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リスクを負ってでもやるべきだと思った、『新宿ワープ』の裏側

こんにちは、ヒトカラメディア・事業開発チームの日比野です。

『新宿ワープ』という、ヒトカラメディア初の自社施設の開発・運営を担当しています。

今回なぜヒトカラメディアが新宿ワープをつくり、運営を始めたのか。

社内外に発信するために記事にしましたので、ぜひご覧ください。

(参考)


2018年11月5日、西新宿には珍しい3階建ての小ぶりなビルが『新宿ワープ』としてオープンした。このビルの1,2階には、今から数年前まで上島珈琲店が入居していた。退去してからというものずっと眠っていたこのビルに、ヒトカラメディアがこれからの働くのスタンダードをつくるべく、新しい試みを始めた。それが『新宿ワープ』だ。

なぜヒトカラメディアが新宿ワープを手掛けようと思ったのか。

そして何が新しい試み、なのか。

以下では不動産的観点も踏まえながらご紹介していきたい。

< はじめに >

今まで避けていた「自社商品」。その理由とは

創業から6年。ヒトカラメディアはスタートアップ企業を中心にオフィスの選定・仲介から空間プランニングという、いわゆる『プロデュース業』に特化してサービス提供をしてきた。今まで自社で商品・サービスを扱わなかった理由は、顧客に対して要望とは違う形で自社商品・サービスの売り込みをしなければいけない時があるのではないか、それはクライアントファーストではないのではないか、という懸念があったからだ。

しかし過去500社以上のスタートアップ企業のオフィス仲介を行なってきた中で、「敷金10ヶ月」「定期借家契約2年」といった早期の事業促進を図りたい彼らの要望にマッチしていない契約条件が往往にしてあることを知り、これこそ「クライアントに寄り添う自分たちが解消すべき、不動産業界の課題だ!」と感じ、今回ご縁があり京王電鉄が所有するオフィスビル一棟を借り受け、「貸主」という立場で覚悟をもって、初めて「自社商品」を持つこととなった。(借り受けるとういことは、毎月家賃を京王電鉄に支払う状況になる、ということ。貸主の立場となって入居者・利用者を見つけることができなければ、そのぶん手出しで家賃を支払わなければいけなくなる)

3階建てという小ぶりな新宿ワープだが、甲州街道を行き交う人たちの目に入るように、外壁にペイントを施した。新宿ワープの「箱」をイメージしたロゴでもある「立方体」をモチーフとして、正面には「WARP」の文字と周りの小口を縁取り、「(特に入居テナントに対して)組織として、これからの状況において、ここで様々なことを形取って行って欲しい(輪郭を形成して欲しい)」という願いを込めた。近くの歩道橋からも見えるペイントは、もともと建物が持っていた可愛らしさを増すデザインになっている。

< 新宿ワープの3つの魅力 >

1.スタートアップに寄り添う新しい契約条件

『新宿ワープ』は1階と屋上がレンタルスペースで、2,3階は1フロア1テナントのオフィススペースになっている。特徴的なのは2,3階の『契約条件』だ。オフィスも住宅同様に賃貸する際は敷金、物件によっては礼金(時には保証会社に加入)が一般的だ。新宿ワープには敷金・礼金がない(さらに机や椅子などの什器が揃えられ、インターネットも接続されている)。

数名程度で借りることができるレンタルオフィス並みの設備が施されているのにも関わらず、敷金・礼金、そして保証会社の加入まで不要。保証会社未加入の場合、連帯保証人をたてることが一般的だが、それもない。つまり入居者は「ほぼ前家賃のみで入居できる」のである。ただし、契約期間は定期借家契約の約1年の「短期契約」としている。

2.場を通じて「変化」を促す

さらに新宿ワープには、ヒトカラメディアならではのエッセンスを加えた。ヒトカラメディアは什器やレイアウトなどオフィスのつくり方一つで、働き方は変わる、変えられる、そして事業や組織に影響を与えるきっかけになると考えている。

例えば、背が低い個人ロッカーの上に天板を付けたとする。すると、ただの個人ロッカーとしての機能だけでなく、立ちながらの仕事や打ち合わせが可能になる。

また、コワーキングスペースのように、前には壁もしくは窓があるようなレイアウトを組むとする。一見すると個人が集中することが目的に見えるが、振り返ればメンバーと至近距離で会話ができ、同じチームのメンバーたちが集まれば簡単な打ち合わせもすぐに行うこともできる。そして各々が前を向けば、個人の集中ゾーンが確保される。

新宿ワープでは、入居テナントにオフィスのつくり方で働き方が変わることを体感してもらい、使いやすい、逆に使いにくいと思ったことすらも次に自分たちがオフィスをつくるときに参考にして欲しいと考えている。まずは、自分たちで体感すること。これなくしてオフィスをどんな風に活用できるかを主体的に考えることは難しい(さらにこだわった点として、オカムラ製のシルフィーという椅子を導入した。1脚5万円前後する、高い椅子だ。椅子も同様に、体感しないとその良さがわからない)。

3.企業のカルチャーづくりをサポートするために

1階と屋上はレンタルスペースだ。オフィスビルの中でも屋上を利用できるのは珍しく、「新宿」という立地なのでさらに希少なスペースになっている。1階は細かな使い勝手を良くするためにも、キッチン含めてほぼ全ての家具を自社オリジナルで造作した。大通りに面し、窓面が広く採光がとれ、天井高は3m以上ある。ちょっとした『お店の貸切利用』という感覚で利用することができる。また、マイク・プロジェクター・ホワイトボード・文房具などのワークショップセットなど備品も充実させた。それらを使って、中長期的な視点のブレスト、納会やキックオフなど、いつもと違った感覚で社員同士のコミュニケーションを取ることができる。

新宿ワープは、そんな『非日常感』を大切にしている。自社でも様々な場所を使って積極的にオフサイトMTGをするように、いつもと違う環境が人に良い影響を与えていると実感してきたからだ。

「新宿駅から歩いてきて、いきなり違う空間に入った感じでびっくりしました。」

「室内はとても明るく、状況に応じて利用するスペースを変えることができ、とても良い時間を過ごすことができました。」

など、さっそく使っていただいた人たちから嬉しい感想をいただいている。秋、窓から黄色く染まったイチョウを見れば、四季を感じることもできる。「新宿」という立地ながら、駅前の喧騒から離れ、『非日常感』を感じていただけたのではないだろうか。


以上の3つの観点から、『働くをオモシロく加速させる=ワープする』ことを場を通じてサポートするのが『新宿ワープ』だ。

< 新宿ワープを通じてチャレンジしていきたいこと >

過去の実績から見えた、「短期契約」とした理由

2,3階のオフィススペースに入居するスタートアップ企業とはどんな企業なのか。いくら初期費用が極端に少ないとはいえ、短期契約を望む企業はいるのだろうか。ヒトカラメディアは前述の通り、過去に多くのスタートアップ企業のオフィス仲介を行った実績がある。そこで見えたのはサービスの急成長による短期での移転サイクルだ。

スタートアップ企業の成長は、とにかく早い。例えば自社サービスを開発している企業なら、初期はユーザーを集めることに特化する。将来の収益性を確保するためにユーザーを集め、自社サービスを向上させることに振り切って事業を進める。ユーザーが集まればサービスを拡充するほかなく、そのために『人』を増やしていくのである。

最初はマンションの1室などの小さなオフィスから始まって、もしくは最初から20-30坪のオフィスを借りて社員数が20〜30人ギリギリになるまで耐えるものの移転を余儀なくされる。その移転サイクルこそが『1年』だ。『1年』という期間は、彼らにとって短期という話ではなく、事業成長をした時に耐えられるかどうかの分かれ目なのだ。

不動産投資の収益を”逆”で考える

不動産投資の観点からいうと、入居テナントにはできるだけ長く入居して欲しいと思うのが一般的である。退去すればまた次のテナントを見つけなればいけないし、空室になってしまうと何も生まないただの箱となってしまうからだ。しかし、新宿ワープの考え方は逆だ。早期退去を歓迎している。

新宿ワープの解約予告は2ヶ月前。その間に、創業から積み重ねてきたスタートアップ業界との関係性を活かして、早期にリーシングをすることを見込んでいる。事実、新宿ワープの2階はオープンする約5ヶ月前に入居申込を取得し、3階はオープンしてから2週間で9件の問い合わせ、6件の内覧、4件の申込みという凄まじい反響ぶりだった。さらに1年で成長して退去することは、いわゆる「出世ビル」としての印象をもたらし、業界で広まることが期待できさらにリーシングを加速させる。この考えは、創業から6年、自身もベンチャー・スタートアップ企業として立場を理解し、地道に信頼を築き上げてきたヒトカラメディアだからこそできる決断と行動なのだ。

リスクをとって運営を行う、ヒトカラメディアがみているものとは

新宿ワープはデザイン・設計・施工・運営・管理などほぼ全て自社(グループ・パートナー含む)で完結させた複合施設だ。施設の開発・運営・管理をするときはどれか一つでも外部に委託するものだが、ヒトカラメディアは「すべてにおいて知見を溜め、リスクを内包し、今後に活かしたい」と、すべて自社で行うことにこだわった。


ヒトカラメディアは新宿ワープの運営を通じて、

・不動産業界の慣習/常識を変え、これからの働くのスタンダードを作る

・そのためにリスクをとって、新宿ワープのビジネスを成立させる

この2つを目指している。今後求められることを最前線で感じさらに良いものを作る、新たなビジネスの創出にもつなげていくためのチャレンジとして位置付けている。


以上のようにスタートアップ企業への支援を起点として、自らリスクを取り貸主となって運営を始めたのが『新宿ワープ』だ。文字通りオープンしてからがスタートなので、それが世の中に受け入れられるよう改善を重ねて運営をしていく。

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