こんにちは! ICONICの採用担当です。
ICONICはベトナムで創業し、東南アジアを中心に人材ビジネスを展開しているHR企業ですが、実は東京にもオフィスがあり、人材紹介事業を展開しています。
今回は、東京における今後の事業展開や戦略について、代表の安倉に話をしていただきました。
なぜ、今、CxOをターゲットにするのか
—CxOの採用・転職支援に特化した背景を教えていただけますか?
まず、前提として、日本の採用の特異性があります。東南アジアでは、求人を出して人が採用できたら、求人はクローズします。対して日本では、求人がいつまでもオープンのまま、つまり、ニーズ(求める人材)に対してソリューションが提供できていない状態なんですね。日本の人材業界は飽和状態だと言われていますが、まだまだ成長の余地があるわけです。
そうなると次に考えるべきは、どんなソリューションを提供するのか=どうやって攻めていくのかという部分です。利益を出すには、数を増やすか、単価を上げるかのいずれかしかありません。数を増やす戦略は、一部の大企業を除いて、かなりむずかしいのが現状です。大量の求人を出して大量の候補者を捌く——数で勝負するにはマンパワーが必要だからです。とすると、ICONICで取るべき戦略は単価を上げること。そのためには、特定の領域の専門性を高める、いわば「尖らせる」のが有効です。
—なぜ、CxOに尖らせることにしたのですか?
理由は3つあります。ひとつはAIの急速な進化、普及により、社会が大きく変わろうとしていること。多くの事務作業や単純作業がAIに代替されていく中でも、組織や事業を創ったり、変革を主導していく役割を持つCxOは今後も必要とされ続けます。
ふたつめは、CxOの採用・転職支援に特化している会社がほとんどないこと。スタートアップ・ベンチャー向けから、さらに尖らせた結果です。CxOの転職といえばヘッドハンティングが思いつきますが、ヘッドハンターは個人事業主も多く、ブランディングをしている企業はほとんどないのも、選んだ理由のひとつです。
最後は、ビジネスとしてのおもしろさです。単に利益を増やすだけでは、なんとなく物足りない。少人数で利益を出す仕組みや、参入障壁を高くして強いビジネスモデルを作れたらおもしろいなと。個人的な興味もありますが、社会的にも求められているような気がしています。
SNSはB to Bマーケティングにこそ効果的
—CxOに尖らせるために、どんな戦略を考えていますか?
当たり前ですが、CxOの採用・転職支援で圧倒的な実績があることが必要不可欠です。自分で事業をやっていて経営者でもあること、また、経営者との付き合いが多いという点は大きなアドバンテージになっていると思っていて、実際、人材紹介ではかなりの成果が出てきています。
もうひとつ重要なのがブランディングだと考えていて、戦略の主軸をSNSマーケティングによるニッチトップのブランド認知を目指しています。
たとえば、CxO採用支援の軸で展開している動画コンテンツはほとんど見かけません。ここで僕自身がリアルな情報を発信すれば、かならず目立ちます。といっても、バズらせたり、登録者数や閲覧数を増やすことは目指していません。本当に必要としている企業や候補者に届いて、「CXO転職・採用と言えばICONIC」というブランド想起のもと、問い合わせにつながるコンテンツ配信をしています。
—SNSでのブランディング、マーケティングはBtoCのほうが効果的なイメージがありますが、勝算はありますか?
もちろんです。ベトナムでは1年前から本格的にTikTokの運用を始めたのですが、すでにフォロワーは1.5万人を超えていて、140万ビュー、2万いいねされている動画もあります。ビジネスにおける成果にもつながっていて、一例として、今日やるウェビナーでは840名もの集客ができています。世界でも10本の指に入る大手会計事務所との共催であることや、社会保険改正に合わせたテーマを当てたことも要因ではありますが、SNSでICONICに対するブランド認知度が上がっていたことも追い風になっていると思います。
ちなみに今回のウェビナーでは、集客を最大化させることが目的ですが、受注につなげることを目的としたマーケティングでは、より少人数でセミナーを実施します。1対1でやる営業の拡大版といったイメージで、すでに課題がある人を対象に具体的なソリューションを伝えます。要は、ターゲットや状況、目的に合わせて、細かく施策を打っていくことが有効なわけです。
これを今後は、東京でも展開していきます。ベトナムで発信しているものとはターゲットもテーマも違いますが、動画制作のノウハウはできあがっていますし、週2本のペースでアップできる体制もあります。あとは、マーケットに合わせてチューニングをしていければ、遅くとも3年以内には「CxO採用・転職支援といえばICONIC」というブランドを確立し、成果も出せるようになっているはずです。
Amazonになる必要はない
—CxO採用・転職支援に特化することで、組織、個人にとって、どんなメリットがありますか?
どの業界、どのポジションでも支援できるエージェントは、いわばAmazonのようなものなんですよね。1社に登録するだけで、さまざまな商品を購入できる。消費者にとっては、とても便利です。ですが、すべての商品を購入できるわけではありません。京都にある老舗料亭の料理や、ラグジュアリーブランドのバッグは、店舗やブランドサイトでしか買えません。ICONICが目指すのは、この立ち位置です。
ICONICにしかない求人、ICONICにしかいない候補者——ICONICにしかない価値を提供する、まさにその領域でICONICな(=ICONになるような、代表するような)会社を目指しています。そのためには、メンバー一人ひとりが高い専門性を身につける必要があります。誰もがすぐにできることではありませんが、現に20代〜30代前半の若いメンバーが成果を出しており、身につけることは可能です。
また、経営者やCxOへのヒアリングを通して、経営やマーケットを高い視座から俯瞰して見れるようにもなります。こうしたスキルは他のビジネスでも応用できるもので、一人のビジネスパーソンとして人生レベルで貴重な財産になると思います。