みなさんは、営業マンが商談中におこなう「アイスブレイク」の効果をご存知でしょうか。
緊張をほぐすといった効果が一般的に知られていますが、商談の好感度を上げる効果も期待できます。
打ち合わせも含め、お客様とお話しする上で活用できると思いますので、ぜひ参考にして頂ければと思います!
この記事では、営業が実践したいアイスブレイクの効果と、そのコツをわかりやすく解説していきます。
日々の活動に活かすことで、成績アップに繋がるはずです。
アイスブレイクとは、商談相手の緊張をほぐし、話を聞き入れやすい状態を作る営業テクニックです。
緊張状態の心理をアイスに例え、その状態をブレイクするため、アイスブレイクと呼ばれています。
そして、アイスブレイクが成功するかどうかは、相手が話したくなるようなテーマを投げかけられるかが重要です。
服装や仕草などから、相手の趣味嗜好を推測し、興味のありそうなネタを投げかけてみましょう。
商談相手に「話しやすい、信頼できる」と印象を与えられれば、その後の提案が採用される可能性をグッと高められるでしょう。
ここからは、営業アイスブレイクの効果を解説していきます。
営業がアイスブレイクをおこなう理由は、警戒を解き、自身の提案をじっくり聞いてもらうことです。
商談時も構えすぎずに、リラックスしてアイスブレイクに取り掛かりましょう。
アイスブレイクの1つ目の効果が、「警戒を解く」というものです。
特に信頼関係が出来上がっていない状態では、「売り込まれないか」「買わせようとしてこないか」といった不安を感じています。
そして、精神状態が不安定な状態の人は、外からの刺激をあしらうように対応することがわかっています。
単純接触効果で有名な「ザイオンス効果」と呼ばれ、研究結果が発表されています。
営業マンはアイスブレイクによって、この精神状態を安定させることを狙っているわけです。
アイスブレイクの2つ目の効果が、相手に安心感を与えるというものです。
お互いのことをよく知らない状態では、相手の話に耳を傾け続けましょう。
商談相手は否定せずに話を聞き続けてくれる営業に、自然と好感を抱くはずです。
また、アイスブレイクは、話し上手である必要もありません。
話し上手にある以上に、聞き上手にであることが大切です。
営業には「話し上手でなければならない」というイメージがありますが、アイスブレイクの段階では相手の話をさえぎらずに聞き続ける姿勢が求められます。
具体的なテクニックは後ほど紹介しますが、アイスブレイクには「商談相手を能動的にさせる」という効果も期待できます。
特に安心感を与え、好感を抱かせることができているほど、相手から質問される状況を作れます。
そして、アイスブレイクの段階で、質問ができる状況を作れていれば、商談もスムーズに進められます。
最終的に契約を獲得できるかはわかりませんが、コミュニケーションを取りながらの楽しい商談にできる可能性を高められます。
「アイスブレイクをするにもネタがわからない」という方へ、緊張をほぐすのにちょうどよい話題を紹介していきます。
これから紹介する「キドニタテカケシ衣食住」、「地域の話題」の2つのネタを駆使すれば、アイスブレイクのネタに困ることはなくなるでしょう。
1つ目のアイスブレイクにおすすめのネタが、「キドニタテカケシ衣食住」です。
キドニタテカケシ衣食住は次の頭文字を取った造語で、沈黙が続く状況の切り口におすすめです。
- キ(季節・気候)・・・季節・気候に関する話題
- ド(道楽)・・・道楽・趣味・関心事に関する話題
- ニ(ニュース)・・・ニュースで取り上げられる時事・スポーツなどの話題
- タ(旅)・・・ 旅行に関する話題
- テ(テレビ)・・・テレビ番組に関する話題( バラエティやドラマなど)
- カ(家族)・・・家族の中で起こった事に関する話題
- ケ(健康)・・・健康管理・ダイエット、運動、花粉症に関する話題
- シ(仕事)・・・ 仕事や学校のことに関する話題
- 衣・・・服装、流行、髪型などに関する話題
- 食・・・食べ物、旬の食材に関する話題
- 住・・・住居や出身などに関する話題
キドニタテカケシ衣食住をアイスブレイクにおすすめする理由は、難しい知識を必要としないためです。
スマホでなんとなくチェックしていた情報を、有効活用できることが「キドニタテカケシ衣食住」の優れているポイントです。
アイスブレイクにおすすめの2つ目のネタが、「地域の話題」です。
住んでいる地域はもちろん、ニュースなどで話題になっている地域などもネタとして活用できます。
地域の話題をアイスブレイクにおすすめする理由は、一度身に着けてしまえば生涯使い続けられるネタであるためです。
スポーツなどのネタは、時事ネタといわれるだけあり、コミュニケーションツールに使える期間も限られています。
しかし地域の話題は、スポーツの会話から少し軸をずらすだけで、いつでも自分が詳しい領域に持ち込むことができます。
「プロ野球がそろそろクライマックスですね。ちなみに〇〇のホームスタジアムが…」と話題を展開するだけで、会話の領域を大きくできます。
アイスブレイクは、話題の選び方によって相手の感情を害してしまう可能性もあるので気を付けなければなりません。
特に、政治や宗教、学歴、また何かを批判するネタというのは、意見が分かれるデリケートな話題ですので、親密な関係になっている相手でも避けておくべきです。
また、芸能ネタに関しても興味の有無が分かれますので、最初のアポイントでのアイスブレイクには向いていません。
ただし、商談相手が特定の芸能人のファンであることを知った場合は、その人に関する話題をふっても問題ないでしょう。
ここからは、営業がアイスブレイクを成功させるコツを紹介していきます。
先ほども触れたようにアイスブレイクの段階では、営業に話の上手さは求められません。
まずは、商談相手の緊張が解け、自然に話はじめる状況をつくりましょう。
営業自身がリラックスすることが、アイスブレイクを成功させる1つ目のコツです。
営業マンであっても緊張してしまうことがありますが、極力商談相手に悟らせない工夫が必要です。
仮に緊張してしまっていたとしても、微笑みや笑いがあればアイスブレイクを成功させることができます。
相手が話しをしやすい空気感を演出してあげる意識が大切です、
営業がアイスブレイクを成功させる2つ目のコツは、「相手に興味をもつ」ことです。
人間は不思議なことに目を見て、自分に興味のある人かどうかを本能的に判断しています。
そのため、表面的なコミュニケーションでは、相手に関心を持っていないことがわかってしまうのです。
アイスブレイクに不慣れな営業は、一旦商談であることを忘れてしまうことも手段です。
商談の段取りを頭に入れながらアイスブレイクを進めるよりも、まずは商談相手の理解に努めることもおすすめです。
アイスブレイクを成功させる3つ目のコツが、「共通点を見つけ出す」ことです。
商談が始まる前から、身だしなみや持ち物から興味のありそうな分野を推測してみましょう。
はじめは難しいかもしれませんが、意識し続けることで持ち物の話から相手の好きなものを引き出すことも可能になります。
そして、お互いの興味のある分野がわかると、一気に心の距離が近くなります。
商談相手も話して良いことを把握できるため、自然と口数が多くなるはずです。
アイスブレイクを成功させる4つ目のコツが、「7割以上を相手に話させる」というものです。
相手に興味をもち、共通点を見つけ出せれば、アイスブレイクの効果を十分に引き出せた状態と言えます。
ただし、魅力で惹きつける営業マンは、さらに7割以上を相手に話させることを意識しています。
この意識を持つことで、商談相手に「話を聞いてくれる人」という印象を与えられ、能動的な商談にしやすくなります。
アイスブレイクの段階では、決して相手の話をさえぎらず、話を聞く役割を徹底しましょう。
話したくなる瞬間をグッと我慢することで、商談の展開を楽にすることができます。
緊張をほぐすといった効果を見込めるアイスブレイクですが、あえて時間を取らなくても良いシチュエーションもあります。
商談相手をよく観察し、アイスブレイクがいらない状況にないかを察知することも大切です。
営業がアイスブレイクが不要な1つ目の状況が、「雑談が苦手である」というシチュエーションです。
実際に話してみてからでないとわかりませんが、「話すことが好きではなさそう」と感じられたら、すぐに本題に入りましょう。
緊張をほぐす効果のあるアイスブレイクも、相手の心象を損ねてしまっては元も子もありません。
また、「商談の時間が決まっている」という状況も、アイスブレイクを省いてしまって問題ありません。
アポイントの段階で商談の時間が決まっている場合は、相手はすでに話を聞く状態が出来上がっています。
そして、雑談が苦手な方と同様に、不要なアイスブレイクは心象を損なうことにも繋がりかねません。
特に商談時間に限りがある場合には、「段取り力がない」というマイナス評価になる可能性がある点には注意が必要です。
できる営業マンが得意とする、アイスブレイクにはさまざまな効果があります。
商談相手の緊張をほぐしながら、しっかりとした人間関係を構築することが、アイスブレイクの主な目的です。
そして、話を聞く姿勢さえ習得していれば、実践できることがアイスブレイクの大きな魅力です。
「キドニタテカケシ衣食住」や「地域の話題」を活用し、商談相手の話をしっかりと聞くことが、何より大切です。
アイスブレイクの段階で、「話を聞いてくれる人」という印象を与えられれば、相手が能動的に参加できる商談の場にすることができます。