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監査法人で培った知識を、IT企業に活かす経営管理術

 こんにちは。令和初の投稿となる今回は、Gunosyのバックオフィス業務をご紹介します!

 全部署や全社員が関わるであろうコーポレート本部を代表して、経理・財務管理を担う経営管理部のマネージャーにお話を伺ってきました。公認会計士を目指した理由や、異色な経歴を持つ彼だからこそ持つ「企業価値を支える経営管理」とは何かを教えていただきました。ぜひご覧ください。

岩瀬さん / コーポレート本部 経営管理部 財務/経理チーム グループ管理チーム
大学在学中に公認会計士試験に合格。新卒でメガバンクに入社し、2016年2月よりPwCあらた有限責任監査法人にて法定監査業務に従事。自ら経営に関与したいという思いから2019年1月よりGunosy入社。経営管理部のマネージャーとして、経理業務、財務業務、管理会計、予算策定等、財務数値に関連する幅広い業務を担う。

プロフェッショナルワークより、長期的な積み重ねを

- 現在担当されている業務を教えてください

 マネージャーとして経営管理部の全業務を見ています。Gunosyの経営管理部はCFO組織としていわゆる財務会計だけでなく、月次の予実分析や、予算検討プロセスへの参画、はたまた与信管理や為替リスク管理など財務数値が関わる領域のすべてを担当していることが特徴的です。

 経営管理組織というと、守りのイメージが強い経理と、攻めのイメージが強い財務や管理会計で縦割りになることも少なくないのですが、自社の数値を正確に理解し、質の高いアクションを生み出すためには、攻めと守りどちらにも精通する必要があると思っています。そういった意味で、Gunosy経営管理部の一気通貫な業務分掌は、組織としてのパフォーマンスを高め、メンバーのキャリアにとっても学びに繋がる環境をもたらしています。

- 公認会計士をとった理由は何ですか?

 試験自体は、大学在学中に合格していましたが、資格をとった理由は、リーマンショックが起きたのがきっかけです。当時、ニュースを見ながら「今後不況がくる中で何か身に着けておかなくては」と漠然と感じていました。その中で分かりやすいものとして、公認会計士がありました。また、大学1年のときに簿記の単位を落としたことで、なにくそ! という悔しさも後押ししたのかもしれません(笑)競い合う優秀な友人にもめぐまれたおかげで、試験には運よく一発で合格することができました。

- これまでの経歴と、Gunosyに入社した決め手とは?

 大学卒業後、同じ資格を持つ友人の大半は監査法人に就職していきましたが、私はメガバンクに就職しました。財務諸表の作成実務も知らないままで監査にいくより、まずは作るところから始めようと思ったからです。当時、財務会計の知識を持った人を対象として、主計部配属の採用コースがあり、日本最大規模の賃借対照表や損益計算書はどのように作成されているのだろうと興味を惹かれて入社を決めました。特に貸借対照表は、一般の事業会社の比にならないくらい巨大で、社会人の基礎含め、非常に勉強させて頂きました。

 その後は、クライアントワークに携わりたく、BIG4系のコンサルティングファームに転職しました。M&A関連の部門に配属され、クライアントの事業戦略立案に関わってたのですが、優秀な先輩や上司がいるチームにアサインされ、今後、頭が上がらないくらい鍛えて頂きました。ここでの経験は間違いなく今の自分の根幹をなしています。直近では、監査法人にて法定監査業務に従事するなど、会計士としては様々なことを経験してこれたと思っています。

 Gunosyへの入社を決めた理由は、自分で意思決定ができる環境があったからです。プロフェッショナルワークは非常にやりがいがありますが、PJベースで業務が終わってしまうことへの寂しさや、自分が思う業務の効率化を実行できないことへの、もどかしさを感じていました。Gunosyは創業7年目と若く、成長段階の今、さらなる組織ビルディングを求めていたので、自分の求めるものも「ここにあるのではないか」と感じ入社を決めました。

攻めも守りも貫く経営管理チーム

- 経営管理部全体で気を付けていることはありますか?

 各部署との綿密なコミュニケーションはあります。どんな部署でも何かしらの数字は発生するので、経理/財務を行う経営管理部では全部署の動きにアンテナを張っていないといけません。新しい取引やビジネススキームが発生する場合は、法務とも連携をとり、リスクポイントや商流の見直しなど、それぞれの観点から検討し、Gunosyとして最も合理的な選択を考えています。

 また、働く姿勢としては、攻めと守りのバランスを大事にしています。例えば、財務会計での1円単位でも間違えてはいけないという意識は守りの姿勢になります。ただ、守りすぎることは現場の方への事務負担や、意思決定のスピードを落とすこととのトレードオフになりがちです。だからこそ、全社視点でも俯瞰し、「過剰にストップをかけすぎていないか」「ここを改善することで決断が早くなるのでは」など、しっかりと考え抜いた上で、経営管理部としての意思決定ができなくてはいけないと考えています。一方で、攻めに寄りすぎてもダメです。上場企業としてのコンプライアンスは企業運営の前提ですから、ビジネス推進に寄り添いすぎて、コンプライアンスリスクを十分に検討しないまま意思決定をしても、それは長期的なGunosyの価値には貢献しません。

- 経営管理部で行っている施策はありますか?

 月次でメンバー全員とPDCA会議を行っています。月次決算が終わったタイミングで、経営管理部としてのパフォーマンスを振り返るのですが、続けるべきこと・抱えている課題・次のステップを考えるKPT(Keep Problem Try)を発表し、ディスカッションしています。KPTのフレームワークや実際のやり方はエンジニアチームから教えて頂きましたが、なかなか良い振り返りの時間になっています。

 経営管理部のパフォーマンス向上には、タカの目視点でRPAなど画期的なテクノロジー導入も必要ですが、アリの目視点での地道な改善活動も欠かせないと考えています。いわゆるカイゼンは日本企業の強みなので、経営管理業務でも積み重なれば長期的に大きなパフォーマンス差を生むだろうと信じています。

経験よりも柔軟な思考の人のほうが良い

- 岩瀬さんが社会人として意識していることとは?

 ライトノベル作家になるための挑戦の時間を確保したいからと転職したり、連休がある時は、ずっと休んでいたいと思ってしまうような人間なので、そんな大それたことは言えませんが、意思決定をするときのルールとして、自分の利害にとらわれず、組織やクライアントにとって最も価値を生む選択肢を選ぶことを意識しています。

 出世欲など個人的な利益を望むことはもちろんあると思いますが、時としてそれは全体最適にならないことがあるのではないでしょうか。そのため、組織としての企業価値の最大化を考えた時に、何が1番大事なのかを優先して考えるようにしています。

 経営管理部全体もそういった組織にしていきたいと思っています。経営管理部にとって最適な選択ではなく、あくまで組織全体にとって最適な選択をしたいです。経営管理部の採用では、必ずしも実務経験の豊富さを重視しているわけではなく、視野を広く持って、企業のこと他部署のこと、社外のことを考えられ、フェアな意思決定は何かを見定められるような、そんな柔軟な思考を持っている方のほうがフィットすると思っています。

- 今後の目標は?

 いま1番やりたいのは、経営管理部を市場のベストプラクティスのひとつとしていくことですね。Gunosyの経営管理部出身であることが採用市場におけるブランディングになるような組織です。先ほどもお伝えしたように、経理も財務も管理会計も担当し、攻めも守りも経験できる独特な学びの機会がある組織なので、この良さを保ったまま、今後も成長していくGunosyを支えていけたらと考えています。

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