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「ヘルステックの力で社会課題を解決する」というミッションを掲げ、保育施設向け午睡見守りシステム「ベビモニ」や介護DXサービス「OwlCare」など、エッセンシャルワーカーを支えるさまざまなプロダクトを展開している、EMC Helthcare株式会社。
本日はCTOとして技術の力で社会課題の解決に取り組む、カナダ出身のスティーブンさんにお話を伺いました。
大手企業に勤めていた経験から「会社が既に持っている技術」ではなく「自分たちの技術」を使って試行錯誤しながら製品を作りたいと考えるようになったというスティーブンさん。ものづくりにかける情熱、社会課題解決への思い、そして目指す世界について語っていただきます。
スティーブン ザン (Steven Zhang)
EMC Healthcare株式会社 CTO
シリコンバレーのIT企業を経験した後、大手コンサル企業にて海外での新規事業立ち上げに従事。EMC Healthcare株式会社の立ち上げから参画し、素早い開発、生産、ビジネス化で事業を推進。
ゲーム・医療・交通。
幅広い分野で経験を積み、次のステージへ
よろしくお願いします! 最初に、これまでのキャリアについて教えてください。
スティーブンです。よろしくお願いします。
昔からいろいろなことに関心があるタイプだったので、大学在学中から研究機関や大手企業などさまざまインターンシップに参加して、研究職・開発職など幅広い職種を体験していました。
その後、就職活動の時期とリーマンショックのタイミングが重なって。今後の景気がどうなるかわからないことも踏まえると、市場価値の高い職種を選んだほうが良いと考えて、大学で勉強したのをきっかけに興味を持っていたマーケティングの分野で尖った人材になろうと思いました。
新卒募集も少なく厳しい状況でしたが、無事にゲーム向けの半導体メーカーに内定をもらい、日本支社への配属を機に日本へ移住しました。新卒ではマーケティングエンジニアとして、技術的なセールスポイントのプレゼンを担当していました。
具体的には、新製品の発表会や展示会、ゲーム大会など、さまざまなイベントの企画・運営をしたり、技術的な観点でレビューをしていろんな広告媒体に売り込んだり。自分の思い入れがある作品には時間をかけて取り組んでも良いし、コラボイベントの相手を選べるような権限もあり、ゲーム好きの私としては嬉しい仕事でした(笑)。
ただ、広告マーケ業界では締切厳守が鉄則。イベントが近づくと徹夜をする日もあり、けっこうハードな働き方も経験しました。アメリカ本社との連携や、突然の変更対応など大変なイベントを乗り越えた後には、同僚が疲労と達成感で涙を流している様子も見かけるほどでした。今となっては良い思い出ですね。
次のキャリアに進もうと思ったきっかけは?
2012年ごろになって、社長と一緒に出張したときに「10年後にスティーブンが副社長になったらさ」と未来の話をしてもらったんです。もちろんそんな予定はなかったので「もしも」の話なのですが(笑)。これが、これからのキャリアを意識することになった、転機とも言える瞬間でした。
当時の仕事は楽しかったのですが、やはり本社がアメリカなので日本支社からでは関われない仕事も多く、自分にとっては物足りない感じもありましたし、成長の機会を狭めているような気もしていました。
経営者になるとしたら自分に何が足りないか。何を経験して、どんなスキルを身につけるべきか。そう考えたとき「このままではだめだ、ビジネススキルをもっと磨かないと!」と思って、転職を決意したんです。そして、より責任ある仕事ができて経営に携わることもできる、コンサルティング企業へ入社しました。
そのコンサル企業では、海外での新規ビジネスの立ち上げを担当していました。
イギリスとシンガポールでの案件が多く、現地に行くことも多かったです。業種としては医療と交通関係でしたが内容は幅広く、現地の医療関係者や政府関係者との調整からコンセプト設計、ビデオ制作、製品設計のサポート、ユーザーヒアリングなどなど。
日本法人の海外立ち上げでは、ただ日本の製品をそのまま海外へ持っていっても成功しません。その国の制度や文化に合うよう、コンセプトを調整する必要があります。コア技術のところは変えず、ユーザーが触れるUI部分を中心にゼロから作り直すこともありました。ユーザー視点を身につける上で、うってつけの環境でした。
自分たちの技術で社会課題を解決したい
代表取締役の伊達さんとはどのように出会ったのですか?
所属していたコンサル企業のプロジェクトで、当時顧問として参画していた伊達さんに出会い、声をかけてもらいました。
伊達さんが代表を務めているイーグルマトリックスコンサルティングは、海外で新規ビジネスのコンサル事業を展開していました。当時の自分の業務内容と似ていたこともあり、興味があったので話を聞いてみることにしたんです。
話を聞くうちに、自分が今まで経験したことのないベンチャー企業の雰囲気に、自然と引き込まれていきました。大企業でしか働いたことがない自分にとっては、やりたいと思ったことをすぐに実行できる空気は新鮮でしたね。
伊達さんの会社で、今よりさらに業務の幅も自分の裁量も広げて、より成長していきたい。伊達さんと一緒に「会社が既に持っている技術」ではなく「自分たちの技術」で試行錯誤しながら製品を作って社会課題を解決していきたい。そう思うようになり、転職を決めました。
入社してからのお話と、現在の役割を聞かせてください。
入社して半年ほど経った頃、イーグルマトリックスコンサルティングでは、開発と開発サービスを提供する会社を分割する意思決定が行われました。開発会社であるEMC Helthcare株式会社を新たに立ち上げたタイミングで、私はCTOになりました。
CTOという肩書きは付きましたが、いまだに自分で手を動かしています。ハードウェアや電子回路を作ったり、ソフトウェアをデザインしたり、運用するサーバーを構築したり……お客様からのお問い合わせ対応をすることもありますし、現場工事に赴くこともあります。
私はとにかく、自分で設計したり開発したりすることが好きなんですよ。伊達さんが見つけてきた課題を「こんなふうにできないかな?」と投げてくれるので、それを私が技術商品へ落とし込んで形にしていく流れです。あったらいいなを実現できると嬉しいし、自分が作ったものが動いていると喜びを感じます。
それから、チームのマネジメントも担当しています。開発チームのメンバーは私を含めて8名。小さい組織なので十分に目が届くのですが、マイクロマネジメントはしません。最終形態のゴールだけ伝えて、そこまでの道のりは各自で考えてもらっています。
細かくあれこれ指示して管理をすれば開発自体はスムーズに進むかもしれませんが、そうした「やらされ仕事」はメンバー個人の成長につながらないと思うんです。能動的に工夫しながら動けるメンバーの存在は組織の成長にも大きく影響するので、信じて任せ、レビューなどで品質を高める動きを重視しています。
自分の「好き」を突き詰めた先で、社会課題を解決できる
仕事をする上でのこだわりは?
私のこだわりは、技術者として「より現実的なもの」を作ることです。
どんなに画期的な設計でも世に出るのが遅くては価値が損なわれてしまうし、最新の技術を盛り込んでもお客様にとって手の届かない価格だったら意味がない。よりスピーディに開発でき、より安定して供給可能で、適正な価格でお届けできる設計を心がけています。
こうした設計の工夫によって、数万個作らないとコストが見合わないというようなことにはなりません。顧客の要望や分析結果に応じて、ハードウェアもソフトウェアも適切に作り替えることのできる柔軟な開発を実現しています。
また、やるならとことん知る、というのもこだわりのひとつです。世の中に今まで存在しなかったものを作り出すのは、そう簡単なことではありません。開発に必要な知識をつけ、課題への解像度を高めるために、これまでずっと猛勉強を続けてきました。アプリ開発はもちろん、医療、車……。そして今、介護システムを構築するために介護の業務について必死に勉強中です。
今後やりたいことは?
得意分野とスピード感を兼ね備えたメンバーで、達人の集まりを作りたいです。
そのチームでより効率よく、より良いものを早く世に出していきたいです。
すでにいくつかのプロダクトをお客様に活用していただいていて、そのフィードバックや弊社の分析から、改善点も見えてきています。そうした課題の解決や新たなチャレンジなど、まだまだやりたいことがたくさんあります。でもそのためには人手が足りていない。もちろん今のメンバーもとても頼りになりますが、よりスピーディーに実現させていくために、さらに強力な仲間を迎えたいですね。
私自身、何か一つの分野に絞ったエンジニアリングでのプロフェッショナルというわけではありません。ですがその分、こうした勉強を通じて幅広い分野を知っているという強みがあります。
だからこそ、それぞれの分野に詳しい人材に集まってもらい、私がその中心に立ってみんなを動かしていくのが最も効率の良い開発体制だと考えています。
私の今のCTOというポジションは組織全体を俯瞰しながら、大好きな開発にも携わることができる、自分にとってはとてもやりがいのある仕事です。このまま楽しみながら仕事をしてプロフェッショナルのチームを作り、世の中の課題を解決するプロダクトをどんどん世に出して、利益を上げ、会社の成功につなげていきたいです。自分の「好き」を追求してその先で社会が良くなるなんて、最高ですよね。
共感してくれる方、社会を良くしていくぞ!という心意気のある方、一緒に働いてみませんか?
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