますでしょうか。 今後、弊社は日本の起業家でありながら海外での経験を持つ企業、特に日本、台湾、東南アジアの市場を統合した戦略を実現できる企業に特に注目して投資を行いたいと考えています。 これらの地域ごとの市場特性を深く理解し、適応する能力を持つ企業を優先的に支援します。
求める起業家の特徴としては、計画的かつ規律を持ちつつ、柔軟性を兼ね備えた方々です。 変化する市場環境に迅速に対応し、創造的なソリューションを実現できる起業家に特に関心を持っています。
さらに、 日本企業への投資も強化していく予定です。 日本の品質へのこだわりは国際市場で非常に高く評価されており、これを活用したスタートアップは大きな成長の可能性を秘めています。
また、 弊社のアクセラレータープログラムへの参加を通じて、日本と台湾および東南アジア市場で成功を収めるための支援を提供しています。 このプログラムでは、 現地市場への適応支援 、 ネットワーキングの機会、資金調達のサポート を包括的に行い、持続可能な成長を実現する企業の基盤を構築します。
日本、台湾、東南アジア市場でシナジーを生み出し、相互に成長を促進することができる企業を引き続き支援していきます。
AppWorksジョセフ様、ご回答いただきありがとうございました!
台湾のスタートアップ市場や東南アジアでの投資戦略、日本企業への期待など、非常に示唆に富むお話を伺えました。
重ねて、弊社へのご投資とご支援に深く感謝申し上げます。皆様のご期待に応えるべく、引き続き成長と挑戦を重ね、より大きな成果を目指して努力してまいります。
AppWorks社のアクセラレータープログラムについての詳細は、こちらをご覧ください。
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