今回はDIRIGIOのプロダクトチームの皆さんに、開発の組織に関することや、プロダクトへの想い、そして将来の働きたい仲間像などについて、対談いただきました。
<プロフィール>
CPO 甲斐 嵩典 (写真 左)
東京大学工学部在学中の2019年にDIRIGIOへエンジニアとして参画。以降、エンジニアリング、UI/UXデザイン、プロダクトマネジメントなど幅広い領域を担当し、開発チームの責任者として組織の拡大や体制強化にも取り組む。2022年4月に取締役CPOに就任。
小野田 飛洋 (写真 右)
筑波大学情報学群にてプログラミングを学んだ後、DIRIGIOに参画。創業期の開発全体の統括を担い、その後はカスタマーサクセス、コーポレート等の複数部門を横断的に担当。現在はプロダクトマネージャーとして、プロフェッショナルサービスおよびSaaS事業における開発領域を担当している。
一人ひとりが主体となるフラットな開発組織
採用担当:会社の根幹を支える開発組織について、深くお話を伺っていきたいと思います。まずは、現在の開発組織体制について教えていただけますでしょうか?
甲斐:はい。開発組織としては、PM(プロジェクトマネージャー)やPdM(プロダクトマネージャー)を中心に、デザイナー、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、そしてアプリのエンジニアといった体制になっています。特徴としては、非常にフラットな組織であることです。トップダウンではなく、開発メンバー一人ひとりが主体となって「どうすればお客様により価値を提供できるか」を常に考えながら、自律的に開発を進めています。プロダクト単位というよりも、プロジェクト単位で開発を進めることが多いですね。
採用担当:なるほど。プロダクト単位ではなく、プロジェクト単位で開発を進められている背景には、どのような意図があるのでしょうか?
甲斐:一番大きな理由は、弊社が多様なプロダクトを手掛けている点にあります。プロフェッショナルサービスとしての開発と、基盤となる機能開発がそれぞれ存在するため、現状では、各メンバーがプロダクト全体を網羅的に理解している状態を目指したいと考えているんです。それが、プロジェクト単位で動く大きな背景となっています。
採用担当:そういったプロジェクト単位での進行の中で、マネジメントはどのように行われているのでしょうか?
小野田:基本的には、プロジェクト単位で各チームが組成され、その中で定期的なミーティングなどを組みながら進めていくことが多いです。ただ、現状ではそこまで大人数の組織ではないので、全体の定例会でそれぞれのプロジェクトの進捗を共有し合いながら、全体として連携を取り、スムーズに進められるようにしています。
「AIを活用し、学びを促す」最適手法で顧客と前進する開発環境
採用担当:ありがとうございます。続いて、皆さんの具体的な働き方や開発環境についても伺えますか?リモートワークなどは導入されていますか?
甲斐:はい、エンジニアは基本的にフルリモートに近い形で働いています。全社会などのイベント時には出社いただくこともありますが、リモートでお仕事できる環境はしっかり整っていますよ。PMやPdMなどの職種は、密な会話で物事を決めていくことが多いので、週に2〜3回程度は出社するようにしています。
採用担当:リモートでもスムーズに連携を取るための工夫はありますか?
甲斐:テキストでのコミュニケーションをしっかり取ることはもちろんですが、プロジェクトによっては、毎朝「困っていることはないか」を確認するミーティングを実施することもあります。リモートでも実際に一緒にいるようなコミュニケーションスピードを保てるよう、機会を設けるようにしていますね。
採用担当:働きやすい環境を支える制度面はいかがでしょうか?
小野田:家賃補助制度があるので、会社の近くに住んで出社したい方は利用できます。開発環境としては、AIツールを積極的に利用できる環境が整っています。また、勉強会への参加も推奨していますし、書籍購入制度もあります。
小野田:書籍購入制度に関しては活発に活用しているメンバーもいます。以前から制度自体はありましたが、鈴木さんが入社してからは毎月書籍購入の希望を募るなど、希望を出しやすい環境に整えてくれたので、以前よりも利用が促進されていますね。
採用担当:開発手法についても伺いたいです。アジャイル開発とウォーターフォール開発はどのように使い分けていますか?
甲斐:社内での開発ではアジャイルで進めやすいものが多いですね。一方、クライアントさんのプロダクトで「こういうものを作りたい」という要件が明確な場合は、ウォーターフォールのような形になることもあります。プロジェクトの特性によって最適な手法を選んでいます。アジャイルはスピードが出せる、ウォーターフォールは品質に気を配る必要があるなど、それぞれ特性があります。段階ごとにどう進めるか、プロジェクトマネージャーを含め全員で話し合って進めています。お客様のご要望によって、納期優先なのかクオリティ優先なのか調整が変わってくるので、お客様のご要望に沿ったプロダクト開発ができるよう、常に最善の開発手法を選んでいます。
各領域のクリエイターとして、顧客の本質課題を解く
採用担当:これまでプロダクト開発で特に大切にされてきたことは何ですか?
甲斐:飲食店は幅広い業態があり、求められる機能も多岐にわたります。そのため、システムとしてどう作るかという点で、複雑になりすぎると拡張性がなくなるので、飲食業界の特性を理解した上で拡張性を意識した設計を心がけてきました。モジュール型のプロダクトはそのような考え方がベースになっています。また、お客様にプロダクトを提供する上で、「グレートな体験」になっているかどうかを妥協することなく追求することも意識してきました。
採用担当:その「グレートな体験」とは、具体的にどのようなものでしょうか?
甲斐:初めて使う時の第一印象で、直感的に分かりやすく、扱いやすいと思えるかが一つ。もう一つは、飲食店さんの実際の業務にスムーズに落とし込めるか、オペレーション的な目線でも価値のあるプロダクトになっているか、という観点ですね。
採用担当:クライアントさんのプロダクトを作る際のUI/UXはどのように決めているのですか?
小野田:先方の中で具体的に「こうしたい」「この画面構成にしたい」「この色を使いたい」といったご要望がある場合は、最初に詳細にヒアリングします。色や素材など、見た目に反映される部分は、ヒアリングした内容を強く反映することが多いです。一方で、サービス全体の導線や機能といったシステムに近い部分は、弊社の知見の方が豊富だと考えていますので、こちらから積極的に提案させていただくものをベースに、すり合わせを行って合意形成を進めることが多いですね。提案はPdMが中心となり、社内のデザイナーやエンジニアにも相談しながら、CSと連携してクライアントと調整しています。
甲斐:DIRIGIOには、クリエイターのような想像力豊かなメンバーが多く、「お客様が求めている以上の価値を提供すること」をプロとして意識している人が多いと感じますね。
たしかに、メンバーそれぞれが各プロフェッショナル領域において、クリエイターとしての意識が非常に強いです。例えば、クライアントからの依頼をそのままアウトプットとして提供するだけでなく、どうすればクライアントの本質的な課題を解決できるアウトプットになるかを深く考えています。結果として、それがクリエイターとしての活動につながっているのだと思います。
飲食DX超え、多領域への価値創造を
採用担当:今後、DIRIGIOとしてどのようなプロダクトを作っていきたいとお考えですか?
甲斐:毎年、前年に比べて扱っているお客様の数も、モバイルオーダーの注文数も上がり続けていますので、まずそれをしっかりと支えられるようなプロダクトであり続けることが一つ重要です。インフラ基盤を強固にすることで、すべてのお客様に常に安定したデジタルシステムを提供できるようにすることが大切ですね。裏側にある見えない部分も継続的に強化していく必要があります。また、基盤強化に加えて、新しいサービスやtoC領域も強化していきたいと考えています。toBのクライアントさんとエンドユーザーを繋ぐような新しいプロダクトをつくり、提供できる価値をさらに広げていきたいですね。
甲斐:飲食業界にはまだまだDXの余地が多く、現在はモバイルオーダーを通じて飲食店と顧客の接点を支援していますが、それ以外にも、たとえば経営の意思決定を支える仕組みや、スタッフの働き方を支援する仕組みなど、着目するアングルによって提供できるソリューションはさまざまに広がっていくと感じています。そうした視点も踏まえながら、より広い視野で新しいプロダクトを創出し、世の中に価値を届けていけたらと思っています。
小野田:これまでに作ってきたモジュール基盤をどのように活かしていくかを考えていきたいです。活用次第では、貢献できる幅が格段に広がるはずです。本当に「やりたいことが無限にある」環境だと感じています。ただ、複数のプロダクト開発を進める上で優先順位付けが非常に重要なので、今の状況で何を優先すべきか、体制をどうしていくべきか、提供できる幅をどう広げていくのかなど、活発に議論を重ねて進めています。
「能動的なクリエイティブ集団に」AI時代をリードする創造的な開発組織
採用担当:今後どんな開発組織にしていきたいかお聞かせいただけますか?
甲斐:AIが進化していく中で、開発の仕方自体も進化していくと考えています。そのような環境下でも、新しいものを取り入れることを恐れずに、正しく評価し、活用できるものは積極的に活用していくことが大切です。今までのやり方に縛られすぎないことを大事にしていきたいですね。今後入ってくる方の知見も加わることで開発がより強化されていくと思います。新しいものに対しても柔軟になり、世の中がまだそのニーズに気づいていないような、そんなプロダクトづくりができる、能動的で創造的な組織にしていきたいですね。
小野田:AIを活用していくと、実装や設計の一部が代替されていくと思うので、より市場と向き合い、クライアントの声を聞きに行って、それをどうプロダクトに反映させるかという目線がより重要になってくると思います。安心して使えるものを作ることを担保しつつ、AIによって代替できた部分の時間を、そうした市場や顧客との対話に向けていくような動きが求められてくると考えています。
夢を語り、未来を共に描く挑戦者
採用担当:では、最後に、DIRIGIOの開発チームとして、どんな方と一緒に働きたいですか?
甲斐:常にチャレンジし続けられる方と一緒に働きたいです。これからキャリアを築いていく方も、これまでの経験を活かしていきたいと考えている方も、等しく「一緒にチャレンジしていきたい」と思っていただける方が良いと思います。ご自身のキャリアのことや、会社の未来のことなど、自分事化して語れるような、夢をもっている方と、共に未来を描きながら一緒に働きたいですね。
小野田:積極的に情報発信ができる人が良いですね。情報を受け取ったり、取りに行くことができる環境は整っていますが、発信するという部分はまだ足りていないと感じています。そうしたことを積極的にやっていきたい、新しい風を吹かせてくれるような人と一緒に働けると、きっと面白くなるでしょう。発信することに遠慮しない人たちを大切にしていきたいです。
編集後記
甲斐さん、小野田さんの開発チームの対談からは、プロダクト開発への深い洞察と未来への熱い想いがひしひしと伝わってきました。単なる技術集団に留まらない、社会貢献への強い意志と創造性がDIRIGIOの開発を突き動かしていることを実感しました。
DIRIGIOの描く「つながりを紡ぎ、彩りと賑わいに溢れた社会を作る」というミッションの実現に向けた挑戦。この熱い想いと、プロダクトへの真摯な姿勢に少しでも共感するところがあれば、ぜひ一度、彼らの話を聞いてみてください。あなたの「挑戦」が、社会の前進を紡ぐ新たな一歩となるかもしれません。