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「あなたの内なる火種は何?」助産師だった私がITスタートアップにいる理由とママリに抱く野望の話。



はじめまして!コネヒト株式会社ビジネス統括部の筒井八恵です。(写真、一番右のボブヘアが私です)

2018年夏にジョインして早10ヶ月。ママリとタイアップしていただく企業様と折衝するtoB営業をしています。「助産師なのに、なんでWeb?」とクライアント先でもよく言われますが、今に至るまでの葛藤や意思決定の経緯について、率直にお伝えできればと思います。

#これまでのキャリア

【筒井 略歴】

佐賀大学医学部卒業時に助産師、看護師、保健師の国家資格取得。上京し、新卒で日本赤十字社医療センターに助産師として入社→新卒採用コンサルティング・人材紹介のシンクトワイスで営業職→女性に向けたセルフケアのワークショップ企画等を行う団体を助産師仲間と設立し、個人でも活動→現職

経歴はこんな感じです。

私の場合ファーストキャリアが助産師なので、起点が学生時代に遡ります。

医学部在学中は、ちょっと変わった看護学生でした。クローズドな雰囲気の医学部キャンパスに留まるのが正直嫌でした。看護実習には真面目に取り組んでいたものの、自分で企画した学部を飛び越えたワークショップや九州規模の看護学生団体設立、性教育活動の方にモチベーションがありました。

でも助産師実習中はそれもできなくなる位、余裕がなかった。

「寝ても覚めても助産」

24時間休暇なしのオンコールの実習だったので、何時であろうが電話がかかってきたら20分以内にナース服に着替え、完全装備で産婦さんの前にいることがマスト。

10人の赤ちゃんを自分の手でとりあげるまでの5ヶ月間は、病院2km圏内からほぼ出られない & 毎日実習着で出歩く生活でした。

他の活動ができないくらい1つのことにのめり込むって、自分が本当にやりたいことじゃないとできないですよね。実習中は「助産師という仕事は私にとって天職なんだ」と心の底から思って目の前の妊産婦さんや赤ちゃんに接してました。

【助産師実習中に分娩介助を練習をしている時の様子】




そして、医学部卒業と同時に3つのライセンスを取得して上京したわけですが、

新卒入社した病院の分娩件数が、少子化への実感が持てないくらいとにかく凄まじかった。(総合病院としては日本一お産が多い病院で、年間分娩件数3000件越え。1日で10人もの赤ちゃんが生まれる日もあった・・)ので、毎日必死でした。妊娠期の入院患者をみる産前病棟にいたのですが、夜勤では多い時に4部屋16人くらいを担当してました。

「コウノドリ」の漫画やドラマをみられたことのある方はお分かりかと思いますが、本当に現場ではドラマ以上のことが起こります。死と生が行き交う緊張感のある現場で助産師をしながら感じたことは多々ありますが、日本における妊娠、出産、育児には大きな問題があると痛感したのはこのタイミングでした。

パッとあげただけでもこれくらい。

【臨床で感じてきた問題点】

①日本の男女は妊孕性(妊娠する力)に関する知識がなさすぎる(美容やアンチエイジングには興味があっても・・)
②妊娠・出産でキャリアを断絶せざるを得なかった女性の自己肯定感低下が著しい
③女性疾患合併妊娠の割合の高さ(子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症など)
④ソーシャルハイリスクの妊産婦・家族の多さ(経済的状況や家族関係、心理状態など)
⑤妊娠すること、産むことがゴールの不妊治療。ライフプランの欠如(中には50代で出産する方も)
⑥Webから情報をとる妊産婦は多いが、エビデンスのない信頼できない情報が多すぎる


このような問題は、臨床でプロフェッショナルになったとしても到底タッチできない問題だと痛感したんですよね・・。

大事なのは早期教育や妊娠出産前後の病院外の日常生活や職場環境だと思い、そこにアプローチしたいという気持ちを強くなったので臨床を2年で離れ、あえて病院外の環境に身を置くことにしました。長い目で、自身のプレゼンテーションスキルを上げていかねばということも感じていたので、転職先は「人に伝える」「人を介して成果を出す」営業職で数字で評価される環境を選びました。新卒採用コンサルティングの会社でRA・CA(リクルートアドバイザー・キャリアアドバイザー)両面を行いつつ、クライアントの組織フェーズに合わせた戦略的採用計画の全体設計や採用手法提案、人材紹介を行うソリューション型営業を行い、年間で通算 450 社ほどと接触、120社以上の採用支援と並行して500名以上の学生面談・就職支援をしてきました。企業人事と学生に年間1000名以上お会いする中で、日本の人事や役員・社長陣の方で新卒採用の段階から「女性雇用」や「産休・育休含めた長期目線でのキャリア形成」は上部だけだと語る会社も沢山みてきました。悲しいことに、日本企業は総じて、新卒一括採用の段階から既に男女差・学歴差で人を見ています。(もちろん、そうじゃない会社もあります!)

ビジネス経験0で入社して10 カ月目に営業リーダーになり、新卒含む3名の方のマネジメントも経験する中で、助産師スキルだけでなくビジネススキルを以て「母子領域」に立ち返り、for peopleだけでなくfor societyで成果を出したいと思うようになりました。そこで、仲の良い助産師と組んでワークショップや大学機関でのセミナー等を行ってきたのですが、事業としてグロースさせることの難易度の高さを思い知ったタイミングでコネヒトに出会いました。

#なぜコネヒトに入社した?

コネヒトへの入社理由は、「私が実現したいことがそのまま会社のミッションだったから」です。

ミッション:「人の生活になくてはならないものをつくる」(家族のライフイベントにおける意思決定をITの力でサポートする)

自分で試行錯誤してfor societyの活動頻度を増やしていたタイミングだったので、自分のビジョンと同じコネヒトの環境に飛び込むことで、組織の力を使ってやりたいことに拍車をかけられるという確信がありました。

入社して思ったのは、「ママの一歩を支える」というミッションが社風として根付いていることです。エンジニアをはじめとした開発陣、デザイナー、CS(カスタマーサクセス)、コンテンツ、ソーシャル、営業、コーポレート...etc、本当にみなサービス愛がすごい。会社横断的に多様なプロジェクトが複数走り、勤務形態を問わず手を挙げた人がプロジェクトを発足できる制度(クエスト)もあります。

時短勤務のママ社員もフルタイムの社員も、みな同様に生き生きと発信している環境です。





「Why(なぜやるのか)」が明確であれば、「How(どうやってやるのか)」はなんだっていいと思うのです。

医療現場もママリも、業界は違えど「Why」は一緒です。境界線を引く必要はないと思っています。私の場合、持っていたスキルの一つが助産師であっただけで、いまはWebメディアの人間として助産師経験を交えた企画提案をナショナルクライアントや総合広告代理店に行なっています。

ただ、残念なことに医療者が発信したい情報とWebメディアが発信している情報にはまだまだ乖離が大きいと感じています。この乖離を小さくすることが私がこの業界に足を踏み入れた一つの理由です。

#ママリで実現したいこと

ちなみにママリはどんなサービスかよく分からない方もいらっしゃるかと思いますので、下記記載しますね。

【ママリとは?】

■家族の課題が集まる場

「ママリ」は、2018年に出産した女性の3人に1人が利用するQ&A アプリです。

月間投稿数は200万件以上。質問への回答率は約95%。

約100秒でユーザーからアドバイスをもらうことができます(最頻値)。

育児の不安から保育園選び、再就職、住宅・保険の選び方まで。

「現代の家族が抱える課題」が集まり、ユーザー同士で支え合い解決する場となっています。

Webメディア「ママリ」と合わせて、月間閲覧数は約1.5億回。月間約700万人がママリを利用しています。 (※各数値は2019年3月時点)



助産師時代は目の前の対象者への助産ケア、今はメディアを介してより広い接点や影響力を持つことができているという実感があります。

ママリで実現したいことは、まさに助産師時代に感じていた問題の解決です。

【臨床で感じてきた問題点の払拭→ママリで実現したいこと】

①日本の男女は妊孕性に関する知識がなさすぎる(表面的な美容やアンチエイジングには興味があっても・・)

→男女両方への妊孕性(妊娠する力)に関する早期教育機会の創出

②妊活・妊娠・出産・育児でキャリアを断絶せざるを得なかった女性の自己肯定感低下が著しい

→ライフイベントに沿った継続的なキャリア形成支援

③疾患合併妊娠の割合の高さ(子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症など)

→予防医療視点のセルフケア推進事業。ハイリスクな妊娠過程(高血圧合併妊娠、糖尿病合併妊娠、切迫早産、多胎妊娠など)を歩むユーザーも安心して使い続けられるプラットフォーム創り

④ソーシャルハイリスクの妊産婦・家族の多さ(経済的状況や家族関係、心理状態など)

→地域間のつながりを創出。行政が継続的に妊産褥婦の状況をキャッチアップできるWeb上の接点創出

⑤妊娠すること、産むことがゴールの不妊治療。ライフプランの欠如(中には50代で出産する方も)

→多様な価値観のライフプランを描ける機会創出

⑥Webから情報をとる妊産婦は多いが、エビデンスのない信頼できない情報が多すぎる

→医療機関(医師・助産師)や行政との連携強化、女性や家族の為のインフラに

日本は、赤ちゃんが世界一安全に生まれる国です。でも、産後ケア後進国ですし、妊産婦死亡原因の第1位は自殺です。

ママリで目指せることは出生率を上げることもそうですが、妊産婦さんの「心の拠り所」となるコミュニティでメンタルヘルスの役割を担うところもあるなーと個人的には思ってます。

やっていることとしては、検索ワードや投稿データを分析し、行政や企業へフィードバックすることもしています。様々な投稿がビックデータ的に集まるので、ユーザーステイタスごとのインサイトをまとめられたり、地域データ等のセグメントでより細かなニーズを分析することができるのもコミュニティありきでできることです。

【『変えよう、ママリと』のアンケートで集まったコメント6,986件のテキストマイニング結果】

(『変えよう、ママリと』についてはこちら:https://change.mamari.jp/


このようなデータ含め、様々なアウトプットができている大きなファクターとしては、「エンジニアとの距離感が近い」ことがあります。

私は総合広告代理店やメーカー広報担当者の方をはじめとする外との向き合いが多いのですが、声をまとめてエンジニアに伝え、それをサービスに落としてもらうまでの一連をダイレクトに体感することができています。

コネヒトは優秀すぎるエンジニアやディレクターが沢山いる会社なので、自分の思ったことを率直に発信してもちゃんと拾ってもらえます。本当にしあわせな環境だなーと思ってます。

【エンジニア × セールスのランチ会の様子】※クライアントフィードバックをエンジニア陣に伝えてます



#ママリに抱く野望

私がママリに抱く野望はこの3つです。

①One of 媒体ではなく、コミュニティを生かした「インフラ」になること

②発言力やユーザー信頼性を生かし、メディア発信に止まらないコミュニティ発信の施策を生み出すこと

③家族を取り巻く全ての体験のハブとなること(大規模施策としてデジタルに閉じない、リアルへの出口を用意した仕掛け創り)


ここまで私の持論含め諸々放出してきましたが、一番お伝えしたいのは、

「自分の内にある火種」に目を向けること = Whyに気づくこと

です。これだけです。

私の場合はそれが助産師経験に紐づくものであり、それをママリというサービスであらゆるソリューションを使って進めているところです。

Whyが明確になると、Howがみえてくる。

さらに組織力が重なると拍車がかかります。

また、私は人生の節目が変わる毎に自分に問うてきた言葉があります。

「 怖がらなければ何ができる? 」

私のバイブル本でもある、シェリル・サンドバーグ著『 LEAN IN -女性、仕事、リーダーへの意欲- 』第1章に出てくる言葉です。

どんな業界にいる方も自分の内なる火種に忠実に、肩書きやポジションを飛び越えた自分らしい炎を燃え盛らせてほしいなと強く思います。わたしもがんばりまーす!

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