2025年4月1日、私たちは大興電子通信株式会社から「DAIKO XTECH(ダイコウクロステック)」へと商号変更しました。
70年以上続く歴史の中でこれは間違いなく大きな出来事。
当然、変更の裏には社員たちによるさまざまな話し合いや会社の未来に対する熱い想いがありました。
今回のストーリーでは、商号変更に関わった経営企画部部長の東原さんの話を交えながら、その裏側を紹介します。
商号変更の経緯。プロジェクトには中堅社員が参加
私たちは1953年に「大興通信工業」として通信事業をはじめ、1974年、電子(コンピュータ)分野への参画にともない「大興電子通信」へと商号を変更しました。
以降、ITを武器に製造、流通、サービス業など、さまざまなお客さまの課題を解決し続ける中、2030年に向けた長期経営ビジョン「CANVAS(キャンバス)」を取りまとめ、会社が目指すべき方向性をはっきりと示し、2024年に「CI(コーポレート・アイデンティティ)プロジェクト」が発足し、グループの企業理念体系の整理を実施しました。
そんな中、今回商号変更に至った経緯について東原は以下のように話しました。
「私たちは『CANVAS』の策定にあたり、これまでの当社の歴史や当社が提供してきた製品・サービスを振り返り、また、これからお客さまと共に創っていく未来について議論しました。その中で、私たちの事業が社名にある“電子”や“通信”といった言葉では、表せないものになっているのではないかと考えるようになったんです。だから、グループの企業理念や行動指針と同様に商号も見直すことにしました。」
確かに私たちは今、既存の枠にとらわれずにお客さまの経営課題に応じて製品やサービスを提供しています。時代の変化に合わせて商号が変わるのは1974年のときと同じ。今回の商号変更も必然と言えるかもしれません。
この一大プロジェクトに参加したメンバーは、経営企画部部長の東原含めて7名。会社の次世代を担う課長・部長クラスを中心に構成されました。
「当社では、事業計画など短期的な目標設定をする場合は、役員のみで決めることが多いのですが、長期ビジョンや中期経営計画などを策定するプロジェクトには、中堅社員が参加し議論を重ねてプロジェクトを推進しています。理由は、自分たちが将来の経営者として会社を担っていく意識付けと、結果に責任を持ち次の世代にバトンを渡すことを目的としています。参加するメンバーにとっても経営目線で物事を考えられるいい機会になり、自らの成長を促せるので主体的にに取り組んでいます」と、東原は中堅社員がプロジェクトに参加する意義を語りました。
新商号考案に関して。軸となった考えとは
グループの策定と企業理体系・行動指針が一新され、新たな商号へ変更することが役員会に上申されたのが2024年3月のこと。偶然にも「大興電子通信」へと商号変更がされてから50年が経ったタイミングでした。2ヶ月後には社内外にも周知されて、6月の株主総会を経て商号変更は確定しました。
では、商号を決めるまでには、どのような話がなされたのでしょうか。東原は次のように語ります。
「商号変更案を策定するにあたり軸となった考えは3つありました。
一つ目に決まったのは“大興(だいこう)”という言葉を残すということです。戦後の復興期に『産業の中核となるだろう通信産業を大きく興そう』という創業者の想い(DNA)を大切にしたかったですし、私たちは皆さまから『大興さん』と呼ばれることが多いため、社員も愛着がある言葉でしたので、そこを変えるわけにはいきませんでした。
二つ目は、識別性。従来の商号では、当社のことを知らない会社、投資家、学生などから、通信電気設備の工事会社や電子デバイスの会社と勘違いされることが多く、今私たちが行なっている事業を感じさせ、他社との違いを識別させる必要がありました。
最後は、新しい企業理念体系(MVV)や行動指針に込められた想い(言葉)を体現したネーミングにすることでした。」
確固たる軸をもとに商号変更に向けた話し合いが進みます。
「“大興”と『DAIKO』、アルファベット表記にすることはすんなりと決まりましたが、それに続く言葉については、大切にしたい言葉を漢字、アルファベット、もしくは両方の組み合わせで表現してみたり、新たにアイデアを出して造語をつくるかなど、たくさんの意見が出ましたね。その中で出てきたのがX(エックス・クロス)と技術(テクノロジー)を合わせたクロステックという言葉でした」と東原は当時を振り返ります。
X(クロス)には、記号X(エックス)に読み替えて未知、変数や未来など、さまざまな意味が込められています。私たちのビジョン「新たな価値提供への挑戦を続け、彩りのある企業へ〜Be Challenging, Be Colorful〜」や、すべてのステークホルダーが循環的につながる「五方良し経営」というバリューにも通じるものがあり、未来への期待を感じさせます。
かくして、「DAIKO XTECH(ダイコウクロステック)」という新商号案が誕生しました。
「決定した案について、役員会で議論をしていただいたのですが、『X(クロス)がエックスと読まれるのではないか。カタカナ表記でもいいのではないか』という意見もありました。しかし『アルファベットの X(クロス)でないと込められたニュアンスが伝わらない』ことを説明し、「大興電子通信」に愛着のある役員にも理解をいただきました。最終的には、役員たちからバトンを繋いで未来を創るメンバーの意見を尊重しようという決断をいただき、DAIKO XTECH(ダイコウクロステック)に商号が決まりました。」
DAIKO XTECHのこれから、未来の仲間への期待
マゼンタを印象的に使ったデザインとアルファベットのみで構成されたロゴタイプやコーポレートカラーを見て、社員、お客さまやパートナー企業さまからは「思い切った変更、意思決定ですね」という反応もありました。
大興電子通信から抱く会社のイメージも大きく変わってくるでしょう。
一方で、東原は「皆さまから親しまれてきた“大興さん”という愛称とお客さまの期待に応える行動、テクノロジーの力で新たな価値を提供し、お客さまの事業を支えていくことに変わりはありません」と、会社がこれまで築いてきた考えや姿勢といった核は、ブレることはないと語ります。
私たちは今、CANVASで定めた第2段階・変革期に入りました。第1段階の挑戦期から得られた成果を伸ばしていく時期です。
東原は「長期ビジョンCANVASがあることで社内はもちろん、グループ会社などとも同じ方向を向き歩んで行けるようになったと感じています」と、社内外の結束力が高まっていることを強調。「これから会社のX(未知数、変数)となって活躍してくださる新しい仲間と出会えるのも楽しみですね」と熱く語りました。
商号変更のストーリー、いかがでしたでしょうか?
創業70年以上の歴史を持つ企業ですが、このように歩むべき方向性を決め、時代の変化にも柔軟に対応し続けています。
お客さまに価値提供をするために、AIをはじめとした新しい技術への挑戦なども活発に行われています。
商号も一新し、変革へと向け走り出す「DAIKO XTECH(ダイコウクロステック)」でともに未来を描いていきませんか?