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AIは人類には早すぎた!?AIが犯罪や不正に使われる危険性とその対策を考える

「AIが未来を変える!」それは多くの人が抱く期待感ですが、AI技術の急速な進化には一つの暗い側面も存在します。

私たちの生活がより便利になる一方で、AIが悪用されるリスクも増しています。

たとえば、AIを使って生成されたフェイクニュース、音声模倣技術を用いたフィッシング詐欺、ディープフェイク技術によって作られた偽の映像や音声など、リスクは増える一方です。

なにが本当でなにが嘘なのかが分かりづらくなっている現代社会。いつ自分が被害にあうとも限りません。

そのようなリスクから、どのようにして自分自身を守ればいいのでしょうか。

今回は、AIによる犯罪や不正行為の具体例と、それらから身を守るための実践的な対策について解説します。

AIによる虚偽の力、新たな詐欺と不正行為

まずAIを用いた犯罪や不正行為にどのようなものがあるのかを挙げてみましょう。


・ディープフェイクによる偽の動画

ディープフェイク動画は、AI技術を使って作られる非常にリアルな偽の映像や動画です。

AIが実際の人の顔や体の動きを模倣した動画を生成し、あたかもその人が特定のことを言ったり、行動したりしているように見せかけます。

たとえば、ディープフェイク技術を使うと、有名人や政治家の顔を別の動画に合成し、その人が実際には言っていないことを言わせたり、していない行動をさせたりすることができます。

また芸能人や著名人をポルノ映像と合成させ、個人の名誉を傷つけるという悪質な犯罪も実際におきています。

この技術は非常に精巧で、一見すると本物に見えるため見破ることが困難です。

影響力のある人物の偽の発言により、世界情勢を混乱に陥れたり、争いの火種を生み出す可能性すらあるものです。


・自動生成によるスパムメール生成

AIを使って大量の迷惑メール(スパム)を自動で作成することができます。

AIは特定のパターンや言葉を学習し、たくさんのメールを短時間で生成でき、多くの人に一斉に送信されます。

どのようなメールなら反応が得やすいか、効果的なメールのパターンを学び、それを基に似たようなメールを大量に作成します。

またAIによって一人ひとりに合わせた内容のメールを自動的に作成する事も可能で、より信憑性の高いメールを装うこともできます。

この技術は、受信者を欺くために使われることが多く、フィッシング詐欺や悪意のあるリンクを含むメールを送るために利用されます。

自動生成されたスパムメールは、受信者にとって非常に迷惑であり、詐欺やセキュリティリスクを引き起こす可能性があります。


・音声模倣技術によるフィッシング詐欺

AIが誰かの声を学習して、その人が実際には話していないメッセージを作り出すことで、本当のメッセージだと信じさせます。

実際に音声模倣技術が使われた詐欺がアメリカで発生しているそうです。

詐欺師が音声模倣技術を使って、銀行や企業の担当者の声を模倣し、その声で電話をかけ、指定口座へ高額な振込の指示をおこなうというものでした。

信頼できる人物や、上司からの指示ということであれば、急な振込の指示だとしても従ってしまうことは十分に考えられます。

日本でもオレオレ詐欺が社会問題になりましたが、電話の声が本人の声と同じものであれば、詐欺だと見抜くことはより難しくなるでしょう。


その他にもAIが活用された犯罪や不正行為は数多くあります。

選挙のタイミングでAIがフェイクニュース(嘘のニュース)を世間に広めることで、有権者の認識や投票行動に影響を与えることができます。

AIを使ってターゲットのXやFacebookなどのSNS活動を解析し、その人が興味を持つ内容を含むメッセージを送ることで、特化した詐欺行為が行われることもあります。

監視カメラとAIを組み合わせて、特定の個人をリアルタイムで監視したり、ストーキング行為を行うことで、プライバシー侵害のリスクに繋がります。

大学生が生成AIを使ってレポートを不正に作成するという話も聞くことがありますが、すでに個人の不正レベルでなく組織的な犯罪や情報操作に使われているのが現状です。

守れ!AIの脅威 実践的な対策法と防御術

これらのAI犯罪・不正からどのように自身を守ればいいのでしょうか。

もちろん専門的に解析すれば、AIが生成したものだと見抜くことはできますが、技術が進歩している以上、技術だけで対処するには限界があると考えます。

しかし、自身の情報セキュリティの意識を高めることで防ぐことはできるはずです。


・個人情報の取扱いに慎重になる

必要以上の個人情報をSNSやオンラインサービスに公開しないことや、メールやメッセージで個人情報を求められた場合、公式の連絡先に確認するなどの慎重な対応をとることで被害を防ぐことができます。

特に信頼性の薄いWebサイトやSNSなどで個人情報や生活の様子を後悔する際には、十分注意が必要です。


・セキュリティ対策を強化する

普段からの情報セキュリティに関する取り組みも有効であるとされています。

より複雑で強力なパスワードを使用し、定期的に変更したり、二段階認証を有効にすることでセキュリティを強化できます。

また、ソフトウェアのセキュリティパッチも最新の状態にしておくべきでしょう。


・AI関連のニュースに注目する

今回紹介したAI犯罪や不正は「まさか人間じゃなくてAIだったなんて……!?」と驚くものばかりでした。

「もしかしたらAIではないか?」という気持ちをどこかに持っているだけでも、リスクに気づくことができる可能性は高まるため、AIに関する知識を身につけることも重要な対策と言えます。

AI技術や最新のサイバー犯罪に関連するニュースに注意を払うことでセキュリティリスクについての意識も高まるのでは無いでしょうか。


上記の他にも対策はあると思いますが、デジタル犯罪とその対策はいたちごっこの状態で、次々と巧妙な手段が新しく生まれています。

技術だけでは防げなくなっているため、最新のAIの能力を正しく知り、自らのセキュリティ意識を高めて自衛することが求められています。

AIの進化と倫理問題に向き合う時代

詐欺やなりすましのような違法な犯罪だけでなく、倫理的な問題というものもAIのリスクだと言われています。

例えば、現在使われている画像生成AIの技術も、実際の画家やイラストレーターの描いた絵を学習しているため、著作権の侵害にあたるのではないかという問題があります。

他にも個人データをAIが大量に処理することで、プライバシーが侵害されるリスクが増大します。顔認識技術や監視システムが無断で利用されるケースも問題視されています。

これらの問題は、AI技術の進展とともにさらに複雑化しており、法律や規制が追いついていない現状があります。


これから先の未来、AIがもっと発達して自律して行動するようになったら、さらに新しい倫理問題が発生する可能性も考えられます。

SF映画のように、AIの人権問題や責任問題が発生することが無いとは言い切れません。

AIを搭載したロボットが人の仕事を奪ってしまうことで、雇用問題が起きる可能性もあります。

ロボットが人間に代わって面倒なことをなんでもやってくれる未来を夢見ていましたが、現実はいいことばかりというわけではなさそうです。

一つの側面だけをみて「AIは危険だから禁止しよう」とすべて一括りに扱ってしまえば、科学技術の進歩は失われてしまいます。

電気や原子力でさえも使い方次第で人にとっては危険なものでもあり、便利なものでもありますが、現在では人類の文明を支えるために世界中で使われています。

科学技術は使う人の倫理観によって、人にとって有益にも有害にもなるものですから、我々も常に正しいことのためにAIを活用できるよう、意識を持つことが大切ではないでしょうか。

これから先の未来、皆がAIを正しく利用することによって、より豊かなものにしていきたいですね。

ここまで読んで頂きありがとうございました。


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