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MOVO Vistaの開発チームがFindy Team+ Awardを受賞するまでの2年間を振り返る

Hacobuは、「持続可能な物流インフラを創る」というビジョンのもと、物流領域の課題解決に向けたSaaS型アプリケーション「MOVO」シリーズを展開しています。MOVOシリーズを通じて、物流領域で生まれるビッグデータを蓄積して課題を可視化し、効果的な解決策を導き出すことを目指しています。

その「MOVO」シリーズの中でも配車受発注の管理を行うサービスである「MOVO Vista」の開発チーム(以下、Vistaチーム)が、エンジニアのプラットフォームを提供するファインディ株式会社が運営する「Findy Team+」利用企業を対象に、開発生産性が優れたエンジニア組織を表彰する「Findy Team+ Award 2024」 にて「Frontier Award」で選ばれました。開発生産性の取り組みを推進した組織開発室のけんにぃさん(写真右)とVistaチームのだいきさん(写真左)が、どのようにチームの課題に向き合ってきたのか、その舞台裏を語ります。

───MOVO Vistaはどのようなプロダクトですか?

配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」は、荷主企業・元請事業者・運送事業者の企業間をつなぎ、配送案件の管理を支援する物流DXサービスです。

電話・FAX等でのやりとりが不要になり、業務の効率化が実現できるだけでなく、誰にでも受発注状況がわかる状態となり、属人化を解消することができます。実運送体制管理簿を簡単に出力することも可能です。

───お2人の担当業務を教えて下さい

けんにぃ:僕は2022年にHacobuに入社をし、Vistaチームのエンジニアリングマネージャーとして開発生産性の取り組みを主導しました。現在はVistaチームを離れ、組織開発室というところで採用や開発生産性の取り組みを含めたイネイブリング活動を行っています。

だいき:僕は2020年にHacobuに新卒入社をし、今はVistaチームのバックエンドを担当しています。開発生産性の取り組みを始めた当時はスクラムマスターとして活動しており、けんにぃさんと一緒に取り組みを推進していきました。けんにぃさんがVistaチームを離れたあともチームの開発生産性を改善するための取り組みを幅広く行っています。

───開発生産性の取り組みはどのように始まったのですか?

けんにぃ:テック組織全体の方針で、開発生産性を可視化して改善していこうという取り組みが2022年に始まりました。そこでGitHubやJiraのアクティビティを数値化してくれるFindy Team+を導入して開発生産性の可視化に取り組んでいこうという話になりました。まず始めにFindy Team+のナレッジをためていこうということで、VistaチームがパイロットとなってFindy Team+を使ってみることになったのがきっかけとなります。

───開発生産性を捉える上で難しかったことは?

けんにぃ:まず、ひとことで「開発生産性」といっても、その言葉から想像されるものは人それぞれであり、どんな目的で開発生産性を捉えるのか、その使い方に関しても目線合わせをする必要がありました。

だいき:当初はいきなり「開発生産性」というワードが出てきて、正直何をしたらいいんだろうという困惑がありました。

けんにぃ:確かにFindy Team+はFour Keysやサイクルタイムを始めとした、さまざまなデータを見ることができるため、自分たちが分析すべきデータは一体どれなのかということを把握するのが難しかったですね。

だいき:プルリクエストの中にはFindy Team+上では可視化しなくても良い、ノイズとなるようなものも含まれており、チームの正確な状況を捉えるのが難しいという問題もありました。

───実際に取り組んだことや工夫したことを教えて下さい

けんにぃ:Findy Team+を用いて開発生産性が定量化されると、いわゆるグッドハートの法則(数値自体の改善が目的化してしまうこと)が起こることを懸念していたので、メンバーの評価やメンバー同士の比較では使わないことをメンバーに明言して運用しました。

だいき:そのような運用ルールを元に、最初は「この値が伸びているということは、こういう活動で数字に変化があらわれるはずだ」という仮説を持って改善活動に取り組みました。トライアンドエラーを繰り返していくうちに改善点だけでなく、開発における良いところも称賛しようという流れになっていき、開発体制のヘルスチェックとしてFindy Team+を見ながら振り返るフローが確立していきました。フローが確立してきた頃には、開発生産性の推進メンバーをアサインして、毎週そのメンバーで作戦会議を行うようにしました。

けんにぃ:推進メンバーの積極的な動きもあったことでナレッジが少しづつ溜まっていき、ある時SPACEという開発生産性を可視化するためのフレームワークを使ってみてはどうかという提案をメンバーからもらいました。

SPACEは開発生産性を定量と定性から捉えるために、下記の5つの観点を用いるというフレームワークになっています。

  • Satisfaction and well being:満足度と幸福度
  • Performance:パフォーマンス、アウトカム
  • Activity:活動量
  • Communication and collaboration:コミュニケーションとコラボレーション
  • Efficiency and flow:効率とフロー

可視化といったら定量的なものというイメージが強かったのですが、ちゃんと定性面でも開発生産性を捉えようとするアプローチが面白いなと思い、試しにSPACEを使って開発生産性を捉えてみようということになりました。

だいき:SPACEを導入してからは、SPACEのナレッジを溜めていくためにタスクフォースを立ち上げ、勉強会を通じて他社の事例などをみんなで調査していきました。2024年8月にはFindy Team+上でもSPACEに沿ったチームサーベイ機能(β版)がリリースされたので、早速使い始めています。

SPACEを使ったVistaチームのチームサーベイ(Findy Team+)


Vistaチームの開発生産性スコア(Findy Team+)


けんにぃ:すごい!開発生産性スコアによる定量でもSPACEによる定性でも高いスコアを出せてますね。

だいき:定量だけだとしっくりこないところもありますけど、定性面でも良い結果が出ていると信憑性が高まって納得感が出ますね。

けんにぃ:SPACEについて共有してくれたり、Findy Team+の新機能をすぐに使ってみるなど、Vistaチームは本当にキャッチアップが早いなと感じます。QAメンバーもJiraのスプリント分析を取り入れてくれており、改善に努めてくれています。こういうメンバーからの積極的な動きがあったことで、今回の受賞につながったのではないかと思っています。

最後に


全社に先駆けて開発生産性の可視化に取り組み始めて2年、Vistaチームは常に開発生産性や開発プロセスの改善に向き合ってきました。これまでのメンバーの主体的な活動が成果を生み、開発者体験の向上につながりました。特にSPACEを取り入れたことはCTOにも好評で、今ではエンジニア組織の各チームの実績をまとめるための共通フォーマットとしても活用しています。

これからも更なる成長を目指すべく、一緒に開発生産性の向上に取り組んでくれるエンジニアを募集中なので、興味を持った方はぜひお話しさせてください。

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