「エンジニアを創るエンジニアリング」の職人、フレアリンクの技術指導者とは。
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フレアリンクの特徴である「オーダーメイドIT/DX人材育成」を支える中心的な職種、「技術指導者」。
一見すると「ITを教える仕事」のようにも見えるが、そこには「Teach」という次元を超える、特有の奥深さと面白さ、そして厳しさがある。
そんな「フレアリンクの技術指導者の仕事」を代表の中山に聞いた。
「エンジニアを創る」エンジニア。
──フレアリンクを代表する職種に「技術指導者」があります。創業者の中山さんは、当社技術指導者の第1号ともいえますが、どんな仕事なのでしょうか。
中山:
転職サイト等の募集職種を見ると「エンジニア」「デザイナ」「経理事務」などはよく見かけますよね。でも、「技術指導者」という記載はあまり見かけないことからわかるように、世の中ではかなりマイナーな職種にあたります。
「講師」や「先生(教師)」のようなイメージを持たれることもあるのですが、特に「フレアリンクの技術指導者」に限っていえば、普通の人がイメージする一般的な「講師」や「教師」とはかなり違うといって差し支えないと思います。
技術者(エンジニア)は「技術力を駆使して、優れたプロダクトを創る人」。
対して技術指導者は、「技術力と指導力を駆使して、優れたエンジニアを生み出す人」。
つまり、エンジニアを一階層「メタ」にしたジョブなんです。
── 「教える」というより、“育てる”や“生み出す”に近い感覚なんですね。
中山:
そうですね。たとえば「プログラミングを教える仕事ですか?」と聞かれることもありますが、私たちが育てているのはコードを書くスキルそのものではありません。
最近はYouTubeや書籍、あるいはGPTのようなAIでも、技術そのものは学べますよね。
でも、私たちが取り組んでいるのは“技術を学ぶこと”ではなく、“技術を通じてプロとして活躍できる人を社会に生み出すこと”なんです。
持てる技術力を「発揮するためのスキル」
── 「技術力があればエンジニアになれる」と思っている人も多いと思います。
中山:
確かに、技術力は大事です。そして、技術力があればエンジニアにはなれます。
でも、「技術力だけでは、プロとして幸せなエンジニア職業人生にはなりづらい」こともまた、多くの先輩エンジニアたちの実感するところではないでしょうか。
たとえば、近年では大学時代に研究でプログラムをバリバリ書いていた人もいます。
技術的には本当にすごい。でも社会に出て活躍できるかというと、そうとは限らない。
むしろ、「あの人、技術力はすごいのに…」と惜しまれながら、2〜3年後には入社当時“未経験者”だった同期がリーダーになっていたというケースも、IT企業においては「あるある」ではないでしょうか。
── その違いは、どこにあるのでしょうか。
中山:
「技術力以外」の部分──、具体的には「技術力を発揮するためのスキル」の差です。
たとえば、課題を発見する力や、人と協働する力、プロとして責任をもってやり抜く姿勢。よりよいものを創りたいという好奇心や向上心。あるいは、仕事を楽しめるかどうか。こうした要素が、本来持てる技術力と結びつき発揮されるか否かで、結果的にパフォーマンスや成長スピードに大きな差を生みます。
ただ、「どんな“非技術的能力”がそのエンジニアの才能開花に効くか」は、人によっても違いますし、所属する企業環境によっても変化します。企業が期待する活動も、エンジニア文化も、価値観も、採用技術スタックも異なりますからね。
だからこそ私たちは、ご依頼いただく企業それぞれにおいて“技術力とともに、技術力を発揮しやすくなる能力"もあわせて身につく最高率成長ルート”を設計し、歩んでいただくという視点で仕事にあたっています。
── なるほど、研修というより“育成設計”に近いのですね。
中山:
そうです。私たちは単に「技術研修を提供している」わけではありません。
企業さまの特命を受けて、その企業の未来を担う社員をお預かりする。だから、「どのような成長が生じれば、本人と企業にとって最も輝く未来が生まれるのか」を考え抜きます。
経営戦略、人事方針、評価制度、技術組織の文化まで理解して、そこに合わせて教育設計を行う。言い換えれば、経営と教育の交点で、成長を設計する仕事です。
自分の技術が学ぶ人の味方となり、社会変革に繋がる実感
── 技術指導者としてやりがいを感じる瞬間は、どんなときですか。
中山:
やはり、「成長と喜びの瞬間」に立ち会えることですね。
たとえば春の新人技術研修では、3か月ほどで未経験者を「自分たちだけでサービスをゼロから作れる」プロエンジニアに育て上げます。
その間、学び手は苦しんだり悩んだりしながらも、ある日ふと「できた!」「わかった!」と表情が変わる。その瞬間は何度見ても、嬉しいものです。
そして卒業するお別れの日。
本当はその数日前から、わかってるんです。自分たちの力だけで、顧客役の私から要件をききだし、時にチームで喧々囂々の論争をしたりしつつも、1つのSaaSをクラウド上に創りあげていく姿を見て──「あぁ、もう私は不要になったな...。」って。
入社当初はあんなに不安そうな目をしていたのに、ちょっと自信あふれる表情で、熱のこもったお礼の言葉を頂戴したりしようものなら、あぁ、最近、涙腺弱くなっていけねぇなってよく実感します(笑)。
── 「技術と成長を通して、心が通い合う瞬間」もまた、技術指導者ならではの体験であり、財産なんですね。
中山:
もちろん「死力を尽くして成長機会を成功させるからこそ」ではあるのですが、それにしても本当にありがたいことです。「あなたの一生に一度しかない成長機会に、お供させていただき、ありがとう」と伝えたいのは、むしろこっちのほうなのに。
その他、登壇中に今はもう先輩になった2年目や3年目の方にも廊下でバッタリ会うこともあります。今は最前線の開発案件で奮闘しているっていう話を伺ったりすると、「私のこの小さな技術力が、いろんな方を通して、社会の役に立っているのかもしれない」という強い実感を持てることも、この仕事特有の魅力だと私は思います。
エンジニアが“技術で社会を変える”職業だとすれば、
技術指導者は“人を通して社会を変える”職業なんだなって、あらためて思います。
── 素敵な言葉ですね。今後、「技術指導者」を目指す人に向けて伝えたいことはありますか。
中山:
技術指導者は、技術のプロであり、人の成長を支えるプロでもあります。
「自分の技術で何かを創る喜び」も素晴らしいですが、
「自分が関わった人が社会を支えるようになる喜び」は、それとはまた違う大きなやりがいがあります。
テクノロジーに加えて、人の成長や才能が社会に花開く瞬間にも関心があり、
技術を通じて誰かの可能性を拓くことに貢献してみたいという人には、ぜひ挑戦してほしいですね。