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「全ての人が使いやすいデザインを目指して」ユニバーサルデザインチームを発足しました!

こんにちは。東京デザイン部の杉浦です。

フェンリルでは、スタッフ同士でデザインと技術を高め合うための勉強会やワークショップを多く開催していますが、今回は、フェンリルで昨年4月に発足した『ユニバーサルデザインチーム』の紹介と、チームで取り組んでいる体験会や勉強会についてご紹介したいと思います。

ユニバーサルデザインとは?

ユニバーサルデザインの定義は、『特別な製品や調整なしで、最大限可能な限りすべての人々に利用しやすい製品、サービス、環境のデザイン』とされており、「多くの人に使いやすい」ということが前提にあります。

よく“バリアフリー”と混在されてしまいますが、バリアフリーは主に障害者や高齢者が対象になっています。対してユニバーサルデザインの対象者は、そのデザインに触れる“全ての人”であるため、あらゆる状況を想定してデザインしていく必要があります。

また、見た目だけでなくサービスや構造そのものを良くしていく仕組みであることが重要だという考え方です。

何をするためにチームを発足したか

デザインに携わる側として、自分も含めてユニバーサルデザインへのリテラシーを高めていく必要があると思い、まずはデザイン部内でユニバーサルデザインに興味がある有志が集まりチームを発足しました。

勉強会を開催するだけではなくチームを結成したのは、ユニバーサルデザインは自分の生活そのものにかかわる問題だと認識してもらうためです。

当初はデザイン部内で、まずは“ユニバーサルデザインを知る”という活動を行っていましたが、ユニバーサルデザインの理解が深まるにつれ、アクセシビリティの確保が重要だということが分かってきました。

そこで現在はウェブ部が中心となっているウェブアクセシビリティ分科会を通じ、ウェブ部だけでなく品質管理部も参加して、まずはウェブアクセシビリティの向上を目指して取り組んでいます。

チームの活動目標

デザインを世に出す側として、ユニバーサルデザインに配慮することは、社会的な役割だと私たちは考えています。全ての人に使いやすいということは、「ユーザーにハピネスを」というフェンリルの理念にもつながります!

そのために、何よりフェンリルの全部門にユニバーサルデザインへの配慮を啓蒙、浸透させることが大切だと考えています。そしてまずは、デザイン部の全員が配慮したデザインの提案とデザインデータをチェックできるようにすることが当面の目標です。

デザインを提供する側としての社会的な責務はもちろん、さまざまなプロダクトにおいてユニバーサルデザインに配慮することで、フェンリル自身に新しい価値を生み出すことができると考えています。

また、内閣府が率先してICTを活⽤し誰もがストレスなく⾃由に活動ができるユニバーサル社会の構築を進めていることもあり、今後ますます需要が高まることが予想されます。そうした流れにいち早く対応することで、新たな顧客開拓にもつながります。

このように、ユニバーサルデザインはあらゆる観点から多くのメリットを生む取り組みです!

チームメンバーの資格取得

メディア・ユニバーサルデザイン教育検定という内閣府公認資格の取得者を増やそうとしており、現在は、メンバー内でアドバイザー資格の3級を4名が取得しています。

私はディレクター資格の2級を取得しましたが、2級資格取得者は日本で150名程度で合格率が50%〜70%ほどと狭き門。筆記試験以外にもユニバーサルデザインに配慮した課題を提出しなければならず、業務の合間にこなすのは本当に大変でした。

noteで資格取得についてのポストをしているので、もしよろしければご一読ください。

会社のユニバーサルデザインチームにジョインしたら、気づいたらUDチームリーダーになっててサクッとMUDアドバイザー資格を受けてきた話|スギウラトモコ / Fenrir Inc.|note
6/16にメディア・ユニバーサルデザイン教育検定3級を受けてきた。 https://www.media-ud.org/assay/ ら、本日(7/6)無事に合格通知と認定証が届いた。 認定資格:MUDアドバイザー 認定番号:2551番 ということは、日本で2500人ちょいしか居ない、内閣府認証のアドバイザー資格を得たということのようである。(名刺の肩書に載せていいよってぐらいの資格) ...
https://note.mu/f_sgur/n/nf686bba4677a

多様な見え方に配慮するカラーユニバーサル

現段階で私自身がもっとも力を入れているのは、色の濃度などに配慮した、“カラーユニバーサル”です。

色覚特性を持つ方たちは、視力が悪いということではなく一部の色の組み合わせに対して一般色覚者と見え方が異なるため、色の使い方や明度差などに配慮が必要になります。

▲色相環の見え方の違い(シミュレーション)

また、多様な色覚を持つ人だけではなく、一般的な色覚を持つ方も含めた全ての人に情報が正確に伝わるように配慮することがカラーユニバーサルデザインの定義になっています。

色覚特性には主に、P型と呼ばれる1型色覚と、D型と呼ばれる2型色覚があり、1型色覚特性は赤を暗く感じるため濃い赤と黒の判別が難しく、2型では赤・緑・茶の組み合わせが判別しにくいというのが特徴です。

▲Illustratorのカラー校正設定を利用して作成したカラーシミュレートチャート

こうした色覚特性を持つ方は、日本全体で約300万人以上いるとされており、日本人男性の20人に1人(日本全人口の5%)、女性でも30人に1人という割合で、世界では2億人もいると言われています。原因はX染色体の欠乏のため、男性に多いことも特徴です。

「思っていたより多い」と感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

それは、色覚特性を持っていることを周囲に打ち明けていない方も多くいらっしゃるということも表しており、よりいっそうこの取り組みに力を入れる必要性を感じています。

“体験”から気づき、アイディアを得る

先日開催した勉強会では、色覚特性を持つ方がどんな風に色を認識しているのか、特殊なメガネを使って体験してもらう機会を設けました。

こうした体験をすることで、見えにくい色や配列など、みなさんたくさんの気づきがあったようで、勉強会の意義を感じることができました。

多様な見え方を体験することによって、デザインするときに配慮すべきことや、新しいデザインのかたちを生み出すことができると思うので、今後も、勉強会を通して、私自身も学びを重ねていきたいと思っています。

色覚特性を持つ方の見え方を確認できる『色のシュミレーターアプリ』を使えば気軽に体験できるのでみなさまもぜひ試してみてください!

今後も活動を続けていきます!

ユニバーサルデザインチームはまだ発足から間もないチームではありますが、徐々に成果も出てきました。今後もカラーユニバーサルをはじめ様々な取り組みを続けていきます!

ユニバーサルデザインだけではなく、フェンリルでは様々なことにチャレンジしています。少しでも気になった方はぜひ気軽に話を聞きにいらしてください!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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