🔔2025年4月21日更新
今回は、フィデックス株式会社、エンジニア集団の最高技術責任者であるCTOに、改めてお話を伺いました。エンジニアからはもちろんのこと、部署問わず周りからとても頼りにされている、弊社にとって要となる存在です!
ー今までのキャリアを教えてください!
2008年04月~ SIerで主にJavaを利用したシステム開発
2017年10月~ マーケティング企業 (リードエンジニア)にてBtoC向けのシステム開発
2019年03月~ 受託企業 (CTO)としてLaravel (PHP)をベースにシステム開発
2021年01月~ FiDX (取締役CTO)に参画
私を一言で表すならば、「何事にもオタクで何事にもエンジニア」です。
エンジニアリングの世界に惹き込まれたきっかけは、小学4年生、10歳のときでした。
当時住んでいたマンションの父の本棚で偶然見つけた『こんにちはマイコン』という本に出会いました。その本は1982年に出版されたもので、私はまだ生まれてもいない時代のものです。
しかし、その内容はまるで現代を予言しているかのようで、ページをめくるたびに荒唐無稽でワクワクする未来予想図に引き込まれていき、「こんな面白い未来を自分でも創りたい!」という強い衝動に駆られました。当時、友人たちがスーパーファミコンに夢中だった頃、私は遊ぶ側ではなく作る側になりたいという気持ちを強く抱くようになりました。
高校時代にはゼッパチ(Z80 CPU)を使ったアセンブラプログラミングやC言語、C++などの授業があり、プログラミングを楽しんでいました。
高校卒業後は大学にすぐには進学せず、2年間ひたすらプログラミングに打ち込みました。
当時は、JavaのMIDP/DoJaプロファイルを用いたモバイルアプリ開発に熱中しており、日本で初めてEZアプリとしてリバーシを公開したほか、四川省、上海、マインスイーパー、テトリス、2ちゃんねるブラウザ「Gikolet」など、多様なアプリを開発しました。
大学に進学してからも、講義を含めて面白そうなことには何でも取り組みました。
例えば、後に私が自作することになるPython 3のJVM実装であるcafebabepyへとつながる形式言語学の講義や、現在の生成AIにもつながるニューラルネットワークにも没頭し、結果的に熱中しすぎて1年間留年しました。
卒業後はSIerで客先常駐、そして炎上プロジェクトに駆けつけて解決するプロデスマサバイバー(プロレスのデスマッチのように次々と現れる困難を乗り越えたサバイバー)として働き、組織、チームとして行うシステム開発のイロハ、そして精神的タフさを身につけました。
その後はマーケティング企業でScalaを用いた大規模システム刷新プロジェクトでリードエンジニアとして働き、初めて自社開発にチャレンジしました。さらにその後の受託企業のCTOとして経験を積み、現在はフィデックスで取締役CTOとして技術戦略や組織づくりを行っています。
ーご自身がエンジニアとして苦労したこと、辛かった経験を教えてください。
最も辛かった経験は、今(2025年4月)から十年以上前になりますが、1年間ほぼ休みなく、月の残業が200時間以上という極限状態の中で働き続けたことです。
毎日怒鳴られ、1時間おきに進捗を詰められ、精神的にも肉体的にも限界を超える状況が続きました。
自分の価値を完全に見失い、最終的には休職することになりました。
この壮絶な経験を経て、「組織は決して人間を消耗品にしてはならない」という強い信念を持つようになりました。また、当時の業務では問題を根本的に解決する時間や自由がなく、表面的な対応に終始せざるを得ない状況が続いていました。技術的な改善を追求したくてもできないストレスや、自分のエンジニアリングに対する価値観と現実のギャップが非常に辛かったです。この経験から、技術を楽しみ、本質的な問題解決に取り組むことの重要性を強く感じました。
現在の私は「仕組みで人を守る」ために、構造設計と技術戦略を一体で考えるようにしています。
ーフィデックスを選んだ理由は何ですか?/ FiDXに転職した理由を教えてください。
フィデックスを選んだ最大の理由は、「変化を恐れず挑戦し続ける姿勢」に強く共感したからです。
特にフィンテック分野のように変化の激しい領域では、既存の枠組みを壊し新しい価値を創り出すことが重要です。
私は、将来的に自分のアイデアやビジョンを事業化したいと考えており、FiDXがその夢を理解し、支援してくれる文化があることに魅力を感じました。
また、エンジニアとしての思想を受け入れてくれる環境であることも大きな決め手でした。
※フィデックス株式会社では、将来のキャリアを応援しています。
詳しくは「キャリアパス」「代表インタビュー」をご覧ください。
ーフィデックスの選考はどうでしたか?
私の場合、形式的な選考プロセスはありませんでした。
社長からお声がけいただき、これまでの実績や私の持つ技術的・経営的なビジョンについて深く議論を重ね、自然な流れでジョインしました。
技術スキルだけではなく、「思想や価値観が会社の目指す方向性とマッチするか」という点を重視しており、その点を丁寧に確認するプロセスを重ねました。
ーどのような業務を担当していますか?
取締役CTOとして、技術戦略の立案から実行、技術選定、開発環境整備、メンバー育成、採用まで、技術と経営の結びつきにまつわるあらゆることに関わっています。
私のミッションは、技術的な意思決定が数ヶ月後・数年後の事業の運命を決めるという視点で、「選択と集中」を組織全体に実装することです。
どの技術を選び、どこに投資するか。それを定めるのがCTOの戦略的責任だと考えています。
主要技術はPHP(Laravel)ですが、プロジェクトによってはKotlinやGo、TypeScriptなども取り入れています。メンバー自身が技術選定をする場面もあり、自律的なチーム運営を大切にしています。
現在、新規フィンテックサービスの開発において、コード生成AIエディタであるCursorを一部チームに導入しています。生産性向上には効果があるものの、「人によって効果がバラつく」という課題が浮き彫りになりました。そのため、MCPサーバーやDevcontainerでの標準化、ドキュメント整備などを進めることで、再現性ある運用に取り組んでいます。
私自身、CursorやCline、Devin、GitHub Copilot Agentといったツールを検証しており、特に、暴走列車のようなClineを使って「いかにvibe codingできるか」を模索しています。
それぞれのツールに癖はあるものの、最終的には人間がすべてを把握できるドキュメントがあればうまく活用できるという実感があります。オンボーディングで人間が全てをドキュメントで把握できるならば、コード生成AIもそれを読んで文脈を理解してコーディングをしてくれるからです。方法としては例えば、gitリポジトリにMarkdownのドキュメントを入れる、MCPサーバーを作るなど、色んな手段があります。
コード生成AI開発を組織論として抽象化すると、コードだけでなく、判断の背後にある文脈を形式知化することこそが、組織として再現性を持って成長する鍵だと考えています。
私は、CTOという立場もあり、これまで業務でコードを書く機会は意識的に控えてきました。
しかしコード生成AIの登場によって、状況は大きく変わりつつあると感じています。
AIを自分の分身として仕事を任せられる時代が現実になりつつあり、AI経由で私が手を間接的に動かすことの是非について、そして可能性と向き合いながら活用方法を模索しています。
コード生成AI導入は単なる効率化の施策ではなく、エンジニア組織全体の再構築プロジェクトだと位置づけています。属人性の排除、知識の形式知化、技術的判断の高速化。これらを一貫して推進するのが私の役割です。
人数で乗り切る時代はもう終わっていて、いかに組織に知を蓄積できるかが勝負になってきていると感じています。
ーフィデックスにジョインして、どのようなスキルが身につきましたか?
フィデックスにジョインして最も身についたのは、「技術とビジネスを結びつける力」です。
これまでは技術そのものを追求することが多かったのですが、フィデックスでは、技術がいかに事業に貢献し、最終的に会社の経営にどうつながるのかを常に意識するようになりました。技術を経営視点で捉えるようになったことで、自分の夢への道が広がったように感じています。
エンジニアから取締役CTOへの現在までを通じて私が得た最大のスキルは、「技術をコストではなく、事業成長のレバレッジとして捉える視点」です。たとえば、技術によってスピードが上がり、人的ミスが減り、再現性のある成果が生まれるなら、それは単なるコストではなく、事業成長の推進力そのものです。
ーフィデックスの社員はどのような方でしょうか。
フィデックスの社員は技術やビジネス、領域は違ってもそれぞれが自分の軸を持っています。
互いの得意分野を補い合って良いパズルのようにチームを形成しています。
自由で自律的な文化が浸透しており、立場や経験に関係なく、素直に技術や課題について率直に意見を交わせる文化があります。
「チャレンジ精神」と「素直さ」の両方を持ち合わせていることが、フィデックスの社員らしさかもしれません。
ーフィデックスの魅力を教えてください。
フィデックスの最大の魅力は、「自由」と「チャレンジ」をバランスよく兼ね備えた文化にあります。
クレドにもある「チャレンジ精神」を大切にしており、社員一人ひとりが自律的に動ける環境として、「まずはやってみる」「挑戦の機会を自らつかみに行く」といった前向きな姿勢を後押ししています。
また、会社全体として、締めるべきところは最低限しっかり締めつつも、基本的には自由な発想や行動を尊重しています。
さらに、社内の交流を深めるために部活動が活発で、フットサル部(元バスケ部)やゲーム部などがあり、部費支援も行われています。リフレッシュルームで大画面を使ってゲームを楽しんだり、食事を一緒に取ったりと、社員同士が楽しみながら自然にコミュニケーションを深められる環境があります。
……この記事を読んでくれているあなた、私たちと一緒にgeek部、立ち上げてみませんか?
※フィデックス株式会社は有志により部活動が設立されました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ーどのような方と一緒に働きたいですか?
技術に夢中になれる方、自ら積極的に動き出せる方と働きたいです。
特に、ただ指示を待つのではなく、「こうしたら面白いかも」「こんな技術を使ってみたい」といった自分の考えを持ち、それを周囲に発信できる方が理想です。
また、チームで仕事をする以上、互いに尊重しあえる人柄も大切にしています。そういった方々が集まれば、会社全体が自然と活気に満ちて、より良い成果を生み出せると信じています。
ーインタビューをご覧の方へメッセージをお願いします!
フィデックスは、技術とビジネスの接点で挑戦を楽しめる場所です。
ここには、自分のアイデアや夢を実現できる環境があります。
エンジニアリングを通じて世の中にインパクトを与えたい方、自分の可能性を試したい方、そして何より技術にワクワクできる方。そんなあなたと一緒に会社を成長させていきたいと考えています。
技術で未来を変える仲間を私たちは心から歓迎します。あなたの「情熱」を、ぜひフィデックスに思い切りぶつけてください!
現在弊社では、「中途エンジニア」と「マネージャー」の採用を積極的に行なっております。
今以上にスキルを伸ばしたい方。
これまでの開発経験を、金融という新たなフィールドで発揮してみたい方。
などなど、大歓迎です!
もし、少しでもご興味がございましたら、下記の募集記事よりお気軽にご応募ください!
是非、一緒に理想のキャリアを目指しましょう!ご応募お待ちしております!
弊社オウンドメディアでは、AIを利用した記事を公開しています。
金融・不動産業界の動向から技術など、業界に関わっている弊社ならではの視点で
1記事約5分で分かりやすく解説していますので、ぜひご覧ください!
=========================================
皆さまも日常や仕事で、生成AIを利用されることがあるかと思いますが、弊社でも
業務に利用することで、「自身の能力を拡張」し、AIに振り回されるのではなく
自分たちの意思で技術を使いこなせるよう目指しております。
詳細は下記ストーリー記事にて、今後の展望として紹介しておりますので、ぜひご確認ください!